2026年のR-1です。
1.しんや
ラグビー芸人として他のスポーツをディスる内容が主になっていました。ただ後半にはラグビー自体のことも少々ディスっていたので、それでバランスをとった感じだと思います。
問題は、他のスポーツに対するディスが大喜利としてあまり芯を喰っていなかったことじゃないでしょうか。大声と(あまり芯を喰っていない)悪口の理不尽さ自体が笑いを生むパワープレーにはなっていたのですが、パワーに頼り過ぎだと思いました。前半の悪口タイムで置いたシャトルやマイクを後半に活かす伏線的な作りは素直に良いと思えたので、もう少し大喜利ができたらもっとファンの裾野が広がると思います。
2.今井らいぱち
高校で自己啓発系の講演をしようとしたら、生徒が全員自信に溢れていて話すことがなくなった、という1人コントでした。自己啓発系のキャラクターはその話の内容自体で笑いをとっていくネタが多いと思いますが、そこを逆手に取った形です。
大きな笑いどころは3つあったのですが、逆に言うと笑いどころがほぼその3つしかありませんでした。しかも「話そうとしていたことが話せなくなる」という流れも3つ全てで一緒であり、変化もありませんでした。手数を増やすかもっと意外性を出すかのどちらかをして欲しかったところです。
3.ドンデコルテ 渡辺銀次
去年のM-1でやっていたネタも、渡辺の演説が強めで、小橋のツッコミは添え物感が強かったので、ピンでもいけると思っていました。
今回の渡辺は、ブラジャーが未だに手洗い推奨であることがおかしいという演説していました。男性の渡辺がそれを力説するのがおかしいという大きなズレがまず根底にあり、それをベースとしたうえで、具体的な演説の中身で小さなズレを提供していく仕組みになっていました。ところどころ渡辺が実際にブラジャーを装着している倒錯者なのではないかと示唆する演出もありましたが、それが示唆のレベルに止まっていたのは良かったと思います。ただ、ツッコミを用意してその点をツッコませた方がおもしろくなるのではないかとも思ってしまいました。ドンデコルテの漫才ではなくピンネタとしてやった方がおもしろいと判断した理由があるのであれば、聞いてみたいところです。
4.ななまがり 初瀬
「答えの出てない問題について答えを言い切る」という触れ込みで始まり、2択の問題に次々と大声でどちらかの選択肢を言い切っていました。ただ最初の問題が「愛かお金か」という使い古された題材(=どっちを答えたとしても、よっぽどの理由を言わない限りは、答えだけでは笑いがとれない)ものであり、問題設定もどちらの選択肢を選ぶかについても全然大喜利ができていませんでした。理由の説明も大してないうえに、毎回入るブリッジの台詞も若干長くてダレました。それらの点を、大声というパワープレーで誤魔化していたのはしんやと一緒です。
最後の方にちょっとだけ変化があったのですが、本ネタの方が寒いのでまとめて事故っていました。
5.さすらいラビー 中田
高校野球の試合で負けたチームの生徒に対して中田演ずる相手チームの監督が演説をするという1人コントでした。このコントの限りでは演技力に問題はなかったと思います。でもまあ、出てきたボケがほぼ「前髪を切っていない奴はエラーをする」「強豪校の生徒はbaseballと英語で書けない」「強豪校の生徒は臥薪嘗胆の意味を知らない」「野球をやっているようでは東大に行けない」という4つだけであり、「野球のうまい(ヘタな)高校生に対する偏見」というお題の大喜利に対する回答としては非常に弱かったのが問題だと思います。バカリズムの「もっとエグいことを言え」というアドバイスも同じことを言っていると思います。
6.真輝志
恩返しに来たタヌキを真輝志演ずる農民が正論で追い返すという1人コントでした。その正論のキツさや容赦のなさが笑いの種になっていましたが、「恩返しの追い返し方」という大喜利はもっと練れると思います。
ベースになっていたのは明らかに「鶴の恩返し」なのですが、尿検査というワードが出てきたりインターホンが出てきたりで時代設定がよく分からなくなってしまうのがノイズになっていました。どうせならはっきり現代と分かる設定で始めても良かったんじゃないかと思います。
7.ルシファー吉岡
ルシファーが参加したという設定の過去の合コンの話をエピソードトーク風に話すネタでした。これは好みの問題でしょうが、若干暴力的過ぎて合コンに参加していた女性が可哀想になってしまいました。あと、どうせ『走れメロス』に引っかけるならもっと細かい部分まで色々と引っかけて欲しかったです。
8.九条ジョー
就職面接に来たトンデモ学生を九条演ずる社長が相手にするネタでした。このネタの脚本作りをする際にやるべきは「こんな学生は嫌だ」という大喜利ですが、その中身が(野田やバカリズムも指摘していたように)ハッキリ言えば中1レベルでした。大喜利の回答を出す順番も良くありません。西洋風の甲冑で全身を包んだ学生が来たら、ハンドスピナーよりも甲冑のことを先に指摘するでしょうし、最終的に甲冑を着ているのは学生の母親ということになっていたのですが、それなら学生本人の履歴書の写真が甲冑姿だったことの説明がつきません。要は思い付いた中1レベルの大喜利をよく考えずにつなげて尺を埋めているだけなのです。肝腎の本ネタの中身が寒いので、アフタートークでネタを褒めるという最後の展開も薄ら寒いだけでした。
あと、スーツに革靴姿の社長が靴下を履いていないように見えた(パンツも裾が妙に短かったです)のがノイズになってしまいました。ネタ中に何か活かすのかなあと期待していたのですが、何もありませんでした。
9.トンツカタン お抹茶
ピアノ刀なるもので戦う侍の1人コントでした。
ピアノ刀は、側面に鍵盤が描かれており、各鍵盤が押されるとピアノのように音が出るという仕組みでしたが、実際にそんな刀で戦ったらこの1人コントのような都合のいい音の出方はしないだろうなあと思ってしまったので、そこで冷めて笑えなくなってしまいました。
一応は途中で変化もあったので、これをおもしろいと信じて最後までやり切ったのは褒められるべきことだと思います。
<FINAL STAGE>
1.ドンデコルテ 渡辺銀次
今度はシームレスパンティーについて演説をしていました。褒めるのかと思いきや、1本目と同じで手洗い推奨であることに文句をつけだした瞬間はおもしろかったです。漫才でやった方がおもしろそうな気がしたのは、1本目と一緒です。
2.今井らいぱち
普通のアーティストに見せかけておいて、絵描き歌を披露するというネタでした。これ自体が大きなズレになっていましたが、それ一辺倒で変化がありませんでした。そのうえネタの構造がバレると絵描き歌が完成しきる前に何をやっているのかが分かってしまうので、絵描き歌の完成というオチのタイミングと観客のカタルシスのタイミングとに齟齬が生じてしまっていました。
最後のワニのクダリは感動的ではありましたが、笑いにはなっていませんでした。これも好みの問題ではありますが、私はお笑いネタはお笑いに徹して欲しいと思っています。
3.トンツカタン お抹茶
露出狂と思わせておいてスパンコールみたいなものがたくさんあしらわれたインナーを「プラネタリウム」と称して見せてくる奇人のネタでした。それを音楽に乗せてミュージカル調に表現していました。
ただ笑いどころは「天体」と「変態」、「正座」と「星座」みたいなダジャレばかりで、(そのくだらなさを笑ってもらうネタではあるんでしょうが)一向に笑えなかったです。それにインナーもキラキラ光るばかりで現実の星の配置を全然反映していませんでした。そういう奇人はそのへんに徹底的にこだわり抜く気がするので、興醒めしました。
1.しんや
ラグビー芸人として他のスポーツをディスる内容が主になっていました。ただ後半にはラグビー自体のことも少々ディスっていたので、それでバランスをとった感じだと思います。
問題は、他のスポーツに対するディスが大喜利としてあまり芯を喰っていなかったことじゃないでしょうか。大声と(あまり芯を喰っていない)悪口の理不尽さ自体が笑いを生むパワープレーにはなっていたのですが、パワーに頼り過ぎだと思いました。前半の悪口タイムで置いたシャトルやマイクを後半に活かす伏線的な作りは素直に良いと思えたので、もう少し大喜利ができたらもっとファンの裾野が広がると思います。
2.今井らいぱち
高校で自己啓発系の講演をしようとしたら、生徒が全員自信に溢れていて話すことがなくなった、という1人コントでした。自己啓発系のキャラクターはその話の内容自体で笑いをとっていくネタが多いと思いますが、そこを逆手に取った形です。
大きな笑いどころは3つあったのですが、逆に言うと笑いどころがほぼその3つしかありませんでした。しかも「話そうとしていたことが話せなくなる」という流れも3つ全てで一緒であり、変化もありませんでした。手数を増やすかもっと意外性を出すかのどちらかをして欲しかったところです。
3.ドンデコルテ 渡辺銀次
去年のM-1でやっていたネタも、渡辺の演説が強めで、小橋のツッコミは添え物感が強かったので、ピンでもいけると思っていました。
今回の渡辺は、ブラジャーが未だに手洗い推奨であることがおかしいという演説していました。男性の渡辺がそれを力説するのがおかしいという大きなズレがまず根底にあり、それをベースとしたうえで、具体的な演説の中身で小さなズレを提供していく仕組みになっていました。ところどころ渡辺が実際にブラジャーを装着している倒錯者なのではないかと示唆する演出もありましたが、それが示唆のレベルに止まっていたのは良かったと思います。ただ、ツッコミを用意してその点をツッコませた方がおもしろくなるのではないかとも思ってしまいました。ドンデコルテの漫才ではなくピンネタとしてやった方がおもしろいと判断した理由があるのであれば、聞いてみたいところです。
4.ななまがり 初瀬
「答えの出てない問題について答えを言い切る」という触れ込みで始まり、2択の問題に次々と大声でどちらかの選択肢を言い切っていました。ただ最初の問題が「愛かお金か」という使い古された題材(=どっちを答えたとしても、よっぽどの理由を言わない限りは、答えだけでは笑いがとれない)ものであり、問題設定もどちらの選択肢を選ぶかについても全然大喜利ができていませんでした。理由の説明も大してないうえに、毎回入るブリッジの台詞も若干長くてダレました。それらの点を、大声というパワープレーで誤魔化していたのはしんやと一緒です。
最後の方にちょっとだけ変化があったのですが、本ネタの方が寒いのでまとめて事故っていました。
5.さすらいラビー 中田
高校野球の試合で負けたチームの生徒に対して中田演ずる相手チームの監督が演説をするという1人コントでした。このコントの限りでは演技力に問題はなかったと思います。でもまあ、出てきたボケがほぼ「前髪を切っていない奴はエラーをする」「強豪校の生徒はbaseballと英語で書けない」「強豪校の生徒は臥薪嘗胆の意味を知らない」「野球をやっているようでは東大に行けない」という4つだけであり、「野球のうまい(ヘタな)高校生に対する偏見」というお題の大喜利に対する回答としては非常に弱かったのが問題だと思います。バカリズムの「もっとエグいことを言え」というアドバイスも同じことを言っていると思います。
6.真輝志
恩返しに来たタヌキを真輝志演ずる農民が正論で追い返すという1人コントでした。その正論のキツさや容赦のなさが笑いの種になっていましたが、「恩返しの追い返し方」という大喜利はもっと練れると思います。
ベースになっていたのは明らかに「鶴の恩返し」なのですが、尿検査というワードが出てきたりインターホンが出てきたりで時代設定がよく分からなくなってしまうのがノイズになっていました。どうせならはっきり現代と分かる設定で始めても良かったんじゃないかと思います。
7.ルシファー吉岡
ルシファーが参加したという設定の過去の合コンの話をエピソードトーク風に話すネタでした。これは好みの問題でしょうが、若干暴力的過ぎて合コンに参加していた女性が可哀想になってしまいました。あと、どうせ『走れメロス』に引っかけるならもっと細かい部分まで色々と引っかけて欲しかったです。
8.九条ジョー
就職面接に来たトンデモ学生を九条演ずる社長が相手にするネタでした。このネタの脚本作りをする際にやるべきは「こんな学生は嫌だ」という大喜利ですが、その中身が(野田やバカリズムも指摘していたように)ハッキリ言えば中1レベルでした。大喜利の回答を出す順番も良くありません。西洋風の甲冑で全身を包んだ学生が来たら、ハンドスピナーよりも甲冑のことを先に指摘するでしょうし、最終的に甲冑を着ているのは学生の母親ということになっていたのですが、それなら学生本人の履歴書の写真が甲冑姿だったことの説明がつきません。要は思い付いた中1レベルの大喜利をよく考えずにつなげて尺を埋めているだけなのです。肝腎の本ネタの中身が寒いので、アフタートークでネタを褒めるという最後の展開も薄ら寒いだけでした。
あと、スーツに革靴姿の社長が靴下を履いていないように見えた(パンツも裾が妙に短かったです)のがノイズになってしまいました。ネタ中に何か活かすのかなあと期待していたのですが、何もありませんでした。
9.トンツカタン お抹茶
ピアノ刀なるもので戦う侍の1人コントでした。
ピアノ刀は、側面に鍵盤が描かれており、各鍵盤が押されるとピアノのように音が出るという仕組みでしたが、実際にそんな刀で戦ったらこの1人コントのような都合のいい音の出方はしないだろうなあと思ってしまったので、そこで冷めて笑えなくなってしまいました。
一応は途中で変化もあったので、これをおもしろいと信じて最後までやり切ったのは褒められるべきことだと思います。
<FINAL STAGE>
1.ドンデコルテ 渡辺銀次
今度はシームレスパンティーについて演説をしていました。褒めるのかと思いきや、1本目と同じで手洗い推奨であることに文句をつけだした瞬間はおもしろかったです。漫才でやった方がおもしろそうな気がしたのは、1本目と一緒です。
2.今井らいぱち
普通のアーティストに見せかけておいて、絵描き歌を披露するというネタでした。これ自体が大きなズレになっていましたが、それ一辺倒で変化がありませんでした。そのうえネタの構造がバレると絵描き歌が完成しきる前に何をやっているのかが分かってしまうので、絵描き歌の完成というオチのタイミングと観客のカタルシスのタイミングとに齟齬が生じてしまっていました。
最後のワニのクダリは感動的ではありましたが、笑いにはなっていませんでした。これも好みの問題ではありますが、私はお笑いネタはお笑いに徹して欲しいと思っています。
3.トンツカタン お抹茶
露出狂と思わせておいてスパンコールみたいなものがたくさんあしらわれたインナーを「プラネタリウム」と称して見せてくる奇人のネタでした。それを音楽に乗せてミュージカル調に表現していました。
ただ笑いどころは「天体」と「変態」、「正座」と「星座」みたいなダジャレばかりで、(そのくだらなさを笑ってもらうネタではあるんでしょうが)一向に笑えなかったです。それにインナーもキラキラ光るばかりで現実の星の配置を全然反映していませんでした。そういう奇人はそのへんに徹底的にこだわり抜く気がするので、興醒めしました。
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