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FARCRY New Dawn

 5のスピンオフです。
 5のラストで崩壊した世界の17年後を描いています。
 5の舞台、ホープ・カウンティで17年間ひっそりと生きてきた現地住民と、カルト集団(5の敵役)の残党、そしてどこからともなくやってきた略奪者のハイウェイマンとの戦いを描きます。主人公は現地住民やカルト集団と協力しながらハイウェイマンと抗争を繰り広げていきます。
 5からさほどの時間を経ることなく発売されたスピンオフ作品(5の発売は2018年3月29日で、本作の発売がそこから1年経っていない2019年2月15日です)ということで、ボリュームはナンバリングタイトルと比べれば薄めです。ホープ・カウンティは行ける場所が二回りぐらい小さくなっています。シリーズ恒例の敵の基地も10ヶ所しかなく(3では33ヶ所、4では24ヶ所(基地の大規模版と言える「要塞」が別に4ヶ所あります)、5では20ヶ所あり、本作と同じスピンオフのPrimalでも15ヶ所ありました)、難易度が上昇した同じ基地を何度も攻めることになるという水増し仕様です。でもまあ、スピンオフならこんなもんじゃないでしょうか。ボリュームと比較したときに値段を高いと見るかは人それぞれですが、私は十分だと思います。きちんと、いつものFARCRYでした。
 崩壊でラスアスの世界観のように野性味が増してカラフルになったホープ・カウンティは、ところどころにワイルドな動植物が繁茂していてかなりリアリティのある作りになっています。ホープ・カウンティを使い回していると言えばその通りなのですが、別に細かい地形までこっちは覚えていないのでそれに憤りを感じることはありませんでした(むしろ、5で見た場所がどう変わっているかを観察することに楽しみを覚える人もいるのではないでしょうか)。

 あとはまあ、5でラスボスだったカルトの教祖・ジョセフと共闘する展開に耐えられるか、という問題もあります。5は結局「ジョセフのカルトじみた予言が現実になり、世界が崩壊してしまう」というそれまでのプレイヤーのゲームプレイを全否定する展開なので、5の時点から存在する問題ではあったのですが、そのジョセフと共闘することで5の主人公にプレイヤー自身が更に追い打ちをかけることになります。自分のクソを食べさせられているようでちょっと気持ち悪くはなる人もいるでしょう。まあ、UBIのゲームは全体的にそういう感じらしいので、わざわざ手を出した人は覚悟していたでしょうし、5をやっていない人にはさほどのダメージはないと思いますので、いいんではないでしょうか。本作単体で見たら、きちんとハッピーエンドにはなっています。

 FARCRYシリーズは伝統的にパッケージに主人公ではなく敵役を描く(3はバース、4はパガン・ミン、5は前述のジョセフ)のですが(多分、FPSなので主人公の姿形を見る機会が少なく、主人公を描いても誰だか分かりにくいのと、5ぐらいからキャラメイクが自由にできるようになりプレイヤーごとに主人公の容姿が変わるようになったのが理由かと思います)、今回パッケージに描かれているのはハイウェイマンを率いるミッキーとルーという双子の姉妹です。ミッキーとルーは、きちんとボスとして戦うことができます(銃弾に結構耐えます)。ただラスボスはこいつらではなくて、また最後にスピリチュアルな展開があります。もう、お家芸ですね。

※追伸1
 ハイウェイマンの身に着けている物の中にカタカナで「コーソクドーロ」と書かれている場合があります。つまり、ハイウェイですね。カタカナも、向こうの人からしたらアラビア文字やペルシア文字的なわけのわからない紋様に見えるのでしょうか。

※追伸2
 ゲームからもアクセスできるUbisoft clubでは、「〇が決定で×がキャンセル」なのですが、表示がテレコになっています。例えば何か追加コンテンツをポイントで買おうとして選択すると「×:購入 〇:キャンセル」などと表示されるのです。多分、現実のキーコンフィグは欧米仕様から逆にしたけど表示だけ直っていない、という状況だと思います。いつまで経っても直らないので、早く直してください(私の記憶する限り、5の頃からこの状況のままです)。結構、表示を信じて押し間違えてしまいます。

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