タグ検索で捕食<hard>10件見つかりました。

天国の追憶

「先輩!お疲れ様です!」 週の真ん中に祝日があったお陰で溜まっていた業務にもようやく一定の目途がついた頃、俺は一足先に定時で業務を終えたらしい後輩のそんな呼び掛けに振り向いていた。 「ああ、お疲れ。そっちはもう終わったのか?」 「はい。先輩の方は体調は大丈夫なんですか?」 そしてそう言いながら、彼が空席となっている同僚の机の方へと目を向ける。 「ああ・・・俺は別に花粉症体質じゃないからな。今年は特に酷いらしいけど、あいつが早退したのは初めて見たよ」 「僕も花粉自体は平気なんですけど、確かにこの前家に帰った…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2018年04月25日更新

闇を訪ねて

ある晴れた日の夜・・・ 荒野の外れにある静かな村の片隅で、俺は数人の友人達と焚き火を囲んで談笑していた。 「なあフォルツ、もう1回あれやって見せてくれよ」 「何だよまたか?そんなに難しいことじゃないんだから、お前らも少しは練習して身に付ければ良いだろ」 「そうは言ってもさ、俺達と同じ年頃の連中であんなことが出来るのは数えるくらいしかいないって話じゃないか」 俺はそんな仲間の声に小さな溜息を吐くと、中空に差し出した両手の掌を上にしてほんの少し意識を集中していた。 その数秒後、煌々と燃える小さな丸い火の玉が左…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%c7%a4%f2%cb%a... - 2016年08月01日更新

赤月の気紛れ

Dragon-side [[Human-side>赤月の気紛れ2]] 「グゥ・・・グルル・・・」 心地良いまどろみの中に意識の覚醒を感じると、私は天井から降り注ぐ穏やかな朝日の中で目を覚ましていた。 やがてグルリと周囲を見回して住み処の中に誰も侵入者がいないことを確認すると、地面の上に丸めていた体をゆっくりと起こしていく。 そして鋭い鉤爪の生えた大きな両手足でしっかりと地面を踏み締めると、私は寝ている間に体へ降り積もった砂埃を振り落とすようにブルンと体を震わせていた。 全身を覆う厚い竜鱗のお陰で固…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%d6%b7%ee%a4%c... - 2016年11月19日更新

昏き執念の果てに

清々しい木漏れ日の降り注ぐ、広大な深い森の中・・・ あたしは朝から続いていた空腹をやっとの思いで捕らえた仔鹿で何とか満たすと、木々の間に開けた小道で腹ごなしに食後の散歩を楽しんでいた。 あたしももうすぐ20歳・・・まだまだ竜としては幼い子供のようなものだが、手足を覆った赤色の鱗が徐々に徐々に明るい紅色へと色付いてきているのがはっきりと感じられる。 あたしの母親がそうであったように、どうやら私は歳を重ねる毎に元々淡かった体色が段々と深く濃い色へと変化していく種の竜らしかった。 どうしてそんな体質があるのかは…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%aa%a4%ad%bc%b... - 2012年10月27日更新

Farth環境調査記録ファイル8

ピ・・・ピピピピッ・・・ "Farth13 0900" 亜寒帯での洞窟調査から一夜が明け・・・ Farth調査班の面々は、壁のモニターに表示されたその時報を目にするとリーダーの指示で早朝から進めていたCIの素体の改良作業の手をしばし休めていた。 「準備の進捗はどうだ?」 「順調です。それにしても・・・地球司令部から新たな物資が届くのが非常に早いですね」 「ワープ技術の開発で、宇宙空間に限って言えば距離の障壁はほとんど無くなったに等しいからな」 そう言いながら、リーダーが船室の中央に寝かされていたCIへと目…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/Farth%b4%c4%b6%ad... - 2018年03月22日更新

赤月の気紛れ2

Human-side [[Dragon-side>赤月の気紛れ]] ピピピ・・・ピピピ・・・ピピピ・・・ガシャッ!ゴンッ、ゴトッ・・・ 「う・・・う〜ん・・・」 心地良いまどろみの中で不意に耳の奥へと突き刺さったその目覚ましの音に、俺はベッドの上で目を瞑ったまま勘に任せて伸ばした腕を振り下ろしていた。 今日は確か、待ちに待った日曜日・・・ ニュースによれば今夜は赤くて大きな満月が見られるらしく、毎日望遠鏡で空を眺めるのが趣味の俺としては年に何度かある特別な日なのだ。 心配していた天気も窓から差し込…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%d6%b7%ee%a4%c... - 2016年11月19日更新

知識の守り手

バサァッ・・・バサァッ・・・ 冷たい強風の吹き荒れる不毛な岩山の連なったとある辺境の地に、私はようやっとの思いで辿り着いていた。 「おお・・・ここか・・・確かに、神聖な気の流れに満ちておるな・・・」 ここは人間達の間で"智慧の谷"と呼ばれている、自然界の聖地。 近隣には小さな人間の村が1つあるだけで、それ以外は太古の自然の景色を色濃く残している秘境の1つだ。 そんな原始の生活環境を偲んでか、この辺りには数多くの同族達が棲んでいるのだという。 尤も、この私に比べればまだ子供のような者達ばかりなのだが・・・ …

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c3%ce%bc%b1%a4%c... - 2013年03月10日更新

破幻の竜玉

「う・・・ぐ・・・ぐああああっ・・・!よ、よせ・・・やめてくれぇ・・・ひいいっ・・・」 「クフフ・・・お前をどう料理するのか全てはあたしの思うがまま・・・たっぷりと泣き叫びな・・・」 宵闇に染まった深い森の奥から、木々の間を吹き抜けるそよ風に乗ってそんな雌雄の声が聞こえてくる。 どうやら、"奴"は今憐れな獲物を甚振っている真っ最中らしかった。 正直夜の闇に乗じて不意打ちを仕掛けるだけでは"奴"を倒せるのか不安だったのだが、お楽しみ中ということであれば勝算は遥かに大きくなるというものだ。 俺は心中でそう独り…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c7%cb%b8%b8%a4%c... - 2011年08月21日更新

小竜の嘆き

「よーく狙えよ・・・お互いに、弾は2発しかないからな」 「ああ、わかってる」 茂みの中から長い銃口を覗かせた2人の男が、小声でそう呟きながら照準の先に捉えた獲物に狙いを付ける。 彼らの見つめるその先では、体高80センチにも満たない小さなドラゴンが己に差し迫った危機に気付くことも無く呑気に山道を歩いていた。 だが微かに変わった風向きにようやく自分を脅かす敵の存在を感じ取ったのか、不意にドラゴンがその可愛らしい小さな顔を少し離れた茂みの方へクルリと振り向ける。 その瞬間、パーンという2つの乾いた銃声がまるで折…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%be%ae%ce%b5%a4%c... - 2010年09月19日更新

咲き誇る夜の薔薇

よく晴れ渡った昼下がりの空の下、ワシは何時ものように不穏な眠りについた妻を住み処に残したまま特に行く当てもなくフラフラと森の中を彷徨っていた。 かつてワシが棲んでいた懐かしい湖はここから程近いが、森の奥にある洞窟で妻と暮らし始めてからのこの1年間はまだ1度も足を運んだという記憶がない。 そう、かつてのワシは・・・澄んだ湖水の中に身を横たえる1匹の寂しい雄の龍だった。 日に1度周囲を泳ぎ回る魚を捕まえてその身の糧とする以外には、冷たい水底で惰眠を貪るだけの穏やかな生活。 だがその孤独な生活も、ある日を境に一…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%e9%a4%ad%b8%d... - 2010年01月22日更新

どなたでも編集できます