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The Last of Us Part I

 2013年にPS3向けに発売されたシリーズ第1作を、PS5向けにリメイクした作品です(「Left Behind ‐残されたもの‐」という原作のDLCも収録されています)。このほどゲームカタログに追加されたのでやってみました。思えば原作の記事は本ページに私が初めて書いたゲーム評であり、青臭さがふんだんに匂い立ちます。改めて読み返してみると、かなり恥ずかしいです。当時の私はまだトロファーでもなかったので、ノーマルで1周だけして投げ出してしまいました。

 さて本作は原作に忠実なリメイクなので、感想はほぼ変わりありません。原作のプレイを終えたときと同じように、エリーの意思が無視されたままお話が閉じていく点にはスッキリしないものが残りましたが、ここは全面的に好みの問題だと思います。そして本作の特徴である深いストーリーを取っ払うと、残るゲーム性は「洋ゲーによくあるTPSシューティングアクション(ただしステルス優遇のバランス)」でしかありません。まあ、極限状況で展開される非情なストーリーと、弾薬も物資も常にカツカツでギリギリのやりくりを強いられるゲーム部分は、よく嚙み合っているとは思います。プレイヤーもギリギリのゲームプレイを経験することで、ジョエルとエリーをはじめ登場人物たちの辛さやあの世界で生き残ることの残酷さを身に染みて理解できる構造になっているのです。このような本作のストーリーは、好みはあるにせよ人の琴線に触れるものではあるので、そこを体験するだけでも価値はあると思います。


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