当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

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 2025年7月21日放映の「ダブルインパクト 漫才&コント二刀流No.1決定」です。

 また新しい賞レースができてしまいました。私の仕事を増やさないでください。仕事といってもこれを書いたところで私には一銭も入らないのです。
 そもそもコントと漫才に明確な違いはない、というのが私の持論です。考えられる違いは5つです。

�.灰鵐箸諒�がセット(大道具)に凝ったものを使いがちである
�◆覆修侶覯漫縫灰鵐箸諒�が舞台を広く使いがちである(出ハケも漫才より自由にやっている気がする)
��(セットに椅子なりベッドなり色々な物を置けるので)コントの方がしゃべる際の演者の姿勢も割りと自由に設定できる
�ぅ灰鵐箸諒�が衣装や小道具もいじりがちである
�ゥ灰鵐箸諒�が音効を使いがちである

 しかし、全て些細な違いでしかありません。コントだって一切何も置いていない素舞台でもできますし、漫才をセットのある場所でやることも可能です。漫才で舞台を大きく使ったり座ったり寝転んだりすることもできますし(2020年のM-1で優勝した時のマヂカルラブリーの漫才を思い出してください)、コントで漫才みたいな動きの少ない立ち話をすることもできます(2024年のキングオブコントにおけるのロングコートダディの1本目のネタなど)。�い琉畫�や小道具だって、�イ硫燦�だって、漫才で使えない(使わない)理由は特にありません。歌ネタの漫才だってあるんだから、BGMを後ろで流してもいいはずです。最近YouTubeのCMでよく見る「メンバー」(という名前のコンビ)の漫才は後ろでずっとBGMを流してますよ。
 ゆえに、求められる能力はほとんど変わりません。台本の構成力とそれを再現するための演技力(両者は、お笑いにおける基礎体力といっていいでしょう)がなければウケをとれないというのはコントも漫才も変わりません。だから、敢えてこの2つを「違う能力が求められる表現手法である」かのように分けて喧伝することには違和感しかありません。新しい賞レースを作るために無理矢理ひねり出したのはないでしょうか。これなら「水曜日のダウンタウン」でやっていた「次世代リアクション王発掘トーナメント」の方が存在価値が認められます。
 せめて、漫才はやすともやブラマヨみたいなしゃべくり漫才に限定した方が、まだコントとの違いがはっきりするんじゃないでしょうか。

1.かもめんたる[コント]
 う大については、最近彼のやることなすことは全ておもしろいと思わなければならない空気をお笑い業界全体が出してきているのが非常に気に喰わないです。彼のやっていることは、くっきー!や天竺鼠川原やらもう中やらがやっていることと一緒で、非常に癖が強いです。笑えなくて当たり前と考えた方がいいほど、癖が強いです。その割りに(上記の3人と一緒で)混じりっ気なしの天然モノの狂気には勝てていないのが、やはり空しいところです。そんなことはないとは思いたいですが、う大が上記のような業界全体空気に胡坐をかいているのであれば、早く目を覚ました方がいいです。
 今回のネタは、う大の無茶苦茶な主張に槙尾も乗っかることになるので、槙尾も狂気の担い手になっています。ところが槙尾は全体的に演技がオーバーであり、そのせいで作り物感が強くなってしまっていました。

2.スタミナパン[漫才]
 2人とも演技力が物足りません。特にツッコミのトシダは全体的に棒読み気味です。M-1だったら準決勝にさえ進めない可能性も十分あると思います。
 漫才では、絶えずボケてくるボケ役を本心から訂正しようとしている人を全力で演じなければなりません。それができないと、台本を読まされている感が滲み出てしまいます。

3.コットン[コント]
 きょんの演技力はいつも通り申し分なかったです。
 モテなさそうな女性がドキドキするシチュエーションに放り込まれるという設定はそれなりに古典的です。裏切り方も正直180度だったので、予想はできたはずなのですが、まさかそんな分かりやすい裏切り方にはならないだろうと予想していたところにネタ出しの1周目に思い付くような裏切り方をやってきたので、逆に意表を突かれました。でもまあ、最初の笑いどころがピークだったので、もっとバリエーションの異なる裏切り方を見たかったです。

4.セルライトスパ[コント]
 おもしろかったです。2人とも演技力は及第点です。
 田中とジュニアに言いたいことはほぼ言われてしまいました。ボケの大須賀の方が変な人だと思わせておき、それをフリに予想できなかった裏切りが1度入ります。今度はそれを再度フリにしてやっぱり大須賀の方がヤバい人だったという裏切りが入ってくるので、見ていて非常にドキドキしました。いい意味で、です。
 あと審査員が触れていた「6」は、何かの伏線にして欲しかったです。

5.ニッポンの社長[コント]
 ニッポンの社長にしては珍しく非常に古典的なシチュエーションのコントでした。そのうえ笑いどころも少なかったです。2人が何に追われているのかが一切明かされないのは辻の作家性の発露のような気がしますが、それも気になってしまって笑いを阻害しました。ただここは、好みの問題でしょう。
 「誰かが(リアクションを求められるような)ひどい目に遭い続ける」というのはテレビバラエティでも昭和の時代から行われている演目です。テレビバラエティでは、今回のケツのような「芝居をしなければならないやつ」ではなく、本当に辛いやつを食らわされるのが常なので、それと比べるとケツの訴えも真実味を欠き、笑いが減退してしまいます。思い出されるのは、ひょうきん族でさんまが延々牛乳を飲み続けさせられるCMのコントです。

6.ロングコートダディ[コント]
 第1パートでは、ロングコートダディともあろうものが寿限無的に笑いをとりにいくのかなとか、「こんなコードネームはいやだ」とか「こんなコードネームの由来はいやだ」みたいな大喜利の積み重ねで終わるネタなのかなとか、色々心配になるのですが、ちゃんと予想を超えたことをやってくれました。特に最終パートの大オチは、それまでの逆でコードネームの由来を受け手に考えさせる作りになっており、それが分かった時は非常におもしろかったです。私は、最後の大オチが一番おもしろいネタに初めて出会いました。
 2人とも演技力はもっと磨けます。裏社会の仕事人にしてはお芝居に落ち着きがなく、フワフワしすぎです。

7.ななまがり[コント]
 全体的に、シチュエーションの馬鹿馬鹿しさがいい意味でも悪い意味でもコロコロコミックのギャグ漫画みたいなんですね。漫画を読む際は、読者は各キャラクターの台詞を最上の間と演技力で脳内再生しながら読めるのですが、コントだとそうはいきません。読者が想像で脳内再生しているそれをちゃんと再現してやる必要があります。その意味では森下の演技力も初瀬の演技力も必要な水準には達していません。森下はハケる時にカートゥーンみたいなコミカルな動きをするのですが、その動きもキレが悪く全然漫画やアニメのクオリティには達していません。
 あと、森下がビキニのパンツの下に穿いていた肉パンはやっぱり嫌でした。生放送ゆえ万一のことを考えたら仕方ないのだとは思いますが、漫画やアニメなら当然ああいうものは穿きません。あれも漫画的な意味でのクオリティを下げていました。

8.ななまがり[漫才]
 ハッキリだめでした。
 森下がピンでやる「架空芸能人」のネタに、隣でツッコむ初瀬を足したスタイルだったと言っていいと思います。まず森下の架空芸能人は仮装も含めて笑ってもらうネタなので、漫才スーツに身を包んでしまうと良さが死にます。その上初瀬のツッコミは全体的に余計でした。彼は受け手に予想がつくことをわざわざフリで説明し直してくれていたのですが、説明的過ぎてくどかったです。森下の自己紹介は全体的に長くてしつこいので、それを聞けばオチで発表される架空芸能人の姓名は想像できます。森下が自己紹介の最後に名乗った瞬間に、「(予想された名前)じゃないの!?」と一言ツッコめばそれで足りたと思います。

9.スタミナパン[コント]
 「ベルを鳴らしても出てこないフロント」というのはボケとして普通過ぎると思います。どこで笑えばいいか分からなかったです。後藤が言っていましたが、3つ置いてあったベルも全部音が同じであり、もう少し遊べたと思います。

10.かもめんたる[漫才]
 タップリとフッておいてから意表を突くように穏当な結論を言ったのはおもしろかったです。でも、そこ以外特に面白みがありませんでした。それと槙尾の受け答えは終始オーバーでした。
 あと、自分で「狂ったコンビですよ」と言われてしまうと冷めます。生き様を見せておくだけにしてください。狂っているかどうかは、その生き様を見たこちらが決めます。

11.コットン[漫才]
 コントでもできそうなコント漫才でした。夜行バスの中というシチュエーションがセルライトスパのコントと被ってしまったのが不幸でしたね。そのくせ途中でバスを丸ごと出たりと動きが多く、状況の把握が結構大変でした。コントだったらもっと分かりやすくできたとは思います。総じて、あんまり漫才向きではないネタだし、このネタを選ぶからにはあんまり漫才向きのコンビではないんだろうなと思いました。

12.セルライトスパ[漫才]
 カラオケと相撲を戦わせるという無茶苦茶な発想はおもしろいのですが、ずっとカラオケと相撲が戦っているだけで、あまり変化が見られないのが残念でした。一応細かい変化はあるのですが、冒頭の「得意分野で戦った方がいい」という話からするとカラオケと相撲の戦いに止まらない戦いが色々見られるはずなので、こちらは話の広がりを期待してしまうのです。
 肥後は踊りながらあれだけの声量を維持できるのは素直にすごいと思いました。

13.ロングコートダディ[漫才]
 良かったですよ。最初の「だるまさんがころんだ2」で堂前がずっと止まっていたところとか、「すぐつくゲーム」で土下座をさせたところとか、おもしろかったです。惜しむらくは各ゲームの説明に時間をとるので笑いどころが少なくなるのと、各ゲームにそれほど関連性がない点でしょうか。ボケの手数を増やすか全体を貫くストーリーを設定するかをしないとM-1では上に行けないと思います。
 兎の怒りの演技は良くなっていたと思います。

14.ニッポンの社長[漫才]
 辻が嘘をついて、それをケツに再現させるんです。再現で初めて辻の発言が嘘だと分かるのですが、嘘の内容は大喜利的に高度ではありません。嘘だと分かった後のケツの「な!」という絶叫、その表情と動きが笑いどころのほぼ全てのネタです。あれがおもしろくないと、笑えません。

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