OneNoteの便利に活用する使い方、情報の整理方法など

Microsoft Office OneNoteとは、さまざまなフォーマットの情報を収集したり、情報の共有を複数のユーザのコラボレーションするためのソフトウェアです。
ノートパソコンやデスクトップPCで使用されることが多いですが、ペン入力に対応したタブレットPCでも使用されることがあります。

OneNoteの見た目は独特です。いわば見出しの付いたキングファイルを電子化したようなものです。その”キングファイル”は他のアプリケーションのデータや、ウェブページ、ICレコーダの音声ファイル等々を保存することができるのです。
整然としたカテゴライズが可能で、簡単に『この間メモしてあったはずの情報』にリーチできます。
紙のメモなら、机のまわりをひっくり返さなければならないところです。

ところでしかし、OneNoteは実は情報をカテゴライズする以前の状態で、”とりあえず放り込んでしまう”というところに主眼が置かれてもいます。
そのための特別な場所(「落書きノート」といいます)があり、ウェブを見ていたり、何かを思いついたりしたときのメモ書き等はそこに書き込んで(またはコピー&ペーストして)しまえば良いのです。タスクトレイに常駐するアイコンをWクリックすれば、それはすぐに表示されます。

必要なときに忘れないように書き留めておくためのメモ帳と、それを清書してカテゴリーに分けて、あとで参照するためのノートが同じ操作でできるのです。

OneNoteの初期画面は、パワーポイントを思わせる大きな白い画面が表示されます。ただ、見た目は似ていますが使い方は全然違います。その白い画面のどこでも良いからクリックすると文字の入力やコピーしたもの(文字でもファイルでも画像でも)を貼付けられる状態になります(ここがもっとも言葉では伝えづらいところなのです。一番の特徴、一番の利点なのですが)。

例えば印刷されることを前提としたWordは、ある型に沿うようユーザに強制します。ユーザは上から下へ書き込み、画像は<ファイルの挿入>を使用する、といった具合に。

OneNoteにはそれがありません。
白い画面のどこからでも始めることができます(マインドマップ系のソフトを使用したことのある人は、それを想像してもらえれば大体あっています。ただし、OneNoteは「見える化」のためのツールではありません。個人用のナレッジデータベースです)。

さて、経験のあるサラリーマンの紙のノートは、自身の考えたことと他人から聞いた参考になる言葉を色分けしてメモしていたりします。今後の課題は特別な色でマーキングされ、新聞や雑誌の参考になる部分は切り抜いて張られていたりします。時にはエクセルでわざわざマトリックスを作って印刷したものを切り貼りして、常に参照できるようにしていたりします。
あれが、OneNoteでは簡単操作でパソコンで行えます。しかも、よくある「どこかにメモしたのは確かなんだけど、はっきり思い出せない。今年のノートだったかな?それとも去年?」といったときは、検索ボックスにキーワードを入れて、ボタンをポチッです。それで数秒で解決です。

情報化社会が行きすぎたとも言われる昨今、情報を貯めるのはコンピュータ、考えるのが人間の頭、で良いのではないでしょうか。

前述しましたが、OneNoteは個人用のナレッジデータベースです。フリーフォームなのにカテゴライズ、検索もばっちりです。
拡張子「.one」の中に、文字も画像もウェブアドレス(ちなみにウェブブラウザからコピー&ペーストすると自動的にそのアドレスも保存されます)、音声も動画もPDFもエクセル表もすべて含まれているのです。

加えて、OneNoteの先端的な機能として”画像の中に含まれる文字列を認識する”ことができることを挙げられます。
つまり、業務で使う書類を画像で渡されることなどがあり、管理に困ることが良くありますがが、OneNoteのその機能を使うと、検索時、画像に含まれる「○○株式会社」という文字列の○○で検索すると、その画像がヒットするといったことができるのです。これはなかなかすごい機能で、マイクロソフトの画像認識技術がそうとう進化していることを伺わせます。
ただし、残念ながらこの機能はまだ完璧とは言えません。人間の手を加えず、コンピュータに任せきりにするにはもう少し時間が必要なようです。

共有について書くのを忘れていました。

OneNoteは、Office製品のご多分にもれず、複数のユーザで共有することができます。ライブでの共有すら可能なのが特筆すべき点です。遠隔のユーザと、ブレインストーミング、バズセッションのようなことをOneNote上で行うことができるのです。
オンライン上に”ホワイトボード”が置かれている、とイメージして貰えれば良いでしょう。

OneNoteは近頃話題のマインドマップ的な使い方もできるので、この共有機能を用いれば、特にアイディアのネタ出しをする作業などに特に大きな効果を発揮するでしょう。

ノートブックは、サーバ上のファイルを共有することもできますし、もちろんPCのローカルフォルダに保存したファイルを共有することもできます。簡単な操作で共有ノートブックへのパスが本文に記載されたメールを作成することができます。ユーザはメールのアドレスを入力するだけです。

ちなみに、マイクロソフトは当初、OneNoteをタブレットPCをターゲットとして開発しました。しかし、マイクロソフトの思惑とは別に、タブレットPCは普及することが(少なくとも今のところは)ありませんでした。
それよりも、OneNoteの「気軽にメモを取れる機能」の方が注目を浴びました。今までの同種のソフトウェアと比べ、格段に便利で高機能だったからです。

最近は、Googleの”Google Notebook”や”EverNote”などの類似製品が立て続けにリリースされ、日本ではあまり目立たない存在だったOneNoteにもやっと、スポットライトが当たりつつあります。

この2つのライバル製品はウェブベースです。
しかし、自分の仕事、プライベートな興味がすべて詰まった”ノート”をウェブ上に置く、というのはセキュリティ上リスクが高いのは言うまでもありません。

さらに、ドラッグ&ドロップでのコピー/貼り付け、タブ、レイヤなどユーザインターフェースはまだまだウェブアプリはこなれていません。

一歩先んじるためのツールとして、OneNoteを強力にお薦め致します。

基本情報

Microsoft Office OneNote

開発元:マイクロソフト
対応OS:Windows
種別:デジタルノートブック
公式サイト:office.microsoft.com/ja-jp

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