タグ検索で♂竜×♀人間21件見つかりました。

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頽廃を憂う貴族竜

ここは周囲を深い森に囲まれた、正に陸の孤島とでも言うべき王都ミリード。 豪奢な意匠を誇る巨大な城の周囲には人口2万人が暮らす広大な街並みが広がり、外界と途絶されているという一見過酷な環境に置かれているにもかかわらずこの王都は実に600年余りにも亘って密かな繁栄を続けていた。 「イーリーン、早く起きなさい!今日は午後から選民の儀式があるの、分かってるでしょう?」 ある日の朝・・・私は心地良く寝ていたところにそんな母の大声を浴びせられて、不満気に眠気眼を擦りながらゆっくりとベッドから体を起こしていた。 だが…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%f0%f8%c7%d1%a4%f... - 2019年12月19日更新

時には徒花のように

春の明るい朝日に照らされた古めかしい城壁。 かなり小さな国ではあるものの、この国を治める父には子供の私から見ても王らしい威厳と風格が備わっている。 だが20歳の誕生日を迎えたある日、私は突然父の寝室へと呼び出された。 「なあ娘よ、お前ももう今日で20歳だろう?もうそろそろ誰かと結婚してもいいのではないか?」 「あら、ちょっと前までは迂闊に結婚などするなと言っておりましたのに、一体どういう風の吹き回しですの?」 「ふぅ・・・ワシも正直、求婚のため連日この城を訪れてくる男達の相手に疲れてしまったのだよ」 父は…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%fe%a4%cb%a4%c... - 2008年08月12日更新

昏き執念の果てに

清々しい木漏れ日の降り注ぐ、広大な深い森の中・・・ あたしは朝から続いていた空腹をやっとの思いで捕らえた仔鹿で何とか満たすと、木々の間に開けた小道で腹ごなしに食後の散歩を楽しんでいた。 あたしももうすぐ20歳・・・まだまだ竜としては幼い子供のようなものだが、手足を覆った赤色の鱗が徐々に徐々に明るい紅色へと色付いてきているのがはっきりと感じられる。 あたしの母親がそうであったように、どうやら私は歳を重ねる毎に元々淡かった体色が段々と深く濃い色へと変化していく種の竜らしかった。 どうしてそんな体質があるのかは…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%aa%a4%ad%bc%b... - 2012年10月27日更新

砂塵舞う闘技場

今より遥か昔、2世紀後半を迎えた古代ローマ帝国は暴君ドミティウスの圧政のもとで民衆達に野蛮な娯楽を提供していた。 決闘・・・そう言えば聞こえはいいが、その内容はほとんど公開処刑と変わらない。 奴隷に身を落とした者達が今日を生き残るため、あるいは腕に覚えのある闘士達が日銭を稼ぐため、巨大なコロシアムを埋め尽くした3万人を超える観衆の前で日々命を賭けた凄惨な戦いが繰り広げられるのだ。 ある時は鎧を身につけていない軽装の闘士達が剣と盾を打ち鳴らし、またある時は腹を空かせた獰猛なトラやライオンが憐れな挑戦者に牙を…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%bd%bf%d0%c9%f... - 2008年08月12日更新

桃色の毒花

何処までも何処までも永遠に続くかに思える、僅かな弧を描く水平線。 私は静かな水面を湛えた大洋を進む大きな船の舳先に立ったまま、到着までまだ優に10日は掛かるであろう遠い異国の地へと思いを馳せていた。 だが晴れ渡った空を見上げていた私の耳に、不意に随分慌てていると見える荒々しい足音が届いてくる。 「ああ、クローナ殿!ここにいらっしゃったのですか?随分探したのですよ」 「どうかしたの?」 やがて私の前に姿を見せた2人の男達が、そんな私の質問に焦燥を募らせた声を上げていた。 「船員の1人が、急に意識を失ってバッ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%ed%bf%a7%a4%c... - 2013年06月03日更新

悲劇の秘薬

「うぅ・・・うあぁ熱い!熱いよお姉ちゃん!」 「しっかりしてマルコ!ああ、どうすれば・・・」 全身汗だくになりながら高熱にうなされる少年。 ―――3日前 昼間、マルコは遊びに行くと言って村の隣にある森に入ったまま行方がわからなくなった。 やがて夜になってから姉のミリーがそれを心配して村人総出の捜索を始めたところ、明け方になって大きな木の下で倒れているマルコが見つかったのだった。 そしてその日を境に、マルコは40度の熱を出してうなされ続けていた。 「だめじゃ、毒蛇に噛まれたのか、虫に刺されたのか、はたま…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c8%e1%b7%e0%a4%c... - 2008年08月12日更新

捨てたはずの剣

「おお、こいつはまたでかい獲物だな!それにここらじゃ滅多に採れない薬草までこんなに!」 「全部で幾らだい?」 「これなら金貨10枚は払うよ。それで譲ってもらえるならワシとしては安い買い物だ」 目の前に並べられた大きな2頭の猪と化膿止めや痛み止めに効果のある薬草の束。 それらを目にして、町の通りに露店を開いていた老齢の店主が喝采の声を上げる。 「よし、それで売ろう」 その提案に快く交渉成立の声を上げると、俺は彼から金貨の入った麻袋を受け取った。 空を見上げれば茜色に染まった山々の稜線が、町の周囲をグルリと取…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bc%ce%a4%c6%a4%b... - 2010年10月26日更新

細き指先には抗えず

ズッ・・・グチュ・・・ 「うっ・・・く・・・ふぅ・・・」 「フフフ・・・いいねぇ・・・随分と慣れてきたようじゃないか・・・」 淡い月明かりさえも差し込んで来ない暗い洞窟の奥底で、雌雄の竜が熱い一時に身を委ねていた。 寝床の上に横たわる真っ赤な鱗を纏った巨大な雌竜の上で、それよりも一回り小さな雄の黒竜が結合部より絶え間なく注ぎ込まれてくる無上の快楽に耐えようと忙しなく身を捩っている。 やがて甘過ぎる愛撫の坩堝に耐え切れなくなったのか雄竜が逃れようとして腰を引くと、すかさず屈強な雌竜の尾がそんな薄情な雄を引き…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%d9%a4%ad%bb%d... - 2008年11月11日更新

禁忌の報い

活発な人と物資の流れに栄えるノーランド王国。 隣国の領土へと伸びる幾本かの街道を除けば周囲をグルリと深い森に囲まれているこの国の名は、ほんの6、7年程前までは非常に危険な国の代名詞でもあった。 決して、国の治安が悪かったわけではない。 国の兵達は皆健康で団結心が強く、今は隠居している当時の王も民に善政を敷き大いに慕われていた。 だがこの国に向かって延々と深い森の中を突き進む街道やその周辺の森には自由に人間に姿を変えることのできる危険なドラゴン達が数多く巣食っており、それらが道行く人々を襲っていたのだという…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b6%d8%b4%f7%a4%c... - 2008年08月12日更新

闇夜を照らす紅蓮

「姉さん、もう起きてる?」 まだ外が薄暗い午前4時・・・俺は姉の寝室から漏れていた明かりを見て扉越しにそう呼び掛けると、すぐに返って来た心配そうな姉の声に小さな溜息を漏らしていた。 「ええ・・・余り眠れなくて・・・ずっと起きてたわ」 無理も無い・・・家で独り弟の帰りを待つ姉にしてみれば、出立の朝は不安で眠れないのも当然だろう。 だが、これも生活の為なのだ。 幼い頃に両親を病気で亡くして以来、たった3歳しか年の違わない姉は女手1つで俺を育て上げてくれた。 学問を修めるだけのお金の余裕が無かったせいもあって俺…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%c7%cc%eb%a4%f... - 2014年05月08日更新

追憶の闇

「はぁ、はぁ・・・」 一面尖った石ころに覆われた地面に両手をついて荒くなった呼吸を整えると、私は遥か山頂付近に顔を覗かせた大きな洞窟の入口を振り仰いだ。 あと少し・・・あと少しで、長く辛かった迷走の人生にも終わりを告げる時が来る。 私はこの絶望に彩られた半年の間、周囲の人々に好奇の目を向けられようとも、或いは心無い人々の嘲笑の的になろうとも、ひたすらにある目的の為に生き続けてきた。 全ては、あの洞窟を見つけるため・・・そして、ある復讐を果たすため。 私は目前にまで迫った目的地に気力を奮い起こすと、1歩、ま…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c4%c9%b2%b1%a4%c... - 2008年08月12日更新

親の心子知らず

Dragon-side [[Human-side>親の心子知らず2]] 「く・・・う・・・」 頑丈そうな鎧を纏い、鋭い銀光を照り返す剣を構えた3人の男達。 だが彼らは、少し離れたところで我を取り囲んだまま1歩も動けずに固まっていた。 「どうした・・・お前達は、我を殺しに来たのではないのか?」 やがてそんな静かな挑発に乗ったのか、不意に我の背後で微かな殺気が放たれる。 「うおおおっ!」 ガギィン! だが予め背後の男が斬り掛かってくることが分かっていた我は、ほんの少しだけ己が巨体をずらすとその剣先を紙…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bf%c6%a4%ce%bf%b... - 2011年09月16日更新

親の心子知らず2

[[Dragon-side>親の心子知らず]] Human-side 「グルルルル・・・」 深い住み処の洞窟の奥で不穏な唸り声を上げる、赤鱗を纏った巨大な雄のドラゴン。 その灼熱の吐息を漏らす口元から、怒りとも困惑ともつかぬ唸り声が周囲に霧散する。 「貴様・・・一体何者なのだ?」 その巨躯に比すれば余りにも卑小な眼前の人間の娘に対するドラゴンの狼狽を含んだ声に、私は無言を保ったまま手にした長剣をそっと構え直していた。 別段、その質問に答える気が無かったわけではない。 だが口内の喉袋で密かに炎を唸ら…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bf%c6%a4%ce%bf%b... - 2011年09月16日更新

顕竜刀記知愛之巻

 (―――マたカ)  彼は苛立だしげに喉の奥で唸ると、爬虫類に酷似した瞳孔を細め周囲を窺った。もう何 度繰り返してきたかしれないその行為は、またしても徒労に終わる。  (ダが、イる……)  周囲は深い森の中、一頭の年若い雄竜は不安を確かにしつつ四肢の歩みを再開した。薄 緑の鱗はまだ歳月の綻びを知らず瑞々しい輝きを湛え、頭部の角も完全に伸びきっていな い。さしずめ幼年期を終えたばかりといった所。彼は今勝ち得て間もない餌場に出向く途 中、思わぬ追跡者に悩まされていた。  グオ! オ、オォウッ、オオオオ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b8%b2%ce%b5%c5%e... - 2010年08月11日更新

赤い花にも黒き影

切り立った断崖と荒涼な岩肌に覆われた険しい高山・・・ その一角にある深い岩窟で、我はもう長年に亘る退屈を噛み潰していた。 山の麓から程近い場所には人間達の国も幾つか散在しているし、昔は暇潰しに彼らを襲ってみたことだってある。 だがそんなことをしても悠久とすら言える我の永い生涯に張りを持たせる程の愉しみは終ぞ見出せず、再びこうしてある意味絶望的な孤独へと身を埋めてから早くも半世紀の時が流れようとしていた。 明るい日差しと涼しい風が入ってくる岩窟の中は暗い穴倉のような深い洞窟とはまた違った趣があるものの、そう…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%d6%a4%a4%b2%d... - 2009年08月04日更新

断罪

「うむむ、これは一体どうしたものか・・・」 俺は正直困っていた。 目の前には鎧に身を包んだ女剣士がいる・・・。 何故かと言うと、行き成り俺の塒に現れて 『邪悪な竜め!私が成敗してくれる!』 と、叫んだ後に、身の丈程の大剣を抱えながら石に躓き 壮大にこけた後、自らの大剣で頭を打ち気絶してしまったのだ。 「はぁ、面倒なんだけどなぁ」 俺は大剣を摘むと塒の外に放り投げ、 俺の寝ていた柔らかい藁の上にソイツを寝かせてやった。 すると、寝かせた瞬間にソイツは眼を覚まし 咄嗟に背中に手をかける・・・。 「!、…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c3%c7%ba%e1... - 2008年12月17日更新

ドラグーン・キングダム

第一章「洞窟のドラゴン3兄弟アル、ブル、チャル」 ドラゴンが住むといわれた森―― その森の中心に近い薄暗い洞窟に3頭の兄弟の竜がいた。 森に入った者がその姿をちょくちょく目撃しており、その国を治める長は その存在を大変恐れて、たびたび討伐隊を組んでドラゴンを捜索させていた。 しかし発見してもうまく逃げられたり、尻尾でなぎ倒されたりと結果は散々だった。 「人間をさらう、食われる、慰み者にされる」 などの噂も流れており国の人々も大変恐怖していた。 ただ、実際にそういう被害報告はないのだが・・・ 洞窟の奥の…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%c9%a5%e9%a5%b... - 2008年11月22日更新

翼の庇護

どんな国でも、町でも、村であっても、これまでに1度も天災に見舞われたことがないという地域は恐らく存在しないだろう。 大風、竜巻、洪水、山火事、落雷、地震、噴火・・・ 程度の差はあれ、人々は昔からこれらの災害から身を守るために知恵を絞ってきた。 家の床を高くし、森を伐採し、堤防を作り、柱を太くし、危険な地域には住まないというように。 だが天災のなかには、どうしても人の犠牲なくしては逃れられないものがある。 そしてついに、私が幼い時から愛してやまなかったこの平和な村にも、その類稀な天災が訪れた。 村の周囲をグ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%cd%e3%a4%ce%c8%d... - 2008年08月12日更新

竜の呪い

「何?姫がいないじゃと?」 城下町が感謝祭で賑わう日曜日、ミリアン王国の王バルスは、姫のお目付け役の兵から報告を受けたときも、大して驚きはしなかった。 あの御転婆娘のこと、また勝手に城を抜け出しては町の人々と一緒にワルツでも踊っているのだろう。 「よいよい、いつものことじゃ」 王は手をひらひらさせながら兵士にそういうと、兵士は困惑した表情で玉座の前から退いた。 感謝祭の日くらいは好きにさせてやろう。叱るのは後でもできる。王は内心溜息をつきながらも、傍らの小さな台に乗っていたグラスワインを呷った。 盛大な…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ce%b5%a4%ce%bc%f... - 2008年08月12日更新

隻眼の蒼竜

狂っている。 鼻をつんざく酒の臭いも、大地を揺らす人間達の舞踏も。 祭りの炎にかき消され、夜空に遍く筈の星すら見えない。 自慢の翼は縄で背に縛り付けられ、動く度に足枷が肉へと食い込む。 まだ捕らわれの身になって然程の時も経っていないはずなのに、森での暮らしが遠い昔の事のように思える。 何故、こんな事になったのだろう… ──季節は春。 忌々しい雪の季節は去り、動植物達がその息吹を取り戻し始めた頃であった。 柔らかな花々の香りが風に乗って、俺のねぐらへと吹き込む。 なんと気持ちの良い日か。 俺は春の陽気さ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%c9%b4%e3%a4%c... - 2008年08月12日更新

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