2018年2月8日放映のアメトーークを見た。今回は「しゃべり出し決まってるトーーク」という新企画だった。
スタジオに集められた芸人がクジを引き、そのくじに書いてある「しゃべり出し」からトークを始めなければならないという企画である。実際のしゃべり出しには「思わず叫んでしまったんですが…」「テレビで初めて言うんですけど…」というやりやすそうなやつから「日本昔ばなしみたいなことがあったんですが…」というやりにくそうなやつまで色々と用意されていた。
この番組には「立ちトーーク」というテーマフリーで芸人がエピソードトークをつなげていく企画があるが、それのしゃべり出しを制約されたバージョンだと思えば間違いはない。ルール上、しゃべり出しさえ守ればあとは何を言うかは(立ちトーークと同じように)自由である。
ただ、今回のオンエアを見てもしゃべり出しを制約したことで特におもしろさの向上につながっていたとは思えない。しゃべり出しにピッタリのエピソードが飛び出しても、若干「おお」と感動はできるが笑いが増えるわけではない。ズレが何にもないからである。こういう制約は、「その制約をきちんと守らない」というズルをされてこそそれがズレになり、笑いにつながるものである。
「人志松本の○○な話」という番組には「ゾッとする話」というコーナーがあった。これはその名の通り怖い話を集まった芸人が順々に披露していく企画なのだが、全然怖くない話をして笑いをとる芸人たちがちょこちょこ存在した。これがおもしろいのは、「ゾッとする話」というテーマの制約がある中で、それを守っていないというズレがあるからである。そして、そのズレへのツッコミが現場にいる松本やジュニアからしっかりと入るからである。
今回は「ゾッとする話」でもふざけて笑える話を披露していたザキヤマやケンコバがいたし、ツッコミ役には宮迫も控えていたのでそういうパフォーマンスを期待したかったが、ほとんど見られなかったというのが正直なところである。中岡や川原はしゃべり出しに沿った話ができていなかったが、語り口がオドオドしていたうえに中途半端にしゃべり出しに合わせようとしてしまっており、ただスベるだけという悲惨な状況に陥っていた。この2人の話はしゃべり出しにも中途半端にしか合わないので感動も起きず、最悪のどっちつかずであった。テーマからわざと外すなら、ザキヤマやケンコバのように堂々と自信ありげに語らないといけない。その口ぶりを見た客は、「そこまで自信があるなら多分、テーマにピッタリなんだろうな」と思ってくれる。これがフリになって、「話を最後まで聞いてみたら実際は全然テーマに沿っていなかった」というズレが際立つのである。
試み自体はいいと思うので、第2弾をやるならこのあたりを意識して改善して欲しい。アメトーークはテーマに沿ったトークがどうしても中心になってしまい、そのテーマからわざと外すというズレの喚起はそれこそケンコバやザキヤマぐらいしかやらないのである。テーマから逸れることで起きる笑いを忌避しているから、「ゾッとする話」に勝てないのである。この企画は、トークテーマの行き過ぎた遵守という番組の姿勢を見直す画期になり得る。
スタジオに集められた芸人がクジを引き、そのくじに書いてある「しゃべり出し」からトークを始めなければならないという企画である。実際のしゃべり出しには「思わず叫んでしまったんですが…」「テレビで初めて言うんですけど…」というやりやすそうなやつから「日本昔ばなしみたいなことがあったんですが…」というやりにくそうなやつまで色々と用意されていた。
この番組には「立ちトーーク」というテーマフリーで芸人がエピソードトークをつなげていく企画があるが、それのしゃべり出しを制約されたバージョンだと思えば間違いはない。ルール上、しゃべり出しさえ守ればあとは何を言うかは(立ちトーークと同じように)自由である。
ただ、今回のオンエアを見てもしゃべり出しを制約したことで特におもしろさの向上につながっていたとは思えない。しゃべり出しにピッタリのエピソードが飛び出しても、若干「おお」と感動はできるが笑いが増えるわけではない。ズレが何にもないからである。こういう制約は、「その制約をきちんと守らない」というズルをされてこそそれがズレになり、笑いにつながるものである。
「人志松本の○○な話」という番組には「ゾッとする話」というコーナーがあった。これはその名の通り怖い話を集まった芸人が順々に披露していく企画なのだが、全然怖くない話をして笑いをとる芸人たちがちょこちょこ存在した。これがおもしろいのは、「ゾッとする話」というテーマの制約がある中で、それを守っていないというズレがあるからである。そして、そのズレへのツッコミが現場にいる松本やジュニアからしっかりと入るからである。
今回は「ゾッとする話」でもふざけて笑える話を披露していたザキヤマやケンコバがいたし、ツッコミ役には宮迫も控えていたのでそういうパフォーマンスを期待したかったが、ほとんど見られなかったというのが正直なところである。中岡や川原はしゃべり出しに沿った話ができていなかったが、語り口がオドオドしていたうえに中途半端にしゃべり出しに合わせようとしてしまっており、ただスベるだけという悲惨な状況に陥っていた。この2人の話はしゃべり出しにも中途半端にしか合わないので感動も起きず、最悪のどっちつかずであった。テーマからわざと外すなら、ザキヤマやケンコバのように堂々と自信ありげに語らないといけない。その口ぶりを見た客は、「そこまで自信があるなら多分、テーマにピッタリなんだろうな」と思ってくれる。これがフリになって、「話を最後まで聞いてみたら実際は全然テーマに沿っていなかった」というズレが際立つのである。
試み自体はいいと思うので、第2弾をやるならこのあたりを意識して改善して欲しい。アメトーークはテーマに沿ったトークがどうしても中心になってしまい、そのテーマからわざと外すというズレの喚起はそれこそケンコバやザキヤマぐらいしかやらないのである。テーマから逸れることで起きる笑いを忌避しているから、「ゾッとする話」に勝てないのである。この企画は、トークテーマの行き過ぎた遵守という番組の姿勢を見直す画期になり得る。
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