当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2017年1月21日放映のめちゃイケである。「ナンパ駅伝」という企画である。

 全体を通して箱根駅伝のパロディとなっていたが、岡村が監督を務める芸人5人のチームと綾野剛とが渋谷でナンパ対決を行い、そのタイムを競うという企画である。芸人チームは5人がタスキをつなぎながら代わる代わるナンパを行っていくが、綾野は「全区間」を1人で「独走」しなければならない。

 この「タスキをつなぐ」という設定もそうだが、実況や中継を行う佐野アナ・倉田アナが終始スポーツ番組のようにクソ真面目な雰囲気でしゃべっているところとか、出場者が意気込みを語るVTRのテイストとか、「1区」から「5区」といった名称など、箱根駅伝に寄せてある部分はレベルが高かった。ただ、箱根駅伝を知らなくてもおもしろいというレベルにはなかったとは思う。まあ、箱根駅伝なら多数派は見ているだろうからいいんだろうか。

 肝腎の「ナンパ」の部分だが、やっぱり失敗して無様なところを見せないとおもしろくない。でも綾野も芸人チームもとにかく成功までが早かったので、そこまでおもしろい部分はなかった印象である。芸人たちは、ナンパの能力に主軸を置かれて人選されたためか、芸人としては全体的に小粒であり(パンサー・クマムシ・コロチキ・ピスタチオ・とろサーモン)、ガヤもほとんど使われていなかった。「顔の綾野vs話術の芸人」というナレーションの煽りが空しく響いていた状態である。

 まあかといって、岡村みたいな分かりやすい人が無様にナンパに失敗している様子を放映されても、筆者は苦しくて見ていられない。ただこれは、好みの問題である。

 なんというか、「綾野剛がナンパに挑む」という企画の上っ面のおもしろそうな感じだけで番組を作ってしまった感が強かった。もっと、綾野に対抗する芸人たちの無様さ・ずるがしこさを全面に出しておもしろくなるような工夫をしてほしい。そこが、圧倒的に足りない。その点最後に綾野がナンパに成功した女性を更にナンパしようとして、自分がナンパしたかのような表情で堂々と一緒に帰ってきた久保田を褒め称えたい。「運動神経悪い芸人」の野球対決で芸人たちが数々見せるズルのようなものをもっと入れ込んでいかないと、笑うポイントがどんどん少なくなってしまう。

 ガチで勝負したら、ただのスポーツである。スポーツもエンターテインメントにはなり得るが、笑いとは違う種類のエンターテインメントである。笑いは、その先にある。

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