あおいの何の本読んだ? - わるいやつら 〜松本清張〜
 ・・・あらすじ・・・

“どのように美しくても、経済力のない女は虫のように無価値だ”
医学界の重鎮だった亡父の後を継ぎ病院長となった32歳の戸谷信一は、熱心に患者を診療することもなく、経営に専心するでもない。
病院の経営は苦しく、赤字は増えるばかりだが、彼は苦にしない。
穴埋めの金は、女から絞り取ればいい…。

色と欲のため、厚い病院の壁の中で計画される恐るべき完全犯罪。
愛人関係にある横武たつ子の病夫を殺したあげく、邪魔になった彼女をも殺害し、その上、共犯者の婦長寺島トヨを手に掛けた戸谷信一は、さらに、自分の欲望を満たすため、次の犯行を決意する。
社会的地位をもちながら、その裏で、次々に女をだまし、関係しては金を取りあげ、殺してゆく戸谷。
やがて、彼に訪れる意外な破局は…。
冷酷非情な現代人の欲望を描く推理長編。

 ・・・感想・・・

読み始めてまず『わるいやつ』は戸谷だとわかる。
でもタイトルは『わるいやつら』と複数だよね。
う〜ん、、、他に『わるいやつ』は誰?
と探しながら読み進めて行く。
読めば読むほど、話が進めば進むほど、登場人物全てが『わるいやつ』に見えてくる。
しかも、「きっとこの人!」って思う人は殺されちゃうし・・・(笑)
ねぇ〜、本当の『悪い奴は誰??』
あれこれ自分なりに推理をしながら読む。
これこそサスペンスものの醍醐味よね!
そしてラスト、あらぁ〜、やっぱりこの人達が一番の「わるいやつら」か!
納得!!

完全犯罪を企んでもやっぱりどこかに節穴がある。
悪い事は出来ないものだし、そのしっぺ返しが必ず自分に帰ってくるってことですよね。
何が怖いって、ラストの大どんでん返しで、ほど恐ろしいものはないです!ハイ!

  (06.01.15〜1.23)



わるいやつら 改版 上 (新潮文庫)
松本 清張著

税込価格 : \700 (本体 : \667)
出版 : 新潮社
サイズ : 文庫 / 507p
ISBN : 4-10-110908-7
発行年月 : 2005.8
利用対象 : 一般
わるいやつら 改版 下 (新潮文庫)
松本 清張著

税込価格 : \740 (本体 : \705)
出版 : 新潮社
サイズ : 文庫 / 527p
ISBN : 4-10-110909-5
発行年月 : 2005.8
利用対象 : 一般