タグ検索で長編24件見つかりました。

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天国に横たわる奈落

「ふぅ・・・やっと終わった・・・」 「お、何だお前もか?今日は早かったな」 「俺だって流石に週末くらいは早く帰りたいからな。年号修正の案件で最近残業ばかりだし」 俺はそう言うと、ここ最近は意外にも定時で仕事を終えている同僚の方へと顔を向けていた。 「5月から新しい年号に変わるって世間じゃ浮かれてるけど、IT系の俺達にしてみりゃ結構大きな問題だしな」 「確かちょっと前にも、新年号に対応しようとして表計算ソフトが開かなくなったことがあったよな」 「ちょっとしたY2K問題だぜ。まあその時は俺もまだ子供だったけど…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2019年03月14日更新

3つの番い

窓辺から差し込んでくる、心地良い春の日差し。 その瞼を焼く眩しさから逃れるようにしてベッドの上でゴロンと体を転がすと、俺は突然顔に押し付けられた硬い感触でまどろんでいた意識を一気に覚醒させられていた。 ムニュ・・・ 「うっ・・・な、何だ・・・?」 そして渋々目を開けてみると、その眼前に真っ赤な鱗で覆われた広大な雌竜の背中が広がっている。 何だ・・・プラムか・・・ 自分と同じベッドで巨大な雌竜が寝ているという事態にももうすっかりと慣れてしまったことを考えれば、俺も様々な種族が暮らすこの半月竜島での生活にいよ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/3%a4%c4%a4%ce%c8%... - 2017年03月24日更新

天国の革新

「うへぇ・・・やっと終わった・・・」 「お、何だよ、もう後発組への引き継ぎまで済ませたのか?相変わらず仕事が早いな」 「そう言うお前の方は・・・まだまだ掛かりそうだな」 俺はそう言うと、例によって忙しそうな同僚から後もう30分程で定時の退勤時刻に差し掛かろうとしている部屋の時計へと目を向けていた。 「今日は残業していくのか?」 「一応な・・・折角明日から6連休だってのに、休日出勤なんてしたくないからな。何でそんなこと・・・」 だがそこまで言い掛けた彼が、ふと俺の背後へ目をやって事情が分かったとばかりに睨み…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2019年08月22日更新

思いがけぬ再会

ガシャアァン・・・ 重々しい鉄格子の閉じる音で、俺はそれまで何処か希薄だった意識が唐突に現実に引き戻されたことに気付いていた。 「こ、ここは・・・?」 壁の松明がほんのりと周囲を照らし出す、薄暗い城の地下牢。 それは分かるのだが、俺は果たしてこんな独房に繋がれる程の大罪を犯したのだろうか・・・? ふとした出来心から鍵の開いていた他人の家に盗みに入ってしまったのは確かなのだが、このマレーナ国では少なくとも数年前まで人を殺したり放火をしたりというような重罪でない限りこんな重罰は受けなかったはずなのだ。 それに…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%d7%a4%a4%a4%a... - 2019年01月22日更新

闇を訪ねて

ある晴れた日の夜・・・ 荒野の外れにある静かな村の片隅で、俺は数人の友人達と焚き火を囲んで談笑していた。 「なあフォルツ、もう1回あれやって見せてくれよ」 「何だよまたか?そんなに難しいことじゃないんだから、お前らも少しは練習して身に付ければ良いだろ」 「そうは言ってもさ、俺達と同じ年頃の連中であんなことが出来るのは数えるくらいしかいないって話じゃないか」 俺はそんな仲間の声に小さな溜息を吐くと、中空に差し出した両手の掌を上にしてほんの少し意識を集中していた。 その数秒後、煌々と燃える小さな丸い火の玉が左…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%c7%a4%f2%cb%a... - 2016年08月01日更新

楽園の週末

「ロブ、そろそろ飯に行かないか?」 週末の差し迫った金曜日の昼・・・ ぽっかりと講義の無い2限目の空白の時間を何時ものようにロブ達と図書館で過ごしていた俺は、少しばかり空腹を訴え始めた自分の腹を摩りながらそう漏らしていた。 「ああ、もうこんな時間か。そうだな、食堂に行こうぜ、ジェーヌ」 「ええ、分かったわ」 相変わらず、ロブとジェーヌの仲は順調に進展しているらしい。 この前大学の裏に新しく出来た雌竜天国という風俗店に行ったことで、ロブは普段ジェーヌがどれ程自分に対して気を遣ってくれているのかを理解したと言…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b3%da%b1%e0%a4%c... - 2018年06月03日更新

魔性の果実

「アディ・・・アディ・・・まだ寝てるのか?」 「ん・・・あ・・・うん・・・もう少し寝かせて・・・」 心地良い眠りの中に突如として無遠慮に響いてきたその父の声に、僕はガラガラに乾いた喉から辛うじてそんな返事を返していた。 「全く・・・他の友達はもう外で稽古を始めてるぞ。お前も出遅れるなよ」 そしてそう言い残した父が部屋を出て行くと、ほんの少しだけ体を起こして窓の外の景色に視線を移す。 「やっ!・・・やっ!・・・やぁっ!」 やがて視界を埋め尽くした緑の山と森に囲まれている長閑な田舎の風景の中に、必死で木剣を素…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%cb%e2%c0%ad%a4%c... - 2018年12月12日更新

天国で見る夢

「よし・・・これで終わり、と・・・」 「何だ、もう終わったのか?」 「まあな。先週末は中間決算やら台風やらで結構バタバタしてたから、今週はずっと少しずつ残業してたんだよ」 そんな俺の言葉に、同僚が何かを思い出すように部屋の天井を見上げる。 「そういや今週はずっと俺の方が早く帰ってたもんな・・・でも、3連休って言ったって何か予定があるのか?」 「それは・・・別に無いんだけどさ・・・」 だがその返事にドヤ顔でも浮かべようとしたらしい彼が、ふと俺の背後に苦々しい視線を向ける。 それに釣られて俺もそちらに目をやる…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2018年11月22日更新

安寧を乱す使者

「それじゃあ、今日の講義はここまでにしましょうか。また来週新しく内容の希望を募るから、皆考えてきてね」 月曜日の昼休みも過ぎた3限目・・・サキュバスのリリガンによる"交配の極意"の講義が終わると、俺は今回もまた刺激的な話を聞いて興奮に高鳴ってしまった心臓の鼓動を必死に抑え込んでいた。 そして大勢の学生達に混じって講義室の外へ出ると、図書館から戻って来たらしいロブとジェーヌが遠くからこちらに手を振っているのが目に入る。 「よおアレス。今回の講義の内容は何だったんだ?」 だが俺と顔を合わせるなりそんなことをあ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%c2%c7%ab%a4%f... - 2018年09月20日更新

天国に恋焦がれて

11月・・・一雨降る毎に風が冷たくなり本格的な冬の気配が近付いてくるこの時期は、何かと忙しい年末に向けた準備期間ということもあって心の落ち着かない日々が続くものだ。 かく言う俺も入社から半年が経過した職場ではいよいよ本格的な業務へ参加する機会が増えてきて、ここ最近は先輩社員の指導にメモを取りながら1日中PCと向き合う日々が続いていた。 「よし・・・今日はこのくらいにしておこう。俺は来週の会議の資料を作るから、お前達はもう上がっていいぞ」 やがてそんな先輩の声が聞こえてくると、長らく続いていた緊張の糸が解け…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2016年01月09日更新

天国を目指す同志

世間で多くの物事が新たなサイクルに切り替わる4月・・・ 俺も社会人としての1年目を終えると同時に、新たに2人の新入社員がこの会社へと入社してきた。 これまでにも学生生活で後輩と呼べる存在が出来たことは幾度かあるのだが、職場というある意味で特殊な環境において後輩の存在は何処か特別なものに感じられるものだ。 そして当然と言うべきか、入社2年目の俺と同期の同僚はそんな新入社員達の指導役に抜擢されたのだった。 もちろんIT企業という職場の特性上彼らへの業務指導については経験の長い社員が担当するらしいから、俺達の役…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%f... - 2016年05月17日更新

天国の祭事

「ふぅ〜・・・終わった終わった・・・」 「ようやくゴールデンウィークに突入だな。お前、週明けも休みを取ってるのか?」 「はは、まさか。今年は新入社員の入社も無かったし、俺だって流石に9連休なんて贅沢をしてる暇は無いよ」 先々月から始まったプレミアムフライデーとかいう奇妙な制度のお陰か珍しく16時過ぎに仕事を終えると、俺はそう言いながら椅子の背凭れに背を預けるように大きく背伸びしていた。 「あ、お疲れ様です先輩。先輩達も、もう上がりですか?」 「ああ・・・何だか、お前らも1年で随分逞しくなったよな」 「今年…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2017年06月07日更新

天国への誘い

「それではお先に失礼します!」 微かな橙色に染まった日差しが差し込む蒸し暑い部屋の中に響いたその声に、俺はデスクの上の書類に向けていた顔をほんの少しだけ持ち上げていた。 4月5月と研修やら何やらで忙しくあちこちを飛び回っていた後輩達もようやく社内で仕事を学び始め、俺も簡単な作業や雑務を彼らにお願いするようになってからは少しばかり自分の仕事にも余裕が出来始めている。 だがお陰で俺も今日は早めに仕事を終われそうだという感謝の念が篭った俺の視線に気が付いたのか、"天国仲間"の後輩がそのまま出口へ向かった同期に何…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%d... - 2016年09月23日更新

紺碧の孤独

「や、奴だ!奴が出たぞー!」 「おいてめえら、全力で漕ぎやがれ!奴に追い付かれたら一巻の終わりなんだぞ!」 「だ、駄目だ・・・とても逃げ切れねぇよ・・・誰か・・・誰か助けてくれぇ・・・!」 昼下がりの明るい太陽が照り付ける広大な大海原・・・ その一面青色に覆われた静かな海の上で、数隻の漁船が激しい恐怖と恐慌に呑み込まれていた。 漁の為に沖合へ出た船を襲っては容赦無く人々を食らい尽くす、大きな1匹の恐ろしい雌海竜。 透き通った翠色の艶やかな皮膜に覆われたその影は揺れる水面に溶け込むように紛れてしまい、姿の見…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%b0%ca%cb%a4%c... - 2011年05月17日更新

愛しのプラム

ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・カチッ・・・ 俺は朝の7時に鳴り始めた目覚まし時計を止めて微かに眠気の残る目を開けると、まだ隣でゴロゴロと惰眠を貪っている大きな布団の山を一瞥して小さな安堵の息を漏らしていた。 そして人間の俺にとっては広大と言っても良い3メートル四方もあるベッドから静かに降りると、そのままシャワーを浴びようと部屋に備え付けられた風呂場へと足を運ぶ。 ここはとある大学に通う学生達の為に用意された学生寮の一室。 だがこの大学が世界中に無数にある他の大学と違う点は、人間の為の大学ではないという…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%a6%a4%b7%a4%c... - 2015年06月16日更新

天国に巣食う闇

例年に無い猛暑が続いた夏から一転して、朝晩なかなかベッドから抜け出す気になれない快適な気温となった9月。 俺はもう間も無くやって来る大型連休を前に、徐々に量が増えてきた業務を少しでも多くこなそうと朝から休憩もそこそこに会社のPCと長時間格闘していた。 一体誰が名付けたのか5月の連休と比較してシルバーウィークなどという大仰な名前が付けられてはいるものの、つい1ヶ月程前にお盆を迎えた人々は今回、田舎の実家へ帰省するよりも観光地へ繰り出す割合が大きいのだろう。 今年俺と一緒に入社した同僚もまだ少ない給料で随分と…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2015年11月06日更新

知識の守り手

バサァッ・・・バサァッ・・・ 冷たい強風の吹き荒れる不毛な岩山の連なったとある辺境の地に、私はようやっとの思いで辿り着いていた。 「おお・・・ここか・・・確かに、神聖な気の流れに満ちておるな・・・」 ここは人間達の間で"智慧の谷"と呼ばれている、自然界の聖地。 近隣には小さな人間の村が1つあるだけで、それ以外は太古の自然の景色を色濃く残している秘境の1つだ。 そんな原始の生活環境を偲んでか、この辺りには数多くの同族達が棲んでいるのだという。 尤も、この私に比べればまだ子供のような者達ばかりなのだが・・・ …

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c3%ce%bc%b1%a4%c... - 2013年03月10日更新

過去への忘れ物

ある晴れた日の昼下がり、私はぼんやりと考え事をしながら住み処から程近い森の中を歩いていた。 最近は狩りの仕方もようやく覚え始め、時折見掛ける小動物に反射的に飛び掛かっていっては運良く仕留められた獲物に顔を綻ばせる毎日を送っている。 だが、今日ばかりはそんな平和な日常と少しばかり様子が違っていた。 幾つかの大きな木の向こうにチラチラと見える、隠し切れていない大きな体・・・ 濃紺や黒といった暗い体色から察するに、恐らくは雄の竜に違いない。 そして一体何事かと思って無防備にも更に歩を進めた次の瞬間、不意にその全…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b2%e1%b5%ee%a4%d... - 2010年03月21日更新

我が翼を想いて

今ではもう数少ない書物の片隅でしか語られることのなくなった古き時代・・・ 大陸の方々に散らばる小さな国々が、領土を広げるために幾度となく制圧と統合を繰り返した時期があった。 とは言っても、国同士が血で血を洗うような戦争を繰り広げていたというわけではない。 ある程度の纏まりを見せ始めた幾つかの国が我先にと競うように行っていたのは、国境に面した未開の地に生きる無数の蛮族達の平定である。 そしてそんな彼らの軍事力として最も貢献していたのは、日々の訓練に明け暮れている屈強な兵士などではなく、当時の人間達にとって最…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b2%e6%a4%ac%cd%e... - 2008年08月12日更新

Another Javawock

Beware the Jabberwock, my son! The jaws that bite, the claws that catch! Beware the Jubjub bird, and shun The frumious Bandersnatch! 我が息子よ、ジャバウォックに用心あれ! 喰らいつく顎、引き掴む鈎爪! ジャブジャブ鳥にも心配るべし、そして努 燻り狂えるバンダースナッチの傍に寄るべからず! ――ジャバウォックの詩 ルイス・キャロル 1968年、12月10日。 東京都内某…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/Another%20Javawoc... - 2012年09月07日更新

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