あーしの名前は高橋愛。
実は1コ下の田中れいな君の事が好き。
れいな君のハート、もといアソコを奪う為、日々努力をしているやよ。

『れーなぁ、一緒に帰ろ?』
『ちょっと待って、えり…今日は隣のクラスのいいんちょに呼ばれてて…』
『む、なんで!?』
『いや、掃除の事とか…ほかにも色々あったんやけど、
 えりがいっつも行かせてくれんけん、ついにいいんちょキレてしまったと…』

あそこにいるのは、あーしの宿敵"亀井絵里"。
冬場の静電気並にやっかいな存在。
えりのせいで、れいな君を奪う難易度は格段に上がってしまうやよ。
まるでれいな君を守るSPのよう。
…でも今日のあーしには心強い味方がいるやよ。
この静電気防止……じゃなくて、"サー・レズうさぎ"こと"道重さゆみ"が!

『愛ちゃーん、今日もお疲れさまです♪』
『さゆ…今日はついにXデーやよ』
『はい! 絶対計画を成功させるの!!』

実はあーし、れいな君を奪う為に色々なプランを考えていたんやよ。
そして、1人でてきるものはもう無くなってしまったから、今日はさゆの力を借りることにしたんやよ。

『じゃあ、プランAを確認するやよ!』


プランA

れいな君とえりが教室から出てきたところに、さゆが合流。
さゆは学校から出る前に、えりを連れションに誘う。
さゆとえりが連れションしてる間にあーしが外で待ってるれいな君を誘惑し、れいな君を奪取。

    以上。


『えりがいなければ、れいな君を誘惑するくらい簡単やよ! でも、さゆは連れションに誘うだけでいいの?』
『フフフ…さゆみの可愛さがあればえりなんてイチコロなの! 余裕でえりを奪ってみせるの!!』
『………そう…ならいいけど………』
『あっ、えりが出て来たの! さゆみ、行きまーす!!』
『さゆ、頼んだやよ!』



『えり−、一緒に帰ろ−!』
『さゆぅ! どこ行ってたのぉ!? ちょっと探したよぉ!!』
『( "ちょっと"って……まぁいいの…)…ちょっとね♪ 用事があって♪』

(さゆはうまくやってるみたいやよ。 計画が成功したらスイーツでもおごってあげよう!)

いいんちょが追っかけて来ないか、ソワソワ周りを伺ってるれいな君。
そんなれいな君達の後ろを愛ちゃんは慎重に尾行して行きます。

(そろそろ、トイレやよ………なんかワクワクしてきたやよW……さゆ、頑張って…!!)

『あ、えり…さゆみちょっとトイレ』
『どーぞ♪』
『いや…どーせだからえりも一緒に来てほしいの』
『えぇ…めんどくさいなぁ…』
『まぁまぁ、そう言わずに♪』
『じゃぁ、ついでにれーなもおいでよ!W』
『( いいんちょ怒ってるやろなぁ…やっぱ行っといた方が良かったかもしれん……ソワソワ )』
『ねぇ! れーな聞いてる!?』
『え!? な、なん??』
『はぁ…いいからおいで!!』
『は…』
『ちょっと待って!! れーなも連れてくの!?』
『いいじゃん♪W 誰もいないしW』
『や…そーゆー問題じゃ…』
『れ、れーなどこ連れていかれると!?』
『もう!! 2人は黙ってえりにのゆーことききなさぁーい!!』

廊下の曲がり角からあれこれ言い合ってる3人をストーキングする愛ちゃん。
その目は真剣そのものです。

『なんか手間取ってるみたい……あれ? 3人して………なんで3人でトイレ入ってくやよ!?』


5分後。

『あ…戻ってきた…』

えりに引っ張られてれいな君が女子トイレから出てきた。
…でも、なんか疲れ果ててる?

( これは……やっぱりえりにやられたやよ。
 さゆは一体何してたやよ!? )

『えり…さすがに学校でこーゆーのはマズイと思うの…(絶対愛ちゃん怒ってるの…)』
『ウヘヘW 大丈夫だって!W』
『でも………あっ、メール…

【トイレで何してたやよ!?】

…( げ……やっぱり…)』

後ろを振り返ると愛ちゃんに睨みつけられる。

『どーしたの? さゆ??』
『えーっと……さゆみ、忘れ物したから取りに行ってくるの……先にゆっくり歩いてて』
『りょーかい れーなもこんなだし、超ゆっくり歩いてるね!W』


気まずそうに顔を伏せながらさゆが小走りで戻ってくる。

『トイレで何してたやよ!?』
『えーっと…あのですね………てへ……笑』
『さゆばっかりズルいやよ!』
『いや、別にさゆみはあんなの見たくなかったし…
 …てか、さすがのさゆみでもえりの行動は読み切れなかったの……ゴメンナサイ…』
『…うぅ……もう…仕方ないやよ……こーなったらプランBにうつるやよ!!』

プランB

帰り道にあるおいしいアイスクリーム屋さんで、えりにアイスクリームをご馳走。
その間、隣にある行列のできるタコ焼き屋にれいな君を並ばせておく。
さゆとえりがアイスクリームを選んでる隙に、れいな君を拉致。

    以上。


『うーん……このプランBじゃ、さゆみはただえりにアイスご馳走するだけなの…』
『大丈夫!! さゆの可愛さがあればえりなんてイチコロやよ!! ( さゆには悪いけど、こう言って協力してもらうしかないやよ!! )』
『…うん…そーだよね! さゆみの可愛さがあれば楽勝♪楽勝♪』
『( よし、とりあえずさゆもやる気出してくれたし、次こそ成功させるやよ )
じゃあ、さゆ、頼んだよ!!』
『さゆみ、行きまーす!! パート2!!』



『おっ、さゆ早かったね♪』
『まぁね♪ えりの為に急いだから♪』
『……さゆ…』
『ん、何? れーな??』
『…なんでえりのこと止めてくれなかったと!? れーな…学校で…しかも女子便で、あんなこと……』
『グチグチうるさいなぁ! ホント女々しいの!!』
『なっ…………グス…』
『はぁ…これくらいで泣かないでよ……アイスクリームご馳走してあげるから…
 ( おっ、ラッキー♪ れーなのおかげで早くも自然にご馳走する流れが♪ ナイスれーな! )』
『えりにも!!?』
『( う……あいかわらず、食いつき方の角度が鋭角過ぎるの )…も、もちろんなの♪』
『やったー!!』



『うんうん、今度はうまくやってるみたいやよ♪』

アイスクリーム屋さんのある商店街を通るために、いつも真っすぐ進む信号を左に曲がる。
愛ちゃんは一定の距離を保ちながら、その後ろを尾行していく。

『…くんくん…良い匂い……これは…タコ焼きの匂いなの♪』
『あ、れーな、アイスクリームよりタコ焼きがいいと!!』
『( またまたナイスれーなぁ! ) 仕方ないなぁ! じゃぁお代はさゆみ持ちでいいから、れーなは自分で買ってきて?』
『ありがと、さゆ♪』
『じゃぁ、えり達はアイスクリーム選びに行こぉ!!』

『やばい、信号に引っ掛かってだいぶ離れてしまったやよ』

信号が変わるのを待ちながら、さゆとえりがアイスクリーム屋さんに行くのを見届ける。

『さゆはうまくやったみたい……はぁ、早く信号変わるやよ!』


『う〜ん…どのアイスにしよっかな…』
『じゃぁさゆみは豆乳のやつで♪』
『かしこまりました。では、お好きなフルーツをこの中からお選びください。』
『え?』
『アイスに添えてお出ししますので』
『あぁ…じゃあマスカットでお願いするの♪』
『かしこまりました。 豆乳にマスカットですね。』
『お願いしますなの』

『豆乳にマスカット……

もわわ〜ん(回想中)

{今日はれーなの豆乳いただいちゃいますよ?W}
{だめやってぇ…あぁん!}

{ウヘヘW 今度はマスカットも食べちゃいますよ!W}
{た、たまたまは…にゃぁん!}

もわわわ〜ん(回想終了)

 ………さゆ…やっぱり、えりはアイスいらないや』
『え??』
『そんじゃ!』
『ちょっ、待ってよ!』


『ハァ…ハァ…やっと追い付いたやよ……よし…れいな君は1人! チャンスやよ!!』

れいな君に向かって一直線に走っていく愛ちゃん。
しかし!
あと10メートルという所でえりちゃんがれいな君を引っ張って駆け出します。

『え?? なんで?? なんで!!!?』

あと少しというところで、再びえりりんにれいな君を奪われた愛ちゃん。
頑張って2人を追いかけるも、信号からタコ焼き屋までのダッシュで体力を使ってしまって全然追いつけません。

『れーな、もっと速く走って!!』
『イタタタタ!! なん!? もうすぐで順番だったのに!! ってか、痛いけん引っ張らんで!!』
『うるさいなぁ!! いいから速く走ってよ!! えり、もう我慢の限界だから、早くしないと道端で脱がすよ!?W』
『は!?///』

そのままれいな君を引っ張って、近くの公園の公衆便所へ。
トイレの個室にれいな君を蹴り入れて、ズボン&パンツをずりおろします。

『はぁはぁ…おっ♪ もう臨戦体勢じゃん!!W』
『だ…だって、えりが道端で脱がすとか言うけん…///』
『ウヘヘW こんな興奮してるんだったら道端ですればよかったね!W』
『ばっ///……あぁん!!』

やっと公園までたどり着くも、
公衆便所の中から聞こえてくる鳴き声に呆然と立ち尽くす愛ちゃん。

『ハァ…ハァ…愛ちゃん? えりとれーなは??』

走って追い付いて来たさゆみんの方は見ずに、ただ公衆便所を指差します。


『何でこーなるやよ……』

『………ごめんね…愛ちゃん……また……』
『…もう我慢できないやよ……あーしもトイレに!』
『待って! 愛ちゃん!』
『止めないでほしいやよ!』
『まだチャンスはあるの!! ここで行っても失うモノの方が大きいの!! ここぞというタイミングを待つの!!』
『…うぅ……わかったやよ…じゃぁ今度こそ…このプランCで!』


プランC

洋服好きなえりを、新しい服を買いに行こうと誘う。
もちろん服好きなあーしが。
その間、さゆがれいな君をかくまい、あーしがお買い物から帰って来た段階で身柄を受け渡す。

    以上。


『うん…確かに成功すると思うけど…さゆみにメリットがないの』
『……お願い…協力して欲しいやよ…』
『うーん……じゃぁ、今週末さゆみの家にお泊りしに来て下さい?W』

『…そんな……( "サー・レズうさぎ"の家に泊まるということは……
 …いや、それでれいな君をゲットできるなら……)……わかったやよ!! あーしも腹括るやよ!!』
『フフフ♪W…じゃぁ…れーなはさゆみがかくまってますんで、お買い物が終わったらメールください♪』
『OKやよ……あ、出てきた』


『ほら! れーな、ちゃんと歩いて!』
『…ふぅん……身体に力が入らん……』
『あっ、愛ちゃーん! どーしたの!?』

フラフラのれいな君などお構いなしに、えりりんが走ってくる。

『(ここで決めてやるやよ!!) えっと…今セール中のショップがあるから、えりも一緒にどーかなって思って…』
『あぁ! えりも行きた−い!!』
『( ほっ、うまく食いついたやよ ) じゃぁ行くやよ!!』
『あっ、でもれーなが……』

フラフラとえりりんに抱き着いて、なんとかバランスをとってるれいな君を見て、愛ちゃんはちょっとムッとします。

『コホン…あぁ…えーっと、さゆみが責任を持ってお家に連れてくから任せるの』
『え? いいの!?』
『任せて任せて♪ ほら、いってらっしゃい?』
『うん! じゃ行こっか! レッツゴー!!』
『レッツゴー!!』

2人は意気揚々と商店街の中へ消えて行った。

『ふぅ…プランCはうまくいきそーなの』
『プランC??』
『ううん、なんでもないの♪ じゃ、さゆみ達も帰ろっか?』

倒れそうになってるれいな君と腕を組んで商店街の道を戻っていく。


『ふぅ、無事、道重家到着なの。』
『じゃ…れーなはここで…』
『なーに言ってんの!? そんなんじゃ家まで帰れないでしょ?? さゆみの家で休んでくの!!』
『え!? でも…』
『いいから♪ いいから♪』

身体がうまく動かないところに付け込まれ、無理矢理家の中へ…そして、部屋の中まで引きずり込まれる。

『はい、いらっしゃいなの!』
『おじゃまします……( さゆの部屋に来たなんて…えりに知られたら…ガクブル )』

さゆみんの部屋に入れられると、そのままベッドに押し倒される。
馬乗りになったさゆみんの長い髪で視界が一回り暗くなる。

『さ…さゆ??///』
『フフフ…実は女子トイレでれーなの喘いでるの見てから悶々としてたの♪』
『え!?///』
『ほんの1時間たらずで3発はきついと思うけど頑張れ−な!!W』
『うにゃぁぁぁ!!』



一方、その頃愛ちゃんは…

『うーん……このワンピースも良いやよ…』
『愛ちゃん? そろっと6時半だけど??』
『え!? あっ!! 今日は7時からK-POP特集があるんやよ!! 急いで帰らないと!!』
『じゃぁ、えりはもうちょっと見てくんで♪』
『うん! バイバイ!!』

れいな君のことなど忘れてダッシュで高橋家まで帰る愛ちゃん。
頭の中はちび猫ではなく長身イケメンでいっぱいのようです。



『うーん……愛ちゃんからメールなかなか来ないの…暇だし、もう1回する??』
『さ、さゆ?……えりのエロ菌が移ったと??』



翌日、さゆみんはしっかりえりちゃんのお仕置きを受け、れいな君もいいんちょに長時間に渡り説教されたそうです。


『あーしは??…』

         完

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