当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

作評トップ

Rise of the Ronin

 コーエーテクモの話題のオープンワールドゲームです。
 舞台は幕末の日本であり、「隠し刀」と呼ばれる戦闘員の主人公を操って、激動の時代を駆け抜けていくことになります。
 オープンワールドとなっているのは横浜・江戸・京都の3ヶ所であり、いずれも広さは中規模です。ただ歴史に強いコーエーテクモだけあって再現度はなかなか高いのではないかと思います。とはいえ、グラフィックはむちゃくちゃキレイというレベルではありません(体感は仁王Wo Longと同レベルです)。

 戦闘システムは前掲の仁王Wo Longとソックリです。武器が全部で9種類あり、各武器に流派と呼ばれる戦闘スタイル(仁王の「構え」のようなもの)が複数あります。とはいえ難易度はオープンワールドゲームらしく劇的に下げられており、死にゲーと比べればこちらの与ダメは多めで、被ダメは少なめです。
 オープンワールドゲームなので収集要素や制圧できる敵の拠点や強めのネームドキャラが各地に散在しています。とはいえ、「やっていることが徹頭徹尾同じ」というオープンワールドゲームの良くないところもそのまま再現されてしまっています。ストーリーも薄味で、仁王Wo Longと同じ感じです。幕末のビッグネームや有名インシデントが次々に登場するという展開の連続なので、各要素の掘り下げは浅く、海外の方や歴史に興味の薄い方が目まぐるしく情勢が変化したあの時代を理解するのは難しいと思います。

 そんなわけで、総評としては「ガワだけはちゃんとしているように見える」でお馴染みのUBIのオープンワールドゲームとどっこいどっこいという感じです。ただ本作は、「ちゃんとしているように見える」に止まらず、本当に「ちゃんとしている」ので、出来に振れ幅のあるUBIのオープンワールドゲームの中でも上振れの方と同じくらいのクオリティはあると思います。もう一段階大きくハネるゲームにするには、何か一要素足りません。ストーリーをもっと濃いものにするのは一つの手でしょう。ずっと本作をやっていられるような圧倒的な没入感を作り出すのもいいかもしれません。

 そんな感じです。次回作に期待ですね。

作評トップ

管理人/副管理人のみ編集できます