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The Last of Us Part II
The Last of Us Part II 
※完全なネタバレを含んでおります。ご注意ください。
動画も作ってみました。こちらからどうぞ。
→https://www.youtube.com/watch?v=7u4Ril2qv6Y&featur...
さあて。色々炎上したらしきラスアスの続編でございます。
サラッと済ませられることを最初に書いておきます。
ゲームシステムは、前作からほぼ変更ありません。謎の寄生菌が蔓延し国家というシステムが崩壊したアメリカを舞台に、異形と化した感染者や敵対する生き残りの人間たちと戦いながら主人公が己の目的を遂げるゲームです。オープンワールドではなくステージクリア形式であり、各チャプターごとに決められたスタート地点からゴール地点まで行けば次のチャプターに進めるというような構成になっています。ジャンルとしてはTPSですが、ゲーム中で入手できる弾薬の数は非常に少なく、持ち運べる上限数は輪をかけて少ないため、物資のやりくりやステルスアクションが重要になってきます。ゲームとしての楽しさ、グラフィックの美しさや、ゲーム中に登場する数々の廃墟のリアルさなどは最高水準と言ってよいでしょう。時間を忘れて没頭できます。ただ、戦闘のあまりない回想のチャプターが頻繁に入るのはいただけません。あと、細かいデモがスキップできないのも良くないと思います。
それ以上の問題は、ストーリーです。本作が炎上した原因もここにあります。
まず本作のストーリーは、前作の重要なネタバレを含んでおり、前作での出来事が密接に関わってくる内容になっているので、先に前作をプレイしておいた方がいいです。
本作の主人公は、前作から続投しているエリ―と、もう1人のアビーという女性です。
「ポリコレ的な描写の多さがうっとうしい」という声もあるようですが、私はさほど気になりませんでした。確かにエリーがレズビアンであるという設定や、レブという身体の性と性自認が異なるキャラクターが出てきたりします。またアビーは、ピーチ姫みたいな「か弱い（＝男性が庇護・支配する対象としての）」女性ではなく、ムッキムキで感染者を素手で絞め殺すほどの膂力の持ち主です。こういった描写は、歴史的に差別の対象となってきたLGBTや「男性と対等に渡りあう女性」を顕在化させる一種のアファーマティブアクションではあるんでしょうが、お話全体から見たときのメインストリームではありませんでした。問題なのはストーリーそれ自体の内容であって、たとえポリコレ的な描写が全くなかったとしても本作は炎上していたと思います。
まずゲームは、前作の主人公であるジョエルがアビーにゴルフクラブで拷問された末に撲殺される描写から始まります。
主人公を含めた人気キャラの殺害は、エンターテインメントでは禁忌です。下記のような条件を満たさないと、なかなかお客さんには受け容れてもらえません。
�，△箸派�活させるか、実は生きていたということにする（後者はそもそも、死亡描写じゃないですけどね）
○神谷薫
○ガンダルフ
�∋猖管措娘�体を見せ場にする。終盤のラスボス戦で、とか、きちんと感動できる内容に仕上げる、とか
○力石徹
○スレッガー
×ハヤト
�Ｉ�要以上にむごたらしくしたない。遺体は五体満足で綺麗に（それか爆死などで雲散霧消させる）。死亡に至るまでの経過は詳細に描かない。医学的な意味での死因も詳細に説明しない。
○上杉和也
今作のジョエルの死亡描写は、上記の条件が何ひとつ守られていません。迷い込んだ敵のアジトであっさり捕まっちゃいますし、ゴルフクラブで何度も殴られてグチャグチャの血まみれになった彼の顔が大写しにされます。犬死にもいいところです。
この時点で、今作の雲行きはかなり怪しくなってきます。
ジョエルが殺されたことを受けて、エリーはアビーに復讐をするために旅立ちます。ところが、先ほども説明した通り、にっくきアビーは本作でプレイヤーが動かさなければならないキャラクターの1人なのです。本作のほぼ半分はアビーパートです。アビーを動かさなければいけないこと自体に反吐が出るような嫌悪感を抱くプレイヤーもいることでしょう。
ただそれに止まらず、アビーパートをやると、アビーが、前作の敵役でありジョエルがほぼ皆殺しにしたファイアフライという組織の生き残りであること、アビーはジョエルに父親を殺されていること、復讐云々を抜きにすればアビーも至って普通の人であり、仲間とこの世界を生き抜くために必死で生活を送っていること、敵対組織の構成員やエリー達に対する情けも持っていること、等々を否が応でも認識させられます。
これは、エンターテインメントの禁忌の二つ目です。
「敵」の人間らしさを描写してはダメなのです。
われわれ人間は、「敵」とみなした対象へのむごたらしさと、「味方」とみなした対象への優しさが表裏一体になっている生き物です。いったん敵とみなした対象に対してはとことん残虐になれるのが人間です。我々は、敵を打倒し、破壊することにこの上ない快感を覚えます。本作のような「戦い」がメインのゲームは、この闘争・打倒の快感を呼び起こすためのエンターテインメントです。エンターテインメントは、あくまでお客さんに「いい気持ち」になってもらうための商品です。「いい気持ち」になれるから、お客さんはお金を払ってまでエンターテインメントを見聞してくれるのです。
ところが敵の人間らしさを描くと、実は我々が「敵」とみなしてきた対象も、「味方」とあんまり変わりがないことが分かってしまいます。そうなると、我々はその敵を打倒することに躊躇や逡巡を覚えます。気持ちよく敵対することができなくなってしまうのです。それは、敢えてトートロジカルに言えば、「味方」に見えてしまうからです。だから、お客さんに気持ちよくなってもらうためには、敵役には頭のてっぺんから足の先までとことん「敵」であってもらう必要があるのです。ところがアビーは、どう見ても普通の人間です。彼女が持っている残虐さや冷酷さはこの世界を生き抜いてきた人々が誰しも持っている程度のものであり、復讐のためにジョエルを殺害した彼女の行動原理も、同じく復讐のために動くエリーと完全に同期します。エリーとアビーの違いが分からなくなってしまうのです。これでは、プレイヤーが気持ちよくゲームができません。
この手の描写は、本作の細かい部分にも及んでいます。例えばザコ敵もこちらで撃ち殺すと仲間から「サニー！！」といった感じに名前を叫ばれます。また所々で拾えるドキュメントには、敵が自分の家族や仲間に充てた手紙もあり、プレイヤーは自分が殺している人間たちも「普通」の人間に過ぎないこと、そしてその「殺し」が実に罪深い所業であることを何度も認識させられます。
ゲームが進んでいくと、エリーはアビーの周りの人間をほとんど皆殺しにすることになります。このアビーの仲間たちも、その後のアビーパートで「普通の人間」であることが徹底的に描かれることになるので、プレイヤーは自分の所業に後悔や慚愧を覚えることでしょう。アビーパートではその後エリーに再度復讐を仕掛けることになり、プレイヤーはそれまで自分の手で動かしてきたエリーを殴らされます。文字通り鬼じゃないとこんなことなかなかできないと思います。ラストには、またエリーを動かしてアビーと殴り合いをさせられることになります。エリーはデスペレートなキャットファイトの末に左手の薬指と小指をアビーに噛み千切られ、一緒に住んでいたパートナーのディーナと彼女が生んだ赤ん坊（父親が別にいます）にも愛想を尽かされて一人ぼっちにさせられてしまいます。復讐の連鎖の末に訪れた結末には、最後まで救いがありません。
このように本作のストーリーは、徹底的にプレイヤーを嫌な気持ちにさせてくる内容になっています。
でも考えてみれば、「敵にはトコトン残虐で、味方にはトコトン優しい」という人間の性質は矛盾に溢れたものです（※この仕組みは、本作のように国家が未発達だった時代に、敵を迅速かつ徹底的に排除して自分や仲間を守るために進化したヒトの認知のバイアスだと思われます）。本作のような描写がなければ敵を気持ちよく倒せるのはその通りかもしれませんが、その時倒した敵にだって本来彼ら彼女らの人生があったはずなのです。本作以外の作品では、それが隠蔽されているだけなのです。そのぐらい、ちょっと考えれば想像がつくことです。にもかかわらず、隠蔽されているだけでそれを都合よく無視して快感を覚えている我々は、欺瞞に満ち溢れています。本作は、ダンガンロンパV3のように、その「欺瞞」を白日の下に晒す道を敢えて選んできたのでしょう。故意でなければ、あそこまで徹底的にプレイヤーを苛める内容のストーリーにはならないと思います。ただまあ、「お前は殺すことに快感を覚えているかもしれんが、それは欺瞞だ」と説教されたプレイヤーが不快感を覚えるのは当然のことです。だから、本作はエンターテインメントではありません。あり得ません。小説の世界では、エンターテインメントではない作品を「純文学」と言ったりしますが、本作はまさに純文学的なゲームといったところでしょうか。
「純文学的なゲームが作りたいのであれば勝手に作ればよいが、『ラスアス』というIPを利用しない欲しい。作りたければ完全新作として作るべきだ」という声が出るのも分かります。ただここも敢えて擁護するとすれば、純文学的なゲームは、基本的に売れません。お金を払ってまで説教されて嫌な気持ちになりたいと思う人は、ごく少数でしょう。これを大々的に売って多くの人に自分の主張を届けるには、すでに名前が売れているブランドを利用するというのがとても有効な手段になってしまいます。それがいいと言うつもりはありませんが、そういう「汚い」手段もとらざるを得ない純文学者たちの懊悩には一定の理解を示して欲しいと私は思っています。
以上をもって、人間の嫌な部分を『チン太のこと』や『シトラス三国志』で描き続けている私から本作に送る賛辞に代えさせていただきます。
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さあて。色々炎上したらしきラスアスの続編でございます。
サラッと済ませられることを最初に書いておきます。
ゲームシステムは、前作からほぼ変更ありません。謎の寄生菌が蔓延し国家というシステムが崩壊したアメリカを舞台に、異形と化した感染者や敵対する生き残りの人間たちと戦いながら主人公が己の目的を遂げるゲームです。オープンワールドではなくステージクリア形式であり、各チャプターごとに決められたスタート地点からゴール地点まで行けば次のチャプターに進めるというような構成になっています。ジャンルとしてはTPSですが、ゲーム中で入手できる弾薬の数は非常に少なく、持ち運べる上限数は輪をかけて少ないため、物資のやりくりやステルスアクションが重要になってきます。ゲームとしての楽しさ、グラフィックの美しさや、ゲーム中に登場する数々の廃墟のリアルさなどは最高水準と言ってよいでしょう。時間を忘れて没頭できます。ただ、戦闘のあまりない回想のチャプターが頻繁に入るのはいただけません。あと、細かいデモがスキップできないのも良くないと思います。
それ以上の問題は、ストーリーです。本作が炎上した原因もここにあります。
まず本作のストーリーは、前作の重要なネタバレを含んでおり、前作での出来事が密接に関わってくる内容になっているので、先に前作をプレイしておいた方がいいです。
本作の主人公は、前作から続投しているエリ―と、もう1人のアビーという女性です。
「ポリコレ的な描写の多さがうっとうしい」という声もあるようですが、私はさほど気になりませんでした。確かにエリーがレズビアンであるという設定や、レブという身体の性と性自認が異なるキャラクターが出てきたりします。またアビーは、ピーチ姫みたいな「か弱い（＝男性が庇護・支配する対象としての）」女性ではなく、ムッキムキで感染者を素手で絞め殺すほどの膂力の持ち主です。こういった描写は、歴史的に差別の対象となってきたLGBTや「男性と対等に渡りあう女性」を顕在化させる一種のアファーマティブアクションではあるんでしょうが、お話全体から見たときのメインストリームではありませんでした。問題なのはストーリーそれ自体の内容であって、たとえポリコレ的な描写が全くなかったとしても本作は炎上していたと思います。
まずゲームは、前作の主人公であるジョエルがアビーにゴルフクラブで拷問された末に撲殺される描写から始まります。
主人公を含めた人気キャラの殺害は、エンターテインメントでは禁忌です。下記のような条件を満たさないと、なかなかお客さんには受け容れてもらえません。
�，△箸派�活させるか、実は生きていたということにする（後者はそもそも、死亡描写じゃないですけどね）
○神谷薫
○ガンダルフ
�∋猖管措娘�体を見せ場にする。終盤のラスボス戦で、とか、きちんと感動できる内容に仕上げる、とか
○力石徹
○スレッガー
×ハヤト
�Ｉ�要以上にむごたらしくしたない。遺体は五体満足で綺麗に（それか爆死などで雲散霧消させる）。死亡に至るまでの経過は詳細に描かない。医学的な意味での死因も詳細に説明しない。
○上杉和也
今作のジョエルの死亡描写は、上記の条件が何ひとつ守られていません。迷い込んだ敵のアジトであっさり捕まっちゃいますし、ゴルフクラブで何度も殴られてグチャグチャの血まみれになった彼の顔が大写しにされます。犬死にもいいところです。
この時点で、今作の雲行きはかなり怪しくなってきます。
ジョエルが殺されたことを受けて、エリーはアビーに復讐をするために旅立ちます。ところが、先ほども説明した通り、にっくきアビーは本作でプレイヤーが動かさなければならないキャラクターの1人なのです。本作のほぼ半分はアビーパートです。アビーを動かさなければいけないこと自体に反吐が出るような嫌悪感を抱くプレイヤーもいることでしょう。
ただそれに止まらず、アビーパートをやると、アビーが、前作の敵役でありジョエルがほぼ皆殺しにしたファイアフライという組織の生き残りであること、アビーはジョエルに父親を殺されていること、復讐云々を抜きにすればアビーも至って普通の人であり、仲間とこの世界を生き抜くために必死で生活を送っていること、敵対組織の構成員やエリー達に対する情けも持っていること、等々を否が応でも認識させられます。
これは、エンターテインメントの禁忌の二つ目です。
「敵」の人間らしさを描写してはダメなのです。
われわれ人間は、「敵」とみなした対象へのむごたらしさと、「味方」とみなした対象への優しさが表裏一体になっている生き物です。いったん敵とみなした対象に対してはとことん残虐になれるのが人間です。我々は、敵を打倒し、破壊することにこの上ない快感を覚えます。本作のような「戦い」がメインのゲームは、この闘争・打倒の快感を呼び起こすためのエンターテインメントです。エンターテインメントは、あくまでお客さんに「いい気持ち」になってもらうための商品です。「いい気持ち」になれるから、お客さんはお金を払ってまでエンターテインメントを見聞してくれるのです。
ところが敵の人間らしさを描くと、実は我々が「敵」とみなしてきた対象も、「味方」とあんまり変わりがないことが分かってしまいます。そうなると、我々はその敵を打倒することに躊躇や逡巡を覚えます。気持ちよく敵対することができなくなってしまうのです。それは、敢えてトートロジカルに言えば、「味方」に見えてしまうからです。だから、お客さんに気持ちよくなってもらうためには、敵役には頭のてっぺんから足の先までとことん「敵」であってもらう必要があるのです。ところがアビーは、どう見ても普通の人間です。彼女が持っている残虐さや冷酷さはこの世界を生き抜いてきた人々が誰しも持っている程度のものであり、復讐のためにジョエルを殺害した彼女の行動原理も、同じく復讐のために動くエリーと完全に同期します。エリーとアビーの違いが分からなくなってしまうのです。これでは、プレイヤーが気持ちよくゲームができません。
この手の描写は、本作の細かい部分にも及んでいます。例えばザコ敵もこちらで撃ち殺すと仲間から「サニー！！」といった感じに名前を叫ばれます。また所々で拾えるドキュメントには、敵が自分の家族や仲間に充てた手紙もあり、プレイヤーは自分が殺している人間たちも「普通」の人間に過ぎないこと、そしてその「殺し」が実に罪深い所業であることを何度も認識させられます。
ゲームが進んでいくと、エリーはアビーの周りの人間をほとんど皆殺しにすることになります。このアビーの仲間たちも、その後のアビーパートで「普通の人間」であることが徹底的に描かれることになるので、プレイヤーは自分の所業に後悔や慚愧を覚えることでしょう。アビーパートではその後エリーに再度復讐を仕掛けることになり、プレイヤーはそれまで自分の手で動かしてきたエリーを殴らされます。文字通り鬼じゃないとこんなことなかなかできないと思います。ラストには、またエリーを動かしてアビーと殴り合いをさせられることになります。エリーはデスペレートなキャットファイトの末に左手の薬指と小指をアビーに噛み千切られ、一緒に住んでいたパートナーのディーナと彼女が生んだ赤ん坊（父親が別にいます）にも愛想を尽かされて一人ぼっちにさせられてしまいます。復讐の連鎖の末に訪れた結末には、最後まで救いがありません。
このように本作のストーリーは、徹底的にプレイヤーを嫌な気持ちにさせてくる内容になっています。
でも考えてみれば、「敵にはトコトン残虐で、味方にはトコトン優しい」という人間の性質は矛盾に溢れたものです（※この仕組みは、本作のように国家が未発達だった時代に、敵を迅速かつ徹底的に排除して自分や仲間を守るために進化したヒトの認知のバイアスだと思われます）。本作のような描写がなければ敵を気持ちよく倒せるのはその通りかもしれませんが、その時倒した敵にだって本来彼ら彼女らの人生があったはずなのです。本作以外の作品では、それが隠蔽されているだけなのです。そのぐらい、ちょっと考えれば想像がつくことです。にもかかわらず、隠蔽されているだけでそれを都合よく無視して快感を覚えている我々は、欺瞞に満ち溢れています。本作は、ダンガンロンパV3のように、その「欺瞞」を白日の下に晒す道を敢えて選んできたのでしょう。故意でなければ、あそこまで徹底的にプレイヤーを苛める内容のストーリーにはならないと思います。ただまあ、「お前は殺すことに快感を覚えているかもしれんが、それは欺瞞だ」と説教されたプレイヤーが不快感を覚えるのは当然のことです。だから、本作はエンターテインメントではありません。あり得ません。小説の世界では、エンターテインメントではない作品を「純文学」と言ったりしますが、本作はまさに純文学的なゲームといったところでしょうか。
「純文学的なゲームが作りたいのであれば勝手に作ればよいが、『ラスアス』というIPを利用しない欲しい。作りたければ完全新作として作るべきだ」という声が出るのも分かります。ただここも敢えて擁護するとすれば、純文学的なゲームは、基本的に売れません。お金を払ってまで説教されて嫌な気持ちになりたいと思う人は、ごく少数でしょう。これを大々的に売って多くの人に自分の主張を届けるには、すでに名前が売れているブランドを利用するというのがとても有効な手段になってしまいます。それがいいと言うつもりはありませんが、そういう「汚い」手段もとらざるを得ない純文学者たちの懊悩には一定の理解を示して欲しいと私は思っています。
以上をもって、人間の嫌な部分を『チン太のこと』や『シトラス三国志』で描き続けている私から本作に送る賛辞に代えさせていただきます。
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