タグ検索で選択分岐7件見つかりました。

天国で見る夢

「よし・・・これで終わり、と・・・」 「何だ、もう終わったのか?」 「まあな。先週末は中間決算やら台風やらで結構バタバタしてたから、今週はずっと少しずつ残業してたんだよ」 そんな俺の言葉に、同僚が何かを思い出すように部屋の天井を見上げる。 「そういや今週はずっと俺の方が早く帰ってたもんな・・・でも、3連休って言ったって何か予定があるのか?」 「それは・・・別に無いんだけどさ・・・」 だがその返事にドヤ顔でも浮かべようとしたらしい彼が、ふと俺の背後に苦々しい視線を向ける。 それに釣られて俺もそちらに目をやる…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2018年11月22日更新

桃色の毒花

何処までも何処までも永遠に続くかに思える、僅かな弧を描く水平線。 私は静かな水面を湛えた大洋を進む大きな船の舳先に立ったまま、到着までまだ優に10日は掛かるであろう遠い異国の地へと思いを馳せていた。 だが晴れ渡った空を見上げていた私の耳に、不意に随分慌てていると見える荒々しい足音が届いてくる。 「ああ、クローナ殿!ここにいらっしゃったのですか?随分探したのですよ」 「どうかしたの?」 やがて私の前に姿を見せた2人の男達が、そんな私の質問に焦燥を募らせた声を上げていた。 「船員の1人が、急に意識を失ってバッ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%ed%bf%a7%a4%c... - 2013年06月03日更新

天国の休息

「お疲れ様でした。お先に失礼します」 「おう、お疲れさん。2人とも、週末はゆっくり休むんだぞ。来週は忙しいからな」 都内の片隅にあるIT企業に入社してから、もうすぐ3ヶ月・・・ ようやく会社の雰囲気にも馴染み始めると、俺は同じく新入社員として入社したもう1人の同僚とともにまだたくさんの業務を抱えているらしい先輩達よりも一足早く仕事を上がっていた。 今はまだ雑用に近い事務仕事くらいしかしていないから比較的定時に近い時間で退勤出来るものの、もう少し仕事を覚えれば俺もきっと毎日のように残業するようになるのだろう…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2015年08月23日更新

細き指先には抗えず

ズッ・・・グチュ・・・ 「うっ・・・く・・・ふぅ・・・」 「フフフ・・・いいねぇ・・・随分と慣れてきたようじゃないか・・・」 淡い月明かりさえも差し込んで来ない暗い洞窟の奥底で、雌雄の竜が熱い一時に身を委ねていた。 寝床の上に横たわる真っ赤な鱗を纏った巨大な雌竜の上で、それよりも一回り小さな雄の黒竜が結合部より絶え間なく注ぎ込まれてくる無上の快楽に耐えようと忙しなく身を捩っている。 やがて甘過ぎる愛撫の坩堝に耐え切れなくなったのか雄竜が逃れようとして腰を引くと、すかさず屈強な雌竜の尾がそんな薄情な雄を引き…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%d9%a4%ad%bb%d... - 2008年11月11日更新

護り神は3姉妹

とある乾燥地帯に広がる岩地の真っ只中に、人口200人程の小規模な集落があった。 その集落の中でも一際大きな酋長の家で、下は15歳から上は40歳を越えた大勢の男達が輪になって彼らの中央に置かれている大振りな陶器の壺をじっと見つめている。 だがやがて集落を束ねる酋長が姿を現すと、その場にいた全員がゴクリと緊張の息を呑んでいた。 それと同時に男達の内の半数には微かな期待と興奮の表情が、もう半数にはほとんど恐怖と言っても良い程の暗く悲壮な表情が浮かび上がっていく。 「皆の者、良く集まってくれた。それではそろそろ、…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b8%ee%a4%ea%bf%c... - 2012年06月03日更新

湖の邂逅

正直、私は暇だった。 いつ見ても変わらぬ輝きを放つ金や銀の財宝の山の上で、私は大きなあくびをした。 ゴォーという低く重い音が洞窟中に響き渡り、周辺にいた動物達が恐れをなして草陰に飛び込む。 この洞窟に篭って早100年。時折人間の町を襲っては、世に宝物と呼ばれる金品の類を奪い集めていたが、同胞の多くが持つこの趣味に、私は既に飽きていた。 もし、この洞窟に人間がくるようなことがあったら、ちょいと気晴らしにおちょくった後にでもこの財宝の山を全部くれてやろうかとも思っていた。 ぽっかり見える洞窟の入り口は燦燦と…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b8%d0%a4%ce%ee%b... - 2008年08月12日更新

湖に漂う羨望

明るい木漏れ日の差し込む森の中。 僕はさんざん追い掛け回してやっと捕まえた獲物の鹿を引きずりながら、住み処の洞窟へと向かって歩いていた。 ズル・・・ズル・・・ 「フゥ、フゥ・・・」 木々の葉に細められた陽光の織り成す斑模様の地面の上を見つめながら、荒い息をついて疲れ切った体に鞭を入れる。 しばらくして鬱蒼と茂る草木の奥にチラチラと岩壁のようなものが見え始めると、僕は心なしか足を早めていた。 やがて木々のトンネルの中から光差す外の世界へと足を踏み出し、すでに見慣れた目の前の景色に安堵の表情を浮かべる。 「…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b8%d0%a4%cb%c9%b... - 2008年08月12日更新

どなたでも編集できます