THE Wを初めて見ました。毎年放送後には「高橋維新のページ」のアクセス数がちょっとだけ上がるので、私が何かしらの感想を書くことを期待している人が少しはいるのだろうなあとは思っていたのですが、特に理由もなく見ていませんでした。
まあ、大会から売れっ子も出るようになってだんだん格もついてきたので、今年は見ることにしました。
1.TEAM BANANA
いくよくるよみたいに向かって左の藤本のデブをいじるボケを山田が繰り出していく漫才でした。
まず山田もちょっとぽっちゃりしているので、そこをイジってくれないとモヤモヤしたまんまネタを見なければなりません。イジらずに進めるのであればもっと痩せるべきだと思います。
2人とも演技はちゃんとできているのですが、綺麗すぎて人間味が見えてきません。漫才中のキャラを上っ面で演じているだけで見えてしまうので、2人の根っこのところの人間性が分からないのです。それは多分、「綺麗すぎる」と言うよりは、まだまだ演技を磨く余地があるということなんでしょう。本物の芸人は演じながらも人間味を滲ませることができます。「演技ではないんだよ」と客に勘違いをさせる演技をすることができます。
あとまあ、デブの女芸人はたくさんライバルがいるので、テレビに食い込んでいけるかというと難しいと思います。前述のとおり、デブ以外のキャラはあんまり見えてきませんでした。
2.オダウエダ
最後にはウエダの目が飛び出るというかなりサイコなコントでした。ただ、作り物の狂気であることは見え見えですね。「普通の人が頑張って考えた変さ」を抜け出られていません。2人とも棒読み気味なこともこの傾向に拍車をかけています。
3.にぼしいわし
向かって左のにぼしが雲梯を発明した「ヤマモト」なる奇矯な女性を演じるネタでした。相方のいわしは、雲梯で遊ぶ子供を演じるツッコミ役です。
「ヤマモト」はしゃべり方からして変な分かりやすいピエロなんですが、にぼしは設定に入る前の段階から同じしゃべり方でした。素でああいうしゃべり方だとは思えないんですが、設定に入る前は普通にしゃべった方がヤマモトの変さが際立つと思います。
というか、そういう話が細かい話に思えるほどにネタ中のボケのクオリティが低かったと思います。大喜利力が低かったのです。変なしゃべり方さえしておけば中身は多少いい加減でもウケるだろうというのが透けて見えてしまいます。
2人の芝居もうまくありません。わざとやっていることが見え見えなので、いわしの「こわい」というツッコミが空しく響きます。見ているこっちとしてはヤマモトがひたすら上滑りしているので別段怖いとも思えないからです。いわしの怖がる演技さえヘタです。
どこから手をつけたものかわかりませんが、一つ一つ直していくしかありません。
4.紅しょうが
向かって左の熊元は分かりやすいぽっちゃり体型で、向かって右の稲田がシュッとした見た目のツッコミというこれまたいくよくるよみたいなコンビでした。TEAM BANANAとカブっています。
コンビ間のコントラストをはっきりさせるために稲田はもうちょい絞った方がいいと思います。たまに見える二重顎が少し気になります。
それと稲田のツッコミは全体的に弱めで落ち着いたトーンだったのですが、熊元のボケは「デブスなのに自信過剰」というベッタベタな内容なので、もうちょっと強めでコテコテのツッコミをやった方が合う気がします。熊元が自分のボケに自分でツッコむ展開も何度かあり、美容院で一人で騒いでるだけの痛々しい人に見えてしまいました。
あとはまあ、この設定であれば、実在の美容院に2人でロケに行って、実在の美容師さんに熊元がセクハラをかまし、それに対して稲田がツッコミを入れるという構図の方がおもしろいと思います。これは漫才というフォーマットの限界です。
5.ターリーターキー
まず、冒頭のフリが長いです。それ自体は良いことでも悪いことでもありませんが、長いフリの割りに最初のボケからのもらいが少ないです。
社長と部下という設定のコントだったのですが、社長がやっていたプロジェクトを部下に任せたら一瞬で失敗したというのが最初のボケでした。そもそも会社のやっているプロジェクトというのはそんな一瞬で成否が決まるようなもんではないと思います。ナレーションで「プロジェクトは失敗した」とだけ言われても、全くリアリティがありません。小学生の考えた替え歌みたいに浅薄です。もっと部下がやったポカの内容をもっと具体的に考えた方がいいと思います。その後も笑いどころの絶対数が少なかったので、見ているのが辛かったです。
あと社長役の玉のツッコミはヘタです。怒る演技も慌てる演技もできていません。
6.Aマッソ
スクリーンを背にプロジェクターで色々と映像やらテロップやらを出しながらやる斬新な漫才でした。
ただ別に、そこまで斬新ではないと思います。スクリーンに映し出されるイラストやらテロップやらはテレビが編集で足しているものとほとんど変わりはありませんでした。テレビ屋が漫才を編集したらこんな感じになるだろうなあという以上のものではなかったです（実際は後からの編集で芸人の本ネタをイジることはそんなにないでしょうから、漫才的な掛け合いやフリートークに対する編集を想像してください）。映像は事前に作ったものであり、尺が決まっているようなので、漫才もその映像に合わせて展開させざるを得ないもののようです。そうなると、映像と漫才が少しでもズレてしまうと何が何だか分からなくなるので、ひとつのハプニングで全てが台無しになります。本番中のAマッソは、台本を粛々と進める以上のことはできません。これには�．▲疋螢屬�入れられない�△匹Δ靴討皹藜圓�緊張するので固くなる��ハプニングを笑いに変えられないといった欠点があります。であるからには、後からの編集という手法により�´↓Ａ瓦討侶臈世鯤Э，任�るできるテレビの方が優れていると私は思います。
7.ゆりやんレトリィバァ
カツオのモノマネを延々やっていたネタでした。モノマネのクオリティはかなり高かったと思います。
しゃべっていた内容は、ゆりやんがR-1でのネタで見せたような「あるある」的な内容かなあとも思ったんですが、そんなこともなく、特にネタネタした中身でもなかったです。カツオのモノマネでわけの分からないことを延々としゃべるというネタになっていたと思います。やっていることがずっと同じなので、見ているうちに飽きてしまいました。バズるネタを数々生み出してきたゆりやんなので、何か起こるかなあとずっと期待していたのですが、最初の期待がピークでした。まあ、本人がやりきったのであればいいのではないでしょうか。
8.吉住
芝居はうまかったですね。はなしょーの2人と同じくらいうまかったです。演技力ではこの3人が図抜けていました。
女審判っていう設定を見つけられた時点で勝っていたんだと思います。あとは好みの問題ですが、その設定ありきの笑いどころがほとんどだったので、欲を言えば変化が欲しかったです。
9.はなしょー
前述のとおり芝居はうまかったです。設定は、「実は心の優しいヤンキー」っていう昔からあるものでしたが、確かな演技力に支えられていたので見ていられました。
10.ぼる塾
ぼる塾のネタは初めて見ました。
あんりは、毒づく時はいいんですが、田辺さんをフォローするときの演技がイマイチです。きりやには毒づいて、田辺さんには優しく接するという対比を重ねてからの最後の田辺さんへの痛打で大きく笑いをとるネタなので、田辺さんへのフォローが嘘くさく見えると損しかないです。もう少し演技を磨いてください。
田辺さんは、何から何まで変なんですが、間が甘いです。全体的にもうワンテンポ早くした方がいいですが、何から何まで変なので、あの妙な間もキャラに合っていていいんじゃないかなあと思える部分もなくはないんです。いや、やっぱり甘やかしてはいけないと思います。
きりやも間をもうワンテンポ早くした方がいいです。演技ももっと磨けますねえ。田辺さんとは対立する役回りなので、田辺さんの発言の時に笑っちゃダメだと思います。
＜最終決戦＞
1.吉住
1本目と同じく本人の高い演技力に下支えされたネタでした。ボケがずっと似たようなものだったというのも1本目と同じです。
あと、これは個人的な好みの話ですが、「拳銃強盗の人質になっている」という設定ではしゃいでいたら最後に撃たれるという展開は少々陳腐かと思います。もう少し、裏切りが欲しいです。あとは、ちょっと設定が怖いのでそれが笑いを阻害している気がします。
2.紅しょうが
1本目よりはおもしろかったですね。やっぱりツッコミはもう少し強めの方が熊元のパワフルなボケに合う気がします。
<総評>
AブロックとBブロックに実力差がありすぎました。決勝はBブロックの5組だけで良かったと思います。
とはいえ、今大会で漫才を披露した出場者は全員がM-1では準々決勝までで敗退しています。やっぱり、まだまだ大会のレベルが低いです。やめるのは簡単な一方、レベルを上げるには耐え忍んで歴史を積み重ねていくしかないので、頑張ってください。
それとネタ以外の余計なシーンが多すぎです。笑いにつながっていたわけでもないので、全体的に番組をもう少しコンパクトにできると思います。
まあ、大会から売れっ子も出るようになってだんだん格もついてきたので、今年は見ることにしました。
1.TEAM BANANA
いくよくるよみたいに向かって左の藤本のデブをいじるボケを山田が繰り出していく漫才でした。
まず山田もちょっとぽっちゃりしているので、そこをイジってくれないとモヤモヤしたまんまネタを見なければなりません。イジらずに進めるのであればもっと痩せるべきだと思います。
2人とも演技はちゃんとできているのですが、綺麗すぎて人間味が見えてきません。漫才中のキャラを上っ面で演じているだけで見えてしまうので、2人の根っこのところの人間性が分からないのです。それは多分、「綺麗すぎる」と言うよりは、まだまだ演技を磨く余地があるということなんでしょう。本物の芸人は演じながらも人間味を滲ませることができます。「演技ではないんだよ」と客に勘違いをさせる演技をすることができます。
あとまあ、デブの女芸人はたくさんライバルがいるので、テレビに食い込んでいけるかというと難しいと思います。前述のとおり、デブ以外のキャラはあんまり見えてきませんでした。
2.オダウエダ
最後にはウエダの目が飛び出るというかなりサイコなコントでした。ただ、作り物の狂気であることは見え見えですね。「普通の人が頑張って考えた変さ」を抜け出られていません。2人とも棒読み気味なこともこの傾向に拍車をかけています。
3.にぼしいわし
向かって左のにぼしが雲梯を発明した「ヤマモト」なる奇矯な女性を演じるネタでした。相方のいわしは、雲梯で遊ぶ子供を演じるツッコミ役です。
「ヤマモト」はしゃべり方からして変な分かりやすいピエロなんですが、にぼしは設定に入る前の段階から同じしゃべり方でした。素でああいうしゃべり方だとは思えないんですが、設定に入る前は普通にしゃべった方がヤマモトの変さが際立つと思います。
というか、そういう話が細かい話に思えるほどにネタ中のボケのクオリティが低かったと思います。大喜利力が低かったのです。変なしゃべり方さえしておけば中身は多少いい加減でもウケるだろうというのが透けて見えてしまいます。
2人の芝居もうまくありません。わざとやっていることが見え見えなので、いわしの「こわい」というツッコミが空しく響きます。見ているこっちとしてはヤマモトがひたすら上滑りしているので別段怖いとも思えないからです。いわしの怖がる演技さえヘタです。
どこから手をつけたものかわかりませんが、一つ一つ直していくしかありません。
4.紅しょうが
向かって左の熊元は分かりやすいぽっちゃり体型で、向かって右の稲田がシュッとした見た目のツッコミというこれまたいくよくるよみたいなコンビでした。TEAM BANANAとカブっています。
コンビ間のコントラストをはっきりさせるために稲田はもうちょい絞った方がいいと思います。たまに見える二重顎が少し気になります。
それと稲田のツッコミは全体的に弱めで落ち着いたトーンだったのですが、熊元のボケは「デブスなのに自信過剰」というベッタベタな内容なので、もうちょっと強めでコテコテのツッコミをやった方が合う気がします。熊元が自分のボケに自分でツッコむ展開も何度かあり、美容院で一人で騒いでるだけの痛々しい人に見えてしまいました。
あとはまあ、この設定であれば、実在の美容院に2人でロケに行って、実在の美容師さんに熊元がセクハラをかまし、それに対して稲田がツッコミを入れるという構図の方がおもしろいと思います。これは漫才というフォーマットの限界です。
5.ターリーターキー
まず、冒頭のフリが長いです。それ自体は良いことでも悪いことでもありませんが、長いフリの割りに最初のボケからのもらいが少ないです。
社長と部下という設定のコントだったのですが、社長がやっていたプロジェクトを部下に任せたら一瞬で失敗したというのが最初のボケでした。そもそも会社のやっているプロジェクトというのはそんな一瞬で成否が決まるようなもんではないと思います。ナレーションで「プロジェクトは失敗した」とだけ言われても、全くリアリティがありません。小学生の考えた替え歌みたいに浅薄です。もっと部下がやったポカの内容をもっと具体的に考えた方がいいと思います。その後も笑いどころの絶対数が少なかったので、見ているのが辛かったです。
あと社長役の玉のツッコミはヘタです。怒る演技も慌てる演技もできていません。
6.Aマッソ
スクリーンを背にプロジェクターで色々と映像やらテロップやらを出しながらやる斬新な漫才でした。
ただ別に、そこまで斬新ではないと思います。スクリーンに映し出されるイラストやらテロップやらはテレビが編集で足しているものとほとんど変わりはありませんでした。テレビ屋が漫才を編集したらこんな感じになるだろうなあという以上のものではなかったです（実際は後からの編集で芸人の本ネタをイジることはそんなにないでしょうから、漫才的な掛け合いやフリートークに対する編集を想像してください）。映像は事前に作ったものであり、尺が決まっているようなので、漫才もその映像に合わせて展開させざるを得ないもののようです。そうなると、映像と漫才が少しでもズレてしまうと何が何だか分からなくなるので、ひとつのハプニングで全てが台無しになります。本番中のAマッソは、台本を粛々と進める以上のことはできません。これには�．▲疋螢屬�入れられない�△匹Δ靴討皹藜圓�緊張するので固くなる��ハプニングを笑いに変えられないといった欠点があります。であるからには、後からの編集という手法により�´↓Ａ瓦討侶臈世鯤Э，任�るできるテレビの方が優れていると私は思います。
7.ゆりやんレトリィバァ
カツオのモノマネを延々やっていたネタでした。モノマネのクオリティはかなり高かったと思います。
しゃべっていた内容は、ゆりやんがR-1でのネタで見せたような「あるある」的な内容かなあとも思ったんですが、そんなこともなく、特にネタネタした中身でもなかったです。カツオのモノマネでわけの分からないことを延々としゃべるというネタになっていたと思います。やっていることがずっと同じなので、見ているうちに飽きてしまいました。バズるネタを数々生み出してきたゆりやんなので、何か起こるかなあとずっと期待していたのですが、最初の期待がピークでした。まあ、本人がやりきったのであればいいのではないでしょうか。
8.吉住
芝居はうまかったですね。はなしょーの2人と同じくらいうまかったです。演技力ではこの3人が図抜けていました。
女審判っていう設定を見つけられた時点で勝っていたんだと思います。あとは好みの問題ですが、その設定ありきの笑いどころがほとんどだったので、欲を言えば変化が欲しかったです。
9.はなしょー
前述のとおり芝居はうまかったです。設定は、「実は心の優しいヤンキー」っていう昔からあるものでしたが、確かな演技力に支えられていたので見ていられました。
10.ぼる塾
ぼる塾のネタは初めて見ました。
あんりは、毒づく時はいいんですが、田辺さんをフォローするときの演技がイマイチです。きりやには毒づいて、田辺さんには優しく接するという対比を重ねてからの最後の田辺さんへの痛打で大きく笑いをとるネタなので、田辺さんへのフォローが嘘くさく見えると損しかないです。もう少し演技を磨いてください。
田辺さんは、何から何まで変なんですが、間が甘いです。全体的にもうワンテンポ早くした方がいいですが、何から何まで変なので、あの妙な間もキャラに合っていていいんじゃないかなあと思える部分もなくはないんです。いや、やっぱり甘やかしてはいけないと思います。
きりやも間をもうワンテンポ早くした方がいいです。演技ももっと磨けますねえ。田辺さんとは対立する役回りなので、田辺さんの発言の時に笑っちゃダメだと思います。
＜最終決戦＞
1.吉住
1本目と同じく本人の高い演技力に下支えされたネタでした。ボケがずっと似たようなものだったというのも1本目と同じです。
あと、これは個人的な好みの話ですが、「拳銃強盗の人質になっている」という設定ではしゃいでいたら最後に撃たれるという展開は少々陳腐かと思います。もう少し、裏切りが欲しいです。あとは、ちょっと設定が怖いのでそれが笑いを阻害している気がします。
2.紅しょうが
1本目よりはおもしろかったですね。やっぱりツッコミはもう少し強めの方が熊元のパワフルなボケに合う気がします。
<総評>
AブロックとBブロックに実力差がありすぎました。決勝はBブロックの5組だけで良かったと思います。
とはいえ、今大会で漫才を披露した出場者は全員がM-1では準々決勝までで敗退しています。やっぱり、まだまだ大会のレベルが低いです。やめるのは簡単な一方、レベルを上げるには耐え忍んで歴史を積み重ねていくしかないので、頑張ってください。
それとネタ以外の余計なシーンが多すぎです。笑いにつながっていたわけでもないので、全体的に番組をもう少しコンパクトにできると思います。
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