タグ検索で♂竜×♂人間15件見つかりました。

天国から続く階段

「よし、今日も無事終わったな。平日が少ないと仕事が終わるのか逆に不安になっちまうよ」 「そういや今週もまた3連休か。あと10日もしたら消費税も上がっちまうし、今週末の予定はもう決まってるのか?」 何時も業務が集中する金曜日にしては珍しく順調に仕事を終えた俺は、隣の席で同じく定時5分前の時計を悠然と見上げている同僚とそんな会話を交わしていた。 「いや・・・ここ最近は正直することがなくてさ。6月にボーナスも出たのに金を使う機会が無いから貯まる一方だ」 だが丁度俺がそう言った時、こちらに向けられていた彼の視線が…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%a... - 2019年12月06日更新

渓流を染めし蒼

物々しい武装に固められた無数の船と大勢の屈強なハンター達が行き来する、大港タンジア。 その一角に建てられたとある1軒の家の中で、大勢の子供達に囲まれた1人の老人が深紅の宝玉を掲げていた。 「子供達や・・・これが何か判るかね?」 見る者の目を吸い付けて離さない奇妙な魅力と妖しさに満ちたその不思議な宝玉に、今もまた20以上の小さな目が正に興味津々と言った様子で釘付けになっている。 「それ、一体何なんですか?」 「これはな、世に言う"火竜の紅玉"という石じゃ。今では、それ程珍しい物ではなくなってしまったがの」 …

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b7%cc%ce%ae%a4%f... - 2013年07月20日更新

恋の回り道

「うう・・・ん・・・」 心地良い眠りを妨げる眩い朝日の感触に、妾は気怠い唸り声を上げながら細い腕で自身の目を擦っていた。 そして輝くように明るい窓から逃げるようにゴロリと反対側へ寝返りを打つと、ベッドの外へはみ出した足にひんやりとした冷気が纏わり付いてくる。 全く、人間の寝所というものはどうしてこうも心地が良いのだろうか・・・? やがて相変わらず目を閉じたまま両腕で抱き抱えていた大きな枕を耳の下へ宛がうと、妾は夜の間に布団の中へたっぷりと溜め込んだ温もりを貪るようにしばらく身を捩っていたのだった。 ここ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ce%f8%a4%ce%b2%f... - 2014年08月26日更新

南国の竜達

「ハリー、向こうにはどのくらいで着くの?」 「大体5時間半ってところだ。尤も、飛行中はほとんど海しか見えないから寝てた方が退屈しないで済むよ」 「じゃあ、そうするわ。折角の新婚旅行なのにちょっともったいないけど・・・」 私はそう言うと、炎天に熱せられた空港の滑走路へと窓越しに視線を落としていた。 ハリーとはハイスクール時代に出会ったのだが、この私に一目惚れでもしたのか当時から何かと私のことを気に掛けてくれたその優しい性格に惹かれて付き合い出したのはもうかれこれ5年も前のことだ。 彼の父親はやり手の実業家で…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c6%ee%b9%f1%a4%c... - 2013年04月22日更新

神竜の村

知らない土地に旅をするというのは、知らない文化や習慣に触れられるという点では非常によいものだ。 聞き慣れない言語、見慣れない芸術、耳慣れない音楽。 だが、場合によってはそれらを知らずに未知の土地へと足を踏み入れることが命取りになる場合もある。 大勢の人間が、霧の深い山道を行進していく。 その人の列の真ん中で、1人の男が両手足を麻縄できつく縛り上げられたまま担ぎ上げられている。 まるでイモムシのように全身を縛り上げられたその男の顔には、恐怖と不安の色がありありと浮かんでいた。 ほんの2時間前、俺は世界中を…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bf%c0%ce%b5%a4%c... - 2008年08月12日更新

会議

「う、うーん・・・」 暗い闇の中で、俺は眠りから目覚めた。いや、眠った記憶はない。 ・・・そうだ、街で夜遊びしてから帰る途中、俺は突然誰かに襲われたんだった。 最後に見たのは人間のものとは思えない不思議な形をした影だったような気がする。 辺りを見回しても、平らな床にここが屋内だということがわかった以外は何も見えなかった。 ここはどこだろう・・・?いや、ここがどこかなんてことはどうでもいい。 問題は俺がなんでこんなところにいるのかってことだ。 きっと俺を襲った何者かがここまで運んできたんだろう・・・でも、何…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b2%f1%b5%c4... - 2008年08月12日更新

子育て

"辰子山の行方不明者 例年の3倍" "秋の入山禁止令発令" 夏のある日、僕は大学から帰る途中にたまたま見つけた図書館で、去年の新聞を読み耽っていた。 ここ数年、9月から10月にかけて辰子山に登った人達が行方不明になるという事件が頻発し、世間を賑わせているらしい。しかも、行方不明になるのは決まって若い男性ばかりだった。 この不気味な謎は、将来新聞記者を目指す僕の好奇心を掻き立てずにはおかなかった。 きっと謎を解いてやる。そう思い立つと、僕はもうすぐ来る秋に向けて期待を膨らませた。 例年になく暑かった夏が終…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%d2%b0%e9%a4%c... - 2008年08月12日更新

契約の書

「う…う〜ん……ここは、どこだ…?」 青年は、気付くと薄暗い洞窟の中のような場所に倒れていた。 そして、自分の身体を見回す。しかし、どこにも『異常』はみられなかった。 「あれ…おかしいな…ドラゴンになれると思ったのに」 なぜおかしいのか。 これより数時間前にさかのぼる。 「よしっと、コレで準備完了! 後は…寝るだけだ〜!」 彼の名前は、柏木 輝(かしわぎ あきら) どこにでもいる普通の高校生である。 どこか違うといえば、異常なまでに「ドラゴン」が好きだったこと――くらいだろうか。 今日、学校の図書館…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b7%c0%cc%f3%a4%c... - 2012年04月03日更新

紅き大老

「ぐ・・・うぅ・・・」 幾本もの燭台に灯された淡い蝋燭の明かりの中に、初老の男の苦しげな呻き声が響き渡っている。 「お、王様・・・あまり無理をされてはお体に障りますぞ」 「ふふふ・・・ワ、ワシも歳を取ったものだな・・・この程度で・・・ぐ・・・体が音を上げるとは・・・」 ほんの数日前、彼はここ最近親愛なる城下の民を苦しめていた毒の息を吐く悪竜の退治へと向かった。 そして東の山奥に潜んでいたその悪竜の住み処を数人の腕の立つ兵士達とともに急襲し、奇跡的に1人の犠牲者も出すことなく討伐に成功した・・・はずだったの…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b9%c8%a4%ad%c2%e... - 2008年08月12日更新

調教

&ref(https://image02.seesaawiki.jp/m/a/moedra/1ad729ed.jpg) ジャラッという金属の擦れる音で、僕は目を覚ました。 キョロキョロと辺りを見回してみるが、何か柔らかいものの上に乗っているということ以外は真っ暗で何もわからない。 えっと・・・僕・・・一体どうしたんだっけ? ああ、そうだ・・・確か山の中でいきなり大勢の人間達に囲まれて・・・捕まったんだっけ・・・ 何か大きな音のする鉄の棒を向けられたような気がするけど、それからどうなったのか記憶が途切れて…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c4%b4%b6%b5... - 2008年08月12日更新

ひととせの仔竜

「気をつけて行ってくるのよ」 「なに、ほんの1年のお別れだよ」 2匹の大きな生物が、体長1メートルくらいの小さな生物に交互に話しかけた。 「うん、行ってくる!」 小さな生物―――短いフサフサの毛に覆われ、小さな手足と尻尾を持った黄色のドラゴンは、両親の見送りの言葉に後押しされて人間界へと旅立った。 ドラゴンの世界では、13歳になった雄のドラゴンを、人間界で1年間旅をさせる慣わしになっていた。 もっとも、人間界のことをよく知らぬ大抵の子竜は、高校や大学へ通う1人暮しの男の子の家に突然押しかけてはそこでひっそ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a4%d2%a4%c8%a4%c... - 2008年08月12日更新

生贄の少年

「なかなかちょうどいい子がいないわね」 「そりゃそうよ。だから私達、いつもいつも10日以上も時間をかけて探してるんじゃないの」 「あ、みてあの子、命数がのこりわずかよ」 「あらほんと、それに年もいい感じだし。あの子にしましょうか」 僕は今まで「特別な事」に出会ったことがなかった。 テレビや雑誌で出てくるようなドラマティックな出来事なんて絵空事だと思ってたし、僕にとっては身の周りに起こらないことなんて、宇宙の外で起こってることと変わりなかった。 高校からの帰り道、僕はいつものように長い長い通学路を歩いてい…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%b8%ec%d3%a4%c... - 2008年08月13日更新

竜と僕と竜の僕

我が名はアーサー・ガン・ランス。今においては何事もなく私の親友とともに暮らしている。私の親友というのは… 「おい、アーサー。今日はこんなに天気なんだ。退屈凌ぎに少し外で己の身を磨き合おうぞ。」 この少しばかりせっかちな奴のことだ。 「あ、ああ…。」 「どうしたんだ?」 「…え?あ…、す、少し考え事をしていただけさ。」 「考え事??」 「ああ。俺とお前が出会ってからちょうど2年目じゃないか。だから昔を少し思い出していたんだ。」 「ああ、そうだったな。では退屈凌ぎはいったん保留か…。」 濃い緑色のドラゴンが名…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ce%b5%a4%c8%cb%c... - 2009年12月21日更新

塔上の煌き

雲を突くほどの高さにまで伸びる古の塔。 その周囲を覆うどんよりと曇った空からは所々陽光が筋となって差し込んでいるものの、それは決して神聖な趣ではなかった。いやむしろ、そこにあるのは見る者の足を竦ませる不吉な気配。 そして永きにわたって人間の接近を拒んできたその古塔の最上部で、蒼き鱗を身に纏った1匹の巨獣が怒りの表情を浮かべて眠っていた。 その獣の名はナナ・テスカトリ。遥か昔からこの地に伝わる伝説の古龍種の末裔である。 名に冠したナナの字は"妃"を意味し、獅子に似た殺気漲る形相で炎を自在に操るその様に、人々…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%e3%be%e5%a4%c... - 2008年08月12日更新

山小屋の一夜

「何!人間の街を見に行きたいだと!?ならん!断じてならんぞ!」 深い霧に覆われた山奥の森で、巨大な一枚岩の上に乗った年老いたドラゴンが叫んだ。 その威厳に満ちた彫りの深い顔に、ささくれた緑色の鱗に、そして雪のように真っ白になった長い髭に、彼が悠久の年月を生きてきた証が表れている。 怒りというよりは焦りに近い表情で老竜が見つめる先では、まだ生まれて数年の幼い仔竜がしゅんと縮こまっていた。 「だって・・・僕、ここにいてもつまらないんだもん・・・」 仔竜は暗い表情でそう呟いた。確かに、この薄暗い森で生涯の全てを…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%b3%be%ae%b2%b... - 2008年08月12日更新

どなたでも編集できます