当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2019年3月7日放映のアメトーークを見た。テーマは「実家ビンボー芸人」であった。
 
 まあ、貧乏な実家の悲哀をおもしろおかしく語るのがメインテーマなので、昔からよくある笑いのとり方である。松本人志も自著で「貧乏」をおもしろい人の一条件に挙げていたが、貧乏が生む「普通の家庭」からの乖離は笑いの元になるズレそのものである。矢部の実家の貧しさもめちゃイケでよく話題になっていた。

 ただ貧乏自虐としてはよく聞くような話ばっかりだったのでそんなに新鮮味がなかったのと、貧乏の程度がひどくて若干引いてしまうレベルに達していたのは良くはなかった。

 あと気になったことは、箇条書きにしておく。
・兼近は、今回みたいな局面では普通にしゃべった方がいい。貧乏自虐をするのだからあの独特なキャラを出されると趣旨(笑いのメインテーマ)がブレブレになる。兼近がしゃべるクダリには編集で笑い声が足されているような感じがプンプンと漂っていた(確証はない)。
・モダンタイムスの川崎は、もしかしたら売れるかもしれない。ちゃんとフリに答えられていたし、キャラも結構しっかりしている。
・実家に取材に行っても良かったのではないかと思う。水曜日のダウンタウンの貧乏特集は、それぐらいのことはやっていた。確かに、カメラを出しても撮れ高が読めないうえに、現物の画を出したら視聴者を更に引かせてしまう危険性もあるのだが、おもしろいものが撮れる可能性はあるのだから、手間を惜しむのは良くないだろう。場合によっては雛壇の面々の家族を出しても良かったと思うが、そういうのも一切なかった。取材をしていないからこそ、おもしろい家族や家族からのおもしろ貧乏話も発掘できていないのだろう。
・どうせならなぜ貧乏になったのかを芸人たちに語って欲しかった。片親の家は「片親だから」と貧乏な理由も想像がつくのだが、両親が揃っている家庭がなぜ貧困に陥ったのかには純粋に興味がある。そしてそこも、「病気」みたいな可哀想な理由でない限りはひと笑いとれるポイントだろう。もしかしたら、実家が貧乏な理由は本人もよく分かってないのかな。

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