この作品は、重要な転換点となる作品と思います。
銀盤プリンセス 生意気なMドレイで、はじめて年下男キャラを書いたわかつきさんですが、この作品は年下男キャラとして2回目の作品です。
銀盤プリンセス 生意気なMドレイの感想にも記載していますが、ご本人のブログに
こんな記事があります。時期からみて、この作品「メイド イン プリンセス」を書きおわったときの感想と思います。
アシェンは「かわいい系」の「年下男」キャラです。「年下男」キャラは、前述の通り2回目、そして「かわいい系」キャラは、この作品が初めてと言っていいと思います。
この作品以降、「わかつきひかる」さんの美少女文庫作品の男キャラは、「かわいい系」中心となり、この作品以前のわかつき作品の男キャラとは様変わりします。
次に、ついに出てきました。
「キュンキュン」という表現! この作品が初出です。
まだ表現はゆれていて、「キュゥン」とか「きゅんきゅん」という表現もあるのは、ご愛嬌といえましょう。
最後に、匂いの表現として、
乳製品臭という表現もでてきます。これも初出。
この作品は、今の「わかつきひかる」さんの表現にとても近くなっていて、それ以前の作風と大きく変化したという点で、とても重要な作品だと思います。
ご本人のブログにもこんな記事(
誕生日でした。)があります。(最後の項を参照ください。)
この「メイド イン プリンセス」の次の作品が、
なでしこ寮へいらっしゃいです。
ご本人も、作風も文体も変わってきていると認識していらっしゃいますね。そして成長と考えて欲しいと書いていらっしゃいますが、「めたぼdeぽん」もそう思います。
美少女文庫、ライトノベルでみせる作風、文体以外の雰囲気のものを書けないわけではないでしょう。
事実、大人向けの作品の作風、文体は、美少女文庫のそれとは全く違うものですし・・・
わかつきひかるさんは、この時期に、「ご自身の作風、文体の幅を広げた」=「脱皮したのだ」と評価したいと思います。
追記
この作品は、「わかつきひかる」さんの作品(ライトノベルも含めて)の中で、唯一の洋モノです。(注)
とても珍しい作品といえます。
あと、タイトルに「プリンセス」が入っているのに、イラストは「あきら」さんではないという点もちょっと変則的かなと思いました。
(注)
この記述を書いたのち、「
王子が恋した女神姫 薔薇と陰謀の舞踏会」が出版され、洋モノは2つに増えました。