当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2020年の「笑ってはいけない」です。

<過去記事>
2019.12.31ガキの使い 笑ってはいけない
2018.12.31ガキの使い 笑ってはいけない
2017.12.31ガキの使い 笑ってはいけない
2016.12.31ガキの使い 笑ってはいけない

 いやあ、ひどかったですね今年は。ひどかったので書くことがいっぱいありますよ。
 イマイチだった去年を下回る出来でした。「笑ってはいけない」シリーズの中でも最もおもしろくない作品になったと思います。
 コロナの影響でできることに色々制約があったのは分かります。「上島と出川の体張り対決」はものすごく縮小された形になっていましたし、スタジオでのサブ出しもやっていないと思われます(その映像が一切ありませんでした)。そのうえ過去の名場面をクイズ形式にして放映するという焼き直しのコーナーがかなり長い時間ありました。こうでもしないと尺が稼げなかったのであろうと推察します。毎年ほぼ恒例だった「未公開映像を寄せ集めた特番」も今年はなさそうでしたからね(去年までは最後に告知がありましたが、今年はありませんでした)。ただ、旧作を再放送されたところで気持ちよくは笑えません。特に去年の天海祐希のコーナーなんか今年最後の通常放送でも見せられているので、もう3回目になります。このシリーズを毎年追いかけているようなファンほど引き離される構成だったと思います。与えられた尺を埋めるほどの映像ができなかったのであれば、質を薄めてでも尺を埋めるのではなくて、埋められなかった分の尺を返上するのが本当の職人だと私は思いますけどねえ。採用ラインの点数を下げてまで尺を埋めることに忸怩たるものは感じないのでしょうか。
 とはいえコロナ云々を抜きにしてもひどい出来だったと思います。まず前述のクイズは、全体的に編集が甘かったです。「甘い」というのは、採用ラインの点数が低く、ダイジェストでいいようなところも長めに尺をとって放映していたということです。過去映像の紹介がメインなので、クイズに対する回答者全員の回答をひとつずつ紹介する必要はなかったと思います。「新しい地図」の3人は去年あんまりハネてなかったくせに同じキャラ(吾郎ちゃんだけはキャラを変えていましたが、キツめの下ネタという点は変わりなかったです)で再登場していました。この3人を他の有名人と絡ませるなどといった「工夫」の痕跡は一応見られたのですが、全部空回りしていました。「SMAPにヨゴレ役をやらせればおもしろいだろう」という単純な発想からは脱却できていませんでした。なんでハネなかった人をもう一度使うのでしょうか。メジャーリーガーみたいに複数年契約でもしたのでしょうか。バスでのコント2本も大してハネていませんでした。前沢社長や村西とおるの本物も出オチ感がすごかったです。蝶野ビンタにも特に新機軸はありませんでした。一応、随所に藤原を積極的に絡ませてみたりといった裏切りの工夫は見られるんですが、大して笑いの向上につながっていませんでした。この工夫がことごとく空回りしており、おもしろいシーンでもあまり笑えなくなるという負のスパイラルに陥っていました。まあ、別の機会でも述べているとおり事前に内容を考え抜いても本番でハネきるかどうかには運が絡んでくるので、全体的に運が悪かった部分も多分にあるとは思います。
 これを下回る作品を作り出すのもなかなか難しいと思います。6時間をリアルタイムで見てものすごく損した気分になりましたが、次は浮上しかないと考えれば多少気も紛れます。

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