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ステルスアクションゲームです。分かりやすく言うなら、舞台を江戸時代の日本にして、クォータービューにしたHITMANでしょうか。ただ、作っているのは海外の会社のようです。私が最近よく見る「まーちんのゲーム集会所」というチャンネルで紹介されていました。ちなみにこのチャンネルは、ニッチで埋もれている良インディーゲーをたくさん紹介してくれているので、その分野の好事家にはおすすめです。
ステルスアクションとしてはとてもよくできています。ステルスアクションゲームの楽しさは、気取られていない状態を維持しながら一人ずつ敵を始末しつつ、徐々に前に進んでいくパズルゲーム的な楽しさであると思います。本作では操作できるキャラが5人おり、それぞれにできることが違うので、どのキャラのどのスキルをどういう順番で使うかまで考えていくと、採り得る選択肢は非常に多彩です(実際に解法の自由度も高いです)。どういう手順をとれば目標が達成できるかを考える思考過程は、まさにパズルを解くときのそれそのものです。難度が上がれば上がるほど敵兵の監視網の隙も小さくなっていくのですが、僅かな突破口を探してトライアル&エラーを繰り返し、自分の考えた策がうまくハマった時の快感といったら他に代えようがありません。この快感を十分に享受するには、快適に試行錯誤を繰り返せる環境が整えられている必要があるので、セーブ&ロードは軽快にできなければなりません。本作は、そのあたりのシステム周りも非常にちゃんとしています。
もっとも、ヒットマン: アブソリューションをやった時も思いましたが、難度が上がると(あるいはゲーム内実績である「バッジ」を獲得するための縛りプレイ等をすると)、パズルゲームというよりは、敵兵の監視網の細い細い針の穴に細い細い糸を通していくような繊細なゲームプレイが求められるようになります。本作はその傾向がそこまで顕著ではないとはいえ、その時に要求される操作はプラットフォームアクションゲームで(比喩ではなく文字通りの)「綱渡り」をするときの操作であり、前述のパズルゲーム的な楽しさとは全く違うものです。頭での戦略の考案ではなく、微細な指使いが求められるだけだからです。もちろんどっちが楽しいと思えるかは好みの問題なのですが、私個人は、ステルスアクションゲームは純然たるパズルゲームとして楽しみたいと思っているクチです。この意味での本作のバランスは、ちょうどいいと思います。「文字通りの綱渡り」は、私がプレイした範囲では高難度の縛りプレイの時にしか要求されなかったからです。
ちなみに海外のメーカーが江戸時代の日本を舞台に作ったゲームですが、一昔前の洋ゲーに見られた「変な日本」感はほとんどありません。「ほとんど」というのは、登場人物のうち将軍家の面々の格好が中国の歴史ファンタジーっぽいなとか、名前があんまり江戸時代の武家の人っぽくないなとか(将軍の弟が「ノボル」で、その息子が「マサル」です)、そういう微小な違和感はありました。まあ本作は単に日本を舞台にしたゲームではなく、「江戸時代の日本」を舞台にしたゲームなので、作り手には時代考証というもう一つの壁が立ちはだかっているわけですが、挑戦を繰り返せばこのあたりのクオリティはどんどん上がっていくことでしょう。ゲーム性の部分はよくできているので、罵詈雑言を並べ立てるのはやめておきましょう。
※日本語音声も入っています。台詞等々の邦訳も全体的にとても自然です。ただ、翻訳にここまで力を入れるのであれば、登場人物の名前にもちゃんと漢字を当ててやればいいのになあといつも思います。本作の登場人物の名前は、前述のノボルやマサルもそうですが、主人公一行5人(ハヤト・ムゲン・タクマ・ユキ・アイコ)も含めて全員カタカナ表記になっています。私は、カタカナ表記を見ると少し興が冷めてしまいます。Ghost of TsushimaやTrek to Yomiではちゃんと漢字を当ててましたよ。
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ステルスアクションとしてはとてもよくできています。ステルスアクションゲームの楽しさは、気取られていない状態を維持しながら一人ずつ敵を始末しつつ、徐々に前に進んでいくパズルゲーム的な楽しさであると思います。本作では操作できるキャラが5人おり、それぞれにできることが違うので、どのキャラのどのスキルをどういう順番で使うかまで考えていくと、採り得る選択肢は非常に多彩です(実際に解法の自由度も高いです)。どういう手順をとれば目標が達成できるかを考える思考過程は、まさにパズルを解くときのそれそのものです。難度が上がれば上がるほど敵兵の監視網の隙も小さくなっていくのですが、僅かな突破口を探してトライアル&エラーを繰り返し、自分の考えた策がうまくハマった時の快感といったら他に代えようがありません。この快感を十分に享受するには、快適に試行錯誤を繰り返せる環境が整えられている必要があるので、セーブ&ロードは軽快にできなければなりません。本作は、そのあたりのシステム周りも非常にちゃんとしています。
もっとも、ヒットマン: アブソリューションをやった時も思いましたが、難度が上がると(あるいはゲーム内実績である「バッジ」を獲得するための縛りプレイ等をすると)、パズルゲームというよりは、敵兵の監視網の細い細い針の穴に細い細い糸を通していくような繊細なゲームプレイが求められるようになります。本作はその傾向がそこまで顕著ではないとはいえ、その時に要求される操作はプラットフォームアクションゲームで(比喩ではなく文字通りの)「綱渡り」をするときの操作であり、前述のパズルゲーム的な楽しさとは全く違うものです。頭での戦略の考案ではなく、微細な指使いが求められるだけだからです。もちろんどっちが楽しいと思えるかは好みの問題なのですが、私個人は、ステルスアクションゲームは純然たるパズルゲームとして楽しみたいと思っているクチです。この意味での本作のバランスは、ちょうどいいと思います。「文字通りの綱渡り」は、私がプレイした範囲では高難度の縛りプレイの時にしか要求されなかったからです。
ちなみに海外のメーカーが江戸時代の日本を舞台に作ったゲームですが、一昔前の洋ゲーに見られた「変な日本」感はほとんどありません。「ほとんど」というのは、登場人物のうち将軍家の面々の格好が中国の歴史ファンタジーっぽいなとか、名前があんまり江戸時代の武家の人っぽくないなとか(将軍の弟が「ノボル」で、その息子が「マサル」です)、そういう微小な違和感はありました。まあ本作は単に日本を舞台にしたゲームではなく、「江戸時代の日本」を舞台にしたゲームなので、作り手には時代考証というもう一つの壁が立ちはだかっているわけですが、挑戦を繰り返せばこのあたりのクオリティはどんどん上がっていくことでしょう。ゲーム性の部分はよくできているので、罵詈雑言を並べ立てるのはやめておきましょう。
※日本語音声も入っています。台詞等々の邦訳も全体的にとても自然です。ただ、翻訳にここまで力を入れるのであれば、登場人物の名前にもちゃんと漢字を当ててやればいいのになあといつも思います。本作の登場人物の名前は、前述のノボルやマサルもそうですが、主人公一行5人(ハヤト・ムゲン・タクマ・ユキ・アイコ)も含めて全員カタカナ表記になっています。私は、カタカナ表記を見ると少し興が冷めてしまいます。Ghost of TsushimaやTrek to Yomiではちゃんと漢字を当ててましたよ。
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