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数少ないPS5専用タイトルのひとつで、The Game Awards 2021で色々受賞していたということもあり、手を出してみました。
このゲーム一番の特徴は、その設定の部分にあるのでしょう。タイトルにも"LOOP"と入っている通り、主人公のコルトはとある島で繰り返すタイムループに押し込められています。1日を終えると(あるいは死ぬと)、その日の朝に戻されてしまうのです。自身の記憶もほとんど失われており、どうしてこういう状況になっているのかもよく分かりません。プレイヤーはループを打破するために島を探索して情報を集めつつ、各地に点在している「ヴィジョナリー」という敵を倒していくことになります。
ゲームの基本は、FPSのガンシューティングです。ゲームバランス的には、ステルス要素が若干強めです。序盤は主人公も武装も貧弱なのでステルス優先でコソコソ進めないと辛いですが、主人公が強化されてくるとごり押しでも結構なんとかなるようになります。前述の通りゲームの舞台は1つの島なのですが、島全体がオープンワールドになっているわけでもなく、島の一部を切り取った箱庭ステージが4つあるだけです。朝に目覚めてループが始まると、プレイヤーはまず4つの箱庭ステージのうちのどこに行くかを選ぶことになります。いったん入った箱庭ステージから出ると、時間が進みます。時間帯は朝・昼・午後・夜の4つがあり、時間が違えば同じステージでも敵の配置や入れる場所が若干変わってきます。夜を終えるか、途中で死ぬ(リプライズというデフォルト能力のおかげで、2回までは救済されます)とループが発動して朝に戻されます。
前述のヴィジョナリーはどの時間帯にどのステージにいるのかが決まっています。また一度殺しても、ループすると主人公と同じように生き返ってしまいます。このゲームの最終目標は、1回のループでヴィジョナリーを7人全員殺しきることになります。前述のようにステージに入る機会は1日に4回しかないので、初期状態のままでは各地にばらけているヴィジョナリー7人を殺しきることは到底できません。目標達成のために、まずはループを繰り返しながら島の各地を動き回って情報を集めつつ色々な細工を行い、ヴィジョナリーの行動や居場所を制御してできるだけ同じステージに集めていくことになります。そういう意味ではGhost Trick的な側面があるゲームだなあと思いました。
武器や、「トリンケット」という主人公や武器の強化に使う装備品は、レジドゥムという島の各地で集められるアイテムを一定数注入すれば、ループ後も持ち越せるようになります。ヴィジョナリーの行動を制御するための「細工」にも、ループ後もそのまま効果が維持されるものもあります(他方で元に戻ってしまうものもあります)。
全体的なボリュームは少なめで、ストーリークリアだけであれば10時間前後、トロコンまでやっても15時間〜25時間くらいでしょう。
私は、あんまり楽しめませんでした。まず箱庭ステージはどれも同じような情景で、それほど変わり映えがしません。岩がちな島の上に極彩色で急ごしらえの武装拠点が点在している感じです。ちょうどFARCRYシリーズが雰囲気としては近いです。ループ云々という設定の部分を取り去ったあとに残るゲーム性も、FPSガンシューティングというFARCRYそのものだと思います。この点にはほとんど革新性はありません。
このようにゲーム性の部分が凡庸なので、本作を楽しむにあたってはそのストーリーや設定を楽しむことが重要になってきますが、ゲーム内であんまりちゃんとした説明がないので、島の各地に点在しているファイルを読み込んでプレイヤーが自分で何が起きているかを考える必要があります。ただファイルの場所は基本的にノーヒントなので、漫然とやると到底全部を拾いきることができず、虫食い状態の情報しか集まらないでしょう。その点がお話の求心力を著しく損ねていると思います。漫然とやるとよく分からないままなので、先が見たいという気にあんまりならないのです。この点は、もう少し手当てをしてやった方が良かったのではないでしょうか。
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このゲーム一番の特徴は、その設定の部分にあるのでしょう。タイトルにも"LOOP"と入っている通り、主人公のコルトはとある島で繰り返すタイムループに押し込められています。1日を終えると(あるいは死ぬと)、その日の朝に戻されてしまうのです。自身の記憶もほとんど失われており、どうしてこういう状況になっているのかもよく分かりません。プレイヤーはループを打破するために島を探索して情報を集めつつ、各地に点在している「ヴィジョナリー」という敵を倒していくことになります。
ゲームの基本は、FPSのガンシューティングです。ゲームバランス的には、ステルス要素が若干強めです。序盤は主人公も武装も貧弱なのでステルス優先でコソコソ進めないと辛いですが、主人公が強化されてくるとごり押しでも結構なんとかなるようになります。前述の通りゲームの舞台は1つの島なのですが、島全体がオープンワールドになっているわけでもなく、島の一部を切り取った箱庭ステージが4つあるだけです。朝に目覚めてループが始まると、プレイヤーはまず4つの箱庭ステージのうちのどこに行くかを選ぶことになります。いったん入った箱庭ステージから出ると、時間が進みます。時間帯は朝・昼・午後・夜の4つがあり、時間が違えば同じステージでも敵の配置や入れる場所が若干変わってきます。夜を終えるか、途中で死ぬ(リプライズというデフォルト能力のおかげで、2回までは救済されます)とループが発動して朝に戻されます。
前述のヴィジョナリーはどの時間帯にどのステージにいるのかが決まっています。また一度殺しても、ループすると主人公と同じように生き返ってしまいます。このゲームの最終目標は、1回のループでヴィジョナリーを7人全員殺しきることになります。前述のようにステージに入る機会は1日に4回しかないので、初期状態のままでは各地にばらけているヴィジョナリー7人を殺しきることは到底できません。目標達成のために、まずはループを繰り返しながら島の各地を動き回って情報を集めつつ色々な細工を行い、ヴィジョナリーの行動や居場所を制御してできるだけ同じステージに集めていくことになります。そういう意味ではGhost Trick的な側面があるゲームだなあと思いました。
武器や、「トリンケット」という主人公や武器の強化に使う装備品は、レジドゥムという島の各地で集められるアイテムを一定数注入すれば、ループ後も持ち越せるようになります。ヴィジョナリーの行動を制御するための「細工」にも、ループ後もそのまま効果が維持されるものもあります(他方で元に戻ってしまうものもあります)。
全体的なボリュームは少なめで、ストーリークリアだけであれば10時間前後、トロコンまでやっても15時間〜25時間くらいでしょう。
私は、あんまり楽しめませんでした。まず箱庭ステージはどれも同じような情景で、それほど変わり映えがしません。岩がちな島の上に極彩色で急ごしらえの武装拠点が点在している感じです。ちょうどFARCRYシリーズが雰囲気としては近いです。ループ云々という設定の部分を取り去ったあとに残るゲーム性も、FPSガンシューティングというFARCRYそのものだと思います。この点にはほとんど革新性はありません。
このようにゲーム性の部分が凡庸なので、本作を楽しむにあたってはそのストーリーや設定を楽しむことが重要になってきますが、ゲーム内であんまりちゃんとした説明がないので、島の各地に点在しているファイルを読み込んでプレイヤーが自分で何が起きているかを考える必要があります。ただファイルの場所は基本的にノーヒントなので、漫然とやると到底全部を拾いきることができず、虫食い状態の情報しか集まらないでしょう。その点がお話の求心力を著しく損ねていると思います。漫然とやるとよく分からないままなので、先が見たいという気にあんまりならないのです。この点は、もう少し手当てをしてやった方が良かったのではないでしょうか。
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