「お疲れ様でした。お先に失礼します」
「おう、お疲れさん。2人とも、週末はゆっくり休むんだぞ。来週は忙しいからな」
都内の片隅にあるIT企業に入社してから、もうすぐ3ヶ月・・・
ようやく会社の雰囲気にも馴染み始めると、俺は同じく新入社員として入社したもう1人の同僚とともにまだたくさんの業務を抱えているらしい先輩達よりも一足早く仕事を上がっていた。
今はまだ雑用に近い事務仕事くらいしかしていないから比較的定時に近い時間で退勤出来るものの、もう少し仕事を覚えれば俺もきっと毎日のように残業するようになるのだろう。
とは言え先輩達は皆優しく仕事を教えてくれるし、自分と同じ境遇に置かれている同期の存在のお陰で初めての社会人生活にも特にこれといった息苦しさのようなものは感じられなかった。

4月は研修やら何やらで出勤日が不定期だったこともあり初任給は通常の給料の7割程度しか貰えなかったのだが、今月はやっと満額支給されたとあって書類鞄に入れてある給与明細が何だか途轍もない宝物のように思えてしまう。
そして駅で同僚とも別れると、俺は真っ直ぐ家に帰ろうと新宿行きの電車に乗り込んだのだった。
新宿までは・・・あと15分くらいか・・・
東京は、一見広いように見えて実際は驚く程狭い街だ。
公共の交通機関が充実しているからというのもあるのだが、都内の大抵の場所には車が無くても2時間以内に辿り着けてしまうし、遊びに出掛けるのでもなければ移動の必要性すら希薄な程に生活に必要な全てが揃っている。
物価や家賃が高いという欠点はあるものの、少なくとも退屈だけはしないで済む場所であることには違い無い。
それに・・・今俺が住んでいる新宿には、"あの店"が存在しているというのが何よりも大きかった。

大昔の神話や伝説にしかその姿を現さないと思っていた本物のドラゴンと夢のような一夜を共にすることが出来る稀少な風俗店、雌竜天国。
日本でも有数の歓楽街である新宿歌舞伎町の一角に存在するその店は、初めて足を運んだその日から俺の心の中で異質な存在感を放ち続けている。
前にあそこに行ったのは、大学の卒業式の翌日だっただろうか・・・
カウンターのお姉さんに勧められた濃紺の雌竜であるクイーンとの一夜は、これまで大勢の雌竜達と過ごしてきた夜の中でも最も過激なものだったことは間違い無い。
あのボレアスをも凌ぐ凄まじい巨体でありながらありとあらゆる手練手管で精を搾り尽くされ、体感でしかないものの明け方近くまでじっくりと弄ばれ続けたように思う。
お陰で随分と深く気を失ったらしく9時のチャイムでも目が覚めなかった俺は11時過ぎになってようやく意識を取り戻すと、既に誰もいなくなった部屋から出てカウンターで待っていたお姉さんに酷く心配されたものだった。
以前にあの店を紹介した同じ研究室の友人とはあれから会っていないのだが、俺に負けず劣らずドラゴン好きの彼のことだからきっとあれからも時折店に通っているのだろう。

「また行ってみるかな・・・」
社会人になってこれまでより自由な時間が減ってしまったのは確かだが、仕事を早く上がれた日なら店に行くのはそう難しいことではない。
それに明日は土曜日で仕事も休みだし、給料も入ったからまた夢の一夜を体験しにいくのも悪くは無いだろう。
今の時間は18時25分・・・一旦家に帰って荷物を置いてから向かえば丁度良い時間帯だ。
俺はそう心に決めて山手線の車内に設置されている小さなモニターに目をやると、新宿まで10分と表示されていることを確かめて小さく息を吐いたのだった。

それから30分後・・・
俺は家に荷物を置いて服をスーツから普段着に着替えると、既に会社帰りのサラリーマン達でごった返している新宿の町中を歌舞伎町に向かって歩いていた。
そして首尾良く開店の3分前に例のビジネスビルへ辿り着くと、その脇に備え付けられた雌竜天国の入口へと近付いていく。
「あれ?また張り紙があるな・・・」
だがその扉の前に以前と同じようなA4サイズの紙が貼ってあるのが目に留まると、俺は少しばかり緊張を感じながらそこに書かれていた文面に目を通していた。

"Dragoness Heaven"小規模改装に伴う臨時休業のお知らせ
業績好調につき、館内施設の拡大と新サービスを提供させて頂く為に6月22日(月)より一時休業させて頂きます。
次回開店日は9月中旬頃を予定しております。
「獲物」の皆様には大変ご不便をお掛け致しますが、更に新しくなった雌竜天国にどうぞご期待くださいませ!

「また改装するのか・・・随分と儲かってるんだな・・・」
まあ、それはそれで良いことだ。
しばらく休業してしまうのは痛いところだが、それならそうとこの3日間は精一杯楽しませて貰うとしよう。
そしてそんなことを考えている間にカードリーダーの受付が開始されると、俺は逸る気持ちを抑えて入館証をスリットに通したのだった。

やがて何時ものようにエレベーターに乗り込んで地下1階の受付に出ると、相変わらず不思議な雰囲気を醸し出している黒フードのお姉さんが俺を出迎えてくれる。
「あらいらっしゃい。久し振りね」
「こんばんは・・・また改装休業するんだね」
「ええ・・・内装とかはそれ程変わらないと思うけど、新しい部屋を増設するから今回は期間が長めなのよ」
確かに前回のリニューアルでは地下2階に階層が増えていたけど、休業期間は1ヶ月程だったから実際にはエレベーターの改修や各種システムの適合程度で済んだのだろう。
だが究極の非日常の世界を売りにしているこの店で営業中の区画を工事するわけにはいかないから、長く期間を取って部屋を増設するというのは寧ろ当然の措置だと言えた。

「それじゃあ、休業しちゃう前に少しでも楽しまないとね」
俺はそう言って電子メニューのディスプレイの前に座ると、早速今夜のお相手を探し始めていた。
前回指名したクイーンには随分と多彩な方法で弄ばれたから、今回は少し変わったプレイが得意な雌竜を探してみようと思う。
そしてそんなことを考えながら"得意プレイ順"でソートされた雌竜達のリストを眺めていくと、俺はそこに珍しい言葉を見つけてふとマウスを動かす手を止めていた。

名前:ボーラ(74歳)
体高:2.44メートル(Mサイズ)
体色:淡い桃
眼色:青
翼:有り
性格:受★★★★★★★★★☆攻
得意なプレイ:翼による拘束、締め上げなど
口調:高飛車
部屋:ノーマル
指名料金:6,000円/日
人気度:98/202(指名回数/勤務日数)
コメント:尻尾による多彩な責めが得意な雌竜、ローラの姉です。
自慢の巨翼を用いた一風変わった責めに翻弄されながらじっくりねっとりと詰られて、身も心も彼女の掌の上で転がされてみませんか?

「ローラの姉か・・・」
ローラは、俺が初めてこの店で指名した雌竜だ。
ただでさえ見上げる程の体高の更に数倍はあろうかという長い長い尻尾に締め上げられて、その優しい口調ながらも執拗なまでの激しい責めに俺は正に虜にされてしまったものだった。
そんなローラの姉というからには、このボーラの性格も彼女に似ているのかも知れない。
それにローラの特徴があの長過ぎる程の尻尾だったことを考えれば、翼を使った責めという文面に奇妙な期待感を抱いてしまうのは無理からぬことだった。

「横のボックスにチェックを入れて・・・指名・・・と」
やがてボーラを指名すると、画面に料金と部屋番号が表示される。
今回の部屋は地下1階の2番の部屋らしい。
「それじゃあ、行ってくるよ」
「ええ、ゆっくり楽しんできてね」
そしてお姉さんのそんな声に見送られながら奥の通路に出ると、俺は2番の部屋の重い扉を開けて中に入っていた。
柔らかな感触が心地良い赤い絨毯、洞窟の中を彷彿とさせる荒い岩肌のような壁紙、風俗店らしい落ち着いた趣のあるライト、何もかもが以前と変わらずそこに夢の空間を作り上げている。
だがそれからほんの数秒で部屋の奥にある扉が開いてボーラが現れると、俺は彼女の姿に何とも言葉では言い表しようのない奇妙な懐かしさを覚えたのだった。

「あら坊や・・・私を指名してくれて感謝するわ」
凄い・・・何から何まで・・・本当にローラにそっくりだ。
全身に纏った艶やかな桃色の鱗、透き通ったサファイアのような深い青色の瞳、白い皮膜がタプタプと揺れている大きくて柔らかそうなお腹・・・
だが俺の眼前に佇むこのボーラには、ローラにあった長い長い尻尾の代わりに分厚い薄桃色の翼膜を讃える巨大な翼が備わっていた。
折り畳んだ状態ではその全容は分からないものの、広げればその翼長は恐らく優に10メートル近くはあるだろう。
「どうしたの・・・?私の顔に、何か付いてるかしら?」
「い、いや・・・その・・・本当にローラと似てるなと思ってさ・・・」
「ふぅん・・・?あなた、あの妹を指名したことがあるのね?」
ローラの名前を聞いた途端に、彼女の声色がほんの少しだけ暗い影を帯びたのが俺にも分かった。
だが俺を見つめる表情には特に変化が見られないから、きっと何らかの感情を胸の内で押さえ付けているのだろう。

「あの・・・俺・・・何かまずいこと言ったかな・・・?」
「別にそんなことはないわ。ただローラは、私とは父親が違うのよ。お互いに見た目は母に似たんだけど・・・」
そう言うと、彼女が突然片方の翼を大きく広げて俺の方に伸ばしてくる。
バサッ!
「うわっ!」
そしてその大気を煽る轟音と一瞬にして迫ってくる桃色の影にビクッと身を竦めた数瞬後、俺は彼女の長い翼の先で器用に掴み上げられていた。
「ローラと同じく、私の翼の方は父の方に似たのね。ほら・・・竜翼の抱擁は初めてでしょ?」
その大きな翼全体に強靭な筋肉が詰まっているのか、尖った先端部分はほんの数十センチ程の幅しかないはずのボーラの翼がまるで大蛇のような凄まじい力で俺の体に巻き付いてくる。
ギュッ・・・ミシッ・・・
「う・・・うぐ・・・」
「この長い翼は私の手の代わりになる程に、器用で力が強いのよ」
確かに、桃色の翼の先に体を一巻きされただけだというのにまるで身動きが取れそうもない。
そればかりか、下手に暴れたらこのまま翼で締め殺されてしまいそうだ。

「それじゃあ・・・まずは服を脱いで貰うわ。ウフフフ・・・」
そう言うと、屈強な翼で巻き取った俺を中空に持ち上げたボーラがもう一方の翼を広げてこちらに伸ばしてくる。
蜘蛛が巣に掛かった獲物に近付くが如く、ゆっくりと焦らすように迫ってくる桃色の翼が俺には何だか禍々しい意思を持った別の生き物のように見えていた。
ズッ・・・
「うっ・・・」
やがて翼の先に生えていた尖った翼爪が俺のズボンに引っ掛けられると、獲物の纏を引き剥がすべく絶妙な力加減で2枚の翼が躍動する。
スル・・・スルスル・・・
それはどういうわけか・・・何とも屈辱的な光景だった。
自身の翼でじっくりと可愛がられる獲物を愉しそうに見つめながら、彼女がゆったりと床の上に蹲っている。
だが悲鳴を上げたりもがいたりすればたちまち全身を締め上げられて黙らせられるだろうことが分かってしまい、俺は次々と脱がされては床の上に放られていく衣服や下着を呆然と眺めていることしか出来なかった。

「ほら、これで最後よ。どうかしら・・・素っ裸で竜の前に供された気分は・・・?」
こう言うのもなんだが、俺は全裸で巨竜の前に身を晒した経験などもう両手の指でも数え切れないくらいある。
だが彼女は・・・ボーラは、今までの俺が指名してきた連中とは明らかにその雰囲気が違っていた。
ボレアスやリーフのようなLサイズの雌竜達が放っていた、食欲という名の甘い殺意。
レモンやテノン達3姉妹のようなSサイズの雌竜達が漲らせていた、幼さ故の残虐性。
それらは確かに彼女達の獲物となった俺にとって恐怖の対象ではあったものの、それでもお互いの体を交えるという究極の意思の疎通があったからこそ耐えることが出来たのだ。
しかしボーラは床に横たえた自身の体さえ動かすことなく、ただただ1対の翼に弄ばれる獲物の狼狽を眺めるのが無上の愉しみなのだろう。
「あら、まただんまりなの?でも私を指名したからには、たっぷりと鳴いて貰うわよ。可愛い声でね・・・」
そしてそんな彼女の声とともに少しばかりザラ付いた翼膜が無防備となったペニスを擦り上げると、俺はビクッと身を震わせながら喉から出掛かった甲高い嬌声を必死に呑み込んだのだった。

ジョリ・・・ジョリリ・・・
「う・・・うく・・・」
硬い鱗とは違って微かな湿り気を帯びた人肌のような感触の翼膜が、じっくりと裏筋を舐め上げていく。
だが快感に身悶える俺の体を翼の先で更にきつく握り締めると、ボーラがその青い竜眼を妖しく細めていた。
「ほらほら、我慢なんてしても無駄よ。それとも、もっと凄いことをして欲しいのかしら?」
も、もっと・・・凄いこと・・・?
正直翼膜でペニスを擦り上げられるだけでも思わず叫んでしまいそうな程に気持ち良いというのに、これより更に激しい責め方があるというのだろうか?
そんな不穏な想像に思わず顔を歪めたところを彼女に見られてしまい、俺は内心しまったと息を呑んでいた。

「ウフフ・・・良いわ、もっと気持ち良くしてあげるから、そのままおとなしく果てるのね」
彼女はそう言うと、翼で掴み上げていた俺の体をベッドの上に横たえていた。
そして両の手足を翼の腹でギュッと押さえ付けて俺の身動きを封じると、更にその先端がペニスへと近付いて来る。
ススッ・・・
「う・・・あっ・・・」
やがて2枚の翼がピンと天を衝いて屹立した雄槍を左右から挟み込むと、俺はこれから何をされるのかをほとんど本能的に悟ってしまっていた。
「ほら坊や、覚悟は良いかしら?」
「は・・・あぁ・・・」
ザラ付いた翼膜がペニスをゆっくりと挟み込み、じんわりとその根元を圧迫していく。
と同時に獲物の抵抗を捻じ伏せる為か手足に預けられる圧力も増し始め、俺は徐々に膨れ上がる期待と不安にただただ息を荒げることしか出来なかった。

ゾリゾリゾリ・・・
「・・・っ!」
その数秒後、何の前触れも無くペニスを挟み込んだ翼膜が互い違いに擦り合わされる。
艶かしい感触で肉棒全体を磨り潰されるかのようなその暴力的な快感に、俺は声にならない悲鳴を上げながらビクンと動かぬ体を跳ね上げていた。
「ウフフフ・・・良い反応をするのね・・・」
ジョリッ・・・ゴリゴリ・・・ズリッ・・・
「ひっ・・・ひぃ・・・」
ペニスを捉えたボーラの翼が躍動する度に、凄まじい快感が背筋を駆け上がっていく。
俺は唯一自由の利く首を左右に振り乱しながら必死に耐えようとしたものの、執拗なまでの激しい愛撫に熱い射精感が込み上げて来るのを抑えることがどうしても出来なかった。

「ほら・・・果てなさい・・・」
「うあああっ・・・!」
ビュビュッ・・・ビュルル・・・
翼で器用に扱き抜かれたペニスから、雄としての屈服の証が大量に噴き上がる。
そしてねっとりと熱を持った白濁が桃色の翼を汚すと、ボーラがその顔にうっとりとした笑みを浮かべていた。
「やっぱり思った通り・・・素敵な声で鳴いてくれたわね・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・は・・・ぁ・・・」
指一本触れることなく2枚の翼だけで精を搾り取られてしまったという、言いようの無い敗北感。
だがそんな雄としての屈辱に身を震わせている内に、白濁に塗れたペニスが再び扱かれ始める。
ズリュッ・・・ジョリジョリジョリッ・・・
「それじゃあ滑りが良くなったところで、もう何回か搾ってあげるわね」
「わわっ・・・ちょ・・・待って・・・あぐ・・・ぁ・・・」
先程までのザラ付いた翼膜の感触が、雄汁に濡れて滑らかなそれに変化している。
その上滑りが良くなったせいか擦り合わされる翼の動きが更に速くなり、俺はあっと言う間に再び我慢の限界を迎えてしまったのだった。

ビュルルッ・・・ビュル・・・
「はぁ・・・あ・・・ぅ・・・」
ほとんど制止の声を上げる間も無く、強制的に導かれた2度目の射精が俺の体力をごっそりと削り取っていく。
そんな無様な獲物の様子を愉しげに見つめるボーラの視線にさえ屈辱的な興奮が湧き上がってきてしまうのは最早そういう性分なのだと言うしかないのだが、1人の男として耐え難い悔しさもまた俺の胸を締め付けていた。
「今度は随分と早かったわね・・・次も瞬殺かしら?」
そしてまだ放出の余韻が覚めやらぬ内にペニスへ3度目の無慈悲な愛撫が叩き込まれると、またしてもほんの十数秒で息の詰まるような擦れた悲鳴とともに絶頂の雫が搾り出されてしまう。
「も、もう・・・ゆ・・・るし・・・て・・・」
ものの数分の間に3回も精を放ってしまったことで、俺はもう手足の指先にさえほとんど力が入らなかった。

「・・・そうね、そろそろ許してあげるわ。前戯はこのくらいにしておかないと、あなたがもちそうにないしね」
「え・・・ええっ・・・!?」
ぜ・・・前戯・・・?
激しい連続射精にもう声も満足に上げられない程憔悴しているというのに、彼女にとってはこれでもまだ本番ではないというのだろうか?
「そんな憐れみを乞うような顔をしても駄目よ?弱った獲物にはちゃんと止めを刺さないと・・・ね?」
そう言いながら、床からほんの少しだけ体を浮かせたボーラが己の股間に花開いた真っ赤な割れ目を俺の視界の中で静かに広げていた。
と同時に俺の手足を組み敷いていた彼女の翼が退けられたものの、積み重なった疲労のせいで逃げるどころかベッドの上で姿勢を変えることすら出来そうにない。

「あぁっ・・・そ、そんな・・・う、うわあああっ・・・!」
「ウフフフ・・・良い声ねぇ・・・恐怖と絶望が綯い交ぜになった、最高の悲鳴よ・・・」
最早成す術も無く熱い竜膣に呑まれるだけとなった俺の狼狽した叫び声を堪能しながら、彼女が自身の秘所をグチュグチュという淫靡な水音とともに蠢かせている。
うっとりと細められた青い竜眼で力尽きた獲物を見つめながら迫って来る巨竜の姿に、俺は両目に涙を溜めながら自分でも無駄だと分かっている慈悲の懇願に全身全霊を傾けていた。
だがそんな俺の努力を嘲笑いながら、いよいよベッドの上に攀じ登って来た彼女がその太くて筋肉質な両手で俺の両腕を踏み潰すようにベッドの上へと押し付ける。
ズシッ・・・
「ひっ・・・ひいぃ・・・」
体高2メートル以上の巨大なドラゴンが誇る凄まじい体重を浴びせられた脆弱な人間の体が、微かな痛みにも似た絶望的な圧迫感とともに柔らかいベッドへこれでもかとばかりに沈み込んでいった。
その捕らえた獲物を絶対に逃がさないという強固な意思が込められた重圧に、まだ何の拘束も受けていない両足までもが甘い麻痺感に浸されていくような気がする。

「さてと・・・私の中に呑み込まれる覚悟は出来たかしら、坊や?」
左右に大きく口を開けた、桃色の愛液と白い湯気を吐き出す灼熱の肉洞。
その凶悪な雌の器官に狙いを付けられた小さな雄が、一体何を血迷ったのか破滅的な期待感とともに大きく膨らみながら真っ直ぐに屹立してしまう。
「あら・・・どうやらこっちの方は、もう待ち切れないみたいね・・・」
「わわっ・・・ま、待って・・・違っ・・・」
ジュブブブ・・・
やがて咄嗟の否定も間に合わず、ボーラは腰を落とすなりギンギンに張り詰めた俺の肉棒を一気に根元まで自身の割れ目の中へと呑み込んでしまっていた。

ジュブッ・・・ギュブッ・・・
「うああああっ・・・!あつ・・・いぃ・・・」
弱り切った獲物を容赦無く陵辱する嗜虐的な興奮に煮え立つ高温の愛液が、残酷な雌竜の誇る暴虐の器官に呑まれた生け贄を快楽という名の炎で焼き尽くす。
そして無数の肉襞に弄ばれるペニスが前後左右から軽く舐め上げられると、俺はそれだけでもう底を突き掛けたなけなしの雄汁を吐き出させられたのだった。

ビクッ・・・ビククッ・・・
「あ・・・が・・・」
ほとんど放出感を伴わない、空しい絶頂の感触が小刻みな痙攣となって俺の体を震わせる。
休み無く積み重ねられる連続射精の負担に耐え切れず、俺は半ば朦朧とした意識を辛うじて保っているのが精一杯だった。
「ほらほら、まだ楽にはさせてあげないわよ」
メシッ・・・
「うあがっ・・・や、止め・・・」
だがもう少しで気絶という名の現実逃避に成功しそうだった俺のペニスが、突然その根元を強烈に締め上げられる。
その快楽と苦痛が織り成す容赦の無い一撃で逆に意識を覚醒されられてしまうと、俺は霞が取れて鮮明になった視界の中に妖しい微笑を浮かべるボーラの顔を認めて声を詰まらせていた。

彼女は・・・もうロクに声を上げることもままならない程に弱った俺を、これから更に徹底的に甚振り尽くすつもりなのだろう。
ほとんど彼女の全体重を預けられた両腕は柔らかいベッドに押し付けられていながらも骨が軋みを上げ、既に精も枯れて萎れ切った肉棒はなおも獰猛な躍動を繰り返す熱い竜膣の奥底へと囚われている。
その絶望的な状況を本当の意味で理解出来るまで、ゆっくりと時間を掛けながら獲物を嬲るのが彼女の趣味なのだ。
そして大声で泣き叫びながら慈悲を乞う無様な獲物の姿を嘲笑しながら、その懇願をも踏み躙るのに違いない。

だがそんなボーラの残酷さを嫌という程に理解していながらも、俺はそんな彼女の思惑から逃れる術を既に失ってしまっていた。
この雌竜天国で働く大勢の雌竜達に言い含められている唯一のルールは、あのエステルの口から語られた限りでは"翌朝に獲物を五体満足で部屋から出す"ということだけ・・・
それ以外の部分については、獲物にどんな惨い仕打ちをしようともその一切が黙認される。
これまで俺は被虐的な性格も相俟って比較的性格の荒い雌竜達を指名することが多かったのだが、ボーラのように自身の嗜好の為に獲物を蹂躙しようという雌竜がいなかったのはある意味で幸運だったのかも知れない。

ミシ・・・ミリ・・・
「は・・・あぁ・・・」
じわりじわりと圧迫感を増していく、熱く蕩けたボーラの秘所。
だがその恐ろしげな感触を味わっている内に1度は精の枯れた俺の肉棒も幾許かの元気を取り戻してしまい、再び迫り来る肉壁を押し退けるようにして命知らずな雄槍がその身を揺り起こしてしまう。
「ウフフフ・・・また勃てちゃうなんて可愛い子だわ・・・こんなに元気だと、思わず潰したくなっちゃうわね」
そう言いながら、ペニスの根元の締め付けがゆっくりと舐めるように先端へと移動していく。
グリュリュリュッ・・・
「あぐっ・・・」
その扱き上げるような刺激に思わずビクンと体を跳ね上げると、更にペニスが分厚い襞の波に弄ばれていた。
「うあああぁぁ・・・!」
根元まで俺のペニスを咥え込んだ彼女はほとんど腰も動かしていないというのに、次々と襲い来る耐え難い快感の嵐にもう何度目なのかも正確には思い出せない絶頂の予感が押し寄せてくる。

「ほらほら・・・まだ耐えられるかしら・・・?」
ギュグ・・・ズギュ・・・ミシッ・・・
た、助け・・・も・・・駄目・・・
瀕死の獲物に追い打ちを掛けるようなその圧搾に悶え狂いながら、再び意識が少しずつ遠のいていく。
このまま気を失ったらもう2度と目覚めないのではないかという本能的な危機感が胸の内に芽生えたものの、ベッドに押さえ付けられたまま獰猛な雌竜の蜜壷に呑まれた雄には最早逃げる術などあるはずもなく・・・
グギュッ・・・
「が・・・ぁ・・・」
ビクッ・・・ビクビクッ・・・
俺は今度こそ止めとなる何度目かの空しい絶頂感とともに意識が深い闇の底へと吸い込まれていったのだった。

カーン・・・カーン・・・カーン・・・
心地良い眠りの世界に鳴り響く、朝の訪れを告げるチャイムの音。
俺は全身を押し包んだ微かな温もりの気配を感じながら静かに目を開けると、周囲の状況をそっと確認していた。
その瞬間、広いベッドの隣に蹲って眠っている桃色の巨竜の姿が目に飛び込んで来る。
そしてそんな彼女の背中から伸びた大きな翼が、まるで寝袋のように俺の体を優しく包み込んでいた。
人肌のような独特の感触を持つ翼膜に包まれていると、何だか不思議な懐かしさが胸の内に湧き上がって来る。
そんな幼い頃に母親に抱かれていた時のような奇妙な安心感に、俺は昨夜の激しい行為の疲労がすっかり癒されていくような気がした。

「あら・・・お目覚めね、坊や」
やがて俺が長い眠りから意識を取り戻したことに気付いて目を覚ましたボーラが、そう言って体を起こすと翼で包んでいた俺をベッドの上に降ろしてくれる。
「私との一夜は・・・どうだったかしら?」
「あ、ああ・・・その・・・結構良かったよ。想像以上に激しかったけどね」
「ウフフ・・・小さい頃は良く年下のローラを虐めてたから、きっとその時の性格が染み付いちゃったのね・・・」
成る程・・・こんな姉と一緒に暮らしていたのでは、ローラが対照的に慈悲深い性格に育ったのも何となく頷ける。
まあそれはそれとして彼女と過ごした夜には十分満足出来たから、それで良しとしよう。
「それじゃあ・・・またその内指名させて貰うよ」
「ええ、ありがとう」
俺はボーラとそんなやり取りをしながら床に散らばっていた服を身に着けると、彼女の宝石のように美しい青色の瞳に見送られながら部屋を後にしていた。

「お疲れ様でした。ボーラはどうだったかしら?」
「ああ・・・星の多い雌竜の恐ろしさを存分に味わったよ。あの性格の星の数って、どんな基準で付けてるんだ?」
「プロフィールにある性格の欄の星の数は、お客さんと雌竜のどちらから交尾を持ち掛けるかを示す基準なの」
そう言いながら、カウンターから出て来た黒フードのお姉さんが電子メニューの端末を操作し始める。
「だから正確には、雌竜の気質そのものを表してるわけじゃないのよ。例えばこの子を見てみて」
それを聞いて彼女の横からディスプレイを覗き込んでみると、そこに気弱そうな雌竜の写真が映し出されていた。

名前:レイコ(91歳)
体高:1.79メートル(Mサイズ)
体色:薄黄
眼色:黒
翼:有り
性格:受★☆☆☆☆☆☆☆☆☆攻
得意なプレイ:特に無し
口調:気弱な少女
部屋:ノーマル
指名料金:6,000円/日
人気度:173/296(指名回数/勤務日数)
コメント:ヨーロッパ地方出身の雌竜。
非常に弱気で常に受け身一辺倒の上に特にこれといって得意なプレイもありませんが、90%以上のリピート率を誇る隠れた逸材です。
その理由は是非ご自身でお確かめください。

「な、何だか凄いなこの雌竜・・・星1個なのに、こんなに人気があるのか。それに、名前も日本人みたいだ」
「この子の名前は古い竜の言葉で、"空"とか"天"っていう意味らしいわ」
「じゃあ、縁起の良い名前なんだね」
だが俺がそう言うと、彼女が驚いたように首を振る。
「縁起が良いだなんてとんでもない。多くのドラゴンにとって、天っていうのは死を暗示させる不吉な言葉なのよ」
「え・・・」
「もちろんこの店ではお客さんの安全は保証されてるけど・・・つまりはそういう雌竜だってことね」
こんな気弱そうで一見人畜無害に見える雌竜が、死を暗示させる名前を付けられている・・・
その奇妙なギャップに、俺は思わず興味をそそられてしまったのだった。

「じゃあ・・・今夜にでもこの雌竜を試してみるよ。ちょっと興味が湧いちゃったしね」
「ええ、待ってるわ」
俺はそう言ってカウンターのお姉さんに別れを告げると、現実の世界に戻るべくエレベーターへと乗り込んでいた。
この夢の世界も明後日には一旦休業に入ってしまうということだから、タイミング良く週末に掛かったからには楽しめるだけ楽しんでおくのが利口というものだ。
それ程までに、この雌竜天国の存在は俺の生活の中に深く深く食い込んでいた。
何よりも凄いのが、これだけ足繁くこの店に通って色々な雌竜を指名しているというのに今のところ"外れ"が全くと言って良い程に無いということだろう。
もちろん個人の好みの違いがあるから全ての雌竜に満足出来るのかと言われればそうではないのかも知れないが、電子メニューに表示されるプロフィールを参考にすれば自分に合った雌竜が簡単に見つかるのは非常にありがたい。
それに今まであのお姉さんが勧めてくれた雌竜は特に俺を楽しませてくれただけに、今回もその助言に素直に従ってみようという気になったのだった。

やがて昼前に家に帰り着くと、俺は熱いシャワーを浴びてから夕方まで暇を潰す為に少しばかり大勢の人々で賑わう新宿駅周辺をぶらつくことにした。
大都会の真っ只中とあってこの辺りは何処も平日だろうが週末だろうが道を埋め尽くさんばかりの人々で溢れているのだが、そんな日常の光景もあの店に寄った次の日は何だか新鮮なものに感じられてしまう。
この現実世界の何処を探してもドラゴンなんていう空想上の生物は存在などしていないし、ほとんどの人々はその存在自体をそもそも考えたことさえ無いのかも知れない。
そう考えると、ちょっとした偶然からあの店の会員になれたことはこれまでの俺の平凡な人生の中で最大の幸運だったと言っても良いだろう。
そしてしばらくあちこち歩き回った末にコンビニ弁当で軽く昼食を摂ってから駅構内の本屋で時間を潰す算段を付けると、俺は時折腕時計に目を落としながら雌竜天国の開店をじっと辛抱強く待ち続けたのだった。

それから数時間後・・・
結局本屋だけでは長時間の暇潰しが難しかった俺は近場にある喫茶店やゲームセンターで何とか18時過ぎまで過ごすことに成功すると、新宿駅から流れ出る無数の人々の群れに混じるようにして歌舞伎町へと向かっていた。
これから夏本番を迎える時期とあって時刻の割には空が明るかったものの、歌舞伎町は日本でも有数の風俗街だけあって既に酒が入っているらしい中年男性の姿がそこかしこで目に付き始めている。
そしてそんな混沌の気配を滲ませ始めた歓楽街を通り抜けると、俺はやっとのことで辿り着いた例のビジネスビルをそっと見上げていた。

開店までは後10分足らず・・・
店の入口には相変わらず新装開店の案内の紙が張り出されているものの、週末だというのにやはり開店待ちの他の客の姿は何処にも見当たらない。
数ヶ月前に同じ研究室の友人とここに来た時を除けば自分以外の客を見たことが無いだけに、一瞬本当に繁盛しているのかという疑念が脳裏に浮かんでは消えていく。
まあその真相がどうであれ、この店に通うことが俺にとって重要なライフスタイルの1つであることには今更疑いの余地が無い。
前回も開店1周年のリニューアルと称して大幅な改装や電子メニューの導入などが実現したのだから、今回は期間が少し長めではあるもののきっとまた俺を楽しませてくれる素晴らしい施設に生まれ変わってくれるのだろう。

そしてそんな想像に身を委ねている内に開店時間がやってくると、俺は入館証をカードリーダーに通して冷房の効いた快適な館内へと足を踏み入れていた。
ポーン・・・
毎度毎度最初に入店するからなのかエレベーターが俺を待ってくれていたかのようにすぐさま開き、再び地下深くに眠る夢の世界へと俺を誘ってくれる。
「あらいらっしゃい。今日も随分と早い来店ね」
「一旦ここに通い出すともう開店が待ち切れなくなっちゃってね・・・外で待ってたんだよ」
「そうだったの、嬉しいわ。それじゃ、指名をお願いね」
俺はそう言われて電子メニューのディスプレイを覗き込むと、俺が一番乗りすることを予見していたのか既に今朝彼女に紹介されたレイコの指名画面が表示されていたことに思わず苦笑を漏らしてしまったのだった。

「ははっ、用意が良いんだな」
「他のお客さんが来るのはほとんどが夜遅くだから、開店直後に来るのは今のところあなただけなのよ」
成る程・・・つまり俺が来ない日は、開店からしばらくは暇な時間が続くのだろう。
それを考えれば、このお姉さんが妙に俺に親近感を持ってくれている理由も何となく理解出来る。
「そうなんだ・・・じゃあ取り敢えずお勧めに従ってこの雌竜を指名するよ」
そしてそう言いながらディスプレイに表示されていたレイコを指名すると、すぐさま切り替わった画面に料金と2番の部屋番号が表示されていた。
「2番の部屋か・・・それじゃ、行ってくるよ」
「ええ、ゆっくり楽しんできてね」

やがてそんな声を背に浴びながら奥の通路に足を踏み入れると、俺は2番と書かれた扉の前で立ち止まっていた。
これから出会うのは、俺がこの店に通い始めてから初めて指名する星1個の雌竜・・・
前に星4個のスノーを指名した時は確かに向こうの方からベッドに横たわって俺を誘ってきたものの、それでも彼女には狙いを付けた獲物を逃がすまいというある種の意志のようなものがあった。
だが星1個ともなれば、恐らくは人間相手でも完全に受け身な性格なのだろう。
電子メニューを色々眺めてみた限りでは全体の星の平均個数は確実に6以上あったから、客のニーズを考えてもやはり星が多くて攻めっ気の強い雌竜の方が基本的には人気なのに違いない。
しかしそんな中でも星1個の雌竜が6割近い指名率と9割以上のリピート率を誇っているというのだから、俺はどうしてもその理由を確かめずにはいられなかったのだ。

そしてそんなことを考えながらゆっくりと眼前の扉を押し開けてみると、ややあって部屋に入って来た薄い黄色の鱗に身を包んだ雌竜と目が合ってしまう。
「あ、あの・・・あ、あなたが私を指名してくれたんですか・・・?」
「え?あ・・・う、うん。そうだよ」
体高だけでも俺の身長より僅かに高い大柄な雌竜が、随分とおどおどした様子で不意にそんな声を掛けてくる。
「あ、ありがとう・・・ございます。精一杯・・・その・・・が、頑張りますね」
やがて部屋に入って来た壁の扉の前から一歩も動くことなく、レイコが相変わらず不安げに俺を見詰めながら途切れ途切れに言葉を紡いでいた。
これまでボレアスやエステル、それにクイーンといった星10個の雌竜達も何度か見てきたものの、彼女達のような取って食われるのではないかと思うようなドラゴンらしい威厳や迫力がこのレイコからは全く感じられない。
大きなドラゴンを思うように責めまくりたいと思うようなサドっ気の強い客には重宝されるのかもしれないが、被虐的な傾向の強い俺としては若干拍子抜けしてしまったというのが正直なところだった。

しかしまあ、たまにはそういう雌竜を相手にするのも良い経験になることだろう。
「と、とにかく・・・そんなところに突っ立ってないでこっちにおいでよ」
「は、はいっ!」
そして試しに彼女を呼んでみると、その吸い込まれるような漆黒の竜眼を見開いた巨竜が大きな返事を返してくる。
更には初めて見る獲物の姿に警戒しているかのようにゆっくりとこちらに近付いて来ると、彼女がようやくベッドの上にその巨体をゆっくりと横たえていた。
「これで・・・良いですか?」
全身を覆った黄色掛かった鱗は他の雌竜達と同様に鋼のように硬く丈夫で、別段彼女自身に何か特別変わったところは見受けられない。
腹の方は乳白色に染まった柔らかい皮膜とその中にたっぷりと詰まった脂肪でタプタプと揺れているものの、それだって特筆すべき特徴というわけではないだろう。
だとしたら、この気弱な雌竜の圧倒的な人気を支えている要素というのは一体何なのだろうか?

「君はその・・・何か得意なプレイとかはないのかい?」
「は、はい・・・私・・・何故か指名は一杯入れて貰えるんですけど・・・特に何も取り柄が無いんです・・・」
うーむ・・・ますます謎だ・・・
まあ取り敢えず、彼女の人気の秘密はまた後で考えるとしよう。
俺はそう思って着ていた服を脱ぎ去ると、外気に晒された小さな人間のペニスを見てほんの少しだけ顔を赤らめていたレイコの腹の上にゆっくりと攀じ登っていったのだった。

温かくて柔らかい、大きな雌竜のお腹・・・
その心落ち着く母性的な感触だけは、何の取り柄も無いと自嘲する彼女も他の雌竜のそれと何も変わらない。
そしてしばらくそのタプタプと揺れる心地良い感触を全身で味わうと、俺は次第に湧き上がって来た興奮にそれまで萎えていた自身の肉棒がゆっくりと起き上がっていく気配を感じていた。
たとえレイコがどんな雌竜であったとしても、今夜俺が彼女とすることは最初から決まっている。
その点は彼女もちろん理解しているらしく、やがて腰を浮かせた俺のペニスに視線を向けた彼女が自らの下腹部に備わった秘所をゆっくりと左右へ開いていった。

クチュ・・・
耳に絡み付く程に粘着質で淫靡な、それでいてやや控え目な水音が周囲に弾け、そこから立ち昇る微かな熱が俺の股間を優しく温めていく。
俺はそんな竜膣の誘いにいよいよいきり立ったペニスを近付けていくと、静かにその秘裂へ固くなった先端を押し込んでいた。
ズブ・・・ズチュッ!
「う・・・あっ・・・!」
その瞬間、これまで味わったことの無い凄まじい吸引が俺のペニスへと襲い掛かってくる。
ズジュブッ
その強烈な吸い込みと快感に両足の力が一瞬にして抜けてしまい、俺は崩れ落ちるように肉棒を根元まで彼女の中へ呑み込まれてしまっていた。

ジュブ・・・ギュブッ・・・ズッチュ・・・
「ぐあっ・・・あ・・・ひ・・・あぁ・・・」
更には膣内に備わった無数の細かな肉襞が断続的に蠕動し、なおも熱い肉洞の奥へと雄を引き込んでいく。
「レ、レイコ・・・ま、待って・・・あぁっ・・・!」
まるで掃除機にでも吸われているのではないかと思える程の余りにも激しい吸引力に加えて、獰猛な躍動を繰り返す襞の波状攻撃にピクリとさえ腰を動かすことが出来そうにない。
「あ、あの・・・大丈夫・・・ですか?」
グジュッ!ズギュッ!ズジュブッ!
「うあああぁぁぁっ!」
心配そうな表情を浮かべた彼女の困惑した声とは裏腹に、暴れ狂う雌の器官が捕らえた雄槍を容赦無く締め上げる。
ビュグッ・・・ビュビュビュッ・・・
「が・・・はぁ・・・」
そして精巣から直接精を吸い上げられるのではないかと思う程の吸引に我慢しようという意思さえもが吹き飛ぶと、俺はあっと言う間に大量の屈服の証を彼女の体内に吐き出してしまっていた。

「あっ・・・美味しいっ・・・」
グシッ!グギュ・・・グジュッ・・・!
「ひ・・・ぃ・・・た・・・すけ・・・」
だが射精の余韻も冷めやらぬ内に、無慈悲な搾動が再び開始される。
レイコの方はというと体内に注がれた熱い白濁の感触に酔っているのか、少しばかり上気したように頬を赤らめながら虚空を見上げていた。
そんな何処か暢気な主の様子とは裏腹に、彼女の膣が先程までよりも更に激しく俺のペニスを吸い立てていく。
ギュグッ!ジュブッ・・・ゴキュッ!
お互いに全くと言って良い程体を動かしてはいないというのに、その雌雄の結合部では嵐のような暴虐が無力な雄をこれでもかとばかりに蹂躙し尽くしていた。
「うあっ・・・ま、また・・・出るうぅ・・・」
ついほんの1分程前にもたっぷりと射精したはずのペニスが、またしても絶頂の予感を突き上げてくる。
ビュビュッ・・・ビュルルル・・・
やがて脆弱な理性などでは到底抗い難いその本能を抉るような未曾有の快楽と雄としての屈辱感に、俺は甲高い悲鳴を上げながら成す術も無く彼女の竜膣に雄汁を搾り取られてしまったのだった。

「あうわああぁぁ・・・!」
これまで味わったことの無い異次元の放出感に身の危険を感じながら、血を吐くような叫び声が喉から迸る。
柔らかな腹の上で身も世も無く悶え狂うそんな俺の姿を、レイコがきょとんとした表情で見つめていた。
ゴキュ・・・ズズッ・・・グシッ・・・
「ひああぁっ・・・」
恐らく、彼女自身には雄を責めているような感覚がほとんど無いのだろう。
だが無自覚故に容赦の無い殺人的な搾動が、ようやく2度目の精を吐き出し終えたばかりの肉棒をなおも責め詰る。
これまでその気弱そうな外見と性格を侮って彼女に交尾を持ち掛けた雄竜達が、一体どんな運命を辿ったのか・・・
竜族にとっての"死"を意味する名を冠した彼女の本当の恐ろしさを、俺は今頃になってようやく理解していた。

ジュッ・・・ジュブッ・・・ズチュッ・・・
たった2回の射精でほとんど枯れ掛けている俺の肉棒から更に精を搾り取ろうというのか、殺意にも似た黒い意思を露わにした竜膣の強烈な吸引とペニスを摩り下ろす襞の蠢動が更に激しさを増す。
「レ、レイ・・・コ・・・も・・・止め・・・てぇ・・・」
「え・・・?」
ゴシュッ!グジュッ!ゴリュッ!
「あがああぁぁっ・・・!」
まるで許しを乞う獲物を黙らせるかのように、戸惑いの表情を浮かべて首を傾げたレイコの雌の器官が彼女自身の意思を離れて更なる暴走の一途を辿る。
は・・・早く・・・逃げないと・・・し・・・搾り・・・殺される・・・
徐々に現実味を帯びていく、冷たい死の予感。
その青い炎に炙られた魂が生を求めて微かな抵抗の意識を揺り起こそうと奮闘するものの、全くと言って良い程に踏ん張りの利かないもっちりとした彼女の大きな腹がそんな無力な獲物の悪足掻きを事も無げに捻じ伏せる。

「何だか凄く辛そうに見えますけど・・・その・・・降ろした方が良いですか・・・?」
だが何処までも何処までも深く沈み込むような彼女の腹を必死に掻き毟っている内に鈍感な彼女もようやく俺の異変に気が付いたのか、正に恐る恐るといった様子でそんな声を漏らしていた。
「あ・・・あぁ・・・うぐぁっ・・・!」
その瞬間助けを求める俺の声を封じようとするかのような圧搾がペニスに襲い掛かり、肯定の声が途中から上擦った悲鳴に変えられてしまう。
「じゃあ・・・降ろしますね」
それでも何とか彼女は俺の返事を聞き取ってくれたらしく、ベッドの上に仰向けに横たえたその巨体をゆっくりと横に転がしていった。
それと同時に全く力の入らなかった体が重力に従って彼女の腹の上から徐々にずり落ちて行き、夢にまで見た解放の瞬間が近付いて来たことに生還を喜ぶ安堵の感情が湧き上がる。

「あっ・・・」
だが少しずつ傾けたはずのレイコの体が真横を向いた次の瞬間、急激な重心の移動でバランスを崩したらしい彼女がその竜膣に俺のペニスを深々と咥え込んだまま勢い余ってゴロンとうつ伏せに転がってしまっていた。
ズウゥン・・・
「ぐ・・・えっ・・・」
突如として全身に浴びせ掛けられた凶悪なまでの重量に、踏み潰された蛙の断末魔にも似た短い悲鳴が漏れる。
幾ら彼女の腹の感触にも負けない程にふかふかの巨大なベッドの上だとは言っても、優に数百キロはあるだろう凄まじい体重を誇る体高2メートル近い巨竜に押し潰された衝撃で肺の中の空気が全て吐き出されてしまう。
更にはそのままペニスを幾度と無く無数の細かな肉襞に咀嚼されて、俺は全身の骨が軋む音を聞きながらほとんど空撃ちに近い3度目の射精とともに窒息して意識を失ってしまったのだった。

カーン・・・カーン・・・カーン・・・
「ぐ・・・ふっ・・・ぁっ・・・」
その翌日・・・俺は朝9時を告げるチャイムの音でようやく意識を取り戻すと、全身を蝕む酷い倦怠感に苛まれながらもゆっくりと周囲を見回していた。
そしてベッドのすぐ傍の床に蹲って静かに眠っているレイコの姿を認めてようやく自分の命が助かったことを実感すると、俺は高い天井を見上げながらフーッと深い安堵の息を吐いたのだった。

それから数分後・・・
俺が起きた気配に気付いたのか、静かな寝息を立てていたレイコがようやく目を覚ます。
そしてベッドの上で体を起こしていた俺と目が合うと、彼女は何処と無く不安そうな表情を浮かべていた。
「あっ・・・あの・・・大丈夫・・・ですか?」
「ん・・・あ、ああ、大丈夫・・・だと思う」
「そうですか・・・よ、良かった・・・」
手酷く精を搾り取られながらその巨体に押し潰されたのは正直かなりきつかったのだが、彼女に悪気が無い以上はそれを追及したところで仕方が無いだろう。
それに体への負担はともかくとしても昨夜の体験が俺にとっては十分に満足のいくものだったから、自身の粗相を認めているのか些か狼狽気味に見える彼女に掛けるべき言葉はもう決まっていた。
「昨日は凄く良かったよ。またその内、指名させてもらってもいいかな?」
「え・・・ほ、本当ですか?その・・・あ、ありがとうございます・・・!」
その俺の言葉が余程嬉しかったのか、さっきまで表情を曇らせていた彼女が急にパッと顔を上げる。
「それじゃあまた」
「はい、指名お待ちしてますね!」
そして床に脱いであった服を着てからそんな彼女に手を振って部屋を後にすると、俺は相変わらずギシギシと軋みを上げる体を引き摺るようにして受付へと戻っていた。

「お疲れ様でした。レイコは・・・満足して貰えたかしら?」
「ああ・・・凄かったよ。星の数だけじゃ分からない逸材もいるんだね」
そういって黒フードのお姉さんに顔を向けると、ふとカウンターの奥にある予定表が目に留まる。
「あれ・・・そう言えば今日の日付に赤丸が付いてるけど・・・今日もパートの雌竜が来るの?」
「ええそうよ。実を言うと、最終営業日を今日にしたのはこの雌竜が来る日だったからなのよ」
そう言いながら、彼女が俺と同じように予定表の方へと向き直る。
「本当は従業員の皆も早めに休ませてあげたいから、金曜日には店を閉める予定だったんだけどね」
「そんなに凄い雌竜が来るのか・・・」
わざわざ最終営業日をずらしてまで出勤させたかったくらいなのだから、余程凄い雌竜なのだろう。
「2週間に1回くらいしか出勤しないんだけど、条件が厳しい割に毎回指名が入るのよ」
「条件って?指名に条件があるのかい?」
「余りに過激だから、星10個の雌竜を3回以上指名したお客さんにしか指名出来ないことにしているの」

星10個の雌竜を3回以上か・・・
普段から比較的攻め気質の雌竜を指名することの多い俺でさえが、辛うじてクリア出来ている程の厳しい条件だ。
以前は星5個だったレモンもリニューアル後のプロフィールでは星9個と表示されていた気がするから、今までに俺が指名した星10個の雌竜はボレアスとエステル、それにクイーンの3匹だけのはず。
「じゃあ、俺はその雌竜を指名しても大丈夫なんだね」
「ええ。でも指名するなら覚悟した方が良いわ。ある意味で、ドラゴンの本当の恐ろしさを味わえるでしょうから」
ドラゴンの・・・本当の恐ろしさ・・・?
これまでにも俺は命の危険を感じる程恐ろしい目には何度も遭っているというのに、今夜来る雌竜はそれらを遥かに凌ぐ恐怖をもたらす存在なのだろうか?
だが何はともあれ俺の嗜好からは到底外れそうにないだけに、件の雌竜は是非とも指名してみるべきだろう。

「それは楽しみだね。じゃあ、また今夜来るよ」
「ええ、待ってるわ」
俺はそう言ってお姉さんと別れると、地上へと向かうエレベーターに乗り込んでいた。
2週間に1度来るということはあのナギよりも頻繁に出勤している雌竜のはずなのだが、これまではたまたま俺の来店とはタイミングが合わなかったのだろう。
だが厳しい条件にもかかわらず毎回指名が入るという人気振りを考えれば、今回は是非ともその雌竜を指名してみたいものだ。
そしてそんなことを考えながら日曜日故かまだ10時前だというのに人通りの多い通りに出ると、俺は取り敢えずシャワーでも浴びようと家に向かって歩き始めたのだった。

俺にとってはもう毎度のことなのだが、こうして雌竜天国に通い始めるとその間はほとんど家と店を往復するだけの生活になってしまうのが些か悩みの種でもある。
まあそれはあの店に行くことがそれだけ楽しみであることの証左でもあるのだが、学生だった時に比べると週末の休みが貴重なだけに少し勿体無い気がしてしまうのだ。
だが今日に限って言えば、大人しく夕方まで家でゆっくり体を休めていた方が良いだろう。
故意ではないとは言えレイコの巨体に押し潰されて嬲り尽くされた体が今もまだ悲鳴を上げているし、今夜の相手は指名するのにも厳しい条件が必要なこれまでに無い程危険な雌竜なのだから。

やがて家に帰り着いてシャワーを浴びると、俺はそのまま布団の中に潜り込んでいた。
気を失っていたとは言え睡眠時間自体は十分取れていたのだが、やはりそれで体の疲労が取れるかどうかはまた別問題なのだろう。
目覚ましは・・・夕食を食べる時間を考えても18時に設定すれば問題無いはずだ。
そして他にやり忘れていることが無いかを念入りに確認すると、俺はカーテンを閉め切った部屋の電気を消して静かに目を閉じたのだった。

ピピピピピピピ・・・
俺は枕元に置いていた携帯電話が甲高い電子音を鳴り響かせたとほぼ同時にガバッと体を起こすと、布団から這い出して外出用の服に着替えていた。
日曜日を半日も睡眠に費やすなどここ最近では到底考えられない贅沢な使い方なのだが、今日を逃せば向こう数ヶ月はあの店に行けなくなるということを考えればそこに目的が集中してしまうのは仕方が無いだろう。
そして空腹を満たすべく冷蔵庫にあった余り物を調理して軽く夕食を摂ると、俺は時計が18時半を回ったことを確認してからまだ明るい外に出かけて行ったのだった。

それから十数分後・・・
晴れ渡った空に架かる夕焼けを見上げながら歌舞伎町を通り抜けて例のビジネスビルに辿り着くと、俺は雌竜天国の開店まで6分を指した腕時計に目を落としながら今夜のお相手のことをじっと考えていた。
以前に星10個の雌竜を3回以上指名したことが無いと指名出来ないという条件は、詰まるところそれだけ過激なプレイに対して耐性のある客でないと不都合があるということだろう。
どういう状況であれ客の身の安全は確保されているこの店の中では、大きな腹の中で消化されそうになったり深い竜膣の中で溺れながら押し潰されそうになること以上に恐ろしい状況が余り想像出来なかったのだ。
だがそんなことを考えている内に開店時間がやってくると、俺は受付を開始したカードリーダーへ手にした入館証を静かに読み取らせていた。

ポーン・・・
「いらっしゃい、待ってたわ」
やがて聞き慣れた着階音とともにエレベーターの扉が左右に開くと、奥のカウンターで待っていたらしい黒フードのお姉さんが俺を満面の笑みで迎えてくれる。
「やあ・・・例の雌竜を指名したいんだけど、どうやって検索すれば良いのかな?」
「"性格順"を押して星の数で降順に並び替えればすぐに見つかるわ。ほらそれ・・・1匹だけ料金の安い雌竜よ」
「ん・・・あれ・・・?これって・・・」
その瞬間、俺の目に意外な雌竜の写真が飛び込んで来る。
これまでの話を聞いた限りではてっきりクイーンのような強面で厳つい印象のある雌竜を想像していたのだが、お姉さんが指し示した写真にはとても危険そうには見えない可愛らしい笑みを浮かべた幼竜が写っていたのだった。

名前:スネア(22歳)
体高:0.96メートル(Sサイズ)
体色:紫
眼色:水色
翼:有り
性格:受★★★★★★★★★★攻
得意なプレイ:幻覚責め
口調:幼女
部屋:ノーマル
指名料金:2,000円/日
人気度:31/31(指名回数/勤務日数)
コメント:目が合った相手に様々な幻覚を見せられる不思議な魔眼で、ありとあらゆる責めをリアルに体現出来る幻竜です。
2週間に1度しか出勤しない珍しい雌竜ですが、その人気は絶大の一言。
ただし幼竜故に全くと言って良い程獲物への手加減が出来ない為、指名する際にはどんな過激な責めにも耐えられるだけの覚悟が必要です。
その為、指名は星10個の雌竜の指名経歴が3回以上ある方に限定させて頂きます。

「本当にこの雌竜で良いの?」
「あら、見た目に惑わされちゃ駄目よ。ボレアスやわた・・・クイーンなんかよりよっぽど恐ろしい子なんだから」
こんなどう見ても仔竜という言葉以外に表現しようが無い雌竜が、あの凶暴なLサイズの連中より恐ろしいだって?
だがお姉さんも嘘や冗談を言っている様子は無いだけに、俺は取り敢えず納得してスネアを指名することにした。
Sサイズのパートの雌竜ということで指名料が2千円と安いことが、逆に奇妙な不気味さを醸し出している。
「えーと・・・部屋は地下1階の1番か・・・じゃ、行ってくるよ」
「あ、ちょっと待って。スネアを指名したお客さんには、これを渡す決まりなの」
やがてディスプレイに表示された部屋へ向かおうと俺が席を立ったその時、お姉さんが何かを思い出したかのようにカウンターの奥から何やら小さい物を取り出してきた。

「はい、これよ」
そしてそう言いながら、小さな指輪のような物を俺の眼前に掲げて見せる。
どうやら、水色の綺麗な石が嵌め込まれた銀の指輪に少し長めの麻紐を通した物らしい。
「それ、何だい?」
「もう眠りたいと思ったら、この指輪を指に嵌めると良いわ。それまでは、この紐で指輪を首に掛けておいて」
「眠りたくなったら、これを指に嵌めれば良いのか?」
やがてお姉さんに渡されたその不思議な指輪をじっと見つめながらそう言うと、彼女がほんの少しだけ声を低めて俺の耳元に囁いてくる。
「ええそうよ。指輪は朝に返して貰うけど、絶対に無くしたりしちゃ駄目よ?とっても大事な物なんだから」
「あ、ああ、分かったよ」
俺はそう言って指輪をネックレスのように首にぶら提げると、今度こそスネアに会いに行こうと奥の通路へと足を踏み入れていた。

「1番は・・・ここか・・・」
広い通路に並んだ幾つもの大きな扉・・・
その1番手前にある部屋の前で立ち止まると、俺は緊張を解すように大きく息を吸ってから静かに扉を開けていた。
「あ!お兄さんがあたしを指名してくれたのね!ありがとう!」
カウンターのお姉さんとの遣り取りのお陰で時間を食ったからか、俺より先に既に部屋に到着していたらしい紫色の小さな雌竜がそんな快活な声を上げる。
幼い女の子を思わせるその明るい声色を聞いた限りでも彼女はそれ程危険な雌竜には到底見えないのだが、俺は一応警戒だけはしながらベッドの上に攀じ登って服を脱ぎ始めていた。
だがその瞬間、ボンッとベッドの上に飛び乗って来たスネアがズボンを下ろそうとしていた俺の手を止める。
「服は脱がなくても大丈夫だよ。あたしね、特別に獲物には手を触れちゃいけないことになってるの」
「え・・・?」
獲物って・・・俺のことだよな・・・?
俺に手を触れちゃいけないってことは、彼女はどうやって俺を責めようというのだろうか?
しかしそんな素朴な疑問が脳裏に浮かんだ丁度その時、俺は彼女の水色の瞳を見た拍子にグラリと体が傾ぐような眩暈にも似た奇妙な感触を味わっていた。

「う・・・?」
一体・・・今のは何だったのだろう?
ベッドに座っていたのだから貧血や立ち眩みではないと思うのだが、何だか体の調子がおかしいような気がする。
「あ、あれ・・・ここ、何処だ?」
しかし最初に気が付いた異常は、自分が何時の間にか赤い絨毯の敷かれた部屋に置かれているベッドの上ではなく、視界一面が白い砂に覆われた暑い砂漠の真っ只中に寝そべっていたことだった。
淡いソフトライトが備え付けられていたはずの天井は雲の欠片さえ見当たらない程の快晴の青空で、カンカンと照り付ける灼熱の陽光と乾いた風がジリジリと肌を痛め付けてくる。
そしてふと空を見上げると、大きく翼を広げた紫色の雌竜がこちらに向かって飛んでくる光景が目に入っていた。
あれは・・・スネアだろうか・・・?
全身を覆った紫色の鱗と水色の瞳は明らかにスネアのそれなのだが、体の大きさはこれまで出会ったLサイズの雌竜達よりも更に大きいように見える。
距離感がはっきりしないせいで断言は出来ないものの、体高だけでも10メートル近くはあるのではないだろうか?
だがその雌竜の正体が何であれ、俺は彼女が纏っていた紛れも無い冷たい殺気に身の危険を感じるとガバッと砂の上から体を起こしてその場から逃げ出したのだった。

突然訳も分からず放り出された砂漠の真っ只中で、巨大な雌竜に追い立てられるという未曾有の恐怖。
仮にあの雌竜がスネアなのだとすればこれは幻覚に違いないのだが、照り付ける太陽の暑さや焼けた砂の感触、頬を撫でる乾いた熱風がとても幻覚とは思えない程の現実味を持って俺の五感を刺激する。
実際に見て聞いて感じられる幻覚があるのだとしたら、それはもう現実と区別することなど出来ないだろう。
そしてゴオオオッという風を切る音とともに大きな紫翼を広げたスネアが猛然と迫って来た気配に背後を振り向こうとした次の瞬間、俺は崩れる砂に足を取られてなだらかな砂の坂を転げ落ちてしまっていた。

「う、うわあああっ・・・!」
深々と沈み込むような脆い砂山の崩落に巻き込まれ、体勢を立て直すことも出来ないままゴロゴロと熱い砂の上を転がる視界が空の青と砂の白を目まぐるしく交互に入れ替える。
ドザザァッ・・・
やがて大きな砂丘の麓まで辿り着いたのかようやく転げ回っていた体が止まると、俺はグワングワンと揺れるような眩暈を感じながら荒くなった息を整えるようにしばしの間砂の上に大の字になって快晴の空を見上げていた。
だがそんな束の間の休息を遮るように、俺のすぐ傍に降り立ったらしいスネアの大きな着地音が微かな震動となって砂の地面を伝わってくる。
そしていよいよ俺の眼前にその大きな顔を突き出すと、彼女が不気味な笑みを浮かべたのだった。

「えへへへ・・・やっと捕まえたぁ・・・」
そう言いながら、俺の体よりも遥かに大きなスネアの手がゆっくりとこちらに伸ばされてくる。
ガシッ
「わっ・・・わわっ・・・」
長い間足場の悪い砂の上を走り回った疲労と坂を転げ落ちたことによる全身の鈍い痛みのせいだろうか、俺はほとんど全くと言って良い程に体を動かすことが出来ないまま、彼女に鷲掴みにされてしまっていた。
ギシッ・・・ミキ・・・メキッ・・・
「う・・・ぐ・・・ス、スネ・・・ア・・・苦し・・・ぃ・・・」
やがてこれから何をされるのだろうかという不安が込み上げてくるよりも早く、彼女が掴み上げた俺の体をゆっくりと握り締め始める。
「さてと・・・何をして遊ぼうかなぁ・・・」
だが距離が離れているせいか当の彼女の耳にはそんな俺の弱々しい苦悶の声が届いていないのか、延々と砂丘が続くだけで何も無い周囲をキョロキョロと見回しながら彼女がなおも俺を掴んだ手に力を込めていた。

ミシ・・・ボギッ・・・グシッ・・・
「あ・・・がっ・・・た、助・・・け・・・」
その瞬間、何処かの骨が砕けたかのような鈍い破壊音と凄まじい激痛が全身に跳ね回る。
しかし声を上げようにも肺を潰されそうな程の力で握り締められて、擦れた息を吐き出すのが精一杯だ。
「ん・・・あれ?どうしたの?」
そしてもう完全に声が出せなくなった頃にやっと俺の置かれている危険な状況に気付いたらしいスネアが、随分と驚いた様子でその水色の瞳を大きく見開いていた。
「あ・・・ぐ・・・ぅ・・・」
それと同時に彼女がほんの少し力を緩めてくれたお陰で多少呼吸は楽になったものの、肋骨でも砕けてしまったのか焼けるような激痛が俺の全身を侵し尽くしている。

「何だ、もう壊れちゃったの?これでも優しく持ったつもりだったんだけどなぁ・・・それじゃ、やり直しだね」
や、やり直し・・・?彼女は一体何を言って・・・
しかしその場の状況にそぐわないスネアの不可解な言葉にそんな疑問が浮かんだ直後、俺は止せば良いのに彼女がこれからすることをほとんど本能的に感じ取ってしまっていた。
「えいっ!」
グシャッ!
そして数瞬遅れてやって来た恐怖心に思わず大きな悲鳴が漏れそうになったその時、俺は彼女の軽快な掛け声とともに自分の体が跡形も無く拉げ潰れたことを薄れ行く意識の中で確かに感じたのだった。

それから数秒後・・・
スネアの巨大な手で一溜まりも無く握り潰された俺は、元の雌竜天国のベッドの上で再び意識を取り戻していた。
「う、うわああああっ!」
恐ろしい最期の瞬間に上げるはずだった断末魔の叫びとともに勢い良くベッドから跳ね起きた俺を、最初に目にした時と同じ小さなスネアが面白そうに見つめているのが目に入る。
「あ、あれ・・・今のは・・・ゆ、夢・・・?」
「そうだよ。あたしの名前ね、古い言葉で"夢"っていう意味なの。でも、現実と全然区別が付かなかったでしょ?」
確かに突然広大な砂漠のど真ん中に放り出されていたという突拍子も無い状況にもかかわらず、あの場で味わった全ての感覚が今もまだ鮮明にこの体に刻み付けられていた。

頭上から照り付ける灼熱の太陽と横から吹き付ける乾いた烈風、それに靴も靴下も身に着けていない裸足を容赦無く炙る焼けた砂の感触・・・
そんな全方向から浴びせられる耐え難い程の熱を思い出しただけでも、全身の汗腺という汗腺から大量の汗が噴出してくるような気がしてしまう。
その上見上げる程に巨大な彼女に握り締められたことによる甚大な苦痛までもが脳裏に蘇り、俺は一瞬にして迎えた無惨な最期の瞬間にブルッとその身を震わせていた。
それと同時に、あれが全て夢の世界の出来事だったという大きな安堵感が胸の内に広がっていく。
「あ、ああ・・・俺・・・本当に死んだのかと思ったよ」
「ごめんね。でもあたしの幻覚は本物の夢とは違って、死なないと抜け出せないの。だから仕方無く・・・ね?」
夢の世界とは言えあんなに楽しそうな声を上げながら微塵の躊躇も無く俺を握り潰したというのに、まるでそれが当然とばかりに無邪気な笑みを浮かべている彼女に俺は少しばかり冷たい恐怖を覚えていた。

「とにかく、今度はちゃんと気持ち良くしてあげるから」
「え?あ・・・」
だがそんなスネアの様子に思わず抗議の声を上げようとしたところで彼女の水色の瞳と目が合うと、またしても立ち眩みに似た軽い眩暈が襲ってくる。
恐らくは、これが幻術に掛けられた合図なのだろう。
そして一瞬暗転した視界が元に戻ってハッと気が付くと、俺は何時の間にか無数の煌く星々と大きな満月が浮かんだ夜空を映している、深い森の中に佇む広大な湖の真ん中に浮かんでいた。
「今度は湖か・・・何だか、嫌な予感しかしないな・・・」
取り敢えず今のところは、薄暗い空にも湿った土に覆われた湖畔にもスネアの姿は見当たらない。
何もかもがスネアの思い通りになるこの幻覚の世界で彼女が特に俺を拘束したり最初から姿を見せたりしないのは、きっと恐怖に逃げ惑う獲物を追い詰めて存分に嬲り尽くすという一種の"狩り"の様子を実演したいからなのだろう。

とは言え、俺の置かれている奇妙な状況を除けば相変わらずこの世界は現実のそれと何ら変わり無いように思える。
裸の体に感じる水の冷たさや顔を撫でる夜風の涼しさ、或いは天空から降り注ぐ月明かりの様子や森から聞こえてくる木々のざわめきといった些細なものでさえ、そこに何らかの不自然さを感じさせる要因は全く無い。
これが現実ではなくスネアが見せている幻覚の世界であることを確信させるただ1つの根拠は、ほんの数十秒前まで雌竜天国の一室にあるベッドの上にいたという俺の記憶の存在だけなのだ。
やがてしばらく誰の姿も見えない湖の中を泳ぎ回っていると、俺は突然背後から聞こえて来たザバァッという大きな水音に驚いてその動きを止めていた。
「な、何だ・・・?」
本当は頭では何が起こったのかなど既に予想が付いているのだが、思わずそう声に出してしまったのはきっと胸の内が不安で一杯だったからなのだろう。
そして恐る恐る音の聞こえた方向に視線を向けてみると、やはり現実世界のそれとは比べ物にならない程に大きなスネアが水面から顔を出している光景が俺の目に飛び込んで来る。
だが俺の想像と唯一違っていたのは、水面から飛び出していた彼女の首が1本ではなく8本もあったことだった。

「お、おい・・・そんなのありか・・・?」
まるで日本の神話に伝わる八岐大蛇を連想させるようなスネアの恐ろしげな姿に、俺はようやく彼女が深夜の湖を今回の幻覚の舞台に選んだ理由を理解していた。
俺は・・・彼女に捧げられた生け贄なのだ。
普通なら湖畔に程近い木にでも縛り付けられているというのが本来の姿なのだろうが、そうしなかったのはこの世界の中で俺の行動に干渉できるのは彼女自身のみという制約でもあるのかも知れない。
だが何れにしても広大な湖の真ん中で8本の首を持つ巨大な水竜から逃れる術などあるはずも無く・・・
シュルッ・・・
「ひっ・・・!」
俺はそっと水中を伸びて来たらしい彼女の尻尾が右足首へ巻き付いた感触に、思わずビクッと体を震わせながら小さな悲鳴を漏らしてしまったのだった。

ゆっくりと、捕らえた獲物を焦らすように這い上がってくるスネアの尻尾・・・
その不気味な感触に身を捩る俺の様子を、水色に輝く16個の竜眼が静かに見つめていた。
「うぅ・・・」
この幻覚の世界では俺に逃げ場が無いことなど最初から分かっていたつもりだったのだが、いざこうして巨大な水竜の手の内に捕らわれると絶望的な恐怖心が胸の内に湧き上がってくる。
そしていよいよ足首から太腿にまで強靭な尻尾が巻き付けられると、俺は徐々に迫って来たスネアの首達から逃れるように反射的に身を引いていた。
だが当然と言うべきか、まるで逃げようとしたことへの制裁とばかりに右足に絡み付いた尻尾をグンッと恐ろしい力で彼女の方へ引き寄せられると、何の前触れも無く4本の首が俺の両手足をその大きな顎で咥え込む。
ザバッ!バグッ、ガブッ!
「う、うわあぁっ!」
幸い牙は立てられなかったお陰で特に苦痛の類は感じなかったものの、一気に四肢の自由を奪われたことで軽いパニックに陥ってしまう。
更には水中で大の字に体を固定されると、無防備となった俺の眼前に残りの4本の首が迫って来たのだった。

「さぁて・・・覚悟は出来たぁ・・・?」
「た、助けて・・・」
これから彼女に何をされるにせよ完全に体を拘束されたこの状態では俺に拒否権などあるはずも無く・・・
スネアはそんな俺の情け無い命乞いを聞いて幼いながらも嗜虐的な笑みを浮かべると、水面から突き出しているその首を1本だけこちらへ近付けて来た。
そして間近にまで迫った彼女の大きな顔に視界を塞がれた隙に、他の3本の首がトプンと静かに水中へと沈み込む。
「残念だけど、あたしの幻覚に掛かったら、もう助からないの。だからせめて、気持ち良く果てさせてあげるね!」
ペロッ、レロッ、ザリュッ・・・!
「ひぁっ!?」
やがてそんなスネアの言葉が終わるや否や、全身に強烈なこそばゆさが弾け飛ぶ。
両足の裏や指の間と脇腹、それに両の乳首にザラ付いた6本の舌が同時に這わせられ、俺は高圧電流にも似たその耐え難い衝撃に背筋を仰け反らせてしまっていた。

「ほら、ここもお仕置きだよ」
ジョリリリッ!
「ぐああぁっ・・・!」
更には一瞬遅れて肉棒を大きな舌全体で舐め上げられた挙句、身悶える手足を力尽くで押さえ込まれてしまう。
「う・・・うぐ・・・ぅ・・・」
「えへへへ・・・凄く気持ち良いでしょ?このまま狂い死ぬまで、たっぷり舐め舐めしてあげるからね」
「そ、そん・・・なああぁっ!」
満面の笑みで恐ろしいことをサラッと言い放ったスネアに抗議の声を上げようとしたその刹那、またしても体中の敏感な箇所に鋭い快感が叩き込まれてしまう。
ドズッ・・・ジョリジョリジョリジョリッ・・・!
「あぐああぁっ!」
その上右足に巻き付いていた尻尾の尖った先端が尻の穴へ深々と突き入れられると、それに呼応するように再びギンギンに張り詰めた肉棒が荒々しく摩り下ろされていた。

「ほら、お尻の穴も思いっ切りグリグリしてあげる!」
ゴリゴリゴリッ!
「ひゃああああっ・・・!」
全身のありとあらゆる性感帯に情け容赦無く注ぎ込まれる、余りにも苛烈な快楽の嵐。
身も世も無く大声で泣き叫びながら悶絶する獲物の痴態を眺める彼女の口元には、何時しか残酷な本性を滲ませる微笑が浮かんでいた。
それでもペニスへの刺激だけは幾分手加減されているのか、これだけの壮絶な快楽責めを受けながらもまだ辛うじて射精だけは耐えることが出来ているお陰で体力の消耗は自分で想像していたよりも酷くは無いらしい。
チロチロッ・・・ショリ・・・レロ・・・グリグリッ・・・
「ひぎいいぃ・・・!」
「あれあれぇ?まだ果てないなんて凄いね。それじゃ、あたしも手伝っちゃおうっと」
だが彼女はたっぷり10分近くも掛けて俺を甚振った挙句に明るい声でそう言い残すと、ニヤリと妖しげな笑みを浮かべてから俺の見ている前でゆっくりと暗い水中へ消えていったのだった。

チャポン・・・
大きな竜の首が沈んだにしては驚く程小さな水音とともに、波紋だけが残った漆黒の水面が不穏な静寂を演出する。
ジョリジョリジョリッ・・・!
「ふああっ!?」
しかしそんな不安ばかりが募る数秒の沈黙を挟んで突然2本の大きな舌で挟まれた肉棒が荒々しく磨り潰されると、俺は甲高い悲鳴を上げながら再びビクンと動かぬ体を反り返らせていた。
ゴリッ、ツツツ・・・ショリリッ・・・
「あっ・・・ひいいぃ〜〜っ!」
更にはそれと同時に再開された無慈悲な擽り責めに、無駄な抵抗であることは重々承知しながらも竜の顎に咥え込まれた手足を激しく暴れさせてしまう。

ズリッ・・・ジョリリ・・・グギュッ・・・
「がぁっ・・・も・・・や・・・めて・・・くれえぇ・・・」
逃げ場の無い磔架に括り付けられたまま執拗に全身の性感帯を嬲られるという拷問のような責め苦に、俺はこそばゆさの余り半ば呼吸困難になりながらスネアに許しを懇願していた。
だが仄暗い水の中まで俺の声は届かないのか、或いは聞こえても無視しているだけなのか、震えるように踊る8本の舌先と1本の尾がなおもその激しさを増していく。
初めはほとんど苦痛にしか感じられなかったその舌技による切ない刺激は時間とともに紛れも無い快楽へと変わり、俺は急激に込み上げてきた屈辱的な射精感を歯を食い縛って必死に堪え続けることしか出来なかったのだ。
しかしそんな俺の抵抗を嘲笑うかのように両乳首を舐め回していた2本の舌がペニスを弄ぶ輪の中へと加わると、今まで脇腹を擽っていた舌が入れ替わるようにして乳首を捏ね繰り回し始めていた。

「う・・・うぅ・・・」
力無く水中に漂う睾丸を、ピンと屹立した肉棒の裏筋を、敏感な粘膜に覆われた亀頭を、鑢のように粗い感触を持つ貪欲な竜舌のカルテットが思い思いの動きで責め嬲る。
このまま精を放ってしまったら・・・
彼女の快楽に屈服した雄が一体どんな凄まじい止めを刺されるのか、想像するだけで背筋が冷たくなってしまう。
とは言えこんな過酷な責めを何時までも耐え続けられる程強靭な精神力など俺にあるはずも無く、逃れようの無い終末の瞬間が着実に近付いてきていることだけは確信が持てる。
シュシュッ・・・シュルル・・・
そしてもうこれ以上は我慢の限界だと感じながらもなけなしの力で腰に力を入れた次の瞬間、突然3本の舌が折り重なるように張り詰めた俺の肉棒へと巻き付けられていた。

サバッ・・・
「どう?もう限界でしょ?」
ほんの少しでも気を緩めたらそれだけで暴発してしまいそうな限界ギリギリのペニスが、そんな彼女の言葉に呼応するように舌のとぐろでじんわりと締め付けられていく。
「く・・・うっ・・・」
「このまま耐えられなくなるまで、じっくり締め上げてあげよっか?それとも、一思いに搾られる方が良いかな?」
チロチロッ・・・
「か・・・はぁ・・・」
ロクに声を出すことも出来ないまま顔を顰めて爆発寸前の怒張を押さえ込んでいた俺を詰るように、細く尖らせた舌先が乳首の先端を優しく撫でるように擦り上げていく。

「ほらぁ、どっちでも良いから早く決めてよ。さもないと・・・もっともっと酷い目に遭わせちゃうわよ」
も、もっと酷い目に・・・?
既に気が狂いそうな程の擽り地獄に嵌り込んでもう体より先に心の方が壊れてしまいそうなくらいだというのに、これよりもまだ悲惨な状況など果たして本当にあり得るのだろうか?
だがどちらかと言うと俺がこのまま答えに窮して最悪の選択をしてしまうことを望んでいるかのようなスネアの期待に満ちた表情を目の当たりにして、俺はそれが決してただの脅しではないことを確信したのだった。

「わ、分かった・・・じゃあ・・・」
早く何か答えなければ・・・
途端にそんな焦燥に駆られて言葉を紡いだまでは良かったものの、いざどちらかを選べと言われたらどうしても逡巡してしまう。
スネアの見せるこの余りにリアルな幻覚は俺が死を迎えないと抜け出すことが出来ない究極の悪夢であり、そんな世界で提示された2つの選択肢は詰まるところ俺に死に方を選べと言っているに等しいのだ。
とは言え、どうせ結末が同じなのであればさっさと済ませて貰った方が負担は少ないだろう。
そして意を決してその先を続けようと口を開いた次の瞬間、まるでそのタイミングを見計らっていたかのように何処か意地悪な笑みを浮かべたスネアが楽しげに大声を張り上げていた。

「はい時間切れー!ちゃんと答えられなかった悪い獲物には、きつーいお仕置きが必要みたいだね!」
やっぱり・・・彼女は、最初から俺に答えを選ばせるつもりなど無かったのだろう。
まだ竜としては幼いだけに彼女は外見だけ見れば何処かあどけなさを滲ませてはいるものの、その本質は極めて性悪で嗜虐的な、言わば小悪魔のような性格なのだ。
「あ・・・そ、そんな・・・ちょっとまっ・・・て・・・」
そして寸でのところで突き放された俺の狼狽した表情をうっとりを眺める彼女の背後で、別の首がザバザバッという音とともに水面上へ顔を出していた。
1、2、3、4・・・9・・・10・・・・・・12本・・・?
真っ暗な水の中ではまだ両手足が彼女の顎に咥え込まれている感触が残っているから、今姿を現したのは新たに増やした別の首ということになる。
つまり彼女は、全部で20本もの首を持つ巨大な怪物へとその姿を更に変異させたのだ。

「えへへへ・・・ほらぁ・・・凄いでしょ?これで体中一気に舐め回したら・・・一体どうなっちゃうのかなぁ?」
「な・・・ぁ・・・や、止めてくれ・・・そんなの・・・う、うわああああぁっ!」
たった8本の舌で弄ばれただけでも気が狂いそうな程の苦悶を味わった俺にとって、突如として眼前に出現した12本の紫色の竜の首が水中に沈んでいく様はそれだけでも背筋が凍り付く程に恐ろしかった。
「そんなに心配しなくても良いよ。もし死んでも元の世界に戻るだけだから・・・安心して悶え狂ってね!」
満面の笑みで投げ掛けられる、余りにも残酷な死刑宣告。
だが思わず反射的に喉の奥から競り上がってきた命乞いの声が、不意に両膝の裏へ這わせられた舌の感触にくぐもった嬌声へと書き換えられてしまう。
レロレロッ・・・シュルッ・・・ペロォ・・・
「ひぃっ・・・た、すけ・・・うあひいぃぃっ!」
首に、背中に、脇腹に、内腿に、睾丸に、更には臍や膝頭までもが細く尖った舌先に優しく愛撫され、全身の性感帯という性感帯に残酷過ぎる快感が注ぎ込まれていく。
その上それまで舌が動きを止めていた乳首や足の裏といった部分までもが再び擽られて、俺はほとんど半狂乱になってじたばたと動かぬ体を必死に捩っていた。

「それじゃ、そろそろ止めを刺してあげる。すっごく気持ちが良いから、覚悟してね」
「ああ〜〜〜!うあぁ〜〜〜〜〜〜!」
人間の耐えられる限界を遥かに超えたくすぐったさに最早絶叫するしかない俺の痴態を期待に満ちた表情で見つめながら、彼女がペニスに巻き付けていた3本の舌を一気に引き絞った。
グギュゥッ!
「がぁ・・・ぁ・・・」
ビュビュビュッ・・・ビュルルル・・・
それまでの長い前戯で溜まりに溜まっていた雄汁が、まるで爆発したかのように水中で勢い良く噴出する。
「あはっ!出た出た!」
だが獲物の屈服を喜ぶ彼女はあろうことか射精中のペニスを更に舌のとぐろできつく締め上げると、16本の舌による無慈悲な全身愛撫を更に継続させていた。

チロチロチロッ・・・ペロペロ・・・ジョリリッ・・・
「ひ・・・ぃ・・・も・・・ゆ・・・るし・・・てぇ・・・」
ザラ付いた肉塊に押し潰された肉棒から溢れ出す精は衰えるばかりか更にその勢いを増し、既に苦痛と同義になった無情な快楽の嵐が俺の精神をゆっくりと突き崩していく。
このままじゃ・・・壊れ・・・る・・・
やがてそんな予感というよりは確信に近い危機感を感じつつも、俺は全身をガクガクと痙攣させながらただただ死という名の安寧が訪れることをひたすら天に祈り続けることしか出来なかったのだった。

ビュグ・・・ビュルビュル・・・
絶え間無く続けられる地獄の擽り責めに、長い長い射精が終わる気配はまだ感じられない。
俺はもう目も虚ろでほとんど呻き声さえ上げられない程に酷く衰弱しているというのに、霞んだ視界の中に映るスネアは相変わらず邪な笑みを浮かべたまま俺の顔を見つめ続けていた。
だがそんな俺の絶望を存分に愉しんだということなのか、やがて彼女が無数の舌と首で絡め取った俺の体をゆっくりと暗い水中へ引き擦り込んでいく。
「う・・・ぐ・・・がばっ・・・ごぼぼっ・・・」
ただでさえ窒息する程の息苦しさに苛まれていたところへ水責めという新たな負担が加わり、俺はもがくことも出来ないまま溺れる苦しみと精を根こそぎ搾り取られる苦悶を同時に味わわされていた。
助け・・・て・・・死・・・ぬ・・・
頭の中ではこれが幻覚の世界・・・ただの悪い夢であることは理解しているつもりだったものの、いざ死に際の苦しみを味わうとそんな理性などよりも生存本能の方が上回るのは自明の理。
しかし正に死に物狂いという言葉を体現したかのような激しい抵抗を事も無げに捻じ伏せられると、俺は冷たい水の底で意識を失うまで拷問のような舌責めに蹂躙され続けたのだった。

「うわああっ!」
その数秒後、究極の悪夢から目覚めた俺はまたしても断末魔の悲鳴とともにベッドから飛び起きていた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・は・・・ぁ・・・」
全身を拘束されたまま水の中に沈められるという想像するだに恐ろしい状況からの"生還"に、まるで周囲の空気を貪るように荒い呼吸を何度も何度も繰り返す。
「ね?すっごく気持ち良かったでしょ?」
そしてようやく俺が落ち着いたのを見計らうと、スネアがそんな弾んだ声を投げ掛けて来た。
「う・・・あ、ああ・・・ま、まあね・・・」
現実世界では特に体に何の異常も無いのだが、彼女の幻覚による精神的な疲労は凄まじいものがある。
しかしやっと平和な世界へと戻って来れたことに油断したのか、俺は不用意にも顔を上げて無邪気な悪意に満ちたスネアの水色の竜眼を再び見つめてしまっていた。

「あっ・・・」
その瞬間またあの視界がグラリと傾ぐような強烈な眩暈に襲われ、またもや逃げ場の無い彼女の世界に迷い込んでしまう。
今度の世界は・・・一体何処なのだろうか・・・?
一瞬にして切り替わった周囲の景色は、一見すると広い洞窟の中のようだ。
広間から幾つか伸びている通路の他に外へと続くような入口は何処にも見当たらないのだが、天井付近に開いている幾つかの小さな穴からまるで木漏れ日のように明るい陽光が降り注いでいる。
そしてどうせ逃げても無駄だろうという諦観とともに静かにその場でスネアの登場を待っていると、やがて漆黒の闇に覆われた通路の1つから何の前触れも無く彼女がその姿を現していた。

「あ、あれ・・・?」
だが意外にも、今度はこれまでとは違って見上げるような巨竜の姿ではないらしい。
それどころか、まるで掌の上にでも乗ってしまいそうな程に小さな小さな小竜へとその姿を変えていたのだった。
「えへへ、お待たせ!」
「ス、スネア?そんなに小さくなって、どうしたの?」
「この夢の世界なら、あたしはどんな大きさや姿にでもなれるのよ。中でも1番喜んでもらえるのは、この姿なの」
確かに、普通のSサイズではこれ程小さな雌竜を指名することは出来ないだろう。
今の彼女は体高約10センチ程で、インコやハムスターと同じくらいのサイズしかないのだ。

「それで、今度はどうするんだ?」
「あら、決まってるじゃない。こうするの!」
やがてそう言うと、スネアが突然驚くべき跳躍力で俺の肉棒目掛けて飛び掛かって来た。
ガシッ
「わっ!」
そしてまだ力無く垂れ下がっていたペニスに器用にしがみ付くと、両腕と両足でそのふやけた肉棒を力一杯抱き締める。
ギュウッ・・・
「ふぁっ・・・あっ・・・」
だがたったそれだけの刺激だったにもかかわらず、柔らかいスネアの腹の感触と小さな体に似合わない凄まじい怪力に俺はあっと言う間に腰が砕けてヘナヘナとその場へ座り込んでしまったのだった。

「ほら、ギュッギュッギューッてしてあげるね!」
そう言いながら、スネアがなおもペニスをきつく締め上げてくる。
「は・・・ぁ・・・」
裏筋に当たるゴツゴツとした硬い鱗に覆われた腕の感触と亀頭がフカフカの腹に包まれる優しい温もりが相俟って、俺は特に何の拘束も受けてはいないというのに手足が甘い痺れに冒されていくのを感じていた。
「ついでにここも舐めてあげよっか?」
チロチロッ・・・
「ひゃぁっ!」
更には細長い小さな舌で敏感な鈴口を舐られて、その鋭過ぎる快感に思わずビクンと全身を震わせてしまう。

「んふふ・・・」
グリグリ・・・レロレロレロッ・・・
「や、やめ・・・くすぐった・・・ああぁっ!」
ビュルルッ・・・
「ん・・・」
ピンポイントに快楽のツボを刺激する舌と手による愛撫に屈服し、俺はほとんど抵抗することも出来ないまま情けなくも暴発させてしまっていた。
鈴口を舐めていたせいで勢い良く噴き上げた精を顔一杯に浴びたスネアが、満足げな笑みを浮かべながらその白濁を長い舌で舐め掬っている。

「はぁ・・・ぁ・・・」
自分では力を入れているつもりなのだが、地面にへたり込んだまま震えている手足は全く動く気配が無い。
どうやら余りの気持ち良さに、起き上がろうという意思さえもが既に砕け散ってしまったらしかった。
「あは、凄く美味しい!もっと頂戴!」
ズブブ・・・
「ふあぁっ!」
やがて快楽の余韻に半ば惚けていた俺の尻穴に、こちらも細長い彼女の尻尾が一気に突き入れられる。
グリッ・・・グリリッ・・・
「えぇっとぉ・・・この辺りかな?」
ドスッ
「ひぁっ!?」
更には肛門を貫いた尻尾を必要以上に左右に捻りながら先端で俺の直腸内を弄ると、適当に当たりを付けたらしい前立腺が尖った先端で突然突き上げられていた。

「あれぇ〜?もう少し奥かな・・・」
ズプッ・・・ドスッ・・・
「ひぃっ・・・や、止め・・・ぐあっ!」
体内を針で突き刺されるような微かな痛みとその数倍の危険な快感が断続的に叩き込まれ、俺はその度に電流を流されたかのようにビクッと腰を突き上げていた。
だがそうこうしている間にもペニスに抱き付いたスネアが、まるで抱き潰さんばかりに大きな力を秘めた小さな両手足に力を込める。
ギリッ・・・ミシ・・・チロロッ・・・ゴリゴリ・・・
「うあ〜〜〜!」
その小さな体をフルに使って的確に弱点を責める彼女の手練手管に、俺は甲高い嬌声を上げながら悶え狂っていた。
ペニスを撫で上がる小さな手が、首尾良く前立腺の位置を探り当てた鋭い尻尾が、そして精に塗れた先端を弄ぶ細長い舌が、耐え難い程の快感を次々と呼び起こしていく。

「ほら、止めだよ!」
グシッ!ドズッ!ジュプッ!
「ひあぁっ・・・は・・・ぁ・・・」
ドプッ・・・ビュククッ・・・
こんな片手に乗るような小さな雌竜に好き放題弄ばれて、俺は雄としての屈辱を感じながらまたしても盛大に精を噴き上げてしまっていた。
「わっ・・・出た出た・・・」
「ひいぃ・・・な、舐めないでぇ・・・」
溢れ出した屈服の証を舐め取る舌のこそばゆい感触に、もう頭が変になりそうだ。
だが彼女は綺麗に精を舐め取った末に快感と疲労の余り力尽きた俺から離れてピョンと地面に飛び降りると、まるで何かを思案しているかのように俺を見つめながら首を捻ったのだった。

「あうぅ・・・」
「あ、そうだ!」
やがて激し過ぎる射精の余韻と疲労感に力無い呻き声を上げるばかりだった俺に、スネアがそう叫びながら何処か安心の出来ない笑みを向けてくる。
そしてそんな不吉な予感を胸の内に抱きながら恐る恐るスネアの様子を窺っていると、俺の掌に乗るくらいに小さかった彼女の体が目の前でどんどんと大きく膨れ上がっていった。
先程までの体格的な優位が一瞬にして逆転し、見上げる程の巨竜となった彼女を見つめる俺の顔に深い絶望の表情が貼り付いていただろうことが自分でも容易に想像出来てしまう。
そして高さ20メートルはあろうかという高い洞窟の天井に鼻先が届く程の凄まじい巨大化を遂げると、彼女が重々しい地響きを立てながらゆっくりとその巨体を仰向けに引っ繰り返していた。

ズズズ・・・ズウウゥン・・・
「ひぃ・・・」
目の前で動く余りにも巨大なドラゴンの存在に、思わず本能的に体を縮込めてしまう。
だが彼女は地面にしゃがみこんで動けなくなっていた俺を今度は慎重に2本の太い指で摘み上げると、優に地上から10メートル以上も離れた自身の鼻先へと俺の体を翳していた。
「わわっ・・・は、はな・・・さないで・・・」
目も眩むような高所にたった2本の指に挟まれた状態で吊り下げられているという絶体絶命の状況に、思わず喉まで出掛かった"離してくれ"という言葉を必死に呑み込む。
下手に暴れればそれだけで遥かな眼下へと投げ落とされそうで、俺はまるで耳を掴まれて持ち上げられた兎のように全ての抵抗の意思を圧し折られてしまっていた。

「それじゃあ、上と下、どっちが良いかなぁ?」
「え・・・?」
上と・・・下?
彼女は、一体何を言っているのだろうか?
だが危機的な状況だけに安易な答えを返すわけにもいかず、俺は返答に詰まったままゴクリと息を呑んでいた。

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このページへのコメント

では9/2に絵チャでお待ちしております。

0
Posted by 風竜 2015年08月29日(土) 13:40:44 返信

9/2頃まで時間取れないと思います
その日であれば大丈夫です

0
Posted by SS便乗者 2015年08月29日(土) 12:23:36 返信

こんばんは、2体ほど竜のネタが頭をよぎったのでよければ又絵チャでご相談宜しいですか?今回出すかは主に任せます。

0
Posted by 風竜 2015年08月28日(金) 20:42:47 返信

こんな繁華街の奥深くにまさか子竜一匹で通ってる・・・なんて事は無いでしょうし、ねw

0
Posted by Flora 2015年08月26日(水) 02:19:54 返信

なるほど、良いかもしれないですね!

0
Posted by SS便乗者 2015年08月26日(水) 01:44:27 返信

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