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 2017年12月29日放映の「朝まであらびき団SP あら-1グランプリ2017」を見た。去年(2016年12月28日放映)に引き続き、年末に放映されたあらびき団の復活スぺシャルである。今年の夏(2017年7月13日放映)にもやっていたようだが、筆者はこちらは見ていない。

 今回のオンエアは、「あら-1グランプリ」と銘打ち、出場者のネタのナンバーワンを決めるという触れ込みだったが、別にこれは真剣なコンテストではない。コンテストと審査の仕組みは笑いを生み出すための一つのギミックに過ぎず、決勝への進出者も優勝者も東野が独断で決めていたので、公正妥当な基準で審査をして一番おもしろいネタを決める番組というわけではなかった。現に東野は「ケツが見たい」という理由で決勝進出者を選んだり当初のルールを無視して決勝進出者を1人多く選んだりして笑いを呼び起こしていた。

 さて番組の方は、正直去年のスペシャルよりおもしろくなかった。ネタを披露したのは実に総勢48組のパフォーマーだったが、少し多すぎたのか、一番おもしろいはずの東野と藤井のコメントにそんなに尺が割かれていなかった印象がある。あらびき団は、おもしろくない芸・ヘタクソな芸を集めてそのヘタクソっぷりを笑う番組である。ヘタクソさにツッコミを入れてそれを視聴者に気付いてもらい、笑いを呼び起こすのはネタを見た後の東野と藤井の役目なので、2人の感想コメントを見て初めて映像作品としては完結する。今回は少しそのバランスが悪く、ネタに時間を割き過ぎていた感じがした。

 それとあらびきパフォーマーたちも、通常放送時代の番組を支えていた面々や去年のスペシャルにも出てきた人たちが多く、そんなに新鮮味がなくなっている。この番組はスベリ・ヘタクソといった天然ボケを笑う番組だが、天然キャラにもボケ方にパターンがあるため、ずっと同じ人を見ていると視聴者がボケ方のパターンみたいなものに気が付いて、その語の展開が予想できてしまう。笑いで大事なのは裏切りから来るズレなので、その状態に陥ってしまうと笑いを阻害すること甚だしい。
 3度目があるなら、もっと新しいスターを発掘していった方がいいだろう。それをやるには大規模なオーディションをやったり、地下の劇場に通ったりする労を惜しんではならない。あらびき団はそういう裏の労を惜しむ番組ではないので、今回はたまたま分かりやすい新星が見つからなかったということだろう。

 次に、期待したい。

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