タグ検索で絵あり36件見つかりました。

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天国に生くる伝説

「やったぁ!」 今週最後の昼食を終えてようやく一息付いた頃・・・ 俺は食堂の隅の方で携帯を弄っていた後輩が突然そんな喝采の声を上げながら飛び上がった瞬間を目撃していた。 そして一瞬の間を置いてハッと我に返った彼が、自身に向けられていた無数の好奇な視線の中から逸早く俺を見つけ出してこちらに駆け寄ってくる。 「先輩!先輩!」 「ど、どうしたんだお前・・・ここ最近、昼間はずっと携帯弄くってるみたいけど・・・」 「そんなことより!今日!行きましょう!あの店に!」 座っていた席からここまで大した距離を走ってきたわけ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2017年11月30日更新

天国の革新

「うへぇ・・・やっと終わった・・・」 「お、何だよ、もう後発組への引き継ぎまで済ませたのか?相変わらず仕事が早いな」 「そう言うお前の方は・・・まだまだ掛かりそうだな」 俺はそう言うと、例によって忙しそうな同僚から後もう30分程で定時の退勤時刻に差し掛かろうとしている部屋の時計へと目を向けていた。 「今日は残業していくのか?」 「一応な・・・折角明日から6連休だってのに、休日出勤なんてしたくないからな。何でそんなこと・・・」 だがそこまで言い掛けた彼が、ふと俺の背後へ目をやって事情が分かったとばかりに睨み…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2019年08月22日更新

天国に横たわる奈落

「ふぅ・・・やっと終わった・・・」 「お、何だお前もか?今日は早かったな」 「俺だって流石に週末くらいは早く帰りたいからな。年号修正の案件で最近残業ばかりだし」 俺はそう言うと、ここ最近は意外にも定時で仕事を終えている同僚の方へと顔を向けていた。 「5月から新しい年号に変わるって世間じゃ浮かれてるけど、IT系の俺達にしてみりゃ結構大きな問題だしな」 「確かちょっと前にも、新年号に対応しようとして表計算ソフトが開かなくなったことがあったよな」 「ちょっとしたY2K問題だぜ。まあその時は俺もまだ子供だったけど…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2019年03月14日更新

氷炎の恋物語

FlameDragon-side [[IceDragon-side>氷炎の恋物語2]] 世に人間という種が姿を現すよりも遥か太古の昔、世界は今よりもずっと厳格な秩序の下に統治されていた。 その地上に台頭していたのは大陸の南方にある活火山に棲み轟々たる火と大地を司ったという炎竜の一族と、北方の海に浮かぶ凍てつく氷山の奥地に集落を構え、荒らぶる風と水を操ったとされる冷たい氷竜の一族。 彼らは特に種族的な対立をしていたわけではなかったものの、決して相容れぬ存在としてお互いに異種族の竜達と関わりを持つこと…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c9%b9%b1%ea%a4%c... - 2008年08月12日更新

渓流を染めし蒼

物々しい武装に固められた無数の船と大勢の屈強なハンター達が行き来する、大港タンジア。 その一角に建てられたとある1軒の家の中で、大勢の子供達に囲まれた1人の老人が深紅の宝玉を掲げていた。 「子供達や・・・これが何か判るかね?」 見る者の目を吸い付けて離さない奇妙な魅力と妖しさに満ちたその不思議な宝玉に、今もまた20以上の小さな目が正に興味津々と言った様子で釘付けになっている。 「それ、一体何なんですか?」 「これはな、世に言う"火竜の紅玉"という石じゃ。今では、それ程珍しい物ではなくなってしまったがの」 …

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b7%cc%ce%ae%a4%f... - 2013年07月20日更新

天国を目指す同志

世間で多くの物事が新たなサイクルに切り替わる4月・・・ 俺も社会人としての1年目を終えると同時に、新たに2人の新入社員がこの会社へと入社してきた。 これまでにも学生生活で後輩と呼べる存在が出来たことは幾度かあるのだが、職場というある意味で特殊な環境において後輩の存在は何処か特別なものに感じられるものだ。 そして当然と言うべきか、入社2年目の俺と同期の同僚はそんな新入社員達の指導役に抜擢されたのだった。 もちろんIT企業という職場の特性上彼らへの業務指導については経験の長い社員が担当するらしいから、俺達の役…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%f... - 2016年05月17日更新

静寂の夜に

風も波もない穏やかな海の底に佇む、小さな海中洞窟。 「ふぅ・・・」 その最奥にある薄暗い住み処の中で、1匹の大きな海竜が落胆気味に小さな溜息をついていた。 透き通った紫色と純白の2色に塗り分けられた体をまるで大蛇のように艶かしくくねらせながら真っ赤な長髪を靡かせるその海竜は、仲間達の間でナギと呼ばれている。 長年この暗い洞窟の中で勇猛な雄龍の出現を待ち続け、そしてついに数年前、ようやく深い山間の洞窟から移住してきた雄龍と結ばれて可愛い2匹の子を授かったあの海竜である。 だが常に勝気で夫であるアンクルにすら…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%c5%bc%e4%a4%c... - 2008年08月12日更新

鍛えるは鋼の爪

ドガッ! 「う・・・ぐ・・・はあっ・・・」 まるで雷が落ちたかのような、生まれて初めて感じる凄まじい衝撃。 琥珀色の鱗を纏った巨大なドラゴンが勢い良く振り回した屈強な尻尾に撥ね飛ばされて、僕は岩壁に強か打ち付けた背中の痛みに息を詰まらせていた。 幾度と無くドラゴンの背に振り下ろしたはずの自慢の剣は余りに硬い竜鱗にほんの小さな傷さえ付けられず、反対にその刀身には今にも砕け散ってしまうのではないかと思える程の無数の亀裂が刻み込まれている。 そして体を起こす気力がついに尽きてしまうと、獲物を仕留めたドラゴンが静…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c3%c3%a4%a8%a4%e... - 2011年03月29日更新

天国に向かう者達

忙しかった夏が終わり、あっという間に過ぎ去った秋の暮れ・・・ 俺はまだ暖房をつけることが出来ない為に肌寒い社内の一室で、通勤用のコートを羽織りながら机に向かっていた。 「それにしてもここ最近、急激に気温が下がったな」 「全く、夏から急に冬になったような気分だよ。まあそれでも、外回りの仕事に比べたら恵まれてる方だけどな」 俺は隣にいた同僚とそんな会話を交わしながらこれからまた忙しくなるであろう年末に向けての仕事の下準備を終えると、もうすぐ定時の17時半を指そうとしている壁掛け時計を一瞥していた。 入社から半…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2017年01月03日更新

天国からの招待状

"大都市の上空に奇妙な影" "伝説のドラゴンの群れが襲来か?" 気まぐれに家の中を片付けていた際に、ふとガラクタの山の中で見つけた週刊情報誌。 赤と白の派手な表紙に踊っていたそんな奇抜な煽り文句に、俺はしばし掃除の手を止めてその随分と傷んだ冊子を拾い上げていた。 何度も何度も読み返した跡のあるそれは、今から5ヶ月程前に偶然駅の本屋で見つけたものだ。 普段こうした週刊誌はおろか新聞さえほとんど読まない俺がこんな信憑性に乏しい雑誌をわざわざ購入したのは、他でもないその記事の内容が俺の興味を大いに引いたからだっ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%a... - 2012年07月24日更新

紺碧の孤独

「や、奴だ!奴が出たぞー!」 「おいてめえら、全力で漕ぎやがれ!奴に追い付かれたら一巻の終わりなんだぞ!」 「だ、駄目だ・・・とても逃げ切れねぇよ・・・誰か・・・誰か助けてくれぇ・・・!」 昼下がりの明るい太陽が照り付ける広大な大海原・・・ その一面青色に覆われた静かな海の上で、数隻の漁船が激しい恐怖と恐慌に呑み込まれていた。 漁の為に沖合へ出た船を襲っては容赦無く人々を食らい尽くす、大きな1匹の恐ろしい雌海竜。 透き通った翠色の艶やかな皮膜に覆われたその影は揺れる水面に溶け込むように紛れてしまい、姿の見…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%b0%ca%cb%a4%c... - 2011年05月17日更新

愛しのプラム

ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・カチッ・・・ 俺は朝の7時に鳴り始めた目覚まし時計を止めて微かに眠気の残る目を開けると、まだ隣でゴロゴロと惰眠を貪っている大きな布団の山を一瞥して小さな安堵の息を漏らしていた。 そして人間の俺にとっては広大と言っても良い3メートル四方もあるベッドから静かに降りると、そのままシャワーを浴びようと部屋に備え付けられた風呂場へと足を運ぶ。 ここはとある大学に通う学生達の為に用意された学生寮の一室。 だがこの大学が世界中に無数にある他の大学と違う点は、人間の為の大学ではないという…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%a6%a4%b7%a4%c... - 2015年06月16日更新

氷炎の恋物語2

[[FlameDragon-side>氷炎の恋物語]] IceDragon-side 世に人間という種が姿を現すよりも遥か太古の昔、世界は今よりもずっと厳格な秩序の下に統治されていた。 その地上に台頭していたのは大陸の南方にある活火山に棲み轟々たる火と大地を司ったという炎竜の一族と、北方の海に浮かぶ凍てつく氷山の奥地に集落を構え、荒らぶる風と水を操ったとされる冷たい氷竜の一族。 彼らは特に種族的な対立をしていたわけではなかったものの、決して相容れぬ存在としてお互いに異種族の竜達と関わりを持つことを…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c9%b9%b1%ea%a4%c... - 2008年08月12日更新

妃の笑う夜

カツーン・・・カツーン・・・ 「はぁ・・・」 豪奢な装飾に彩られた広い城の廊下を歩きながら、私は深い溜息をついていた。 私の治めているこの小国がここよりずっと西方に位置するノーランド王国の属国だったのは、もう4年も前の話。 無事に独立を果たした後の私の生活は、この上もなく贅沢で明るいものになるはずだった。 いや確かに、私がこの国の誰よりも優雅で安寧な生活を送っていたのは間違いない。 そう、あの日までは・・・ 暗い面持ちで廊下の角を曲がると、やがて突き当たりに淡い燭台の明かりに照らされた寝室の扉が見えてく…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c8%de%a4%ce%be%d... - 2008年08月12日更新

細き指先には抗えず

ズッ・・・グチュ・・・ 「うっ・・・く・・・ふぅ・・・」 「フフフ・・・いいねぇ・・・随分と慣れてきたようじゃないか・・・」 淡い月明かりさえも差し込んで来ない暗い洞窟の奥底で、雌雄の竜が熱い一時に身を委ねていた。 寝床の上に横たわる真っ赤な鱗を纏った巨大な雌竜の上で、それよりも一回り小さな雄の黒竜が結合部より絶え間なく注ぎ込まれてくる無上の快楽に耐えようと忙しなく身を捩っている。 やがて甘過ぎる愛撫の坩堝に耐え切れなくなったのか雄竜が逃れようとして腰を引くと、すかさず屈強な雌竜の尾がそんな薄情な雄を引き…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%d9%a4%ad%bb%d... - 2008年11月11日更新

禁忌の報い

活発な人と物資の流れに栄えるノーランド王国。 隣国の領土へと伸びる幾本かの街道を除けば周囲をグルリと深い森に囲まれているこの国の名は、ほんの6、7年程前までは非常に危険な国の代名詞でもあった。 決して、国の治安が悪かったわけではない。 国の兵達は皆健康で団結心が強く、今は隠居している当時の王も民に善政を敷き大いに慕われていた。 だがこの国に向かって延々と深い森の中を突き進む街道やその周辺の森には自由に人間に姿を変えることのできる危険なドラゴン達が数多く巣食っており、それらが道行く人々を襲っていたのだという…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b6%d8%b4%f7%a4%c... - 2008年08月12日更新

思いがけぬ報酬

カシャッ・・・カシャン・・・ 「この辺りか?」 「うむ・・・恐らくはな・・・」 長い年月によって風化の進んだ奇妙な岩地を進む、2人の逞しい男達。 鈍い銀色に輝く重厚な鎧を纏った彼らは、王宮に仕えて30年を超える大層腕の立つ兵士達だった。 どちらも中年を迎えたとはいえ、少なくとも剣と槍の腕ではこれまで若い者達に遅れを取ったことはない。 そんな誉れ高い彼らが何故このような人の近付かぬ岩地へ足を踏み入れているのかというと、それは最近即位したある若い王女の命によるものだった。 「それにしても、近頃の王女の御転婆振…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%d7%a4%a4%a4%a... - 2009年09月28日更新

脆き偽りに縋りて

小さな子供に読み聞かせる童話・・・その多くは社会の縮図とも言うべきある種の風刺を含んだ創作と、遠い昔に起こった実話を語り継ぐ為にその形をより分かりやすく変えたものとに大別される。 今年で10歳になる僕がまだ鮮明な記憶の残る幼年時代に幾度と無く聞かされた童話の数々は、正にその後者に当たる典型的な物だと言っていいだろう。 だが僕が一見すると酷く現実離れしている摩訶不思議な童話を実際の出来事だと理解することが出来たのは、僕自身がその童話に隠されたエピローグの当事者となったからに他ならなかった。 僕の住んでいる…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%c8%a4%ad%b5%b... - 2010年07月10日更新

護り神は3姉妹

とある乾燥地帯に広がる岩地の真っ只中に、人口200人程の小規模な集落があった。 その集落の中でも一際大きな酋長の家で、下は15歳から上は40歳を越えた大勢の男達が輪になって彼らの中央に置かれている大振りな陶器の壺をじっと見つめている。 だがやがて集落を束ねる酋長が姿を現すと、その場にいた全員がゴクリと緊張の息を呑んでいた。 それと同時に男達の内の半数には微かな期待と興奮の表情が、もう半数にはほとんど恐怖と言っても良い程の暗く悲壮な表情が浮かび上がっていく。 「皆の者、良く集まってくれた。それではそろそろ、…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b8%ee%a4%ea%bf%c... - 2012年06月03日更新

月下の湖畔で

広大な城の一角に設けられた、蝋燭の明かりに揺れる仄かに薄暗い書庫。 物心ついたばかりの幼い時から、俺はこの書庫で静かに本を読むのが大好きだった。 それはつい先日19歳を迎えたばかりの今も全く変わることなく、相変わらずこうして誰もいない部屋の中で古びた本のページを繰ることに夢中になっている。 この国の王である父は数年前から頻りに俺へ結婚の話を勧めてきているのだが、正直どんな絶世の美女を紹介されたところで俺はまだその気にはなれそうもなかったのだ。 長男の俺がこう言うのはおかしいのかも知れないが、結婚は3歳年下…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b7%ee%b2%bc%a4%c... - 2009年06月25日更新

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