「わかつきひかる」さんを応援するWiki

井上悠斗（いのうえゆうと）
九十九まりあ（つくもまりあ）
十重茜（とえあかね）
弘（ひろし）
綾香（あやか）
椎名（しいな）
九十九百聞（つくもひゃくぶん）

そうなんですよね。名前を見たときに「ピン」とくるべきだったのかもしれませんね。
九十九まりあさんの九十九って「つくも」と読みますけど、付喪神（つくもがみ）のことだったんですね。（知らなかった・・・）
そういえば、ＨＪ文庫の新シリーズは大黒天がモチーフですし（執筆時期2009年7月）、この「そだてて！まりあ！」（執筆時期2009年8月）は九十九神ですし、「月下の巫女」（執筆時期2009年11月〜2010年1月、途中中断あり）はツクヨミですし、神様づくしじゃないですか。
僕も最近神社めぐりが趣味になっていまして、御朱印集め（こちらのサイトが詳しいです）でもしようかと思っているところなんですよね〜　２年前にはマンション用神棚買いましたし（笑）　毎日「景気よくしてね」って拝んでいます。
僕、最近、神様萌えなんです。

そんなわけで、神様萌えの人は楽しめると思います。でも、日本の神様ってよくわからねという人も大丈夫。そもそも日本の神様っておちゃめだし、たくさん居過ぎて全部知っている人なんてほとんどいないでしょうし。

そうなんですよ。ネタバレですが、まりあちゃんは、神様と人間のハーフなんでした。
だから神がかり的なことが度々おこるんですよね。犯人はお父さん（笑）　でも周りの同級生からすると、怖いことが頻繁に起こるのでまりあを遠巻きに見ているわけです。
主人公の悠斗くんはそんなこと知らないから、まりあちゃんに近づいていきます。
一人ぼっちで淋しかったまりあは、そんな悠斗を好ましく感じたみたいです。そういえば最初から二人は波長があっていたって書いていましたね。
出会いってそんなものかもしれません。
でも、悠斗くんも、なかなか自然にまりあちゃんとの間合いを詰めるよね。うん、やるときゃちゃんとやらないとね。男だし。（でもやりすぎは厳禁）

とても自然な感じ、悪く言えばどこにでもありそうなボーイミーツガール。でもそれがいい。
劇的なできごとはなにもなく、二人の関係は少しずつ深まっていきます。
二人の努力で。（でもそれは楽しい努力だろうけどね）
ヒロインから主人公に一方的に好意を寄せられる関係じゃなくって、二人の間に感情のキャッチボールがあるのがいいんですよ。
だから、読んでいて、にやにやが止まらない。
薹が立ったおじさんには、あまりにくすぐったい感覚ではありますけどね。いいじゃないか。少年の心を忘れていないだけなんだ！（ということにしておきましょう）

背は低めで、風貌も普通で、腕力があるわけじゃなく、頭がいいわけじゃなく、スポーツに秀でているわけじゃない、本当に平凡な主人公の悠斗くんなんですけどね。
でも、男らしいんだ。

最近、男らしさ（その逆の女らしさ）なんて、言ったり書いたりするとジェンダーな人からクレームがきそうな雰囲気を感じていて、ちょっともごもごしてしまうのですが・・・
僕は、男らしさとは、勇気と責任をとることだと思っています。（注）
僕はそうなんですけど、男って臆病でへたれなのが、デフォだと思うんですよ（笑）
だから、男らしさは成長の中で身につけるもの、努力なしには身につかないものだと思います。そして、とても残念なことですけど、常に自分を叱咤激励していないとすぐなくしちゃうもののようなんですよね。すぐにへたれに戻っちゃうんです。

それで、悠斗くんなんですけどね。
いろいろと奇怪なことが起こっても、それをうけとめて前に進もうとしていますよね。逃げたりはしません。
そして、お父さんが（自分をきらって）それを起こしているとわかっても、ちゃんと挨拶をして交際の了解をとろうとしています。
一人前の男になるために、少しずつ成長している、そんな姿が好ましいですね。

成長というのは、わかつきひかるさんの作品に共通したキーワードと思いますが、この作品は特に強くそう思いました。
そして、主人公の悠斗くんだけでなく、ヒロインのまりあちゃんも成長を遂げていきます。
お互いに（エッチな意味合いでなくって）刺激しあいながら、助け合いながら・・・ね！
そんな関係って、男の子だけじゃなくって、女の子にも理想な関係に思いませんか？

「そだてて！まりあ！」
なにを育てるのか？
一言で言い表せそうにないのですけど・・・


追記
たぬみみ、しっぽはかわいいかもしれない！（強調！）


（注）
誤解なきよう補足したいのですけど、責任をとることとは詰め腹を切ることだと思ってはいません。責任をとるとは、困難な状況の中でも最後まであきらめず逃げ出さず戦い続けることだと思います。でも合理的な行動も大事ですね。損失が明らかなのにぐずぐずと決着を遅らせるのは、責任をとることとは異なります。そんなときは早めに決断して損失を最小限にする。あとは誠意を尽くしながら再起を期す。これが責任ある行動だと思います。
こんなあたりは、勇気と蛮勇の関係にも似ていますね。