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BEYOND: Two Souls

 HEAVY RAINのPS4版にくっついていたのをやってみました。

 主人公のジョディには、エイデンという霊体がくっついています。エイデンは、スタープラチナのように、本体のジョディから離れすぎることはできないのですが、物を動かしてポルターガイスト的な現象を起こしたり、他人や動物に憑依して意のままに動かしたり、死者や物とチャネリングしたりと、色々なことができます(ゲーム中ではジョディもエイデンもプレイヤーが動かすわけですが、設定上は、エイデンはジョディが命令できる存在ではなく、自らの意のままに行動しているだけのようです。ジョディがエイデンに話をすることはできますが)。
 この能力のためにCIAに目を付けられたジョディは、組織に入って色々な任務をこなしていくことになるわけですが、後に嫌気がさして脱走します。このゲームは、そんなジョディの波乱万丈の生涯を描いた物語です。脱走後にはもう一悶着ありますが、詳しく書くとネタバレになるので避けます。エイデンの正体は何であって、なぜジョディにだけくっついているのかというはゲームを進めれば明かされるので、気になった人はやってみましょう。

 ゲームとしては、Life Is StrangeHEAVY RAINと同じくお話を見せるゲームです。この二作については、筆者はあくまで「動かせるサウンドノベルだ」という感想を述べました。「お話」の比重が強めで、主人公を動かせるというゲーム性の部分にあまり重きが置かれていないし、意味もないということが言いたかったわけです。この二作と比べると、本作はもう少しゲーム性の部分が強くなっています。ただ、まだまだQTE的なアクションをやらされるばかりで、HEAVY RAINのように退屈なものは少なめになったという程度です。
 よく考えると、お話というのはアクションゲームやRPGみたいなゲーム性重視のゲームにもあるわけで、ゲームである以上はどちらか一つが輝いていればいいということはないでしょう。両奪りができれば、もちろん理想的です。だから、もっとゲーム性の部分を磨いていってほしいと思います。

 肝腎のお話の部分はどうかというと、全体としてはよくできていますが、かなり重いので、苦手な人は気を付けてください。ジョディの不幸な生い立ちや国家権力に振り回される悲惨さを見ているとげんなりしてきますが、最後の最後にはそういうのに一切見切りをつけた選択ができるのもこのゲームのいいところだと思います。

 やり直す場合や2周目をやる場合のシステムはHEAVY RAINから全く進歩が見られず、一度見たムービーやQTEもスキップできないし、過去に立てたフラグを維持したまま未来にジャンプするということもできない(一度見たものであっても、間を全て見る必要があります)ので、エンディングとトロフィーをコンプリートするにはかなりの根気が必要です。ここまで徹底していると、わざとそうやっているのではないかと思えるほどです。別に、そんなにこだわる必要があるところだとは思えませんが。

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