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BIOMUTANT

 トロコンが短時間(20時間〜30時間)で済みそうだったので、前評判の悪さは聞いてはいましたがやってしまいました。

 オープンワールドゲームです。世界観やストーリーは後述の通りワケが分からないのですが、見た感じの雰囲気は私はBtoWに一番近いと思いました。ちょっとぼやけた空気感とかポストアポカリプスのフィールドとか世界に倒すべき4体のボスが散らばっている感じとかはまさにブレワイです。
 主人公は、これも設定がよく分からないのですが、見た目が動物です(キャラクタークリエイトがあり、結構細かく見た目はイジれます。ただベースにできる動物の種類はそこまで豊富なわけではありません)。そして、その主人公に常についてくる「オートマトン」という名のバッタ型の機械がいます。ナレーションはこのオートマトンがやっています。というか、このゲームで意味のある声を発するのはオートマトンだけです。オープンワールドにはそこら中にコミュニケーションのとれる動物がいますが、彼らが発する声はバンジョーみたいなフニャフニャ音に過ぎず、それをオートマトンが通訳してくれるという形です。翻訳は全体的に直訳気味で(字幕には誤字脱字も少なからずあります)、それ以前に専門用語や難解な言い回しが多いので、結局何のために何をやるべきなのかはよく分かりません。分からないままゲームを進めざるを得ないので、致命的にモチベーションが湧いてきません。
 とはいえ、何のために何をやるべきなのかが分からないのは私が好きなソウルライク死にゲーたちも一緒です。なぜこちらでは(私も含めた)プレイヤーのモチベーションが保たれるかといえば、戦闘のおもしろさと手に汗握る緊張感に引き付けられるからです。
 となると本作でもバトルのクオリティが大事になってくるわけですが、こちらもあまり芳しいものではないということなのです。本作の主人公は近接武器と遠距離武器を同時に扱うことができ、オープンワールドで色々な敵と戦うことになります。この戦闘については、色々言われてはいますが、私はウィッチャー3に一番近いと思いました。これは、悪い意味で言っています。視覚的なエフェクトもSEも地味で、何回か攻撃を入れてはローリングで距離をとるというヒットアンドアウェイ戦法が一番有効なので、時折砂を噛んでいるような虚しさに襲われます。敵もバリエーションが少ない(名前は違っても実質他の敵の色違いで大して変わり映えがしないことが多いです)うえに妙に固いことが多いので、このヒットアンドアウェイを長時間続けねばならず、作業感が強いのです。本作にはハクスラ要素もありますが、戦闘自体が無味乾燥なので武具を強くしようというモチベーションも湧いてきません。
 オープンワールドは昨今の対策と比較すると狭めで、中くらいの大きさといったところですが、サイドクエストは数だけは膨大にあります。この世界観がハマるのであれば長く遊んでいられるでしょう。

 ただ私には全くハマらなかったので、トロコン(+ゲームクリア)までしかやる気が起きませんでした。

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