2024年のTHE SECONDです。第2回大会です。
1.ハンジロウ
トップバッターらしからぬ盛り上がりでした。良かったと思います。2人ともきちんとした演技力があります。特にボケのたーにーがやっていた「元嫁」役は非常にハマっていました。
ツカミの「貴重なチキンをナゲットにした」というボケは単なるしょうもない空耳かと思いきや、他にも掛かっている部分があることが立て続けに明かされたため、その時点で「おっ」と思えました（＝「ツカミ」の役割が実に全うに果たされていました）し、最後の最後でこのツカミが活かされるネタ全体の構成も見事でした。
他方、フリやツッコミの台詞が全体的に説明的なうえにクドかったのは惜しいポイントです。ツカミを終えて元嫁カフェのコント漫才に入る前に「メイド喫茶とか執事喫茶とかは見たことあるけど」というようなフリになる説明台詞をわざわざ言っていたことに象徴されますが、全体的にネタ中の「説明」が過剰でした。
このフリがあることで、「元嫁カフェ」という単語を出しただけで少々の笑いが起きてはいましたが、この瞬間に笑いが拾えなくても別に構わないと思います。拾えたところで、肝腎の「元嫁カフェ」の中身が分からるまでは大した笑いは起きないうえに、その「中身」が（前述したようなたーにーの熱演もあって）きちんと勝負できるものになっているからです。
加えてツッコミのしゅうごパークは元嫁カフェを楽しみながら全体的に優しいツッコミを入れていましたが、私は伊達ちゃんや小籔みたいにもっとキレ気味にツッコんでもらう方が好きです。その方が、たーにーが演じる元嫁キャラの胃もたれしそうな鬱陶しさにマッチすると思います。とはいえ、最終的には好みの問題です。
2.金属バット
去年に引き続いて最後の8組に残った唯一のコンビですが、去年からあった演技力の乏しさが改善されていません。
風貌だけ見るとヨネダ2000やランジャタイみたいな無茶苦茶をやってきそうなのですが、そんなことはなく、ちゃんと大喜利をしてちゃんと毒づいてきます。ただ演技力が伴っておらず、終始ヘラヘラしているように見えるので、作家タイプの陰気なやつが無理してちょけている感が終始抜けないのです。
ただ大喜利はちゃんとできているので、演技力が付いてくれば化けます。
3.ラフ次元
前半のボケはしょうもなかったのですが、それが全て後に伏線として回収されていくという構成のネタでした。事前に台本を練るからにはここまで作り上げろというのを散々言ってきましたが、そういう意味ではお見事です。ガクテンソクに負けてしまいましたが、台本が綺麗すぎて笑いよりも関心が勝ってしまうことが原因の一つにあると思います（それがこの手のネタをやる難しさでもあります）。私は、大喜利力だけ見たらどちらのネタもどっこいどっこいであったため、構成に大きな工夫を入れていた分ラフ次元に勝って欲しかったです。
ただ前半をそれのみで見た時のしょうもなさがやっぱり残念です。前半も前半だけでおもしろいネタに仕上げれば、コーンフレークを超えられます。
あと、ツッコミの梅村の演技がちょっとオーバーでクサかったす。
4.ガクテンソク
1ボケに対する1ツッコミという漫才の1小節をひたすら積み重ねて尺を埋めただけの足し算の漫才でした。個々のボケにも大喜利力の高さを感じさせるものはなく、演技力も物足りなかったです（特にボケのよじょう）。
ラフ次元の前半の漫才だけをひたすら見せられているようで、6分が長く感じました。これ以上言うとオーバーキルになるでしょうが、「今まで売れなかったのが分かるなあ」という感想しか残りませんでした。
5.ななまがり
ななまがりらしいキテレツなネタでしたが、2人とも演技力は大したものがありません。演技力の無さを、アンガールズのような気持ち悪さと、ヨネダ2000のようなキテレツさで誤魔化しているネタになっています。
ただ、初瀬は他の番組等々で指摘されているとおり見方によっては森下よりも気持ち悪さがあります（主に、親指ウォーズみたいな面差しが原因だと思います）。その初瀬がまともな人を演じてツッコミをしなければならない分、演技力にはより高いものが求められるので、厳しかったですね。
ちなみにこの手のキテレツなネタは、私はあまり好きではありません。本物のキテレツには、逆立ちしても勝てないからです。ななまがりのそれにも、普通の人が一生懸命考えたような作り物感が色濃く漂ってしまっていました。特にこのコンビは自らが考えたキテレツさを「言葉」で説明することが多いので、ヨネダ2000やランジャタイと比べてもより作り物感が強かったです。本物のキテレツは、あんなちゃんとした説明はできませんよ。
6.タモンズ
平成仮面ライダーの話題がネタの半分近くを占めていました。知ってるライダーの話題になると私個人としては親近感を持てましたが、この親近感は決して笑いにつながるものではありません。
全体的に大喜利力が高かったわけでもないですが、このネタの良さはアドリブでフリートークをしている感じが出せていることだと思います。ゆえに、ウケたくだりを（台本で決められた回数を超えて）しつこく繰り返すなどのリアルタイムでのネタのカスタマイズができると、どんどんアドリブ感が増していくため、更に良くなっていくと思います。私は、ツッコミの大波がボケの安部の上着をまくるクダリが気に入ったため、あれをもっとやってくれたらもっと私の中での評価が上がったと思います。
あと大波のマンキンのツッコミは漫才っぽさ（ネタネタしさ、とでも言うべきものです）が強く出すぎているので、アドリブ感とは相性が悪いです。浜田のツッコミみたいな自然な感じが出せるともっといいと思います。
7.タイムマシーン3号
2人とも演技力がもう一歩なんですよねえ。ネタネタしいボケとツッコミはちゃんとマンキンでできているんです。あと一つまみだけ自然さが足りないんです。多分、アンタッチャブルが全く同じネタをやった方がおもしろくなるのですが、柴田とザキヤマにはある自然さが少しだけ足りないのです。
大喜利力の高さは、特に感じることができませんでした。
ちなみに後半の悪魔のドラえもんよりも、関のデブキャラを活かしつつそれをステルスで混ぜてくる前半の感じの方が個人的には好きです。昔のタイムマシーン3号だとデブネタをもっとストレートに入れてきたはずですが、それを進歩させたのでしょう。
8.ザ・パンチ
演技力は出場者の中で一番ちゃんとしていたと思います。特にボケのパンチ浜崎がまくし立てる様子にはザキヤマが見えました。
ここまで演技力があるコンビだと一つくらいは大喜利力の高さも感じられるボケが飛び出すものですが、それが全くなかったのが不思議です。去年のM-1のヤーレンズの漫才みたいに、もっと色々と詰め込むともっと良くなると思います。
<準決勝>
1.ガクテンソク
「吾輩の辞書がない」はちょっと好きです。ただ、大喜利力の高さも演技力の高さも感じられないのは1本目と一緒でした。
大しておもしろくないボケにマンキンでツッコんでいるのを見ると苛立ちの感情さえ湧き上がってきます。もっとスカした状態で対応すべきクオリティのボケだとしか思えないからです。
2.金属バット
演技力の無さをヘラヘラした感じで誤魔化しているのは相変わらずですねえ。小林の演説においても、「あの演説が正しいと本気で信じ込んでいる人」という役どころにきちんと入り込めていなかったのですが、それ以上にそれを聞いている友保の表情がクサかったですねえ。
「上方漫才」だけはちょっとおもしろかったです。若い人向けの大喜利で勝負しているコンビが急に笑点みたいなしょうもないことを言い出したからです。彼らのネタ自体が、フリとして利いていました。
3.タモンズ
1本目と同じような喧嘩漫才でした。アドリブでフリートークしている感が出るのがやっぱり一番の良さです。後半には大喜利力があることを見せるようなクダリもありましたが、あれが混ざるとアドリブ感が薄れてしまうのが難しいところですね。
4.ザ・パンチ
このコンビも1本目と同じでしたねえ。1本目でウケたクダリをもう一度できていたのは良かったです。
<決勝>
1.ザ・パンチ
コント漫才よりも、コントに入っていない時の浜崎の言動の方がおもしろいので、コント漫才の時間が長めになった3本目のネタは全体的にパワーダウンしていました。ただ「ギョギョギョ」のくだりはちょっとおもしろかったです。
個人的には鹿島アントラーズじゃなくて函館とれたてホタテーズだった方が良かった気がしますが、そうでもないか。
2.ガクテンソク
1本目・2本目で指摘したこのコンビの問題点はずっと直りませんでしたが、3本目は前のボケを伏線として後のボケに活かすクダリが複数見られたので、良くなっていたと思います。
1.ハンジロウ
トップバッターらしからぬ盛り上がりでした。良かったと思います。2人ともきちんとした演技力があります。特にボケのたーにーがやっていた「元嫁」役は非常にハマっていました。
ツカミの「貴重なチキンをナゲットにした」というボケは単なるしょうもない空耳かと思いきや、他にも掛かっている部分があることが立て続けに明かされたため、その時点で「おっ」と思えました（＝「ツカミ」の役割が実に全うに果たされていました）し、最後の最後でこのツカミが活かされるネタ全体の構成も見事でした。
他方、フリやツッコミの台詞が全体的に説明的なうえにクドかったのは惜しいポイントです。ツカミを終えて元嫁カフェのコント漫才に入る前に「メイド喫茶とか執事喫茶とかは見たことあるけど」というようなフリになる説明台詞をわざわざ言っていたことに象徴されますが、全体的にネタ中の「説明」が過剰でした。
このフリがあることで、「元嫁カフェ」という単語を出しただけで少々の笑いが起きてはいましたが、この瞬間に笑いが拾えなくても別に構わないと思います。拾えたところで、肝腎の「元嫁カフェ」の中身が分からるまでは大した笑いは起きないうえに、その「中身」が（前述したようなたーにーの熱演もあって）きちんと勝負できるものになっているからです。
加えてツッコミのしゅうごパークは元嫁カフェを楽しみながら全体的に優しいツッコミを入れていましたが、私は伊達ちゃんや小籔みたいにもっとキレ気味にツッコんでもらう方が好きです。その方が、たーにーが演じる元嫁キャラの胃もたれしそうな鬱陶しさにマッチすると思います。とはいえ、最終的には好みの問題です。
2.金属バット
去年に引き続いて最後の8組に残った唯一のコンビですが、去年からあった演技力の乏しさが改善されていません。
風貌だけ見るとヨネダ2000やランジャタイみたいな無茶苦茶をやってきそうなのですが、そんなことはなく、ちゃんと大喜利をしてちゃんと毒づいてきます。ただ演技力が伴っておらず、終始ヘラヘラしているように見えるので、作家タイプの陰気なやつが無理してちょけている感が終始抜けないのです。
ただ大喜利はちゃんとできているので、演技力が付いてくれば化けます。
3.ラフ次元
前半のボケはしょうもなかったのですが、それが全て後に伏線として回収されていくという構成のネタでした。事前に台本を練るからにはここまで作り上げろというのを散々言ってきましたが、そういう意味ではお見事です。ガクテンソクに負けてしまいましたが、台本が綺麗すぎて笑いよりも関心が勝ってしまうことが原因の一つにあると思います（それがこの手のネタをやる難しさでもあります）。私は、大喜利力だけ見たらどちらのネタもどっこいどっこいであったため、構成に大きな工夫を入れていた分ラフ次元に勝って欲しかったです。
ただ前半をそれのみで見た時のしょうもなさがやっぱり残念です。前半も前半だけでおもしろいネタに仕上げれば、コーンフレークを超えられます。
あと、ツッコミの梅村の演技がちょっとオーバーでクサかったす。
4.ガクテンソク
1ボケに対する1ツッコミという漫才の1小節をひたすら積み重ねて尺を埋めただけの足し算の漫才でした。個々のボケにも大喜利力の高さを感じさせるものはなく、演技力も物足りなかったです（特にボケのよじょう）。
ラフ次元の前半の漫才だけをひたすら見せられているようで、6分が長く感じました。これ以上言うとオーバーキルになるでしょうが、「今まで売れなかったのが分かるなあ」という感想しか残りませんでした。
5.ななまがり
ななまがりらしいキテレツなネタでしたが、2人とも演技力は大したものがありません。演技力の無さを、アンガールズのような気持ち悪さと、ヨネダ2000のようなキテレツさで誤魔化しているネタになっています。
ただ、初瀬は他の番組等々で指摘されているとおり見方によっては森下よりも気持ち悪さがあります（主に、親指ウォーズみたいな面差しが原因だと思います）。その初瀬がまともな人を演じてツッコミをしなければならない分、演技力にはより高いものが求められるので、厳しかったですね。
ちなみにこの手のキテレツなネタは、私はあまり好きではありません。本物のキテレツには、逆立ちしても勝てないからです。ななまがりのそれにも、普通の人が一生懸命考えたような作り物感が色濃く漂ってしまっていました。特にこのコンビは自らが考えたキテレツさを「言葉」で説明することが多いので、ヨネダ2000やランジャタイと比べてもより作り物感が強かったです。本物のキテレツは、あんなちゃんとした説明はできませんよ。
6.タモンズ
平成仮面ライダーの話題がネタの半分近くを占めていました。知ってるライダーの話題になると私個人としては親近感を持てましたが、この親近感は決して笑いにつながるものではありません。
全体的に大喜利力が高かったわけでもないですが、このネタの良さはアドリブでフリートークをしている感じが出せていることだと思います。ゆえに、ウケたくだりを（台本で決められた回数を超えて）しつこく繰り返すなどのリアルタイムでのネタのカスタマイズができると、どんどんアドリブ感が増していくため、更に良くなっていくと思います。私は、ツッコミの大波がボケの安部の上着をまくるクダリが気に入ったため、あれをもっとやってくれたらもっと私の中での評価が上がったと思います。
あと大波のマンキンのツッコミは漫才っぽさ（ネタネタしさ、とでも言うべきものです）が強く出すぎているので、アドリブ感とは相性が悪いです。浜田のツッコミみたいな自然な感じが出せるともっといいと思います。
7.タイムマシーン3号
2人とも演技力がもう一歩なんですよねえ。ネタネタしいボケとツッコミはちゃんとマンキンでできているんです。あと一つまみだけ自然さが足りないんです。多分、アンタッチャブルが全く同じネタをやった方がおもしろくなるのですが、柴田とザキヤマにはある自然さが少しだけ足りないのです。
大喜利力の高さは、特に感じることができませんでした。
ちなみに後半の悪魔のドラえもんよりも、関のデブキャラを活かしつつそれをステルスで混ぜてくる前半の感じの方が個人的には好きです。昔のタイムマシーン3号だとデブネタをもっとストレートに入れてきたはずですが、それを進歩させたのでしょう。
8.ザ・パンチ
演技力は出場者の中で一番ちゃんとしていたと思います。特にボケのパンチ浜崎がまくし立てる様子にはザキヤマが見えました。
ここまで演技力があるコンビだと一つくらいは大喜利力の高さも感じられるボケが飛び出すものですが、それが全くなかったのが不思議です。去年のM-1のヤーレンズの漫才みたいに、もっと色々と詰め込むともっと良くなると思います。
<準決勝>
1.ガクテンソク
「吾輩の辞書がない」はちょっと好きです。ただ、大喜利力の高さも演技力の高さも感じられないのは1本目と一緒でした。
大しておもしろくないボケにマンキンでツッコんでいるのを見ると苛立ちの感情さえ湧き上がってきます。もっとスカした状態で対応すべきクオリティのボケだとしか思えないからです。
2.金属バット
演技力の無さをヘラヘラした感じで誤魔化しているのは相変わらずですねえ。小林の演説においても、「あの演説が正しいと本気で信じ込んでいる人」という役どころにきちんと入り込めていなかったのですが、それ以上にそれを聞いている友保の表情がクサかったですねえ。
「上方漫才」だけはちょっとおもしろかったです。若い人向けの大喜利で勝負しているコンビが急に笑点みたいなしょうもないことを言い出したからです。彼らのネタ自体が、フリとして利いていました。
3.タモンズ
1本目と同じような喧嘩漫才でした。アドリブでフリートークしている感が出るのがやっぱり一番の良さです。後半には大喜利力があることを見せるようなクダリもありましたが、あれが混ざるとアドリブ感が薄れてしまうのが難しいところですね。
4.ザ・パンチ
このコンビも1本目と同じでしたねえ。1本目でウケたクダリをもう一度できていたのは良かったです。
<決勝>
1.ザ・パンチ
コント漫才よりも、コントに入っていない時の浜崎の言動の方がおもしろいので、コント漫才の時間が長めになった3本目のネタは全体的にパワーダウンしていました。ただ「ギョギョギョ」のくだりはちょっとおもしろかったです。
個人的には鹿島アントラーズじゃなくて函館とれたてホタテーズだった方が良かった気がしますが、そうでもないか。
2.ガクテンソク
1本目・2本目で指摘したこのコンビの問題点はずっと直りませんでしたが、3本目は前のボケを伏線として後のボケに活かすクダリが複数見られたので、良くなっていたと思います。
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