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パラダイムシフト 【paradigm shift】

パラダイムシフトとは、競争のルールが変わることである。これによって企業は何が変わるのか。どんな罠があるのか。生き残るにはどういった視点が必要なのか。第一回目の今回はパラダイムシフトの概要について、具体例を交えながら考察していく。

 パラダイムを一言で定義するならば、「思いこみ」となるであろう。思いこみの罠にはまってしまうと、人間は思考を止めてしまう。これは非常に危惧すべきことである。この罠にはまってしまった事例として、1990年初頭にLDカラオケでシェア1位であったパイオニアが挙げられる。カラオケ映像の美しさを強みと考えていたパイオニアは、通信カラオケの映像を見て「こんなものはカラオケではない」と思いこんでしまった。しかし、実際の顧客である若者たちがカラオケに求めていたのは、映像ではなく最新の曲が歌えることであった。このパラダイムシフトにパイオニアは気がつかなかったのである。2000年には、カラオケ市場の94%が通信カラオケになり、パイオニアは姿を消した。

 近視眼的な経営が原因で、思いこみの罠にはまってしまう場合も多い。例えば、アメリカの鉄道会社が挙げられる。彼らは自らの事業を「輸送」ではなく「鉄道」と捉えてしまった。これにより、増え続ける輸送需要の取り込みに失敗し、自動車や航空が伸張する一方で衰退していった。このように企業、それも非常に専門的な能力を持つ、もしくはその分野で強い企業ほど、自らの事業を狭く定義する傾向があるので注意が必要である。

 パラダイムシフトによって競争や事業のルールが変わると、今までのやり方が通用しなくなる。そして、新たな企業や競争相手が出現するようになる。こうした中では、成功している企業ほど苦戦する傾向がある。それは思いこみの罠にはまり、パラダイムシフトに気がつかない、もしくは気がついていても対応ができない場合が多いからである。
2005年11月08日(火) 07:45:49 Modified by mizunobara




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