当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 なんか、感想を書くほどの内容ではなかったですね。

 私が何度も言っていることですが、明石家さんまは日本で生放送を任せられる唯一の現役芸人です。生でやっても、笑いの密度がそれほど下がらないからです。これは、紳助にもダウンタウンにも無理な芸当です。ただそれは別に、明石家さんまをキャスティングできるなら積極的に生放送でバラエティをやるべきということでは全くありません。「それほど下がらない」だけで確実に下がるものではあるからです。生でバラエティをやるからには、生でなければならない演出上の理由(典型例は、「明石家サンタ」や、「クイズ☆正解は一年後」の答え合わせブロック)や生であることが笑いの向上につながる説得的な根拠が必要です。後者については、私は今のところ思い当たりませんし、生であるがゆえにより笑える内容になっていたコンテンツも今のところ見たことがありません。生放送というのは、大抵は「編集する時間がない」という作り手側の都合で挙行されるものです。今回も、1月2日の生放送ということで、年の瀬に編集の時間がとれなかったからこそ生という形がとられたのでしょう。作り手側の都合でしかないのに生放送であることが利点であるかのように強調されるのは、どうしてもおもしろさが減退するという事実を糊塗するためです。

 そして今回の向上委員会には、生でなければならない演出上の理由も、生であることが笑いの向上につながる説得的な根拠も、どちらもありませんでした。いつもの収録でもできることしかやっていませんでした。野田や土田がスタッフに扮していたり、柏餅こと木下が登場したりといった流れはスペシャルだからできたことでしょうが、生でないとできないことではありませんでした。その代わりに、ホリケン等々の暴走や芸人がたくさんいすぎるゆえの発言のカブリ事故などがそのまま放映されており、笑いの密度は明らかに下がっていました。それがいいという好事家の意見もあるでしょうが、そんな好事家は明らかに少数派でしょう。ひな壇の面々からも「この番組では生でやってはいけない」という趣旨のツッコミが盛んに入っており、当事者たちはみなこのことは予想していたと思われます。

 私は5年間ずっと同じことを言っていますよ。いい加減バラエティを生放送でやるときは、「編集する時間がありませんでした。普段よりおもしろくなくなるけどごめんなさい」と断ってから始めるべきだと思います。

管理人/副管理人のみ編集できます