当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2019年4月11日放映のアメトーークを見た。今回は「お母さん大好き芸人」だった。

 ひな壇の面子は20代が中心の若手で固められていたが、新年度一発目のアメトーークということで新学期の初回の授業みたいなぬるい出来だった。
 OAではひな壇の「お母さん大好き芸人」たちがお母さんを溺愛しているエピソードを順々に披露していたが、それが一つずつ積み重ねられていくだけの「足し算」の回だった。「良くない回」の典型である。せっかく全員がスタジオに集まっているのだから、人の話を広げたりそれに乗っかったりということをやらなければダメである。エピソードトークは、単発ではそれほどおもしろいものではないのである。
 特に今回は(「お母さん大好き芸人」のみならず)お母さん本人のおもしろ話も数々飛び出ていたので、お母さんそのものの画をもっと見せて欲しかった。お母さんがおもしろいのであれば、前述のように「エピソードトーク」という形で間接的(イデア的)に伝えられるよりは、モノホンのお母さんの映像を出した方が絶対におもしろくなるはずである。番組側も芸人からお母さんのエピソードを事前に収集した段階で、お母さんにウラをとる形で取材ができたはずなのである。そのウラとりの模様はほとんどOAには出てこなかったので、おそらく「やったけど(芸人自身の口から語られる以上に)おもしろくはなかった」ということだとは思う(「やってない」とはあんまり思いたくない)が、そうだとすると結局芸人がお母さんのおもしろさを盛って語っていることになってしまう。その「嘘」が背後に垣間見えて、なかなかに白けてしまった。

 こういう回をやると高橋維新から「全員別撮りのVTR出演で済んだ」と言われてしまうのである。
 MCの向かって左にいた礼二が草薙や後藤(四千頭身)に絡んでいくシーンはかすかに「乗っかり」や「広がり」が見られた(若干台本の存在も臭ったが、確証はない)ので、こういうのをもっと増やして欲しい。台本で決められた自分の「番」が来たら用意しておいた話をして終わり、ではこの集団から抜けていけない。

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