「よし、今日も無事終わったな。平日が少ないと仕事が終わるのか逆に不安になっちまうよ」
「そういや今週もまた3連休か。あと10日もしたら消費税も上がっちまうし、今週末の予定はもう決まってるのか?」
何時も業務が集中する金曜日にしては珍しく順調に仕事を終えた俺は、隣の席で同じく定時5分前の時計を悠然と見上げている同僚とそんな会話を交わしていた。
「いや・・・ここ最近は正直することがなくてさ。6月にボーナスも出たのに金を使う機会が無いから貯まる一方だ」
だが丁度俺がそう言った時、こちらに向けられていた彼の視線が俺の背後へと移動する。
それで何が起こったのかを察した俺は、予想通り何だか嬉しそうにこちらへとやって来た後輩に目を向けていた。

「先輩!お疲れ様です!」
「ああ、お疲れ。新人の彼女、どんな感じだ?」
「そりゃもう優秀ですよ。何てったってあの改元の忙しさを乗り切った人材ですし」
確かに、ゴールデンウィークのあの忙しさはある意味で殺人的とも言えるものだった。
あれから早いものでもう4ヶ月以上が経ち、今うちの会社は来月から施行される消費増税に向けてのシステムチェックに業務時間の大半を割いている。
それでも未だにあの時程の忙しさを感じないで済んでいるのは、あれから後輩達が積極的に俺達の業務を分担してくれるようになったからだった。

「それでどうかしたのか?例の店のリニューアルは、確か9月末くらいなんだろ?」
「それが、そろそろ詳細な改装日程が出てないかと思ってお昼に久々に会員サイトを覗いてみたらですね・・・」
そう言いながら、後輩が手にしたスマホを俺達の前に翳してくる。
「実は9月1日から、"巨竜天国"っていう新しい業態のお店が出来てたみたいなんです」
「巨竜天国?何だそれ?」
「今回のお店の改装で、地下3階の大部屋が工事の為に使えなくなってるのは知ってますよね?」
そんな後輩の言葉に頷くと、彼が興奮した様子で先を続ける。
「なので、そこを割り当てられてる大きいサイズの雌竜達だけで別に店を作っちゃったみたいなんですよ」
「へえ・・・成る程ね。場所は何処なんだ?」
「それが・・・雌竜天国の中から直接繋がってるみたいなんです」
ということは、大部屋を割り当てられている連中だけ別の料金形態で指名出来るようになったということだろうか?
「詳細は会員サイトには載ってないのか?」
「余り詳しくは書いてないですね・・・ただ、料金は随分格安になってるみたいです」
「面白そうだな・・・天国のリニューアルが待ち切れなくて暇を持て余してたところだし、行ってみるとするか」

俺は丁度定時を指した時計を見てそう言いながら席を立つと、ふと後輩の方に視線を戻していた。
「そう言えばあいつはいないのか?」
「ああ・・・彼は今日は残業するそうです。新人の子の来週のプレゼン用資料を作るのを手伝うそうで・・・」
「お前も一緒に手伝ってやりゃあ良いのに・・・薄情な奴だな」
まあそうは言っても、残業してまで資料作りを手伝うということはきっと彼が自分で志願したのだろう。
早くその巨竜天国とやらを体験してみたいと逸る後輩の気持ちも理解出来ないわけではないし、今はそのことで彼を責めたところで詮の無いことだった。
「まああいつは改装が終わった後にでもまたゆっくり誘えば良いだろ。じゃあ、また店の前で待ち合わせだな」
俺はそう言って彼らより一足早く会社を出ると、まずは自宅に帰るべく週末の帰宅ラッシュで混み合う電車へと駆け込んだのだった。

それからしばらくして・・・
「ふぃ〜・・・気温の方は大分涼しくなったけど、相変わらず満員電車はやっぱり疲れるな・・・」
俺は大勢の人混みに揉まれながらも何とか新宿駅を抜け出すと、ようやく人心地着いていた。
やがて自室に駆け込むなり温めのシャワーを浴びて服を着替えると、18時20分を指している時計が目に入る。
「まだちょっと早いけど、何だか待ち切れないな・・・途中コンビニで飯でも買ってゆっくり行くか」
数ヶ月振りの天国とあって、久しく感じていなかったあの高揚感が何だか何時も以上に時間の流れを遅く感じさせる。
そして結局18時半前には家を抜け出すと、俺は通り道にある数軒のコンビニを渡り歩いてゆっくりと時間を潰しながら天国のあるビジネスビルへと向かったのだった。

随分と陽が落ちるのが早くなった町中を歩くこと数分、ようやく通りの向こうに目的地が見えてくると、俺はその周辺の様子が以前とは少し変わっていることに気付いていた。
「あれ・・・向かいのビルが無くなってるな・・・取り壊して駐車場にしちまったのか?」
見ればビジネスビルから道路を挟んで斜向かいにあった建物が何時の間にか取り壊されていて、今はそのビルの跡地に少し広めの有料駐車場が作られているらしい。
とは言っても駐車場を運営しているのは何処にでもある一般的な会社らしく、特に雌竜天国の改装と何か関係があるようにも見えなかった。
「確かにこの辺には駐車場が少なかったしな・・・車も結構入ってるみたいだし、有効利用って言って良いのかな」

とは言え、ここ何年も変わらずに見慣れていた光景が急激に変化してしまうのは何だか長い時間の経過を感じさせるようで複雑な気分になってしまう。
初めて雌竜天国を訪れた時はまだ大学生だったというのに、あれからもう何年経ったのだろうか・・・
だがそんな感慨に耽っていると、何時もは真っ先に店に着いている後輩が珍しく俺より遅れてやって来ていた。
「あ、お疲れ様です先輩。早いですね」
「ああ・・・何だか待ち切れなくてね。そう言うお前は珍しく遅かったな」
「ちょっと電車が遅延しちゃったので・・・3連休前で何だか何時も以上に混んでましたし」
俺はそんな後輩の言葉に頷くと、俺達と同じく満員電車に大分やられたと見える随分と疲れ切った同僚が向こうから歩いて来るのを見つけて手を振っていた。

「おう・・・お疲れ・・・今日は何か凄い混み方してたな・・・」
「増税前の最後の3連休だしな・・・皆色々と週末の予定があるんだろ」
「まあ俺達も人のことは言えないけどな・・・それはそうと、あそこ何時の間にか駐車場になったんだな」
同僚も俺と同じ感想を持ったのか、狭く込み入った風俗街の中にしては少し場違いな感もある駐車場へと目を向ける。
「何だか急ですね。まだ最後に店に来てから5ヶ月も経ってないのに」
「まあ今の時代建物なんて解体する時はあっという間だからな・・・お、店が開いたみたいだぞ」
俺はふと目にした入口のカードリーダーに緑色のLEDが点灯していたことに気が付くと、そう言って既に準備していた入館証を装置に読み込ませていた。
ピピピッ
そして3人揃ってビルの中へ入ると、エレベーターホールまでの長い通路を少しばかり足早に歩く。
更には1階で待機していたエレベーターの呼び出しボタンを押すと、すぐさまその扉が開いていた。

ポーン・・・
「どれどれ・・・ああ、まだ地下3階はボタンが塞がれてるんだな」
「他に階層が増えてるわけでもないみたいだけど、巨竜天国って奴はこのエレベーターじゃ行けないのか?」
確かに地下1階と地下2階しか無いのでは、ここに新たな施設を作るのは開発の規模からいっても難しいだろう。
だが取り敢えず受付のある地下1階に降りてみると、俺は4ヶ月半振りに見るその光景が以前までとは少し変わっていることに気付いていた。
「あらいらっしゃい。お久し振りね。歓迎するわ」
やがて今日最初の入客に気が付いたイザベラが、何処か嬉しそうな様子でそんな声を掛けてくる。
「ああ、こんばんは・・・改装はまだ終わってないんだよね?」
「ええ・・・一応工事と引き渡し自体は結構前に終わってるんだけど、まだ正確なオープン日が分からないのよ」
「どうして?」
そう訊いてみると、彼女が少し困ったように首を傾げる。
「何でも・・・何とかの検査をして正式に許可が降りないと営業出来ないらしくて・・・」
「もしかして、風俗営業の立会検査のことか?ここがちゃんと警察の許可を取って営業してるなんて少し意外だな」
そんな同僚の言葉に、俺はイザベラに向けていた視線を隣りにいた彼に移していた。

「お前、妙に詳しいんだな?」
「友人がついこの間一風変わったカフェをオープンさせてね。その時にちょっとその辺の法律を調べてみただけだよ」
「へえ・・・まあでも冷静に考えたらこの店も結構大きくなったし、違法操業なんて出来ないだろうしな」
俺は取り敢えずそんな彼の説明に納得すると、イザベラの方に意識を戻していた。
「ところで、今日は"巨竜天国"っていうのを体験したくて来たんだけど・・・どうすれば良いんだい?」
「ああ、それなら電子メニューを開いて貰えれば分かると思うわ」
そう言われて彼女の視線を追うように背後を振り返ってみると、電子メニューの方も増台されたのか壁際に8台程のディスプレイが並んでいるのが目に入る。
そして試しに会員証を読み取らせて電子メニューを起動してみると、俺は確かに最初のマイページの中に"巨竜天国新規オープン!"というアイコンが踊っていることに気が付いたのだった。

「これか・・・」
やがて胸に秘めた期待とともにそのアイコンをクリックしてみると、新しいウィンドウが開いて巨竜天国用のマイページが表示される。
そこに記載されていた注意書きによると、巨竜天国で指名する竜は基本的に全員が雌竜天国における星10個の扱いになっているらしい。
その為、利用するには雌竜天国で星10個の雌竜と体高6メートル以上の雌竜の指名経験が最低でも1匹以上あることが条件になっているようだ。
まあ俺達は全員あのクイーンの洗礼を受けているのだから、それについては問題無くクリア出来ているだろう。
そして肝心の料金については、宿泊料3千円の他にお相手の竜の性格の星の数×500円の指名料が発生するらしかった。

「ん・・・これってつまり、最大でも5千円しか指名料が掛からないってことだよな?」
「そうですね。雌竜天国の方だとLサイズの指名で9千円以上掛かってたので、かなりお得じゃないですか」
「そういうことなら、俺は取り敢えず星の少ない奴を試しに選んでみるか」
確かに、全員が星10個の扱いなのだとしたら普段受け気質な雌竜を選んでいる同僚としてはそれが妥当な判断だろう。
「へえ・・・巨竜って言うからそんなに大勢はいないのかと思ってましたけど、何だかんだで20匹以上はいますね」
「ていうか、リストの中に雄の竜もいるぞ。こっちだとプレイの内容が特殊だから、別に雌竜限定じゃないんだな」
そんなこんなで3人で盛り上がりながら指名相手を選んでいる内に、やがて後輩が1匹の雄竜に目を留めていた。
「それじゃあ・・・僕はこれを選んでみようかな・・・」
やがてその声に釣られるようにして同僚と2人で左右から彼のディスプレイを覗き込んでみると、恐らくは随分と遠目から撮ったらしい写真一杯に広がっている巨竜の姿が目に飛び込んでくる。

名前:メロネ♂(推定700歳)
体高:9.85メートル
体色:紫
眼色:黄
翼:有り
性格:穏★★★★★★★★★☆荒
得意なプレイ:圧迫、全身奉仕、コックvoreなど
口調:高圧的
指名料金:4,500円/日
人気度:12/19(指名回数/勤務日数)
コメント:"巨大"というその名が示す通りの、体高10メートルに迫る雄の巨竜です。
獲物を暇潰しと性欲処理の為の玩具としか認識していないような非常に性格の荒い雄竜ですが、被虐嗜好の強い方にはリピートされる不思議な魅力をも持ち合わせているようです。
その見上げるような巨体で思う存分蹂躙されてみたいという方にのみ、強くお勧めしております。

「お、おいおい・・・お前もいきなり凄いのを選ぶんだな・・・」
「だって僕、雄の竜見るの初めてですし・・・どうせ選ぶならこういうの体験してみたいじゃないですか」
「俺は無難にこっちにしとくよ。デカいことはデカいけど、見た目はこのリストの中じゃ一番温厚そうだしさ」
そう言いながら同僚も指名相手を決めたらしい気配に、俺はどれもこれも甲乙付け難い巨竜達のリストを繰る手を速めていた。
「それじゃあ先輩、僕達は先に行ってますね」
だがややあって背後から聞こえて来たそんな後輩の声に振り向いてみると、既に指名を終えた彼らがイザベラの案内で新しく作られたらしい別の通路へと通されているのが目に入ったのだった。

やがてイザベラさんに巨竜天国へと続く連絡口へと通された僕は、先に指名を終えた先輩と共に遥か下方にまで続いている長い階段へと足を踏み入れていた。
「あ・・・ここから階段になってるんですね」
「これって、方向的にあの駐車場のあった方に続いてるよな?てことは、あそこの地下に巨竜用の部屋を作ったのか」
「だから上の建物を取り壊しちゃったんですね。地下に大きな空洞があると深い基礎が打ち込めないでしょうし」
だがそんなことを話しながら実に10メートル近くも落差のあった階段を降りると、やがて雌竜天国の地下2階と同じような少し広めの円形のホールがそこに広がっていた。
「扉が5つか・・・やっぱり部屋が大きいだけあって、数はそんなに無いんだな」
「あ、でも階段もまだ下の方に続いてますよ。この下にも同じような部屋がもう一層あるんじゃないですか?」
「じゃあ10部屋か。それならまあ妥当な部屋数だな」
そんな先輩の言葉に頷きながらも周囲に視線を巡らせてみると、ディスプレイで指定された3番の扉が階段口の正面にあるのが目に入る。

「それじゃあ僕、3番の部屋なので・・・お先に失礼します」
「ああ、俺はその隣りの2番だな。じゃあまた後で」
そして先輩と別れて扉の中に入ると、僕の目の前に12畳くらいの広さの寝室が広がっていた。
「奥にもスライド式の扉があるのか・・・ってことは構造は大浴場と同じ感じなのかな」
この部屋は天井の高さが精々3メートルくらいしかないから、恐らくここは完全に人間の宿泊用の部屋なのだろう。
だが試しに奥のスライド扉をそっと引き開けてみると・・・
僕はそこにあったまるで小型の体育館のような広大な部屋の威容に、思わず面食らってしまったのだった。

「わっ・・・広い・・・」
流石に巨竜が動き回ることを想定しているだけあって、奥へ向かって扇形に広がっている部屋の奥行きは実に50メートル近くもあるように見える。
だが部屋の広さよりもまず先に目に付いたのは、地下の空間だというのに15メートル以上たっぷりと取られた天井の高さだった。
これだけの広さの部屋がここだけではなく最低でもあと4部屋、場合によっては9部屋程も用意されているということを考えると、工事期間を考えてもこの巨竜天国の構想自体はもっとずっと前から練られていたのだろう。
そしてそれはつまり、あのクイーンのお姉さんが店長だった時からということになる。
以前5月に来店した時にあのレンスという新しい店長が何だか酷く忙しそうにしていたのも、今にして思えばこんな大規模なリニューアル構想を前店長から引き継いだからだったのだ。

だがそんな物思いに耽っていたその時、僕は何だか地響きのような重々しい音と震動がゆっくりとこちらに近付いてくることに気付いていた。
ドォン・・・ドォン・・・
これはもしかして・・・足音なのだろうか?
これまで雌竜天国でも巨竜を指名した時はこんな足音が聞こえたことがあるのだが、今回は明らかにそれらとは異質な重厚感と同時に何処か申し訳無さそうな配慮の気配が伝わってくる。
何というか・・・必要以上に周囲に足音が響き渡らないよう忍び足で歩いているかのような印象を受けるのだ。
しかしそれでも広大な地下室を揺らす程の重量を誇っているのだとしたら、一体どれ程の巨竜が近付いてきているというのだろうか・・・

そして徐々に大きくなっていくそんな足音の接近にじっと耳を欹てていると、いよいよ部屋の奥の壁がシャッターのように静かに上方へと開いていった。
「グルルルルル・・・」
やがてぽっかりと大きく口を開けた部屋の奥から姿を現したのは、見上げる程に巨大な紫色の雄竜。
これまで相対してきた大勢の雌竜達はたとえそれがクイーンのような獰猛極まりない性格でも何処かに雄を引き付けるある種の魅力が滲み出していたものだったのだが・・・
眼前で荒い息を吐き出している巨竜からは、ただただ強大な捕食者としての純粋な蛮性だけが色濃く溢れ出していた。

「貴様か・・・我を呼び付けたのは・・・」
「ひっ・・・」
黄色・・・というよりはどちらかというと爛々と輝く金色にも見える巨眼でギロリと睨み付けられ、まるで心臓を直接ギュッと握り締められたかのような恐怖心が喉元まで競り上がって来た声を堰き止めてしまう。
殺意、敵意、怒り、憎悪・・・そのどれとも違う、しかし全てが綯交ぜになったかのような仄暗い眼光に射抜かれて、僕は今すぐにでもこの場から逃げ出したい衝動に駆られていた。
だがそんな逃避を望む心情とは裏腹に、余りにも凄まじい存在感と圧迫感に当てられて完全に被食者としての運命を受け入れてしまった体からすっかりと力が抜けてしまう。
ドサッ・・・
そしてフカフカとした柔らかな厚手の絨毯が敷き詰められていた床に腰から崩れ落ちると、メロネがまるで僕に見せ付けるかのようにその巨大な手をゆっくりと持ち上げていた。

ズシッ・・・
「う・・・ぁ・・・」
そして床にへたり込んでいた僕を掌でグッと押さえ付けると、そのまま恐ろしい重圧がじんわりと預けられてくる。
ギシ・・・ミシ・・・
「あぐ・・・や・・・止め・・・ぐえっ・・・」
体中の骨が軋むような鈍い痛みと呼吸の自由を侵される息苦しさがじわじわと込み上げてきて、思わず太い指の間から飛び出していた両手足をバタバタと暴れさせてしまう。
しかしそんな必死の抵抗を事も無げに力で捻じ伏せられると、僕は終始剣呑だったはずのメロネの顔に微かに残酷な笑みが浮かんだのを視界の端に捉えてしまったのだった。

「はっ・・・はぁっ・・・」
ミシッ・・・メキ・・・
ゆっくりと、少しずつ・・・辛うじて僕が怪我をしないようにという最低限の気遣いはしながらも、人間にとっては到底抗い難い凶悪な重量が際限無く浴びせ掛けられる。
微かに弾力を感じる程に柔らかな床に体が少しばかり沈み込み、僕は徐々に膨れ上がっていく鈍い苦痛に声を出すことも出来ずに荒い息を吐いていた。
「う・・・えっ・・・」
やがて容赦無く積み増されていく重圧がいよいよか細い呼吸の自由をも奪い始めると、いよいよ強烈な死の実感が胸の内に湧き上がってくる。
まさかメロネがこのまま僕を踏み潰すなどということは決して無いと信じたいのだが、その金眼を愉しげに細めながら獲物を踏み躙る彼の顔にあるのはただただ溢れんばかりの残酷な嗜虐心だけ。
メギ・・・ギシ・・・ミシャッ!
「かはっ・・・」
そして更に勢い良く踏み付けられた手に体重を乗せられると、僕は体を半分程も床に埋め込まれていた。

ズッ・・・
「はっ・・・はぁっ・・・あぐ・・・ぅ・・・」
だが今度こそ全身が拉げ潰れたのではないかと思ったその瞬間、メロネがパッと僕の上からその巨大な手を退ける。
その途端に堰き止められていた呼吸が回復し、僕は床の上に大の字に横たわったまま空っぽになるまで空気を押し出されてしまった肺の中に必死に酸素を吸い込んでいた。
「クク・・・これしきで虫の息とは・・・嬲り甲斐の無い玩具だな・・・」
じょ、冗談じゃない・・・こっちは・・・本当に死ぬかと思ったのに・・・
とは言え相変わらず危険な眼差しでこちらを睨み付けている巨竜に面と向かってそんな抗議の声を上げられるはずも無く、今度は何をされるのかという不安が胸を締め付けていくばかり。
「まあ良いわ・・・命だけは脅かすなと言われておるからな・・・まだ意識があるだけでも上出来よ」
い、命だけは脅かすなだって・・・?
メロネにしてみればそれは人間に命に係わるような怪我をさせるなという意味なのだろうが、温厚さや慈悲などとは最も程遠いところにいる彼の恐ろしさに僕はもうすぐにでもこの部屋から逃げ出したい程の命の危険を感じていた。

「どれ・・・」
「ひぃっ・・・」
まるで紫色の山が動いたかのような気配とともに、メロネが危険な気配を滲ませながら僕の顔を覗き込んでくる。
そして僕の頭よりも遥かに大きな竜眼でギョロリと睨み付けられた瞬間、僕は火事場の馬鹿力という奴なのだろうか激しい疲労でそれまでピクリとも動かなかったはずの体に不思議な生気が流れ込んで来たのを感じていた。
更には地面に横たわっていた体を素早く起こすと、巨大なメロネには手の出しようが無い背後にぽっかりと口を開けている人間用の小さな部屋へ逃げ込もうと一目散に走り出す。
「グオアアアアアアアアアアッ!」
「うわああああっ!!」
だが愚かにも逃走を図った獲物の姿に怒ったメロネの耳を劈くような凄まじい咆哮が部屋全体を揺らすと、僕は思わず鼓膜が破けそうになった耳を両手で押さえて再び床の上に蹲ってしまっていた。

ガシッ
「あっ・・・ひっ・・・」
やがて恐怖と耳鳴りで動けなくなっていた僕の体を右手で鷲掴みにすると、メロネがあろうことか床から10メートル以上もある自身の目線にまで僕を持ち上げる。
「貴様・・・まさかこの我から逃げようとしたのではあるまいな・・・?」
「あ・・・ぁ・・・」
余りにも大きな手の中から頭だけを外に出した状態で握り締められ、そんな言葉とともに吐き出された熱い吐息が間近から顔に吹き付けられた。
ギュッ・・・
「う・・・あっ・・・や・・・め・・・」
「許せぬな・・・自ら我を呼び付けておきながら逃げようなどとは、我に対して無礼とは思わぬのか・・・?」
更にはそう言いながら、僕を握り締めた彼の手に更に恐ろしい力が込められていく。

ギリッ・・・ミキッ・・・
「た・・・すけ・・・うぁっ・・・」
「ククク・・・案ずるな、握り潰しはせぬ・・・」
そうは言うものの、無慈悲な締め付けと圧迫感が齎す壮絶な苦痛はいや増すばかり。
「・・・貴様にそんなつまらぬ最期を迎えさせたのでは、この我の気が収まらぬからなぁ・・・」
レロォン・・・
「う・・・うわあああっ・・・!」
やがてそんな死刑宣告とも取れる声とともに巨大過ぎる舌でベロリと顔を舐め上げられると、僕はたっぷりと灼熱の唾液を塗り付けられた熱さとどう足掻いてもメロネの手から逃れることが出来ないという絶望に泣き叫んだのだった。

到底覆すことなど出来るはずも無い、絶対的な捕食者と獲物の立場の違い。
その自然の摂理とも言うべき現実を嫌という程に心と体に刻み付けられて、僕は巨掌できつく握り締められる純粋な苦痛でさえもが何だか甘い陶酔感を漂う心地良いものに感じられ始めていた。
そしてすっかり全身の筋肉が弛緩し切ってしまうと、メロネが僕の体を極太の2本の指先で摘まみ上げる。
熱い唾液塗れにされた上に半ば朦朧としていた意識がそんな自分の置かれていた状況を理解するまでに若干の時間を要したものの、僕は歪んだ視界の中に遥か彼方で揺れる床を見て思わず背筋を凍り付かせていた。
「ひっ・・・」
両脇の下に差し込まれた長い爪先だけで、床から10メートル以上もの高所に吊り上げられている・・・
床がかなり柔らかいお陰でもしここから落たとしても運が良ければ死ぬことは無いかも知れないが、それでも大怪我をするのは火を見るよりも明らかだった。

「クク・・・余り暴れぬ方が身の為だぞ・・・」
更にはそう言いながら、メロネがもう一方の手の爪先で僕の服の端を摘まんでいく。
彼は・・・このまま僕の服を脱がせようというのだろうか・・・?
床に降ろして服を脱げと言われればすぐにでもそうするというのに、敢えて不安定な高所に晒しながらじわじわと服を剥ぎ取ることできっと僕の身も心も完膚無きまでに屈服させようということなのだろう。
それに・・・もしほんの少しでも抵抗するような素振りを見せれば、彼が何の躊躇いも無く僕をここから取り落とすだろうことは最早疑いようがなかった。

グイッ・・・グイグイッ・・・
「うっ・・・ぶ・・・」
手の中にすっぽりと収まってしまうような小さな人間の服を脱がすのはやはり難しい作業なのか、彼が無言でベルトの留め金やボタンを外しながらも時折少しイラついた様子で力を込める。
一応服を破いたりはしないように気を遣っているようなのだが、体ごと服を揺さ振られる度に僕は必死に自分の体を支えているメロネの爪へとしがみ付いていた。
「はっ・・・はぁ・・・はぁ・・・うくっ・・・」
ズルル・・・パサッ・・・
やがて早くこの恐ろしい状況から抜け出したくて靴下とズボンの方は何とか自分で脱げたのだが、最後に残った薄手のシャツとパンツがメロネにとってはかなりの障害に映ったらしかった。

「おのれ小賢しい・・・幾重にも邪魔な布を纏いおってからに・・・」
見た目は慈悲の欠片も持ち合わせているようには見えない恐ろしげな巨竜だというのに、客を傷付けてはいけないという最低限の店のルールはそんな彼にとっても絶対なのだろう。
そしてそれは同時に、客の服を汚損してもいけないということでもあった。
だがしばらく逡巡した後に自分の太く尖った爪では下着を破かずに脱がすのは流石に無理だと悟ったのか、メロネが憎々しげな殺気を放ちながらも渋々と僕を床の上に降ろしてくれる。
それで彼の意図を察した僕は、脅し文句を叩き付けられる前に素早く残った下着をその場に脱ぎ捨てていた。

「・・・フン・・・随分と物分かりが良いではないか・・・」
それを見て多少は怒気が緩んだのか、メロネが熱い鼻息とともに独りごちる。
だが完全に一糸纏わぬ生まれたままの姿となった僕を再び掴み上げると、何を思ったのか彼はそのまま僕を自身の下腹部へと近付けていった。
背中側を覆った硬質な紫鱗とは打って変わって、肌色掛かった蛇腹状の皮膜に覆われたお腹が頭上を通り過ぎていく。
そしてその先に一際彫りの深い一筋の蛇腹の谷が見えてくると、突然そこからズリュリという音とともに雄々しい肉の巨塔が迫り出していた。
「わっ・・・」
流石に体高10メートル近い雄竜の肉棒だけあって薄っすらと桃色掛かった粘膜に覆われている歪な凹凸を孕んだ雄槍は確実に僕の身長よりも遥かに長く、その太さも両手が後ろまでは回り切らない程だ。
だがそんな凄まじい迫力の雄の象徴をぼんやりと見上げていると、メロネがあろうことか僕を掴んだままの手でその肉棒をギュッと握り締めたのだった。

ムギュッ・・・
「うっ・・・」
極太の肉棒に全身を押し付けられた上に軽く背骨が軋む程の力で締め付けられ、鼻孔の奥を突くようなムッとした雄の臭いに思わずくぐもった呻き声を漏らしてしまう。
「な・・・何を・・・」
更にはそんな僕の声を涼しく聞き流すと、メロネがゆっくりと僕の体ごとその醜悪な怒張を扱き始めていた。
グシッ・・・ゴシッ・・・
「あぐっ・・・うあっ・・・痛っ・・・止め・・・」
体の前面がごつごつとした硬質な皮膜に覆われている肉棒へ物凄い力で擦り付けられ、同様に彼の肉棒に摩り下ろされている僕のペニスにも暴力的な快感が流し込まれてくる。

「フン・・・貴様も少しは協力したらどうだ?早く我を満足させねば、どうなっても知らぬぞ」
そう言いながら、メロネがなおも僕の体で自身の雄を擦り続ける。
「わ、分かった・・・分かったから・・・あうっ・・・ちょっと・・・離して・・・」
グイグイと問答無用で揺さ振られる苦しさに堪えかねて何とかそう言うと、メロネが些か不満そうな表情を浮かべながらもようやくその動きを止めてくれていた。
そしてズズゥンという重々しい地響きを轟かせながら広い床の上に仰向けに身を横たえると、彼がそのまま僕を巨大な肉棒の屹立している腹の上へと解放する。
「うわっ・・・た、高い・・・」
床に寝そべっているとは言え、体高10メートルのメロネの腹は床から優に6、7メートル程の高さがあった。
まかり間違って滑らかな蛇腹から足を滑らせて落ちたりしたら大怪我は免れないし、そうかと言って落ち掛けた僕を慌ててメロネが捕まえようとすればあの巨大な手で叩き潰される可能性だって無くはないだろう。

「さあ・・・何をすれば良いか分かっておるだろうな・・・?」
だがメロネはそんな僕の不安などまるで意に介さず、黒々とした殺意を剥き出しにしながらそう凄んでいた。
もちろん、不安定な高所に取り残されて何処にも逃げ場の無い僕に出来ることなど1つしかないことは分かっている。
そして相変わらず咽かえるような異臭を放つ雄槍に目を向けると、僕は恐る恐るそれを両手でギュッと抱き締めていた。
「うぅ・・・」
精一杯腕を伸ばしても半分程しか抱き抱えられない余りにも大きな雄が、ほんのりとした温もりと共にヒクヒクと震えている。
ズリ・・・ズリリ・・・
やがて少しばかり嫌悪感を感じながらも体全体を擦り付けるようにメロネの肉棒を刺激してやると、彼がほんの少しばかりその顔を切ない快楽に歪めていた。

「クク・・・こそばゆいぞ・・・だがその程度では、到底物足りぬなぁ・・・」
そんな明らかな悪意と邪心の滲んだ声を背中に叩き付けられて、更にグリグリと敏感そうなくびれを重点的に締め付けたり擦ったり指先で掻いてやる。
サワサワ・・・ジョリリ・・・サリサリサリ・・・
「ク・・・クハハハッ・・・何だそれは・・・そんなことで我を満足させられるとでも思っているのか?」
これでも精一杯出来ることはやっているつもりなのだが、どうやらメロネにはそれでも全く通用していないらしい。
仕方無い・・・このままじゃ何時まで経ってもここから降ろして貰えそうにないし、こうなったら少し抵抗はあるものの奥の手を使うしか無さそうだ。
僕はそう心に決めてメロネの肉棒を思い切り手前に引き倒すと、何とか手が届くようになったその先端に口を開けている大きな鈴口に手を突っ込んでいた。
ズボッ!
「グオッ!?なっ・・・き、貴様・・・一体何を・・・」
流石にその刺激はメロネにも予想外だったのか、彼がビクンとその巨体を跳ね上げながらギロリと僕を睨み付ける。
その明らかな怒りの込められた視線が恐ろしくなかったと言えば嘘になるものの、僕は意を決してグリグリと敏感な尿道内部を指先で滅茶苦茶にかき回してやったのだった。

「グオアアアアアアッ!!」
広い部屋中に轟き渡るような凄まじい咆哮を伴いながら、メロネがその巨体をビクンと跳ね上げる。
細い指先で敏感な肉棒の内部を掻き回される感触は想像以上に強烈だったらしく、僕は跳ね飛ばされそうになるのを必死に堪えながらなおも微かな異臭を放つ深い肉穴の奥へと腕を突っ込んでいた。
「ゴアッ!ガグアアアアアッ!」
グチュ・・・ジュブブ・・・
やがてその内部から熱い粘液がじわりと溢れ出し、その威容からは想像も出来ない程に乱れたメロネの盛大な叫び声が部屋の空気をビリビリと震わせていく。

ガッ!
「あぐっ!?」
だがいよいよ限界も近そうだという考えが頭を過った次の瞬間、僕は背後から紫鱗を纏った巨大な手で乱暴に体を鷲掴みにされていた。
更にはそのまま恐ろしい力でギリギリと全身を握り締められ、体中の骨がミシリと不穏な軋みを上げる。
そしてグルリと前後が反転した視界の先にメロネの顔が飛び込んでくると、僕はそこに黒々と燃え盛る凶悪な殺意を漲らせた怒りの表情が貼り付いているのを間近から見せ付けられていた。
「グルルルルルルル・・・」
「あっ・・・は・・・」
メキ・・・ミシ・・・
それを認知した瞬間彼の手に更なる力が込められ、今にも握り潰されそうな程の甚大な苦痛が全身を駆け回る。

「貴様・・・よくもやってくれたではないか・・・」
何処をどう見ても完全にブチ切れまくっている巨竜がその感情の発露を力尽くで押さえ付けているかのような余りにも危険な気配に、握り締められているのとは別に心臓を締め上げられるかのような恐怖が競り上がってくる。
「ひっ・・・た・・・たすっ・・・うあっ・・・」
ギリリッ・・・メキ・・・
更にはまるで獲物の命乞いの声を堰き止めるかのように一層きつく締め上げられて、僕はロクに声を上げることも出来ないままただただ未曽有の恐ろしさに目元を潤ませていた。

「我にあのような狼藉を働いたのは貴様が初めてだ・・・相応の報いを受ける覚悟は・・・出来ておるのだろうな?」
直接吹き掛けられたら火傷するのではないかと思えるような灼熱の息をフゥー、フゥーと吐き出しながら、僕を睨み付けたメロネの金眼にやがて妖しい煌きが宿っていく。
「は・・・ぁ・・・」
殺される・・・いや、死ぬよりも遥かに恐ろしい目に遭わされると本能が瞬時に理解してしまう程の険が、眼前のちっぽけな人間に壮絶な敵意を燃やしているメロネの表情からメラメラと溢れ出していた。
その迫力に気圧されて僅かに捩った体が、ミシャッという鈍い音とともに殊更きつく握り締められる。
「かはっ・・・」
そして最早呼吸すらままならない程のその圧迫感に肺の中の空気を残らず搾り出されると、僕はそのままゆっくりとした動作で中空に持ち上げられていた。

だがこれから一体何をされるのだろうかという不安と窒息しそうな程の息苦しさに喘いでいると、メロネがもう一方の手で巨大過ぎる自身の肉棒をギュッと握り締める。
だがほんの数度その手が上下しただけで、ただでさえ極太だった肉棒が更に一回り膨らむようにしてムクムクとその太さを増していた。
「う・・・ぐ・・・な、何・・・を・・・」
「ククク・・・よりにもよって我の雄へ腕を突き入れてくれた貴様には、その愚かさに相応しい罰を与えてくれるわ」
やがてそんな怒りの滲んだ声とともに、隆々と天を衝いたメロネの肉棒がその大きな鈴口を一杯に開いていく。
うにぃ・・・
「あっ・・・そ、そんな・・・まっ・・・がっ・・・」
グシッ!
その瞬間微かな制止の声さえ許さぬとばかりに再び容赦無く握り潰されて、僕は甚大な苦痛に顔を歪めながら足元で大口を開けた肉棒へと向かって静かに下ろされていった。

ムワッ・・・
「うっ・・・ふ・・・」
醜悪とも呼べる巨根が近付いて来るにつれて、微かな熱気と濃厚な臭気が下方から立ち昇ってくる。
それは紛れも無い鼻を衝く悪臭・・・ではあったものの、一方で何処か雄にとっては身近に感じる臭いでもあった。
そしていよいよメロネの手の下から飛び出している足先がメロネの尿道へほんの少しばかり潜り込むと、敏感な粘膜に触れられた感触に彼が一瞬ビクリと動きを止めていた。
ミシッ
「あぐっ・・・」
更には身を竦めた拍子に手にも要らぬ力が入ったらしく、再び全身が凶悪な力で握り締められてしまう。
だが彼は苦悶の声を漏らした僕にギロリと冷たい視線を突き刺すと、そのまま更に僕の体を自身の肉棒の中へと押し込んでいた。

ミチ・・・ミシ・・・ギュウゥ・・・
「うあっ・・・き・・・つい・・・」
如何に体高10メートル近い巨竜だとは言え、元々外から何かを異物を入れることを想定していないメロネの尿道は僕にとっても余りにも窮屈だった。
その熱い肉洞の中にはまだ膝下くらいまでしか入っていないというのに、メロネが少し力む度に収縮した肉棒がメキメキと締め付けてくるのだ。
こんなところに・・・全身を押し込まれたら・・・
排泄の為の不浄な孔へ入れられてしまうという生理的な嫌悪感よりも狭く窮屈な場所に体が嵌まり込んでしまうという本能的な恐怖が上回り、僕は無駄だと分かっていながらもメロネの手の中で必死に身を捩っていた。

「往生際の悪い奴だ・・・まあ良い・・・我を満足させる為に、精々必死に足掻くのだなぁ・・・?」
そう言いながら、微かに粘着き始めた肉洞へ今度は太腿までもがズヌリズヌリと押し込まれてしまう。
「ウクッ・・・クク・・・良いぞ・・・心地良く疼きよるわ」
「あ・・・つ・・・うああっ・・・!」
徐々に染み出し始めた粘液の熱さに悶えながら、潤滑油を塗された体が更にズルズルと肉棒の中へ沈んでいくのだ。
「い、嫌だ・・・許し・・・て・・・ぐえっ・・・う、うわああああああっ・・・!」
メロネが快楽に息む度、柔らかな内壁がミシャッと全身を押し潰してくる。
それと同時に雄臭い熱気が周囲に充満し、既に胸元まで肉棒の中へ呑まれてしまっていた僕は大声で泣き叫びながらまだ微かに自由の利く両腕を滅茶苦茶に振り回していた。

グシャッ!
「ぶ・・・ぐふ・・・」
事ここに至ってもみっともなく暴れる獲物の姿に多少の苛立ちを感じたのか、メロネが黙れとばかりに自身の雄へと力を込める。
その凶悪な圧迫感に有無を言わせず締め潰されて、僕は苦悶の表情を浮かべながらぐったりと力尽きていた。
「フン・・・少しの間おとなしくしておれ、愚か者めが・・・」
そして最早暴れる気力も奪い尽くされて完全に弛緩し切った僕の体をズブリと肉棒の中へ埋めると、ただでさえ吐き気を催しそうな臭気が更にその強烈さを増していく。
「うえっ・・・や、やめ・・・出し・・・て・・・」
ネチャネチャと不快な糸を引く粘液を全身に塗された無力な人間がもがく感触を存分に愉しみながら、メロネがその巨大な口からフゥと満足気な長い息を吐くいていた。

必死に周囲の肉壁を押し退けようと体に力を入れてみたところで、ほんの少し彼が力むだけでそんな抵抗そのものが事も無げに捻じ伏せられてしまうのだ。
ギュム・・・グチュ・・・ヌチュ・・・
これが、雄竜の我慢汁なのだろうか・・・?
更にその量を増した異臭を放つ粘液に溺れながら、まるで咀嚼されるかのように全身を凄まじい圧迫感で断続的に締め上げられるという残虐な処刑。
だがただでさえ苛烈極まるこの責め苦の果てに一体何が待ち受けているのかを、僕は既に全てが手遅れとなった今更ながらにして不運にも理解してしまったのだった。

ムギュ・・・グギュッ・・・
巨大な雄竜の性器に押し込まれているというのに、まるで自分自身が1本の肉棒となって深い雌穴の中で弄ばれているかのような感覚。
そんなある種の屈辱的な状況に、僕は鼻を突く悪臭と全身に纏わり付いた粘液の不快感にえずきながらも次第にどうしようもない興奮が胸の内に湧き上がってくるのを感じてしまっていた。
早くここから出なくては・・・
最終的に僕を待っているであろう絶望的な結末が脳裏に想起される度にそんな焦燥感が湧き上がって来ては、何もかもがどうでも良くなるかのような快楽とも呼べる高揚感が塗り潰していく。
「う・・・うぶ・・・」
「ククク・・・悪くないぞ・・・もっともがくが良いわ」
肉棒を内部から責められる感触に上機嫌らしいメロネの声が、先程までよりもほんの少し上ずっていた。

やがて雄臭い肉洞の中で成す術も無く嬲られ続けること数分・・・
「どれ・・・そろそろ止めを刺してくれようか・・・」
しばらくうっとりと支配的な快楽に身を任せていたらしいメロネが、そう言いながら僕を収めた肉棒を自身の手で握っていた。
メシャッ!
「うぐえっ!」
多少の加減はされていたらしいものの、ただでさえギュウギュウと周囲の柔肉にきつく締め付けられていた体が更に凄まじい握力で握り潰される。
グシッ・・・ミシャッ・・・
「がっ・・・あぐ・・・」
だがそれだけでは終わらず、断続的な締め付けと上下に扱かれるような感触がもう完全に力尽きてピクリとも動かせなくなった僕の体を執拗に痛め付けていった。

「ぶぐ・・・や・・・め・・・た・・・すけ・・・」
内外から与えられる快感に反応したのか、僕を呑み込んだメロネの巨根が時折ビクンビクンと大きく震え始める。
やはり・・・彼は僕を肉棒の中へ収めたまま精を放つつもりなのだ。
しかしそれを理解しながらも、最早僕にはどうすることも出来そうにない。
「それ・・・我の精の一部となる覚悟は良いか?灼熱の白濁とともに散り果てるとは、憐れな奴だ・・・クク・・・」
僕に言っているのか、それともただの独り言なのか・・・
それさえ判別出来ない程に思考に霞が掛かって来た頃、いよいよ彼の肉棒がズクンと大きく疼き始めていた。
「ひっ・・・い・・・やだ・・・ぁ・・・」
そしてもうほとんど声にならない掠れた断末魔が漏れた次の瞬間・・・
一際大きな脈動とともに、僕は全身が焼き尽くされるような灼熱感を味わったのだった。

「グオアアアアアッ!」
ブシャアアアッ・・・!ビュグッビュググッ・・・ドシャシャッ・・・
雄槍に収めた人間が射精と同時に宙高く舞わぬよう体を起こした我は、自身の怒張を激しく扱いて長らく溜め込んだ大量の精を勢い良く発射していた。
その凄まじい吐精の勢いで憐れな人間が床と平行に激しく射出され、遠く離れた奥の壁際近くまで吹き飛んで動かなくなる。
そんな余りにも悲惨な獲物の末路に我は一瞬だけ顔を歪めたものの、ドロドロの粘液に全身を包まれていたことが幸いしたのか人間は何処にも目に見えるような怪我は負っていないようだ。
尤も、あの様子では恐らく朝まで目を覚ますことは無いだろうが・・・
「フン・・・愚か者めが・・・」
だが一応精に溺れて窒息せぬようにその白濁の海から人間を拾い上げてやると、我は狭い人間用の部屋に腕を突っ込んで奥に設えられていた浴室の中へと白濁塗れの彼の体を投げ込んでやっていた。
「まあ、それなりには愉しめたか・・・」
そしてそう呟きながら、自身の塒へ戻るべく巨大な部屋の壁を再び開ける。
「それにしても、これ程の目に遭ってもなお我を呼び付ける人間が後を絶たぬのは些か理解に苦しむな・・・」
やがて大きく開いた扉を潜って奥の通路へ足を踏み入れると、我は全身を蝕む微かな気怠さと解放感を堪能しながらそんな不可解な人間の心情に思いを馳せたのだった。

指定された扉の前で後輩と別れた俺は、恐る恐る部屋の中を覗いて思わずホッと安堵の息を吐いていた。
どうやらここは、地下2階の大浴場と同じように奥にある大きな部屋へと接続する為の宿泊用の部屋らしい。
広さは大体12畳くらいで、奥の方にスライド式の扉が別途用意されているのが見える。
ベッドと風呂場が規格よりも多少大きい以外には基本的に普通のホテルの部屋と同じような設備が整っているから、恐らくこの部屋は完全に人間専用の場所として用意されているのだろう。
そして取り敢えずベッドの上に服を服を脱ぎ捨ててから奥の扉を開けてみると、とても首都圏の地下空間とは思えぬ余りにも広大な部屋がそこに広がっていた。

「うおっ・・・流石に広いな・・・」
床には一面絨毯が張られているようなのだが、それとは別にフカッとしたかなり大きな弾力が感じられる。
こんな床の柔さで果たして巨竜の体重を支えられるのかは甚だ疑問だったものの、これが客の身の安全を考慮しての設備なのであればこれでもまあ問題は無いのだろう。
それに今回俺が指名したのは、凶悪そうな連中が居並ぶ巨竜達のリストの中でも最も性格が穏やかな竜だった。

名前:カレン♀(推定430歳)
体高:8.92メートル
体色:薄黄
眼色:黒
翼:有り
性格:穏★★☆☆☆☆☆☆☆☆荒
得意なプレイ:圧迫、アンバース、体内回帰など
口調:内気な少女
指名料金:1,000円/日
人気度:14/18(指名回数/勤務日数)
コメント:普段は極めて内気で温厚な性格ですが、一方でその凄まじい巨体を活かして獲物を容赦無く弄ぶ趣味のある二面性のある雌竜です。
その巨大な竜膣に呑み込まれたら最後、抵抗することも出来ないまま彼女の体内で甘く優しく意識を蕩かされてしまうことでしょう。
巨竜天国の入門としてお勧めしている雌竜です。

まあ幾ら性格が穏やかだとは言っても、体高9メートル近い巨竜だなんてこれまで1度も見たことが無いのだ。
あの恐ろしいクイーンでさえ体高は7メートルも無かったのだから、それより巨大な雌竜だなんて想像しただけでもゾクゾクとした寒気のようなものが背筋に走ってしまう。
更にはそんなことを考えながら開放感があり過ぎる部屋の真ん中でしばらく待っていると、やがて奥の壁の方からドシン、ドシンという地響きのような音と震動が近付いてきた。
「これ・・・足音か・・・?」
これまでこの店の中でさえ1度も聞いたことの無い、想像を絶する重量を感じさせるような重々しい足音。
それが徐々にこの部屋へ迫って来ているという事実に、期待と不安が胸の内に膨れ上がっていく。
そしていよいよ部屋の奥の壁が上方へ開いていくと、俺はその奥から姿を現した見上げるような薄黄色の巨竜の威容に思わずゴクリと息を呑んでいた。

「う・・・お・・・」
高さ15メートル近くもある天井が頭のすぐ上にあるように感じてしまう程の凄まじい巨体が、まるで袋小路に追い詰めた獲物を焦らすかのようにゆっくりと広い部屋の中へと入ってくる。
だが圧倒的な巨体に面食らって立ち竦んでいた俺をその純黒の竜眼でじっと見据えると、カレンがその威圧的な風貌に似合わぬか細い声を漏らしていた。
「あ、あの・・・あなたが・・・私を呼んでくれたんですか・・・?」
「え?あ、ああ・・・そ、そうだけど・・・」
「良かった・・・私、たまに部屋を間違えちゃうから・・・」
もしかして彼女は・・・こう見えて少しばかりドジっ子なのだろうか?
全身を覆っている微かに光沢を放つ薄黄色に染まった皮膜がその内側に包んでいるのだろう豊満な柔肉にプルンと震え、宛ら巨大な水風船のように大きく垂れ下がった腹をプヨプヨと揺らしている。
その様子がまた何処か可愛らしく、俺は見上げるような巨竜を相手にしていることも忘れて少しばかり彼女に対する警戒を緩めてしまったのだった。

取り敢えず・・・見た目の巨大さは別にしてもその落ち着いた雰囲気からも読み取れるように、彼女には突然獰猛に俺を襲ってくるというようなつもりは無いらしい。
だがこれまで見て来た様々な雌竜達の中でも群を抜いて大きなカレンの姿にどうして良いのかも分からず立ち竦んでいると、彼女が柔らかな床が深く沈み込む程ずっしりと踏み締めていた手を静かに持ち上げていた。
そして何処と無く微笑を浮かべているようにも見える彼女の視線がこちらに振り向けられた次の瞬間、人間など軽く覆い尽くしてしまえる程の巨掌が不意に俺の頭上から降り注ぐ。
ドスッ!
「わっ!」
やがてそんな突然の事態に訳も分からぬまま床の上に踏み敷かれると、俺は太い指の間から見えるカレンの顔に今度こそ間違い無く不敵な笑みが浮かんでいることに気付いてしまっていた。

そんな・・・さっきまであんなに気弱で温厚そうに見えたのに・・・
その余りにも急激なカレンの雰囲気の変化に面食らっている内に、今度は俺の上にゆっくりと恐ろしい重圧が圧し掛かって来る。
「うふ・・・捕まえた・・・」
ズシッ・・・ミシシ・・・
「う・・・あ・・・」
もっちりとした柔肉の塊のようなカレンの手に押し潰され、体中の骨がミシミシと不穏な軋みを上げていた。
辛うじて指の間から飛び出した手足をバタバタと暴れさせて僅かながら抵抗してみるものの、そんな獲物のもがきっぷりを愉しむかのように更なる体重が浴びせ掛けられてくる。
何処までも沈み込むような餅の如き感触と弾力のある床のお陰で相当な圧力を掛けられている割に今のところはまだ呼吸も苦しくはないのだが、それも何時まで続くのかは甚だ疑問だった。

「ちょ・・・カ・・・レン・・・待って・・・」
ギュッ・・・
「あぐ・・・」
まだ声を出す余裕があるのかとばかりに凄まじい重圧が増し、いよいよ呼吸の自由がじんわりと侵されていく。
「その様子だと、もう少し押し潰しても大丈夫そうですね・・・」
「ひ・・・ひっ・・・」
ペロリと舌を舐めずりながら事も無げにそんな恐ろしい言葉を漏らしたカレンが、今や無力な獲物を弄ぶことに愉悦を感じる残酷な表情をその顔に浮かべていた。
最初にこの部屋に姿を現した時の何処か気弱そうな印象からは余りにも懸け離れたその彼女の豹変振りに、今更になって自分が極めて危機的な状況に置かれていることを自覚してしまう。
「ほらぁ・・・苦しいですか・・・?」
メキ・・・ミシィ・・・
「あがっ・・・うあ・・・ぁ・・・」
その瞬間さっきまでとは比べ物にならない体重を掛けられて、俺は顔を真っ赤にしながら苦悶の声を漏らしていた。
際限無く増していく圧迫感が徐々に肺を押し潰し、息を吐き出す度に俺の胸を平たく圧縮していく。
そんな俺の悶え苦しむ様子に満足したのか、呼吸困難で意識が薄れ掛けた段になってようやく彼女が俺の上からその巨大過ぎる手を退けてくれていた。

「はっ・・・はっ・・・かはっ・・・」
その瞬間俄かに呼吸が回復し、空っぽになった肺へ貪るように空気を吸い込んでいく。
とは言え散々に痛め付けられた体は既にぐったりと力尽きていて、俺は荒い息を吐きながらも柔らかな床の上でピクリとも動けぬまま横たわっていた。
「うぅ・・・」
「うーん・・・もうちょっと弱らせた方が良いかな・・・」
だがもう何処からどう見ても虫の息だと分かるはずの俺の姿にぼそりとそう呟いた彼女が、今度は俺を跨ぐようにしてそのむっちりとした太鼓腹を俺の頭上に揺らしていた。
視界一面を覆い尽くす真っ白な皮膜に覆われた腹が、プルンプルンと水風船のように波打っているのが良く見える。
まさか・・・今度はあの腹で・・・
そう思った瞬間、俺はゴロリと体を転がすと何とかその場から逃げ出すべくもうほとんど力の入らない手足で床の上をノロノロと這い始めていた。
「うふふ・・・逃げられるとでも思ってるんですか・・・?」
カレン自身ももう俺に逃走出来る程の力など残っていないことを知っているのか、まるで無力な獲物の悪足掻きを嘲笑うかのような声が投げ掛けられる。
そしてゆっくりと降りて来た広大な腹肉がズシリと背中へ乗せられると、無駄な抵抗だと分かっていながらも両手足を踏ん張った俺の上に更に人智を超えた重量が圧し掛かって来たのだった。

ズズ・・・ズズズズ・・・
「う、うわあああぁっ・・・!」
ブニュブニュと形を変える程に柔らかな餅の如きカレンの腹肉が、四つん這いとなった俺の背中の上へ際限無く載せられていく。
その余りの恐ろしさに思わず情けない悲鳴を漏らしてしまったにもかかわらず、カレンはその見上げるような巨体が誇る体重を容赦無くちっぽけな人間へと浴びせ掛けていた。
ズシ・・・ミシミシミシ・・・
「お・・・も・・・」
カレンの腹が異常な程に柔らかいのと肩を入れて垂直に床へ両腕を突っ張っているお陰で自分でも想像以上の重量を支えられてはいたものの、これ以上本気で圧し掛かられたら腕の骨が圧し折れて押し潰されてしまうのに違いない。
「どうですか・・・?まだ耐えられますか・・・?」
徐々に声無き悲鳴を上げていく獲物の恐怖と狼狽を愉しんでいるかのように、やがて周囲を完全に柔肉に包み込まれた俺へそんな意地の悪い声が聞こえてきた。

ギシ・・・ミシシ・・・ビキ・・・
「ひっ・・・や、止めて・・・これい・・・じょう・・・は・・・」
そしていよいよ凶悪な重圧に耐え切れなくなってきた体が不穏な軋みを上げ始めると、カレンが身を引くどころか更に床を踏み締めていた四肢の力を抜いていく。
体高8メートル近い巨竜の体重など想像も出来ないが、少なくとも1000トンは下らない程の超重量なのは確かだろう。
そんな恐ろしいものが自分のすぐ上に圧し掛かっているという非情な事実に、俺は大声で助けを求めることも出来ないままミシミシと鳴り始めた自身の体の崩壊の気配に怯えていることしか出来なかった。
だが何時終わるとも知れないそんな修羅場の中でじっと耐え忍んでいたその時、恐らくは隣りの部屋から聞こえていたのだろう凄まじい咆哮のようなものが広い部屋全体を揺さ振っていく。
「グオアアアアアアアアアアッ!」
「きゃっ・・・」
その激しい雄叫びに驚いたのか、それまで腹下の人間を完全に押し潰さないように加減していたカレンが思わず身を護るように両手で頭を抱えながらその場に素早く身を伏せてしまっていた。

ズズズウゥン・・・
「ぉっ・・・!」
巨大な質量が床に叩き付けられたことを示す激しい音と震動が、こちらもまた広大な部屋をグワングワンと揺らしていく。
だが次の瞬間、私は勢い余って人間を床へ敷き潰してしまったことに気付いてハッと体を持ち上げていた。
「あっ・・・」
そして長い首を巡らして恐る恐る腹下の様子を窺ってみると・・・
床の上に半分以上体が埋まり、紙のように薄く引き伸ばされたかのように見える無惨な人間の姿が目に入ってくる。
もしかして・・・本当に潰してしまったのだろうか・・・?
大きさにすれば自分の1000分の1にも満たない小さな人間へ全体重を浴びせ掛けてしまったという思いに一瞬そんな最悪の想像が脳裏を過ったものの、爪先で人間を床から掘り起こしてみるとどうやらまだ辛うじて息はあるらしい。
腹の肉が十分に柔らかかったお陰で、重量の大部分が床に分散されたのが幸いしたのだろう。
とは言え意識の方は完全に失ってしまっているらしく、私は余りにも小さ過ぎる人間をどう介抱したら良いものかと頭を悩ませていた。

グニグニ・・・グニグニ・・・
「う・・・うぐ・・・」
俺は・・・一体どうなったのだろうか・・・?
長らく暗闇の中を彷徨っていたような気がする意識がようやく現実に戻ってくると、俺は唐突にさっきまで自分が置かれていた状況を思い出してゆっくりと目を開けていた。
「あ・・・気が付いた・・・?」
どうやら俺は何時の間にか床の上に仰向けに寝転んでいたらしく、カレンが胸の辺りを大きな指先でグイグイと断続的に押していたらしい。
もしかしてこれは・・・心臓マッサージのつもりか何かだったのだろうか・・・?
まあ実際にこうして無事に意識を取り戻せたのだからそれはそれで功を奏したのかも知れないが、彼女の顔に浮かんでいた憔悴の跡を見る限り俺がそれだけ危険な状態だったのは確かなのだろう。
尤も、家よりも大きな巨竜に押し潰されて無事だったこと自体が既に奇跡のようなものなのかも知れないのだが・・・

「お、俺・・・一体どうなったんだ?」
「ご、ごめんなさい・・・その・・・あの・・・つい勢い余っちゃって・・・」
まだ気が動転しているのか、カレンがさっきまでの嗜虐的な雰囲気からはとても想像出来ない程に弱々しい表情を浮かべながらあたふたと弁明を試みる。
まあ彼女は呼ばれた部屋を間違えることがあるくらいの典型的なドジっ子なのだから、突然聞こえた雄叫びに驚いてしまったと言われても何だか納得してしまうのが辛いところなのだが・・・
だがこの巨体に似合わぬナヨナヨとした内気な性格と、一度捉えた獲物を無慈悲に弄ぶという極めて残酷な性格が混在していることこそが彼女の本当の魅力なのだろう。
そしてようやく体中を襲っていた鈍い痛みと軋みが幾分か治まると、俺はゆっくりと床から立ち上がったのだった。

全体重を掛けて押し潰したはずの小さな人間が立ち上がった様子に驚いたのか、或いはまだまだ獲物を弄ぶ愉悦を味わえるという隠れた本性の発露なのか、カレンの口元が微かな笑みにも動揺にも受け取れる小さな歪みを見せる。
そして今度は少しばかり慎重にこちらへその大きな手を伸ばしてくると、ムチムチの柔肉で覆われた太い4本の指が俺の体をミシリと鷲掴みにしていた。
グギュッ・・・
「うっ・・・」
一気に呼吸が苦しくなる程の握力で握り締められて一瞬焦ったものの、どうやら彼女自身まだ人間に対しての力加減というものが良く分かっていないらしい。
一応初心者にお勧めされているくらいの雌竜なのだから大きな問題は無いのだろうと信じたいが、彼女の内に秘められた残虐性と何処と無く抜けた性格が想像以上に危険なもののように感じるのは気のせいではないだろう。

ギュ・・・ギュゥッ・・・
「うあっ・・・カ・・・レン・・・きつ・・・い・・・」
「あ・・・い、痛かったですか・・・?えーと・・・このくらいかな・・・」
ミシシッ・・・
「あぐ・・・ぅ・・・」
一応さっきよりはほんの少しだけ圧迫が弱まったような気がするのだが、それでも全身がギシギシと軋みを上げる程度には容赦無く締め付けられてしまう。
当のカレンも適度な力で人間を掴もうと苦心している一方で、苦悶の声を上げながら掌中でもがく人間の姿に何処か興奮しているようにも見えた。
そして何度かそんなやり取りをしている内に幾度と無く握り締められた体がジンジンとした熱さを残して半ば麻痺し始めると、脱力したお陰でカレンがようやく無駄に力まずに俺を持ち上げる。
「うぅ・・・」
だが既に散々に痛め付けられていた俺は、力無い呻き声を漏らすばかりでぐったりと彼女の手に凭れ掛かっていた。

今度は・・・俺を一体どうするつもりなのだろうか・・・?
圧倒的な体格差という極めて単純にして到底覆し難い生物としての差を前に、文字通り掌の上で弄ばれているかのような屈辱感とそれ以上の諦観が胸に重く圧し掛かってくる。
そしてその柔和そうな表情からは何を考えているのか読み取れないカレンの顔をじっと見つめていると、彼女が俺を持ち上げたままゆっくりと床の上でその巨体を翻していた。
ズズ・・・ズズズン・・・
やがてムニムニと柔らかく波打つ腹を揺らしながら仰向けになると、背面とは違って真っ白な皮膜に覆われた広大な腹が視界一面を覆い尽くしていく。
しかしだらしなく両脚を床に投げ出したままカレンがグイッと上半身を起こした次の瞬間、俺は一面真っ白だったその滑らかな雪原の中に真っ赤に色付いた深いクレバスがあることに気が付いていた。

3階建ての家程もある雌巨竜の下腹部に真っ直ぐ横一文字に走っている、不気味な秘肉と闇を湛える底無しの竜膣。
その長く大きな裂け目がまるで腹部に備わった巨眼のようにぱっくりと瞼を開き、ムッとした熱気と濃い雌の匂いを放ちながらドロドロの愛液の糸を無数に引き延ばしていた。
それはこれまで幾度か目にしてきた大勢の雌竜達のそれとは明らかに次元の違う、余りにも深く大きな肉の巨洞。
だが何よりも恐ろしかったのは、何も言われずともカレンが俺をその灼熱の肉穴の中へ俺を投げ込むだろうことがほとんど確信に近い形で理解出来てしまったことだった。
「は・・・はぁっ・・・」
「うふふ・・・何をされるか分かっちゃいました・・・?でも、今更暴れたって駄目ですよ」
そう言いながら、彼女が微かに身を捩った俺を黙らせるかのように再びきつく握り締めてくる。
メキメキメギギ・・・
「いぎいぃっ・・・!」
その瞬間まるで体中の骨が粉々に砕け散ったのではないかと思えるような衝撃が走り、俺は蛙が潰れたような悲鳴を上げながら彼女が力を緩めてくれるまで凶悪な重圧に必死に耐えたのだった。

もうすぐ自身の秘所へ獲物を押し込めるという残酷な愉悦に興奮しているのか、まるで遠慮の感じられない握力に締め上げられた体から一気に力が抜けていく。
そしてものの数十秒で完全に抵抗の気力を圧し折られてしまうと、カレンがぐったりと力尽きた獲物に自らの末路を見せ付けるかのように自身の股間へと俺を近付けていった。
「た・・・助け・・・て・・・」
体中に走る鈍い痛みと疲労に、大声で叫んだはずの命乞いの声が自分でも聞き取るのがやっとという程のか細い呻き声となって広大な部屋の中へと霧散していく。
だがそれが聞こえようが聞こえまいが、カレンがその行動を変えてくれる可能性は既に微かな塵程の残骸も残さぬ程に潰えてしまっていた。

グプ・・・ゴボボ・・・
その未曽有の巨大さも相俟って、ドロリと太い糸を引きながら泡立つ愛液がまるで煉獄のマグマ煮え滾る火口の如き熱気を噴き出してくる。
こんなところへ入れられるくらいなら、まだその大きな口で一息に丸呑みにでもされた方が遥かにマシな最期を迎えられることだろう。
しかしもう暴れる力も尽き果てた俺の体をなおもギュウギュウときつく握り締めているカレンの様子を見る限り、きっと彼女はこうして捕らえた獲物を自身の雌穴に呑み込み蹂躙するのが何よりも好きなのに違いない。
そしていよいよ大きく口を開けた巨膣の真上にまで彼女の手が移動すると、俺は足元から立ち昇ってくる雄殺しの芳香とジリジリと皮膚を炙られるような熱さにゴクリと息を呑んでいた。
そんな危機から脱しようと本能的にグネグネと身を捩る獲物の最期の足掻きを満足気に見つめながら、カレンがペロリとその大きな舌を俺に見えるように舐めずってくるのだ。
「うふふふ・・・覚悟は良いですか・・・?」
メキメキッ・・・
「ふっ・・・ふぐっ・・・うぐぐ・・・」
反論を封じようとしてなのか、或いは単純に俺の苦悶の喘ぎを絞り出したかっただけなのか、理不尽な締め付けによる耐え難い苦痛がまたしても全身を痛め付けていく。
そして一頻り掌中で悶え苦しむ俺の姿を堪能すると、彼女が何の前触れも無くその手をパッと開いていた。

ズボボボッ・・・!
「うあっ・・・はっ・・・ぐああああっ・・・!」
次の瞬間、刹那の浮遊感に我を取り戻す間も無く深い竜膣に嵌まり込んだ下半身が凄まじい熱さに漬け込まれていた。
「あひぃっ・・・熱っ・・・あ・・・」
微かに盛り上がっている膣口の縁にしがみ付いて必死に攀じ登ろうと奮闘してみるものの、愛液に漬かった足をジュウジュウと焼かれているかのような灼熱感と疲労に登るどころかゆっくりと穴の中へとずり落ちていってしまう。
「ほらほら・・・早く逃げ出さないと呑み込んじゃいますよ・・・?」
更にはそんな声を浴びせながら、彼女がその太い指先で膣口から飛び出していた俺の頭をグイグイと押し込んできた。
ズ・・・ズグブ・・・
「うぐああああっ・・・!」
その抗い難い力に押されて更に太腿の辺りまでもがドロリとした愛液の海に漬かってしまうと、ジュウジュウと焼け付くような壮絶な熱さが殊更に俺の意識を掻き乱していく。
そしてついに指先からも力が抜けてしまうと、俺はドボッという鈍い水音を立てながら一気に肩まで熱い粘液の中へと沈み込ませてしまったのだった。

「うわあああっ!」
熱湯風呂にでも沈められたかのような激しい苦痛に悶絶し、ヌルヌルの愛液をたっぷりと纏った周囲の分厚い肉襞を両手で滅茶苦茶に掻き毟る。
肝心の膣口は懸命に上方へと手を伸ばしても後20センチ程届かず、その上ゆっくりと上下にうねり始めた襞の蠕動によって俺の体は深い膣の更に奥へと静かに引き摺り込まれ始めていた。
ズズ・・・ズブブ・・・
「うああああぁっ・・・い・・・や・・・だ・・・」
最早熱さとも痛みとも判別の付かない刺激に全身を浸されながらそう泣き叫んでみてもカレンからの返事は無く、代わりに俺の頭上で大きく開いていた膣口がまるで眠気眼を瞑るかのようにゆっくりと閉じていく。
それに伴って周囲に完全なる暗闇が訪れてしまうと、俺はゴボゴボという粘液の弾ける音とカレンの内臓が蠢く轟音のような響きを感じながら煮え立つ愛液の中へと全身を引き摺り込まれていったのだった。

グジュ・・・ゴギュッ・・・ジュブッ・・・
視界の全てを覆い尽くした、一条の光の欠片さえ差し込まぬ完璧な闇。
灼熱の愛液に焼き尽くされた全身の感覚は既に麻痺してしまったのかすっかりと消え去っていて、天地の区別さえままならない程の奇妙な浮遊感が俺の全身を包み込んでいた。
ドロリとした愛液の坩堝へ引き摺り込まれたというのにどういうわけか息苦しさのようなものはまるで感じられず、思考ははっきりしているというのに意識があるのかどうかさえ判然としない奇妙な静寂が俺の全てを支配している。
耳に聞こえてくるのは粘性の高い液体が弾けるくぐもった水音と、巨大な生物の体内で渦巻いている内臓の蠢く音ばかり。
暗闇と全身を蝕む無感覚のお陰で周囲の状況は何一つ掴むことが出来ないというのに、俺はたったその一事だけでここがカレンの竜膣の奥深くなのだということを悟ってしまっていた。

俺は・・・一体どうなったのだろうか・・・?
何も感じず、何も見えず、何も嗅ぎ取れない・・・
しかし絶えず耳を擽る重低音のお陰で確かに自身の存在を感じ取れるというこの状況は、本来ならば人をパニックに陥れるのに十分過ぎる程の異常事態だったと言っても過言では無いだろう。
だが不思議なことに、激しい混乱の最中にありながらも俺の思考を満たしていたのはそんな混乱や恐慌ではなく・・・
何故か心休まるような底無しの安心感だった。
得体の知れぬ巨竜の体内奥深くに呑み込まれて意識と聴覚以外の全ての感覚と自由を奪われたこの状況が、最早脳の海馬の奥底にひっそりと横たわっているだけとなっていた原始の記憶を脳裏に呼び覚ましていく。
それはこの世に生を受ける前、初めてその閉じた瞼に光を受けた時よりも遥かに古い母親の体内の記憶。
そんな全ての人間、或いは胎生によって生まれた生きとし生ける者全ての本能に根差した究極の安らぎが、忙しない現代社会で暮らす内に徐々に疲弊し傷んでいった俺の心を温かく癒していくような気がする。
それと同時に体の感覚も少しずつ回復してくると、俺は全身を包み込む熱い感触にうっとりと息を吐き出していた。

ぐったりと力の抜けた手足を包み込む、ドロドロに蕩けた粘液と何処までも沈み込むかのような極上の柔肉。
それでやわやわとまるでマッサージでもするかのように優しく波打ち、えも言われぬ快感がじっくりと背筋を這い上ってくる。
そんな快楽にほだされて何時しかギンギンに漲ってしまっていたペニスにも無数の襞を纏う温かい感触が触れると、ゾワゾワと撫でられ始めた肉棒が雄としての最大級の喜びに打ち震えていた。
「っ・・・!」
ビュビュッ・・・ビュグッ・・・
余りの気持ち良さに訳も分からぬまま精を吐き出してしまい、声にならない矯正が脳裏にこだまする。
しかし相変わらず体を動かすことは出来そうになく、俺は微動だに出来ぬまま心地良い全身愛撫とある意味で殺人的とも言える強烈な快感を成すがままに味わわされたのだった。

ビュルルッ・・・ビュククッ・・・
「ぁっ・・・は・・・」
気持ち・・・良い・・・
まるで全身が敏感な肉棒となってしまったかのように、熱く蕩けた肉壷で揉みくちゃにされる度に脳が沸騰しそうな程の快楽が容赦無く弾け飛ぶ。
しかしそれと同時に感じる抗い難い本能的な安らぎにまたしても体中の力を吸い取られてしまい、俺はだんだんとこの現状を受け入れ始めてしまっていた。
もう、このまま死んでも構わない・・・カレンの中で蕩けて消えてしまうのも、悪くないのかも・・・
そんな諦観とも取れる心情の変化に、俺は大きく息を吸い込むと再び眠るように虚空に揺蕩う意識を真っ白な闇の中へと落ち込ませていったのだった。

「うふ・・・眠っちゃった・・・私の中・・・気に入って貰えたみたいですね・・・」
私は先程まで微かに蠢いていた人間がすっかりおとなしくなったのを感じると、まるで産まれる前の子供を慈しむかのように自身の下腹部をそっと掌で撫で回していた。
窒息だけはしないように新鮮な空気を送り込んでやる必要はあるだろうが、これ程までに気に入って貰えたのであれば朝まで私の中で優しく弄びながら身も心もドロドロに蕩かしてあげるのも悪くないだろう。
そしてまたしても壮絶な快楽になけなしの精を放ったらしい人間の様子に満足すると、私もそのまま夜を明かそうと広い床の上にそっと身を伏せて眼を閉じたのだった。

「うーん・・・まだ幾つか気になるのはいるけど・・・今日はこいつにしてみようかな・・・」
一足先に奥へと案内された同僚と後輩を見送ってから5分後、俺はようやく今日の指名相手を決めるとその写真をディスプレイに表示していた。

名前:デント♂(推定650歳)
体高:7.15メートル
体色:赤
眼色:青
翼:無し
性格:穏★★★★★★★★★★荒
得意なプレイ:圧迫、丸呑み、体内ツアー、回し呑みなど
口調:明るい少年、老爺、古老
指名料金:5,000円/日
人気度:4/13(指名回数/勤務日数)
コメント:ずんぐりとした巨体と長大な3本の首を持つ雄の多頭竜です。
複数の巨大な竜頭による無慈悲な舌責めだけでも獲物にとっては大変な脅威ですが、もし途中で力尽きてしまえば更に凄惨な彼らの食事の当事者となることでしょう。
凶悪な捕食者の暴威を味わってみたい方には案外ツボに入る雄竜かも知れません。

全身を覆う年季の入っていそうな真っ赤な竜鱗と雄であるということを除けば、以前指名したことのあるトリニティに近い3つ首の竜らしい。
他に違いがあるとすれば、手足の短い龍体型だったトリニティとは違ってデントは巨大な体から3本の長い首が生えた四足竜だということだろうか。
それで背中の高さが7メートルを超えているのだから、実際には想像以上に凄まじい巨体を誇っているのだろう。
そんな想像に期待を膨らませてデントを指名すると、俺はイザベラに案内されて別館へと続く通路へと通されていた。

「へえ・・・随分と地下深くまで続いてるんだな・・・」
だがしばらく階段を下りてようやく円形のホールへと辿り着くと、俺はそこにずらりと並んだ部屋が5つしかないことに首を傾げていた。
「あれ?5番までしかないのか?確かディスプレイには部屋番号が8番って書かれてた気がするけど・・・」
そう思って周りを見回してみると、どうやら折り返した階段がまだ下層へと続いているようだ。
「まだこの下にも部屋があるのか。てことは随分と大掛かりな工事をしたんだな」
其処彼処にまだ見ぬ巨竜が徘徊する、地下深い未踏のダンジョン。
そんな何処か不気味さすら感じられる光景に多少尻込みしながらもそっと階段を下り始めると、俺は再びそこから20メートル以上も下ったところでようやく別のホールが見えてきたことにホッと胸を撫で下ろしていた。
「えーと・・・6、7、8・・・こっちは3部屋だけなのか。扉の間隔も広いし、上よりも部屋のサイズが大きいのかな」
そう思いながら指定された8番の部屋へ入ってみると、思った通り中は15畳くらいはありそうな少し広めの居室になっていた。
一応宿泊施設という基準を満たす為だけに用意された部屋には大きめのベッドと浴室、服を保管する為のクローゼットなどが設置されていて、奥にある扉がその先に続く大部屋へと続いているらしい。

俺は取り敢えず着ていた服を脱いで素っ裸になると、そっと奥のスライド扉を引き開けていた。
だが次の瞬間、扇形に広がっている体育館の如き広大な部屋の中央に鎮座していた真紅の巨竜の姿に思わず視線が釘付けになってしまう。
「あ!やっと来たよお客さん!」
「ようやくか・・・グルルル・・・待ち侘びたぞ小僧・・・」
「フォホホ・・・そう荒れるなお前さん・・・ここは地下も深い故、来るのに時間が掛かるのは仕方あるまいて」
部屋に入るなりそんな口調の異なる3つの声を投げ掛けられて、俺は向かって右側で一際激しい気炎を上げている首に怯えながらもそっと背後のスライド扉を閉めたのだった。

それにしてもデカい雄竜だな・・・
トリニティと違って胴体がある分だけ彼らの首自体はそこまで長くはないはずなのだが、ずっしりと床を踏み締めている巨大な手足の重量感も相俟ってデントからは単純な体高以上の迫力が感じられる。
それに向かって右端に見える竜の首が先程からその青眼を爛々と輝かせながら不穏な殺気を撒き散らしていて、俺は自ら彼に近付くことに激しい抵抗を感じてしまっていた。
「ねぇ早く!こっちに来てよ!」
しかしそんな俺の心中を知ってか知らずか、他の2本の首に比べるとほんの少し細くて短い左の首がまるで快活な少年のように明るく弾んだ声を投げ掛けてくる。
「あ、ああ・・・」
仕方無い・・・一旦部屋の中へ足を踏み入れた以上、何れにしても俺には何処にも逃げ場などないのだ。
それなら徒に彼らの不興を買うよりも、ここはおとなしく従っておく方が無難というものだろう。
俺はそう心に決めると、遥かな高みからこちらを見下ろしているギラ付いた6つの青い竜眼に若干怯えながらも恐る恐る伝との方へと近付いていった。

シュルッ・・・
「うわっ!」
だがほんの数歩程歩いて背後にあったスライド扉から少し距離が離れた次の瞬間、デントの陰から伸びてきた真っ赤な鱗を纏う長い尾が素早く俺の体へと巻き付けられていた。
その体の巨大さに比してかなり細身な印象を受ける尻尾なのだが、その分柔軟性に富んでいるのかまるで鞭のようにしなやかに俺の体を縛り上げていく。
ギ・・・ギリ・・・
「あう・・・ぅ・・・」
く・・・苦しい・・・
単に力加減が適当なのか、或いは意図的にそうしているのか、硬い鱗に覆われた尾が容赦無く手足に食い込んでいく。
そしてあっという間に真っ赤なとぐろでグルグル巻きにされてしまうと、俺はそのままゆっくりと床から5メートル近い高さにまで持ち上げられてしまっていた。

「ねえ・・・何だかこのお客さん苦しそうだよ?」
「フォホ・・・これは少しきつく締め過ぎたかのぅ・・・?」
「別に構うことは無かろうが。こ奴はこれから我らに、より凄惨な責め苦を味わわされるのだからなぁ・・・?」
そう言いながらこれ見よがしに真っ赤な舌を舐めずられ、恐怖のあまり思わず反射的に身を捩ってしまう。
メキッ・・・ギシィ・・・
「ぐあぁっ・・・!」
しかしそんな僅かな抵抗さえをも力尽くで捻じ伏せられて、俺は激しい息苦しさと鈍痛に喘ぎながらぐったりととぐろの中で項垂れていた。

今度は一体何をされるのか・・・
尻尾による締め上げだけでももうすっかり弱ってしまったというのに、彼らの責めはまだ始まってさえいないのだ。
ペロッ
「はうっ!?」
だがまるでそんな思考を断ち切るかのように突如として左足の裏に激しいこそばゆさが弾けると、完全に不意を突かれた俺はビクンと背筋を仰け反らせていた。
「あはっ、凄い反応だね!」
見ればどうやら左側の首に足の裏を舌先で舐め上げられたらしく、ねっとりとした唾液を纏う適度にザラ付いた舌がうねうねと踊っているのが目に入る。
「クク・・・こうもあっさりと自らの弱みを曝け出すとは、愚かな奴だ」
そしてそう言った首が今度は俺の右足にその長い舌を這わせ始めると、細く尖った舌先が足裏ばかりか敏感な指の間までもを隈なく舐り回していった。
「うあっ!はひっ・・・・や、止めてっ・・・」
何とかその舌から逃れようと必死に両足をバタバタと暴れさせてはみるのだが、足首に舌を巻き付けられて無理矢理左右へ股を開かせられると無慈悲な擽り責めが事も無げに再開されたのだった。

レロォッ・・・ペロペロ・・・チロロ・・・
「ひっ・・・だ、駄目っ・・・あっ、あ〜〜〜っ!」
その大きな舌が巧みにうねり、凄まじい力で引っ張られた両足にくすぐったい感触が走り回っていく。
だがどんなに必死にもがいてみたところで幾重にも体に巻き付けられた屈強な竜尾はビクともしないばかりか、静かにしろとばかりに一層強くその締め付けを強めていった。
ギシ・・・メキ・・・ミシシ・・・
「あぐ・・・うぅ・・・」
執拗に流し込まれるこそばゆさと息苦しい程の圧迫感が交互に襲ってきて、俺の精神を左右に激しく殴り倒していく。
そしてそんな残酷な拷問の如き舌責めがようやく収まると、俺は何時の間にか汗だくになってしまった体をぐったりと竜尾のとぐろに凭れ掛けながらハァハァと荒い息を吐いていた。

こんな責めを後数分も続けられていたら、体よりも先に心の方が壊れてしまっていたに違いない。
しかし辛うじて発狂を免れたという安堵に顔を上げてみると、俺は涙で霞んだ視界の中で最も老齢と見える中央の首が先程からじっと俺の体のある一点を見つめ続けていたことに気付いていた。
更にはほとんど思考が利かないまま無意識に俺もその視線を追ってみると、両足を大きく左右に広げられたせいであまりにも無防備に外部へ曝け出されてしまっている自身の肉棒が目に入る。
やがて俺がそれに気付くのをまるで待っていたかのように、彼がジュルリと卑猥な音を立てて舌を舐めずって見せる。
「あっ・・・そ、そんな・・・まっ・・・がっ・・・」
メキメキメキッ・・・
その黒い思惑に慌てて上げた制止の声が、一際強く引き絞られた竜尾のせいでくぐもった悲鳴へと変えられていた。

「クク・・・良い顔だな・・・恐怖と苦悶の中に、一握りの期待も紛れておるようだ」
如何にも残酷そうな笑みを浮かべた右の首が、器用にも俺の右足に舌を巻き付けたままそんな声を漏らしていく。
「フォッホホ・・・そうじゃのぅ・・・じゃがそれも何時まで続くか見物じゃて」
そんな老竜の声に呼応するように、ただでさえミシミシと関節が軋みを上げる程の力で引っ張られていた両足が2本の首によって更に容赦無く左右へと広げられていた。
「うああっ・・・い・・・痛・・・い・・・」
子供の頃に比べて随分と固くなってしまった股関節が甲高い悲鳴を上げ、股が裂けるのではないかと思えるような恐ろしい痛みが下半身をじんわりと侵していく。
だが痛みに呻いている間にも大きな老竜の首が眼前に迫ってくると、人間を10人でも一呑みに出来そうな程の巨口がガバッとくぐもった音を立てて開かれていた。

「は・・・あぁ・・・」
やがてその底無しの闇を孕んだ肉洞の恐ろしさに助けを求める声さえもが呑み込まれてしまうと、そこから伸びて来た無数の肉粒が密集しているかのような目の粗い大舌がズルリとその身をくねらせる。
あ、あんな舌で・・・股間を舐められたら・・・
確実にもうすぐ現実のものとなるその恐ろしい想像に、破滅的な期待に満ちた肉棒があろうことか全力で屹立して天を貫いていた。
ビクッ・・・ピクク・・・
「あはは・・・やっぱり期待してるんだね!」
「口では嫌がっていても、体は正直とはよく言ったものだな・・・ククク・・・」
「た、助け・・・ひぃっ・・・」
ペチャッ・・・
たっぷりと熱い唾液を纏ったザラザラの肉塊が、残酷なまでに優しく俺の睾丸へと触れていく。
その絶望的な感触に思わず竦めようとした両足を再び左右の首に力尽くで広げられると、抵抗した罰だとばかりにまたもや俺の体を巻き取った屈強な竜尾がギリリと引き絞られていた。

ギリッ・・・メキィ・・・
「うがああっ・・・!」
骨が折れないのが不思議な程の圧迫感に、血を吐くような苦悶の叫び声が広大な部屋の中へと響き渡っていく。
そして心身ともに痛め付けられて抵抗の気力を念入りに磨り潰されると、いよいよザラザラとささくれ立った老竜の凶悪な舌がギンギンに張り詰めた肉棒へムギュッと押し付けられたのだった。

鋭く研ぎ澄まされた白刃を首筋に触れさせられる・・・
そんな直接的な命の危険を感じる行為などよりも遥かに本能的な危機感を煽る、ジュクジュクにザラ付いた巨竜の舌。
それが敏感な肉棒へグリリと押し当てられる度、想像を絶する快楽の片鱗がじわりと流し込まれてくる。
「ひっ・・・ぃ・・・」
いっそのこと一思いに舐め上げてくれればまだ諦めも付くのだが、まるで俺の反応を愉しむかのように優しく舌先でペニスを撫でられる屈辱的な快感がそんな現実逃避さえ許してはくれないらしい。

ジョリ・・・
「あぐっ・・・ぁ・・・」
ほんの数センチ・・・その熱く蕩けた舌の腹が肉棒を擦り上げた瞬間、俺は高圧電流に触れたかのようにビクンと全身を震わせていた。
き・・・気持ち・・・よす・・・ぎる・・・
一時は覚悟を決めて体の力を抜こうとしたこともあったというのに、これから味わわされる舌責めの威力をまざまざと思い知らされた俺はまたしても無駄だと分かり切っている微かな抵抗を示してしまっていた。
「クク・・・往生際の悪い奴だな・・・」
「ほんと、さっさと覚悟を決めちゃえば良いのにねー」
左右の首が俺の両足を舌で引っ張ったまま、獲物が恐怖と絶望に身悶える様をニヤニヤと見つめている。
ピチャッ・・・ピシャッ・・・
「うあっ・・・はひっ・・・止め・・・て・・・」
更には舌先で無防備な睾丸をペシペシと叩くように弄ばれると、もう上げないと心に決めていたはずの制止の声までもがあっさりと喉の奥から漏れ出してしまっていた。

ギシッ・・・メキメキッ・・・
「あが・・・が・・・」
「あーあー、可哀想・・・尻尾で締められ過ぎて顔が真っ赤になっちゃってるよ」
一頻り骨が軋む程の力で締め付けられて、ただでさえ枯渇寸前の体力が更に無慈悲に削り取られていく。
しかしこの期に及んでもまだ止めを刺してはくれなさそうなその老竜の様子に、俺はようやく彼らが何を待っているのかをおぼろげながら理解し始めていた。
きっとデントは、俺が自ら止めを刺してくれるよう懇願するのを待っているのだろう。
身も心も徹底的に屈服させた獲物を思うがままに蹂躙し、容赦無くその腹に収めてしまう・・・
そんな魔獣とも言うべき残虐な性格こそが、彼らの嘘偽りの無い本性なのだ。
だがそんな余りに救いようの無い自身の悲惨な末路を悟った今となってもなお、俺は心の何処かでこの人智を超えた苦痛と快楽を受け入れ始めてしまっていた。

「た、頼むから・・・は、早く・・・」
そこで一旦言葉を切った俺の様子に、早く先を続けろとばかりにペニスがズリズリと舌先で磨り潰される。
ジョリリ・・・
「はぐっ・・・う・・・」
この先を言えば、きっと彼らはその3本の舌で俺を滅茶苦茶に嬲り尽くすのだろう。
ずっと俺の股間に舌を押し付けている老竜の首はもちろんのこと、先程から獲物の痴態を満足気に眺めていた左右の首もいよいよその時が近付いて来たことを感じて青い竜眼を爛々と輝かせているようだった。
恐怖や苦痛に対する忌避などではなく、その先に待ち受けている純粋な快楽への期待から自らの手で自身の処刑の合図を下してしまうという究極の愚行。
その愚かさは自分でも良く分かっているというのに、熱い舌先で雄槍を躙られる度に固く締め込んでいたはずの理性の箍が少しずつ緩んでいくのが分かってしまう。
そしてついに屈服の言葉を堰き止めていた最後の矜持が砕け散ってしまうと、俺は広い部屋中に響き渡るような大きな声で禁断の言葉を叫んでしまっていた。
「イカせてくれぇ・・・!」
ジョリリリリリッ!
次の瞬間、荒々しい肉粒の密集した老竜の舌が一気に俺の股間を擦り上げていた。
それと同時に両足の裏にも細く尖らせた舌先が激しく踊り、俺は眼球が飛び出すのではないかと思える程にカッと両目を大きく見開いたまま大量の白濁を盛大に虚空へとブチ撒けたのだった。

「あ〜〜〜〜っ!」
ブシャアアッ!ビュグルッ・・・ピュピュッ・・・
鑢のように粗くザラ付いた舌で限界寸前の肉棒を目一杯摩り下ろされるという無慈悲な介錯に、意識が薄れ掛けながらもバチバチと激しい火花を飛び散らせながらスパークしていく。
だが白濁した飛沫が宙に舞った後も、両の足裏を擽り犯す舌先は動きを緩めるどころか更にその活発さを増していた。
どうやらデントには、この程度の責めなど前戯でさえなかったのだろう。
その証拠に止め処無く流し込まれる強烈なこそばゆさにもがいた両足がまたしても力強く引っ張られると、あろうことか射精直後の肉棒へ再び凶悪な肉塊がじっとりと押し当てられてしまう。
「ひっ!ひゃめ・・・も・・・止め・・・」
ジョリリリリリッ!
「ばひゃああっ・・・!」
今度は精こそ噴き出さなかったものの、精神を直接削り取るかのような暴力的な快感に叩きのめされた俺は甲高い悲鳴を迸らせながら硬い深紅のとぐろの中でビクビクっともんどり打っていた。

「フォホッ・・・良い悶え振りじゃて・・・どれ、こうしてやったらどうなるかのぅ・・・?」
最早苦痛と区別の付かぬ壮絶な快楽に身も世も無くのた打ち回るだけとなった俺の姿に、老竜が一見温厚そうに見えながらも溢れ出す残忍さを隠し切れない危険な表情を垣間見せる。
そして今度は広い舌の腹をヒク付く肉棒へさっきまでよりも一際強く押し付けると、そのままズリズリと左右に磨り潰すように舌をくねらせていた。
ジョリジョリジョリジョリジョリジョリジョリジョリ・・・
「ひゃ・・・ぁ・・・は・・・」
さっき味わわされた問答無用で一気に射精に至らしめるかのような爆発的な快感からは一転して、決して一線を超えないように最低限の加減をされた舌先が執拗に敏感なペニスを踏み躙っていく。
しかしそれに耐えようと意識を集中する度に、両足を舐め回す2本の舌が俺の意識を掻き乱していった。

チロチロ・・・ペロッ・・・クシュシュ・・・ジョリジョリリ・・・
緩急を付けながら同時に3ヵ所へと味わわされる甘美に過ぎる感触に、正気という名の堤防へピシリと音を立てて小さなヒビ割れが刻まれていく。
こ・・・壊れ・・・る・・・
ギリッ・・・メリリッ・・・
既に声を出すどころか息を吸うことさえままならない程に尻尾できつく締め付けられて、俺は時折不規則に許される呼吸を貪りながらこの地獄のような拷問が何時まで続くのかという思いに打ちひしがれていた。
「ひっ・・・ひぅ・・・はぁっ・・・」
「おうおう・・・随分と苦しそうじゃのぅ・・・ほれ、存分に爆ぜるが良いぞ」
そしてしばらく好き放題嬲り者にされた挙句に、老竜の舌がペニスをあっさりと擦り上げてしまう。
ジョリリリリッ
「びゃはぁっ・・・」
ピュピュッ・・・ビュルッ・・・
2回目の射精にして1滴残らず出し切ったかのように虚しい白濁の残滓が吐き出され、俺は汗と涙と鼻水と唾液で顔をグチャグチャにしながら呆けたように尻尾のとぐろへと突っ伏していた。

「ククク・・・これしきで枯れ果てるとは・・・嬲り甲斐の無い小僧だな」
「ほんと、本番はこれからなのにねー」
やがて完全に力尽きた俺の姿を見て両足から舌を離した左右の首が、侮蔑と嘲笑の入り混じった声を俺の耳元へと吹き込んで来る。
そん・・・な・・・も・・・許し・・・て・・・
既に廃人一歩手前まで追い詰められた獲物を前にしてもまるで責め手を緩める気配の無い彼らの様子に、俺はこのまま狂い死にするのではないかという漠然とした不安を胸の内に湧き上がらせていた。
ドサッ・・・
そしてそんなことを考えている内に体に巻き付けられていた尻尾が解かれると、ようやく長きに亘る凶悪な縛めを解かれた体が柔らかな床の上へと倒れ込む。

もう・・・手足の指先さえピクリとも動かせそうにない。
まだ意識があるのが不思議な程の度を越えた疲労と消耗に、今度は一体どんな悲惨な目に遭うのだろうかという何処か他人事な思考が脳裏へと流れていくかのようだ。
やがて遥か遠くに見える高い天井を映していた視界の中に大きな舌を出した3本の竜の首が割り込んでくると、それまで無数に存在する想像の産物の1つでしかなかったある1つの獲物の末路がはっきりと現実味を帯びていく。
だが俺にとって何よりも不幸だったのは、よりによって数多ある想像の中でも取り分け惨い結果だろうと思っていたことが実現したことに動揺して朦朧としたままにしておけば良かった意識を思わず覚醒させてしまったことだった。

涙に霞んだ視界の中でウネウネグニグニと不気味に蠢く、3本の巨大な竜の舌。
そのザラ付く肉塊にたっぷりと纏った唾液が、時折熱い雫となって床に転がった俺の上に降り注いでくる。
早く逃げなくては・・・
胸の内にはそんな本能の警鐘がガンガンとけたたましく鳴り響いていたものの、俺は結局極度の疲労のせいで微動だに出来ぬまま老竜の舌で思い切り床へと舐め付けられていた。

ズリュリュリュリュッ・・・
「う・・・ぶあっ・・・」
むっちりと弾力のある目の粗い舌を全身に擦り付けられて、激しい不快感と抗い難い快感が同時に流し込まれてくる。
だが顔を舐め上げられた拍子に呼吸器を塞いだ大量の唾液に咽る間も無く、今度は左右からも別の舌が襲い掛かって来た。
ズリュリュッ、ジョリリリリィッ・・・
「うあっ・・・あひ・・・ぃ・・・」
ベロンベロンと凄まじい力であちらこちらへ体を舐め転がされ、体が反転する度に一際大きな老竜が無力な獲物を容赦無く舐め潰していく。
メシャアアアッ!
「ぎゃはぁっ・・・!」
まるで3匹の竜達の共用の飴玉にされているかのような舌責めの嵐に、俺は成す術も無く翻弄されるばかりだった。

ベシャッ!
「がはっ・・・ぁ・・・」
そんな舌責めが、一体どれ程続いた頃だろうか・・・
俺は力強い舌先で掬い上げるように空中へ放り投げられると、そのまま柔らかい床の上へと墜落した拍子に肺の中の空気を残らず吐き出していた。
ほんの微かにだが粘性のある熱い唾液を存分に塗された体が、限界を超えた疲労にヒクヒクと痙攣している。
決して相手を傷付けることの無い、ともすれば愛情表現にすら成り得る舐めるという行為によって、俺は最早瀕死と呼んでも差し支えない程にぐったりと力尽きていた。
「フム・・・随分と弱ったのぅ・・・」
だがそんなの俺の様子に満足気な笑みを浮かべながら首を傾げた老竜を横目に、不穏な微笑を貼り付けた左右の首が同時に俺の方へと伸ばされてくる。
そして床に這い蹲っていた俺を屈強な2枚の舌で挟み付けると、彼らがそのまま広い舌の腹で磨り潰すように俺の体を前後から舐め上げていた。

ズリュリュリュッ!
「あぐぁっ・・・」
床に舐め付けられるのとは違ってザラザラの舌に前後から摩り下ろされ、睾丸ごと股間を舐め扱かれた快感に体を支えることも出来ないまま再び床の上に倒れ込んでしまう。
「ねぇ、もう終わり?」
「確かに、少々手応えが無さ過ぎるな・・・」
あれだけ散々に俺の体を舐め回したというのに、左右の首がそれぞれに落胆の滲んだ声を漏らしていく。
そして相変わらずピクリとも出来ずに微かな異臭を放つ唾液の海へ沈んでいるとやがて俺の視界にゆっくりと持ち上げられていくデントの巨大な手が映り込んでいた。
その見上げる程に大きな体躯を支える為に太く大きく発達したらしい、真っ赤な竜鱗に覆われている竜の巨掌。
4本ある指の1本1本が俺の体の優に数倍もあるというのに、それらを備えた手が天井の照明を覆い隠すかのように俺の頭上へと覆い被さってくる。

まさか・・・彼は・・・あの手で俺を踏み潰すつもりなのだろうか・・・?
これまでどんなに巨大なドラゴンに迫られたとしても心の何処かではこの店の鉄の掟と自身の無事を固く信じていたというのに、余りにも獲物に対しての慈悲を知らぬデントの振る舞いに俺は正に命の危険を感じてしまっていた。
だがもう自力で体を動かすことが出来ない程にまで疲弊し切ってしまった俺にその危機的状況をどうにかする術など残されているはずも無く・・・
ゆっくりと音も無く落ちて来たデントの手の気配を感じながら、俺は恐怖の余りきつく目を瞑ったのだった。

ギュムッ・・・
「あぅ・・・」
硬い皮膜に覆われた巨大な掌で柔らかな床へと押し付けられ、疲弊し切った体が凄まじい圧迫感に軋みを上げる。
そしてそのまま俺の体を静かに掴むと、デントが俺を床から10メートル近い高さにまで一気に持ち上げていた。
「う、うわっ・・・」
全身を掴まれているお陰で高さによる恐怖はそれ程でもなかったものの、長い鎌首を持ち上げるようにして三方からこちらを見つめている彼らの視線が何だか妙に寒々しいものに感じられてしまう。
だがそれもそのはず・・・
3本の舌で徹底的に舐め回されてロクに悲鳴すら上げられない程に弱り切ってしまった人間など、彼らにとっては最早玩具としての価値も失ったただの食料でしかないのだ。

「それで・・・誰からこ奴を味わうのじゃ?」
「最初は僕が食べたいなぁ・・・たまには良いでしょ?」
「クク・・・別に構わぬぞ」
まだ意識のある獲物を前にしてその取り分を相談し合うという、余りにも酷い仕打ち。
しかしそれに抗議する気力も既に枯れ果ててしまい、俺は珍しく獲物の最初の一口を譲って貰って上機嫌らしい左の若い首にじっと期待の孕んだ表情で見つめられていた。
「えへへ・・・美味しそうだね・・・」
これまでにも巨大な雌竜に丸呑みにされた経験は何度もあるというのに、幼い少年のような純真さと悪意の無い天然の残酷さが同居しているかのような視線に底冷えのするような恐怖心が湧き上がってきてしまう。
「ククク・・・喜ぶのは良いが、勢い余ってそ奴を噛み砕かぬようにな」
「フォホッ!確かに・・・これまで貴重な獲物をそれで何度無駄にしたことか分からぬしのぅ・・・」
「えっ・・・?」

そんな彼らの会話を聞いて、俺は思わず大きな口を開けながらこちらへ近付いてくる左の首へと視線を向けていた。
他の2本の首に比べるとやや小柄ではあるものの、人間を呑み込むのには十分過ぎる程の巨口。
その顎の上下には彼の幼そうな雰囲気からは想像も出来ない程に鋭く研ぎ澄まされた剣山の如き牙の森がぎっしりと隙間無く生え揃っていて、余りにも危険で禍々しい雰囲気を存分に醸し出している。
客に怪我をさせてはならないというこの店のルールを考えれば実質的に身の危険は無いのだと信じたいが、彼らの話から察するにこの若い首はこれまでに何度か全員で共有するべき獲物を無惨に噛み砕いたことがあるらしかった。
そしていよいよ体を握り締めていたデントの手から力が抜けると、無数の凶悪な牙の群れが頭上からゆっくりと覆い被さってくる。
「ひっ・・・」
だが激しい恐怖と不安に耐え切れなくなって思わず身を竦めたその時、俺はその大口の中へまるでスナック菓子を放り込むかのようにポイッと投げ入れられていた。

バグッ!
「うわああっ!」
ドチャッ・・・
やがて蒸し暑い熱気に包まれた口内へ飛び込んだ瞬間、背後で勢い良く閉じた顎が危険な牙をギシリと噛み合わせる。
「おうおう・・・危なかったのぅ・・・ワシが投げ入れねば今頃どうなっておったか・・・」
「ひっ・・・ひぃっ・・・」
確かに、今あの老竜が咄嗟に俺を口内へ投げ込まなかったら間違い無くあの牙で跡形も無く噛み砕かれていただろう。
勢い良く投げられた割には分厚い舌の上に墜落したお陰で体の方は特に何とも無かったものの、俺は一歩間違えればあの牙の群れで噛み殺されていたという事実に背筋が冷たく冷えていくような感触を味わっていた。
「ああ、ごめんごめん・・・抑え切れなくてまたやっちゃったね・・・」
たった今1人の人間の命を奪い掛けたというのに、俺を口内に収めた首がしれっとそんな声を漏らしていく。
じょ、冗談じゃない・・・何時までもこんなところにいたら、また何時あの恐ろしい牙で噛み締められるか・・・
だが口が閉じたお陰で周囲を真っ暗な闇に覆われてしまった俺は、広い口内で舌の上に這い蹲ったままこれから何をされるのかという不安に怯えることしか出来なかったのだった。

ジュル・・・
漆黒の暗闇の中で熱い唾液の弾ける音が聞こえ、老竜のそれと比べても遜色の無いまるで鑢のように粗くザラ付いた舌がゆっくりとうねっていく。
巨大なドラゴンが自身の口内に収めた獲物に対して一体どんな扱いをするのか・・・
これまでの経験からそれをもう十分に理解していた俺でさえ、この無邪気な雄竜が内に秘めているのだろう冷たい残酷さに心の底から恐れを抱いてしまっていたのだ。
やがて分厚い舌の上に這い蹲ったまま動けずにいた俺を、若い首が何の前触れも無く持ち上げていた。

ベシャッ!
「うあっ!」
周囲の状況が一切見えない中で突然感じた上昇の加速度に身構える暇も無く、固い上顎と舌の間に挟み付けられた衝撃が弱り切った体を容赦無く鞭打っていく。
グリッ・・・ズリズリ・・・
「あぐ・・・は・・・ぁ・・・」
更にはそのまま目の粗い舌でグリグリと左右に磨り潰されて、息苦しさと股間を撫でる舌の感触に微かな快楽の滲んだ喘ぎ声が漏れてしまう。
ズル・・・ベチャッ
「うぐ・・・ぅ・・・」
そして何とかその無慈悲な舌責めから逃れ出ると、俺は闇の中で短い浮遊感を味わった直後に焼け付くように熱い唾液の溜まった下顎へと落下していた。

「あっ・・・つ・・・」
流石に触れただけで火傷する程とまではいかないものの、そこにじっと身を浸しているのが耐え難い苦痛に感じられる程度には高温の粘液が裸の全身にこれでもかとばかりに纏わり付いていく。
やがて早くその唾液の海から逃れなくてはと体を起こした俺の上に、今度は上方から巨大な肉の塊が降り注いでいた。
ドシャァッ!
「ぐばっ・・・!」
10センチ以上も深さのある唾液溜まりの上に舌で押し潰され、またしても下顎に擦り付けられるようにグリグリと背中が舌の裏で踏み躙られる。
「た、助け・・・息が・・・ごばぼっ・・・」
だが俺にとって問題だったのは、舌で潰されたことよりも熱い唾液の中に顔を押さえ付けられたことだった。

必死で呼吸を確保しようともがいている内にも、静かにしろとばかりに小さく持ち上げられた舌が再び背中へと叩き付けられてしまう。
グシャッ!
「あがっ・・・がばっ・・・」
お、溺れる・・・苦し・・・ぃ・・・
既に自力で水面から顔を上げる力さえほとんど残っていないというのに、頭の上にも載せられた舌がゴリゴリと音を立てるようにその重圧をたっぷりと浴びせ掛けてくるのだ。
「ごぼっ・・・かはっ・・・死・・・ぬ・・・」
そして大量の唾液を飲み込み鼻も口も塞がって窒息の苦悶に身を捩っていると、彼がようやく俺の体を舌で掬い上げてくれていた。

「うぐ・・・げほっ・・・がははっ・・・」
し、死ぬかと思った・・・
恐らくはこれもデントにとってはただの前戯でさえないのだろうが、もう何度感じたか分からない命の危険に俺は半ば本能的に口の外へ出ようと舌の上で体をずらしていた。
だがそれを感じ取った若い首が、何処か勝ち誇ったような声を口内に響かせる。
「えへへ・・・出してあげないよ」
そして処刑宣告とも取れるそんな声が朦朧とした意識の奥底にまで刷り込まれると、俺はゆっくりと口内が傾斜していくことに気付いていた。
咽返るような熱気に満ち満ちた、巨竜の喉の奥・・・そこへ向かって、世界の全てが酷くゆっくりと傾いていく。
「うわっ・・・い、嫌だ・・・うわああああああっ・・・!」
その余りの恐ろしさに、俺は足元の舌に必死に抱き付いていた。
さっきまで完全に力尽きていたはずのこの体の、一体何処にこんな力が残っていたのか・・・
しかしそんな思考を巡らせる暇も無く、あっという間に垂直に天を仰いだ若い首が俺の抱き付いた舌を振り回す。
「もう・・・ほら、早く諦めて落ちなってば」
本当にその気ならまた俺を舌で上顎にでも叩き付ければ済むはずなのだが、どうやら彼は俺がこのまま力尽きて自ら喉の奥へと滑り落ちていくのを辛抱強く待ち続けるつもりらしかった。

ズ・・・ズルッ・・・
「ううっ・・・」
正に死に物狂いという言葉が示す通りの力で大きな舌に抱き付いたまでは良かったものの、やがて隠しようの無い疲労が徐々に徐々に手足を痺れさせていく。
ただでさえ視界は一面暗闇に包まれているというのに、微かな熱気が立ち昇ってくる足元に空いた底無しの奈落には更に一段と濃い純黒の闇が満ちているように感じられた。
「もう・・・しぶといなぁ・・・」
時折グニグニと舌を捻るように動かしたり前後に振り回したりはするものの、そう言った若い首の声からは何処かこの状況を愉しんでいるかのような印象が感じられる。
「はっ・・・はぁっ・・・」
うねうねと柔らかく掴み所の無い舌はただしがみ付いているだけでも相当に体力を消耗するのだが、俺はそれに加えて何時まで耐えても決して好転することの無い自身の末路に深い絶望を覚え始めていた。

ズズ・・・ズリュッ・・・!
「ひぃ・・・ぃ・・・」
また少しずり落ちた拍子に舌に引っ掛けていた足が外れてしまい、全体重が両腕にズシリとぶら下がる。
必死に両足をバタバタと暴れさせてみても体を支えられるような取っ掛かりは何処にも見当たらず、俺は熱い唾液に塗れた両手もじりじりと外れ掛けていることにほとんど絶叫とも取れるような声を上げていた。
「た、助け・・・て・・・うわああああああっ・・・!」
「ほらほら、早く諦めようよ・・・んぐ・・・そんなに締め付けたら痛いってば」
やがて両腕で抱き潰すかのようにデントの舌を抱え込んだ次の瞬間、僅かに苦しそうに呻いた彼がそう言いながら突然舌の先端をグニャリと折り曲げる。
そして両手が塞がっているお陰で無防備だった俺の顔をベロリと舐め回すと、まるで舌にへばり付いた異物を引き剥がすかのように俺の顎をグイグイと舌先で掬い上げていた。
「うぐっ・・・う・・・ぶふっ・・・」
時折顔を舐め上げられるせいで鼻に唾液が塗り込められ、息苦しさに咽る度に少しずつ腕の力が抜けていく。

「ほれ、グズグズせずに早う呑み込まぬか。ワシらは首を長くして待っておるのじゃぞ?」
「クク・・・まあそう慌てる必要も無かろう?獲物の恐怖に満ちた声が体内に響くようで、心地良いではないか」
外で取り残された2本の首がそんな会話を交わしているのが辛うじて耳に入るものの、この手を離せば巨竜の体内に呑み込まれてしまうという壮絶な恐怖がその内容の理解を妨げていく。
「うーん・・・なかなか落ちないよ・・・」
一応口では如何にも困った様子でそう言うものの、きっと彼も内心では俺の必死の抵抗を愉しんでいるに違いない。
だがそんな彼も先程からじっと注がれているのだろう他の首達からの催促の視線に耐えかねたのか、ややあって突然俺の抱き付いていた舌が勢い良く上顎に叩き付けられていた。
ベシャッ!
「うぐ・・・ぇ・・・」
固い上顎と分厚い舌で頭を挟み付けられ、そのままグリグリと顔を磨り潰される。
そしてそんな無慈悲な責め苦に思わず呼吸を確保しようとして腕の力を緩めてしまうと、それを見計らっていたかのように突然上顎から舌が離されていた。

ズズリュッ!
「わっ!う、うわああああ〜〜〜!」
そんな予想外の舌の動きについていけず、支えを失った体があっという間に深い深い闇の奥へと滑り落ちていく。
更には俄かに細くなった喉の中で周囲の肉壁に押し潰されるように揉みくちゃにされると、俺は何時の間にか狭い肉洞を抜けてほんの少しばかり広い空間へと投げ出されたらしかった。
ドシャッ
「うぐ・・・ぅ・・・」
ここは・・・デントの胃袋の中なのだろうか・・・?
だが見上げる程に大きな彼の体のサイズに比べると余りにも小さなその空間には胃液が溜まっている様子も無く、周囲を覆っているのは固い胃壁というよりはどちらかというと熱い粘液に濡れた筋肉のような感触だ。
ということは、きっとここは共通の胃袋の手前にあるのだろう3本の首達の食道が合流する場所なのに違いない。
それぞれの首から喉の奥にまで新鮮な空気が送られてきているらしく意外にも呼吸はさして苦しくないものの、胃液独特の微かに吐き気を催すような酸っぱい臭いが辺りに立ち込めているようだった。

「うぅ・・・」
既に体を動かす力も残っていないというのに、巨大な竜の体内で成す術も無く生かされているという底無しの絶望感。
しかしそんなものに浸る間も無く、周囲から押し迫って来たぬめる肉壁に押し出されるようにして再び体が何処かへと運ばれていく。
そしてしばらくグニュグニュと全身を揉み拉かれる乱暴な快感に耐えていると、俺はややあってニュポッと先程よりも更に広い空間に吐き出されていた。
ズリッ・・・
いや・・・足元を覆っているこのブヨブヨとした弾力を伴った荒々しいザラ付きは、紛れも無くさっき嫌という程に味わわされた中央の老竜の舌の手触りそのもの。
ということは、ここはあの老竜の口内なのだろうか?

やがてそんな思考が脳裏を過った途端にそれを裏付けるかのように老竜が口を開け、長らく暗闇に漬け込まれていた視界に突然強烈な外の光が飛び込んでくる。
「あうっ・・・」
そして激しい眩さに若干たじろいだ次の瞬間、老竜がいきなり俺を乗せた巨大な舌を翻していた。
「うわっ!」
ドチャッ!
突如として傾いだ世界の中を転がり落ちた体が、数瞬の間を置いて熱い唾液の海へと墜落する。
だがついさっき若竜にもされたようにまた巨大な舌で押し潰されるのだろうかという想像に身構えると、俺は予想外にも横から襲い掛かって来た舌に跳ね飛ばされていた。
ドン!ベシャッ!
「ぐえっ!?」
痛みこそさして感じなかったものの体の芯まで響くような重い衝撃が突き抜け、ふわりと浮き上がった体がまたもや熱い口底へ叩き付けられる。
「フォホホ・・・」
更には楽しそうな笑い声とともに老竜の舌が幾度と無く口内を舐め回すように回転し、俺は文字通り飴玉のように何度も何度も舌に持ち上げられては落とされるという拷問を味わわされていた。

ドチャッ・・・
「あぐ・・・ぅ・・・」
この固い口底へ叩き付けられるのも、これでもう何度目だろうか・・・
まるで洗濯機の中で振り回される衣服のように幾度と無く舌で掻き回されて、俺は数分に亘るその責めがようやく終わった頃には全身をたっぷりと唾液漬けにされたまま虫の息に喘いでいた。
「ふむ・・・取り敢えずはこんなものかの・・・これ、そう恨めしそうな目でワシを見るでないわ」
「ならば早くその獲物を引き渡せば良いではないか。我とて流石に我慢には限界があるのだぞ」
どうやら、この老竜は隣りの首に早く獲物を寄越せとせがまれているらしい。
そしてそんな不穏な会話が終わると、老竜が何を思ったのか突然その鼻先を下に向けたらしかった。
「わっ・・・わわ・・・」
また暗い喉の奥に呑み込まれるのかという予想を裏切って明るい光が差し込む方に口内が傾き、10メートル程も離れた眼下に見えている部屋の床がその視界の中で微かに揺れる。
だがペッと舌で放り投げられるように中空へ吐き出された俺は、落下の恐怖に悲鳴を上げるよりも早く別の竜の口内へと墜落していた。

ドサッ
「うぐっ・・・ふ・・・ぅ・・・」
口内の広さは老竜のそれとさして遜色が無いところから察するに、恐らくこれは一番獰猛そうな殺気を放っていた右の首の口内なのに違いない。
舌のザラ付きも唾液の量も前の2匹に比べると控え目な印象を受けるものの、それが却って底の知れない不気味さを放っているように俺には感じられた。
「クククク・・・これはまた、随分と味の薄まった獲物だな・・・」
まあ他の2本の首にこれでもかと舐め回され弄ばれた挙句に一旦呑まれて吐き出されたくらいなのだから、その感想には自分のことを言われていると知りながらも何故か納得してしまう。
だが彼もまたその巨大な舌で口内の獲物を嬲り者にするつもりなのかと怯えていると、俺はいきなり勢い良く閉じた上顎で分厚い舌へと叩き付けられたのだった。

ゴシャッ!グシッ!バグッ!
「うぐっ・・・がっ・・・ぇ・・・」
まるで口内の獲物を噛み潰すかのように、何度も何度も開いては閉じられる口内で体中が容赦無く打ちのめされる。
その刃のように鋭い牙だけは俺の体に触れないように気を遣っているらしいものの、執拗に繰り返される無慈悲な咀嚼を味わわされて俺は悲鳴を上げることさえままならないまま翻弄されていた。
グシャッ!
「がふっ・・・ぁ・・・ぅ・・・」
「クク・・・その苦悶の呻き・・・実に心地良いぞ・・・」
口内の獲物を味わうというよりも、徹底的に痛め付けて恐怖に満ちた悲鳴と苦痛の滲んだ喘ぎを絞り出す為だけに繰り返される苛烈な責め苦。
だが余りに大きく蓄積された疲労と消耗の余り期待していた程には大きな反応を返せなかったことが癪に障ったのか、つい先程まで上機嫌に顔を綻ばせていたのだろう彼が唐突に怒気の孕んだ声を口内に響かせる。

「何だ・・・まさかその程度で終わりではあるまいな・・・?」
ドシャッ!
「うぶ・・・」
それと同時にまたしても舌で持ち上げられて上顎に叩き付けられると、そのまま舌先でグリグリと股間を磨り潰すように舌をくねらせられてしまう。
ジョリジョリジョリジョリッ・・・
「ああっ!あ〜〜〜〜っ!」
中央の老竜程の暴力的なザラ付きを誇る舌ではないものの、それがまた純粋な快楽を掻き立てるのだ。
「それ、止めだ」
ジョリリリリッ!
「ひあああっ・・・!」
ビュルルッ・・・ビュクク・・・
3匹の竜の口内で散々に甚振られ被虐的な興奮に漲っていた肉棒をこれでもかとばかりに激しく舐め潰され、もうほとんど自由の利かない全身を震わせながら破壊的な快楽に身を委ねてしまう。

「ねぇ、そろそろ僕にも獲物を返してよ」
「フン・・・それ、持っていくが良い」
やがて俺を呑み込んで以来しばらく待ち惚けを食らっていた左の首がそんな声を上げると、俺を味わっていた竜が恐ろしいことに俺の下半身を口の先に咥えて口の外へと押し出していた。
「ひっ・・・ひぃ・・・」
その瞬間唾液でドロドロになった視界の中に突然目が眩むような地上10メートルの景色が広がり、無数の鋭利な牙の森が咥え込まれた俺の腰をやんわりと上下から挟んでいく。
だがそんな高所からの落下と体を噛み千切られるという二重の恐怖に情けない悲鳴を漏らしたのも束の間、俺の眼前に大きく開けられた若竜の巨口が迫って来ていた。
パクッ
「ふぐっ!?う・・・ぅ・・・」
そしてついに2匹の竜に体を半分ずつ咥えられてしまうと、俺は心なしか押し当てられている牙の感触が少しばかり強くなったかのような錯覚を味わっていた。

「これこれお主ら・・・またそうやって獲物を引き裂いてしまうのではなかろうな?」
ま・・・また・・・?
ということは、デントは以前にこうやって人間を取り合って2つに食い千切ってしまったことがあるのだろうか?
もちろんそれは彼がこの巨竜天国で働き始める前の出来事なのだろうことは想像に難くないものの、かつて実際にそうやって無惨な最期を迎えた獲物がいたという事実が途端に壮絶な恐怖となって俺の心を揺さ振っていた。
俺を咥え込んでいるからか声が出せないらしい他の2匹からの返事が無いせいで、その老竜の問い掛けにも不穏な静寂だけが流れていく。
だが心中の不安を抑え切れずにゴクリと息を呑んだ気配が伝わったのか、下半身を咥えていた首が意外にもあっさりと口を離してくれる。
「ん・・・んぐっ・・・」
そして上半身を咥えられたまま若竜の鼻先が真っ直ぐに天井へを振り仰ぐと、俺はそのままズルズルと滑り落ちるように再び暗い口内へと吸い込まれていったのだった。

ドチャッ・・・
「う・・・うぐ・・・」
度重なる舌責めに最早力無く呻くことしか出来なくなった俺を、若竜がグニグニと舌先で小突き回してくる。
「うーん・・・何だかもうほとんど味もしなくなっちゃったなぁ・・・そろそろ呑んじゃっても良い?」
「我は別に構わぬぞ」
「確かに・・・後は腹の方で味わうとしようかのぉ・・・」
そしてそんな恐ろしい会話に抗議の声を上げる間も無く、俺を口内に収めた若い首が先程俺を呑み込んだ時と同じようにゆっくりと天を仰いでいた。
ズ・・・ズズ・・・
「は・・・ぁ・・・い、嫌・・・だぁ・・・」
またあの恐ろしい体内に呑まれるのかという既知の恐怖に、またしても彼の舌を力一杯抱き締めてしまう。

ベシッ!
「ぎゃっ!」
だが今度の彼は俺が力尽きるまでのんびり待つつもりは無かったらしく、俺は舌にしがみ付いたまま上顎へ思い切り背中を叩き付けられていた。
その強烈な衝撃で一瞬呼吸困難になった体から力が抜け、あれ程必死に抱き付いていたはずの舌をあっさりと手放してしまう。
「あ・・・ああぁ〜〜〜〜〜っ!」
そして急斜面になった舌の上を転がり落ちるようにして暗い喉の奥へと放り込まれると、俺はまたもや全身を熱く蕩けた柔肉に揉まれながら深い深い竜の体内へと落ち込んでいった。

グボッ・・・
「うぶ・・・うぅ・・・」
ここは・・・また胃袋の手前にある食道の合流部なのだろうか・・・?
息の詰まるような狭い肉洞を潜り抜けてようやくほんの少しではあるものの周囲の空間に余裕が出来た気配に、極めて危機的は状況にもかかわらずそんなぼんやりとした思考が脳裏を流れていく。
だが今度は収縮した肉壁に押し出されるようにして酸っぱい臭いの充満した更に広い空間へ送られてしまうと、俺は足元に溜まっていた熱く煮え立つ液体の海にバシャッと体を半分以上浸からせてしまっていた。
「あっ・・・つ・・・」
その耐え難い熱さに思わず跳ねるように立ち上がったまでは良かったものの、膝まで覆う程の大量の液体から逃れられる場所など何処にもあるはずも無く・・・
静かにしろとばかりに押し迫って来た周囲の胃壁に再び座らされてしまう。
「う・・・ぐぅ・・・」
意識を集中すればまだ辛うじて耐えられる程度の温度ではあるものの、先程から鼻を突くこの刺激臭は胃酸特有のものだ。
そんなものに体を浸しているという絶望的な状況に、ただただ黒々とした恐怖だけが際限無く膨らんでいく。

俺は・・・このままここでドロドロに消化されてしまうのだろうか・・・
先程までのブニュブニュとした柔らかい肉壁とは違って、周囲を覆い尽くしているらしい胃壁は密度の高い肉を何重にも折り重ねたかのような固い感触を触れる手足へと跳ね返してくる。
死に瀕した獲物がどんなに必死に暴れ狂っても絶対に脱出不可能な、灼熱の胃液が満ちた肉の檻・・・
そんな場所に閉じ込められてしまったことを自覚するにつれて、いよいよ逃れ得ぬ死の気配が近付いてくるのがはっきりと感じられてしまう。
「はっ・・・はっ・・・はぁっ・・・」
その上食道までは届いていた外の新鮮な空気も流石に胃の中までは十分に流れ込んでこないのか、俺は明らかに先程までよりも息苦しくなってきていることを感じ取っていた。

「た、助けて・・・」
こんな深い腹の中から出したか細い声など彼らに聞こえるはずも無いのだが、徐々に薄くなる空気の中でじりじりと胃液に炙られ続ける恐ろしさがそんな正常な思考をも侵していく。
ドンッ・・・ドン・・・
ほとんど力の入っていない握り拳で幾ら固い胃壁を叩いたところで状況が変わるはずも無く、俺はドシャッと胃液の中に膝から崩れ落ちると体を支えていられずに両腕までもをその熱い液体に浸していた。
「はっ・・・ぁ・・・苦し・・・ぃ・・・頼むから・・・も・・・出し・・・て・・・」
最早自分自身で聞き取るのが精一杯なその弱々しい声が、ゴロゴロと不穏な唸りを上げる内臓の音に完全に掻き消されてしまう。
そしていよいよ完全な暗闇の中で天地の感覚も曖昧になってくると、俺は突然何処かにグバッと開いたらしい深い肉洞に中へ大量の胃液とともに押し流されていったのだった。

グジュ・・・ゴポ・・・ゴロゴロゴロ・・・
胃袋から押し流された先は、びっしりと細かな襞と柔突起が犇めく狭い消化管の中だった。
グチュグチュと蕩けるように柔らかな肉壁が周囲からじんわりと押し迫って来て、熱い胃液に浸されたせいか刺激に敏感になっていた全身をヌチュリヌチュリと撫で回すように揉み拉いていく。
相変わらず鼻を突くのは胃液と排泄物が混じったような強烈な悪臭だというのに、俺は容赦無く味わわされる全身愛撫の想像以上の気持ち良さに身悶えていた。
一条の光も届かぬ完全なる暗闇の中で、全身に余すところ無く密着した肉壁が蠢き這い回るというおぞましい感触。
その背徳的とさえ思えるような快楽へ絶望に疲弊し切った身を委ねている内に、何処からともなく聞こえてくる内臓の蠢動らしき重低音が俺の聴覚をも甘く乱していく。

「あ・・・ぁ・・・」
ジュブ・・・グジュル・・・ズチュブ・・・
まるで荒々しく躍動する雌穴の中で翻弄され蹂躙される憐れな肉棒のように、俺は息の詰まるような闇の中でただただひたすらに嬲り者にされていた。
正しく体内で獲物を味わうという表現の通り、激しく荒れ狂う腸壁がまるで咀嚼するかの如く俺の体を噛み締める。
グシャッ・・・ミシャッ・・・ジョリリッ・・・
「あが・・・ぁ・・・た・・・すけ・・・」
やがて散々に弄ばれながら更に腸内の奥深くへ運ばれていくと、徐々に腸壁の圧迫が強くなってくる。
本来であれば消化液でドロドロに溶かされた獲物が通るのであろうその狭い腸内へ、俺は完全な原型を保ったままゆっくりと押し込まれていった。
それと同時にザラ付く腸壁の愛撫も激しくなり、ヌルヌルの体をこれでもかとばかりに撫で回し扱き上げていく。
何時しか破滅的な快感に大きく膨らんでいた肉棒も柔らかな腸壁に磨り潰されて、俺はか細い悲鳴を漏らしながら精の残滓をピュピュッと吐き出していた。
俺という存在の全てがゆっくりと削り取られ、奪い取られ、デントの血肉として吸収されていく・・・
そんな巨竜に呑まれた獲物の無惨な末路をはっきりと思い知らされながら、ただでさえ朦朧としていた意識までもが静かに薄れていく。

ムギュ・・・ギュゥ・・・
「い・・・やだ・・・あ・・・あぁ・・・」
少しずつ力尽きていく獲物の最期の瞬間が近いことを感じ取ったのか、先程まで断続的に全身を締め上げていた周囲の肉壁がいよいよゆっくりと閉じられていく万力のように俺を押し潰し始めていた。
「ひ・・・ぃ・・・」
ミシ・・・ギュブ・・・ギリ・・・リ・・・
し・・・死ぬ・・・も・・・いし・・・きが・・・
「ぁっ・・・」
グシャッ!
やがて真っ白なベールが思考の全てを覆い尽くそうとしたその時、俺は突如として崩落したもっちりとした柔肉に跡形も無く握り潰されたのだった。


それからしばらくして・・・
「ねぇ・・・もうそろそろ朝じゃない?」
「む・・・そうじゃな」
しばしの転寝に興じていたデントは、一足先に眠りから目覚めたらしい若竜の声で意識を覚醒させていた。
そしてその屈強な四肢で床を踏み締めると、ゆっくりと自身の下腹部へと力を入れていく。
ミチ・・・ミチミチ・・・ニチ・・・
その数秒後、彼の大きな尻穴からドロドロの粘液に包まれたまま気を失っている人間がゆっくりと押し出されてきた。
「ぬぐっ・・・」
ズリュッ!ドササッ
更には強く力んだ拍子に勢い良く飛び出した人間が柔らかな弾力を誇る床の上に転がると、何処か心配そうな6つの竜眼が無残な姿で横たわっている男へと向けられる。
「うわぁ・・・これ・・・まだ生きてるかな・・・?」
「フン・・・精々酸欠で気を失っているだけだろう。取り敢えずは風呂場にでも放り込んでおけば良いではないか」
「そうじゃな・・・無事なら何れ目を覚ますじゃろうて」
やがてデントはそう言うと、ホカホカと湯気を上げる惨たらしい姿で気絶していた人間を摘まみ上げて宿泊用の部屋に備え付けられていた風呂場へと静かに押し込んだのだった。

カーン・・・カーン・・・カーン・・・
朝9時の訪れを告げる、甲高いチャイムの音。
その意識を直接揺さ振るかのような音色に導かれるようにして、俺はゆっくりと目を開けていた。
ここは・・・部屋の風呂場・・・?
ドロドロの不快な粘液が纏わり付いた瞼の向こう側に、大きなシャワーが薄っすらと見える。
そして異様な悪臭を放つ粘着いた腕を伸ばしながらほとんど本能的な動きで蛇口を捻ると、俺は勢い良く噴き出して来た熱いシャワーを全身に浴びていた。

シャアアアアアアッ・・・
「う・・・ぅ・・・」
初めの内は余りの疲労にほとんど体を動かすことが出来なかったものの、全身に纏わり付いていた粘液が洗い流されていくにつれて少しずつではあるものの体に活力が戻って来たような気がする。
そして何とか体を起こせるだけの体力を回復することに成功すると、俺はシャワーを手に取って全身を綺麗に洗い始めていた。
巨竜に呑み込まれその体内で揉みくちゃに弄ばれながら排泄された割には奇跡的に何処にも怪我らしい怪我を負ってはいなかったものの、何とも鼻を突く異臭がまだ周囲に立ち込めている。

だがそれも10分程念入りに体を洗っている内にほとんど感じ取れなくなると、備え付けのタオルで体を拭きながら浴室を出た俺はそっと奥の大部屋を覗き込んでいた。
「デントは・・・もう帰ったのか・・・」
まああれだけの目に遭わされたのだから、恐らくは朝のチャイムが鳴るまで俺が目を覚まさないだろうことは彼にも想像が付いたのだろう。
そしてようやくさっぱりした体に服を身に着けると、俺はフラフラとよろめきながら部屋を後にしたのだった。


「ん・・・あ、あれ・・・?」
翌朝、俺は床の上に仰向けに寝そべったカレンの腹の上で静かに目を覚ましていた。
まるで極上のウォーターベッドのようにプヨプヨと揺れる温かい腹が、疲弊し切っていたはずの俺の体を優しく包み込んでいる。
「起きました?」
やがて俺が目覚めたことに気付いたカレンも静かにその身を起こすと、彼女が大きな手で掴み上げた俺をそっと床の上に下ろしてくれる。
「あ、ありがとう・・・」
「私の中・・・気持ち良かったですか・・・?」
「ああ・・・それはもちろん・・・まるで天国だったよ」
恐らく俺はカレンの膣内に呑み込まれた後しばらくして気を失ったのだろうが、それでも俺という存在の全てを甘く蕩かされるかのような多幸感は目を覚ました今もまだ意識の奥底に刻み込まれていた。

自分では心の何処かで少しばかりやり過ぎたとでも思っていたのだろうか、そんな俺の返事にカレンが心底ほっとしたような安堵の表情を浮かべる。
「良かった・・・それじゃあ・・・また指名してくださいね」
「ああ、そうするよ」
そしてカレンに見送られながら宿泊用の部屋へ戻ると、俺は脱いであった服を着てからそっと部屋を出ていた。
それにしても・・・俺はカレンの膣の奥深くで熱い愛液に溺れながら夜通し弄ばれていたはずだというのに、さっき目が覚めた時は既に体の方はまるで何事も無かったかのように隅々まで綺麗に清められていた。
長らく気を失っている間に、俺は彼女に一体何をされたのだろうか・・・?
呑み込まれた場所が場所なだけに何だか昨夜までの自分とは全く別の存在にでも生まれ変わってしまったのかという奇妙な錯覚が脳裏を過ってしまう。
とは言え正に夢心地と言っても差し支えない程の一夜を過ごせただけに、俺はそんな疑念を頭から振り払うと部屋の外に誰もいないことを確認して受付へと戻ったのだった。

脳裏に重く響き渡るかのような朝のチャイムが聞こえ、僕は咽返るような濃い雄の臭いの中で目を覚ましていた。
「う・・・うえっ・・・」
そして全身に纏わり付いていた大量の白濁を目にして、昨夜メロネに味わわされた思い返すのも恐ろしい責め苦の記憶が一瞬にしてフラッシュバックする。
だがここがどうやらメロネのいた広い部屋ではなく寝室に備え付けられていた風呂場らしいことに思い当たると、僕は取り敢えず粘着く腕を伸ばしてシャワーの蛇口を捻っていた。
ブシャアアアアアッ・・・
その瞬間かなり水流の強めな熱いシャワーが噴き出し、体中を覆っていたメロネの精をゆっくりと洗い流していく。
ただでさえ人間のそれよりも数倍は濃厚な雄竜の精に漬け込まれたまま一晩寝かされて、嗅覚がおかしくなってしまうのではないかと思えるような臭気が換気扇に吸い込まれていくのがまるで目に見えるかのような気がした。

それからしばらくして・・・
長時間のシャワーでようやく全身のぬめりが取れたことを確認すると、僕はホカホカと湯気を上げる体をタオルで拭きながら恐る恐る大部屋の方を覗き込んでみた。
僕が気を失っている間にメロネはもう帰ってしまったのか、床に飛び散った大量の精とメロネに脱がされた服、そして自分で脱いだ下着だけが広大な床に散らかっている寂しい光景が目に入って来る。
「ふぅ・・・」
正直なところ、メロネが先に帰ってくれていて安堵したのは確かだろう。
結果的に五体満足で朝を迎えられたとはいえ、昨夜味わわされたあの苛烈な責め苦と人間を玩具としか思っていないかのような冷酷無比な扱いに僕は本当に命の危険を覚えたものだった。
やがて床に散乱していた服を全て身に着けると、そっと部屋を抜け出して受付へと向かう。
随分と長い時間シャワーを浴びていたからもしかしたら他の2人はもう先に帰ってしまっているかも知れないが、まあそれは仕方が無いだろう。
だが長い階段を登って受付に辿り着くと、先輩達は受付の椅子に座って僕の帰還を待っていてくれたらしかった。

「おう、お疲れ。お前も随分と遅かったな」
「あ、おはようございます。僕もって・・・先輩達も遅かったんですか?」
「ああ、ちょっとな・・・俺がしばらくシャワーを浴びてたんだよ」
俺はそう言うと、どうやら俺と同じくシャワーを浴びてきたらしい後輩をまじまじと見つめていた。
「何か、ちょっと精の臭いがするなお前?」
「そういう先輩の方こそ、何か変な臭いしてますよ」
「お前もかよ・・・2人して一体どんな目に遭わされて来たんだ?」
だがまるで他人事とばかりにそう言った同僚に詰め寄ると、後輩と2人でクンクンと彼の匂いを嗅いでみる。
「お、おい・・・」
すると彼は彼で、これまでにも何度も嗅いだことのある濃厚な雌の匂いがその体に染み付いていた。

「お前だって人のこと言えないじゃないか。何だか皆がどんな目に遭わされたのか想像が付いちまったよ」
やがてそんなことを言いながらずっとカウンターで俺達を待っていてくれたイザベラにそれぞれ料金を支払うと、俺達は明るい陽光の降り注ぐ外の世界へと帰って来ていた。
何時もよりも地下深くにいたせいか、何だか外の世界が一段と輝いて見えるような気がする。
「いやー、しかし今回は疲れたなぁ・・・」
「巨竜天国、なかなかに凄かったですね・・・」
「近々リニューアルもするみたいだし、そしたらまた皆で来ようぜ」
そしてそんなことを話しながら新宿駅へ辿り着くと、俺達はそれぞれの帰途に就いたのだった。

リニューアルか・・・
あちこちで店が開き始める午前10時を控えて人通りの増え始めた通りを歩きながら、俺はふとそんな思考を巡らせていた。
説明を聞いた限りでは大型の雌竜を複数指名出来るようになるということらしいのだが、これまで出来なかった組み合わせによって新しい楽しみ方が増えるというのは単純に雌竜が増えることよりも期待感が膨らむというもの。
次に店に来るのはまたしばらく先のことになるかも知れないが、今後は好みの雌竜の組み合わせを探すだけでも楽しい日々を送れることだろう。
だが取り敢えず今は、早く家に帰ってもう1度熱いシャワーを浴びたいところだ。
そしてそんな思いとともに少しばかり足を速めると、俺はようやく自分の家が見えたことに何故だかホッと安堵の息を吐いたのだった。

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