「まだ寒かね…。」

れいながいるここは自宅から少し離れた公園の土管の中。
実はれいな、些細な事が原因で2日前から家出中。
財布に少ししかお金をいれてなかったのでついに宿代が無くなり今日は土管の中で野宿をすることに。
「こんな事ならショーパンやなくてジーパン穿いてくるべきやったと…ぐすっ」
5月といえどまだ外で寝るには早い季節、鼻水をすすって身体をさすります。
「早く寝よ…ハァ、明日からどうしよ…」
そんなことを呟いていると徐々にウトウトしてきて浅い眠りにつきました。

サワッ

「…zzz…っ?」
何か身体に異変を感じたれいなは薄目を開けますが特に変わったこともない様子。
気のせいかと再度眠りにつきます。

サワサワサワッ

「…んっ!」
また異変に気付き目を覚ますれいな。


(…誰かが、れいなの脚を触っている?!)

これは気のせいなんかじゃないと気付くと思わず恐怖で身体が固まってしまったれいな。
するとその手は上半身に伸びて来てれいなの小ぶりな胸を服の上から触り始めました。
「…あっ…やめっ…んぅっ!」
全身性感帯のれいなにとって胸はアソコの次に弱い所。
胸を大きく揉んだり乳首の位置を指でグイグイ押したり摘まんだりと、変質者は的確にれいなを責め立てます。
口を真一文字に結んで声を我慢しますが、変質者の手はれいなの一番大事な無毛地帯に潜入しようとしています。

「(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイっ…!!)」

そしてお腹から股間にかけてを撫でさすりながら徐々にショーパンの中へ手が…。
「ちょっ!…まっ…ぅあんっ…」
恐怖で震えているれいなですが流石にソコだけは守ろうと勇気を出す決意をしました。そして…

「…くぅっ…な、何すんねっ!」
ガバッと起きあがり、変質者の手をはねのけるれいな。しかし…


「あれ、起きちゃったの。」


その変質者から発せられた声は聞き覚えのある声でした。

「えっ…さゆ?なんで?」
「こんばんはドMニャンキーさん♪」

なんとそこには変質者ではなく、アノ!みちしげ君がれいなに覆い被さっていました。
あまりに予想外の出来事にれいなは驚きが隠せません。
「ななな、何でさゆがいると?!つーかお前変なとこ触っとったやろ変態ウサギ!」
「フンッ、あれだけ感じといてよく言うの、変態にゃんこ。」
「う、うるさかっ!」
図星なのでそう言い返すしかないれいな。
そしてみちしげ君はれいなから離れ座り直すと話を始めました。

「今回はさゆみだったから良かったけどもし知らない人だったらどうしてたの?無理やり最後までされてたかもよ?」
「うっ…。」

どうやらみちしげ君は家に帰らないれいなを心配して迎えにきてくれたみたいですね。

「この辺も夜は危ないし、もうそろそろ帰らないと。」
「でも…。」
この期に及んでまだウジウジと決めかねてるれいな。
するとみちしげ君は溜息を一つしてれいなを睨みました。

「本当の事言うと別にあんたが帰ってこなくてもさゆみは構わない。でも目真っ赤にして学校に来る絵里はもう見たくないの!」

「え、絵里が…?」
「この2日間ずっとあんたを探してるから多分ほとんど寝れてないと思うの。話かけても上の空で頭の中はれいなの事だけ〜って感じ。」
「…。」
「れいなは"一応"絵里の彼女なんだから、絵里を悲しませるような事しちゃ駄目なの。ううん、さゆみが許さないから。」
初めて見たみちしげ君の真剣な目。
それを見ていたら思わずれいなの目から涙が溢れてきました。
「…うん。」
れいなが小さく頷くとみちしげ君はニッコリしてピンクのハンカチでれいなの涙を拭きました。
「ふふっw…さっ帰りましょ。さゆみも一緒に謝ってあげるから。」

二人は土管から這い出てくると自然に差し出されたみちしげ君の手をれいなは握り、公園を後にしました。
そしてその帰り道…。

「ねぇさゆは何で探しにきてくれたと?いっつもケンカしてんのに。」
「!」
ビクンっと肩が強張るみちしげ君。
「え、えーと…恋にライバルは必要不可欠だからなの!」
「はぁ?」
「れいながいない間に絵里を戴いちゃってもフェアじゃないでしょ?恋は正々堂々奪ってこそ意味があるの!」
どう見てもテレ隠しをしているみちしげ君を見ていたら吹き出しちゃったれいな。
「ぶっw!…まぁそういう事にしといてやるっちゃw」
「なにその人を小馬鹿にした感じ!さゆみはあんたの事好きでも何でもないんだからね!」
「はいはいw………ふぅ。」
「何よ?」

「…今日はありがとうとよ。」
「ふふっw…お礼ははずんでもらうから。」

いつもはライバルだけど今日ばかりはお休み。
二人の繋がれた手は、家に着くまでの間どちらからかも離そうとはしませんでした。





「ということで絵里ひと晩貸してくれる?」
「それだけは絶対ダメ!」

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