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FARCRY 6
FARCRY 6 
はい。私の大好きなFARCRYシリーズのナンバリングタイトルです。今回の舞台はカリブに浮かぶ架空の小国・ヤーラです。
やることはこれまでの作品たちと一緒です。ゲリラの一員となって、ヤーラの独裁者であるアントン・カスティロの打倒を目指すことになります。メインミッションと並行して、シリーズの伝統的な要素である敵基地の攻略やら、収集物の回収やらを進めていくのがゲームプレイの肝です。またサイドミッションも数はたくさんあります。
良く言うとシリーズの伝統を手堅く踏襲していますが、悪く言うと代わり映えがほとんどありません。その結果ゲームの中身も、やることが徹頭徹尾「敵との銃撃戦」でずっと変わらないので、過去作より早めに飽きが来てしまいました。これも本シリーズの伝統なのですが、GTAのような「プレイヤーを飽きさせないための演出上の工夫」に乏しいのです。GTAなら、例えばヘリや戦車で撃ち合いをするミッションもあるでしょうし、スナイパーライフルでターゲットを狙撃するミッションもあるでしょう。また車やボートで逃げながら敵を撃つミッションもあるでしょうし、逆にこっちが車やボートに乗っている敵を追い回すミッションもあるでしょう。更には高速のカーレースだったり、パラシュートで敵拠点に降下したり、飛行機で敵のビルに突っ込んだりといったシチュエーションもあったかもしれません。それに比べて本作は、こういった変わり種のミッションは量的にはわずかで、基本的には最初から最後まで敵拠点で普通のドンパチをしてばかりになってしまっているのです。加えて本作ではオープンワールドが広くなったせいでこういった代わり映えのないタスクの数々も量だけ増えたので、コンプリートしないと気が済まない方々には辛い仕上がりになってしまっています。
その割りに、FARCRYシリーズの一番の売りと言ってもいい（攻略対象としての）「敵基地」の数は21しかなく、3や4よりも減っています。オープンワールドには「基地」とは異なる「単なる敵拠点」が大量に点在しており、これらは基地と違って攻略もできないので、ゲームをどこまで進めても敵兵が残り続けます（ウォッチドッグス レギオンのオープンワールドに似ています）。これが、散策の自由度を下げていると共に、徐々に自軍の勢力範囲が広がっていく戦略SLG的な快感をも削いでいます。いくら戦っても「点」を押さえるだけで、安全地帯が増えないわけですからね。
なお基地の代わりなのかは分かりませんが、本作のオープンワールドには「検問所」という小規模な敵拠点が数多く配置されています。検問所も基地と同じで攻略することが可能なのですが、だいたいどこも似たような構造であり、敵兵も3〜4人しかいないため、基地攻略のような面白味はありません。検問所ゆえに広めの道路に設置されていることが多く、しょっちゅう外から敵軍の車がやって来るので、ステルスプレイが非常にやりにくい（＝ひっきりなしに往来する敵車両の目も気にしないといけない）構造になっているのもストレスの蓄積を加速させています。
このように本作は、頭から尻尾までいつものFARCRYでした。ただオープンワールドを広げた結果中身が薄まり、「やっていることがずっと同じなので飽きやすい」というシリーズの悪いところが印象深くなってしまったのが痛かったです。本作にも乗り物や武器といった「小道具」は豊富に揃っています。是非GTAのようにもっと色々なシチュエーションを（大なり小なり自由度を削ぐ形で構わないので）体験させてください。
こういう作品ばかりだから「UBIは75点のゲームしか作れない」などと言われるのです。0点を75点にするのも大変ですが、ここから更に5点を加点するのは0点を75点に上げるのと同じくらいの労力がかかると思います。それは想像ができます。ただこの会社には、一本の作品にそれくらいの注力をするという経験を一回はしてみて欲しいのです。
<その他>
・ストーリーもシリーズの伝統を踏襲しており、分かりやすいハッピーエンドではありません。場合によってはそれまでのゲームプレイに徒労感まで覚えてしまうような釈然としない終わり方です。
またここでの詳述は避けますが、アントンの息子のディエゴに関しても、散々伏線を張っておいた割りにあんな淡白な結末でいいのかという気はします。もしかしたら違うエンディングもあるのかもしれないと思ってしまったほど淡白な終わり方でした（ただ、私が調べた範囲では主人公が途中で逃げ出す隠しEDを除けば、EDはひとつのようです。打倒アントンの革命に最後まで付き合うと、常に同じ結末に辿り着きます）。
ディエゴの顛末については、最大限フォローをしてやると、現実はそんなもんだ（＝なかなかフィクションのようなドラマティックな展開にはならない）ということを表現したかったのかもしれません。
・シリーズ伝統のスキルツリーはありません。旧作のスキルツリーで獲得していた各種のスキルは、武器の改造パーツや防具の特殊効果に落とし込まれています。つまり、状況に応じて必要なスキルを吟味して、武器や防具を変えていく必要があるということです。ゲーム自体の難易度が低めなのでそこまで意識しなくても攻略に支障はありませんが、どちらの仕様がいいかに関しては賛否両論あることでしょう。
・ネット上で見た意見ですが、本作の一番の売りである基地攻略だけを延々と繰り返していくステージクリア形式のゲームを作ったらどうかと仰る方がいました。私も頷けるところがあります。基地攻略が楽しいのは、MGS��と一緒で、ステルスでいくもよし、遠くから狙撃するもよし、派手にドンパチするもよしと自由度が高く、どうするかを考えながら進めていくおもしろさがあるからです。それだけをやっていたいという意見もよく分かります。
・日本語字幕は相変わらず改行の位置が変です。
・バグも少なくありません。特に2021年11月末現在、ストーリークリア後の「反乱」というイベントで、復活するはずの敵拠点が復活しない（＝その結果反乱の鎮圧を最後まで進めることができない）というバグが未だ猛威を振るっています。また、マップ上にある収集物等々のアイテムは、獲得するとそのアイコンがマップから消えるはずなのですが、獲ったはずなのにその場所を再訪するとアイコンがまたマップに表示されるというバグも日常茶飯事です。そのせいで無駄足を強いられます。
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やることはこれまでの作品たちと一緒です。ゲリラの一員となって、ヤーラの独裁者であるアントン・カスティロの打倒を目指すことになります。メインミッションと並行して、シリーズの伝統的な要素である敵基地の攻略やら、収集物の回収やらを進めていくのがゲームプレイの肝です。またサイドミッションも数はたくさんあります。
良く言うとシリーズの伝統を手堅く踏襲していますが、悪く言うと代わり映えがほとんどありません。その結果ゲームの中身も、やることが徹頭徹尾「敵との銃撃戦」でずっと変わらないので、過去作より早めに飽きが来てしまいました。これも本シリーズの伝統なのですが、GTAのような「プレイヤーを飽きさせないための演出上の工夫」に乏しいのです。GTAなら、例えばヘリや戦車で撃ち合いをするミッションもあるでしょうし、スナイパーライフルでターゲットを狙撃するミッションもあるでしょう。また車やボートで逃げながら敵を撃つミッションもあるでしょうし、逆にこっちが車やボートに乗っている敵を追い回すミッションもあるでしょう。更には高速のカーレースだったり、パラシュートで敵拠点に降下したり、飛行機で敵のビルに突っ込んだりといったシチュエーションもあったかもしれません。それに比べて本作は、こういった変わり種のミッションは量的にはわずかで、基本的には最初から最後まで敵拠点で普通のドンパチをしてばかりになってしまっているのです。加えて本作ではオープンワールドが広くなったせいでこういった代わり映えのないタスクの数々も量だけ増えたので、コンプリートしないと気が済まない方々には辛い仕上がりになってしまっています。
その割りに、FARCRYシリーズの一番の売りと言ってもいい（攻略対象としての）「敵基地」の数は21しかなく、3や4よりも減っています。オープンワールドには「基地」とは異なる「単なる敵拠点」が大量に点在しており、これらは基地と違って攻略もできないので、ゲームをどこまで進めても敵兵が残り続けます（ウォッチドッグス レギオンのオープンワールドに似ています）。これが、散策の自由度を下げていると共に、徐々に自軍の勢力範囲が広がっていく戦略SLG的な快感をも削いでいます。いくら戦っても「点」を押さえるだけで、安全地帯が増えないわけですからね。
なお基地の代わりなのかは分かりませんが、本作のオープンワールドには「検問所」という小規模な敵拠点が数多く配置されています。検問所も基地と同じで攻略することが可能なのですが、だいたいどこも似たような構造であり、敵兵も3〜4人しかいないため、基地攻略のような面白味はありません。検問所ゆえに広めの道路に設置されていることが多く、しょっちゅう外から敵軍の車がやって来るので、ステルスプレイが非常にやりにくい（＝ひっきりなしに往来する敵車両の目も気にしないといけない）構造になっているのもストレスの蓄積を加速させています。
このように本作は、頭から尻尾までいつものFARCRYでした。ただオープンワールドを広げた結果中身が薄まり、「やっていることがずっと同じなので飽きやすい」というシリーズの悪いところが印象深くなってしまったのが痛かったです。本作にも乗り物や武器といった「小道具」は豊富に揃っています。是非GTAのようにもっと色々なシチュエーションを（大なり小なり自由度を削ぐ形で構わないので）体験させてください。
こういう作品ばかりだから「UBIは75点のゲームしか作れない」などと言われるのです。0点を75点にするのも大変ですが、ここから更に5点を加点するのは0点を75点に上げるのと同じくらいの労力がかかると思います。それは想像ができます。ただこの会社には、一本の作品にそれくらいの注力をするという経験を一回はしてみて欲しいのです。
<その他>
・ストーリーもシリーズの伝統を踏襲しており、分かりやすいハッピーエンドではありません。場合によってはそれまでのゲームプレイに徒労感まで覚えてしまうような釈然としない終わり方です。
またここでの詳述は避けますが、アントンの息子のディエゴに関しても、散々伏線を張っておいた割りにあんな淡白な結末でいいのかという気はします。もしかしたら違うエンディングもあるのかもしれないと思ってしまったほど淡白な終わり方でした（ただ、私が調べた範囲では主人公が途中で逃げ出す隠しEDを除けば、EDはひとつのようです。打倒アントンの革命に最後まで付き合うと、常に同じ結末に辿り着きます）。
ディエゴの顛末については、最大限フォローをしてやると、現実はそんなもんだ（＝なかなかフィクションのようなドラマティックな展開にはならない）ということを表現したかったのかもしれません。
・シリーズ伝統のスキルツリーはありません。旧作のスキルツリーで獲得していた各種のスキルは、武器の改造パーツや防具の特殊効果に落とし込まれています。つまり、状況に応じて必要なスキルを吟味して、武器や防具を変えていく必要があるということです。ゲーム自体の難易度が低めなのでそこまで意識しなくても攻略に支障はありませんが、どちらの仕様がいいかに関しては賛否両論あることでしょう。
・ネット上で見た意見ですが、本作の一番の売りである基地攻略だけを延々と繰り返していくステージクリア形式のゲームを作ったらどうかと仰る方がいました。私も頷けるところがあります。基地攻略が楽しいのは、MGS��と一緒で、ステルスでいくもよし、遠くから狙撃するもよし、派手にドンパチするもよしと自由度が高く、どうするかを考えながら進めていくおもしろさがあるからです。それだけをやっていたいという意見もよく分かります。
・日本語字幕は相変わらず改行の位置が変です。
・バグも少なくありません。特に2021年11月末現在、ストーリークリア後の「反乱」というイベントで、復活するはずの敵拠点が復活しない（＝その結果反乱の鎮圧を最後まで進めることができない）というバグが未だ猛威を振るっています。また、マップ上にある収集物等々のアイテムは、獲得するとそのアイコンがマップから消えるはずなのですが、獲ったはずなのにその場所を再訪するとアイコンがまたマップに表示されるというバグも日常茶飯事です。そのせいで無駄足を強いられます。
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