タグ検索で♀竜×♂人間125件見つかりました。

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真紅の求婚者

まるで生物が立ち入るのを頑なに拒み続けているような、峻険な岩山。 その切り立った頂に近い断崖の中腹に、ポッカリと大きな洞窟が口を開けている。 どうやってそんな洞窟ができたのかは今以って謎だったが、どうやらその中には目の眩むような大量の金銀財宝が眠っているらしかった。 遠く離れた山の頂から件の洞窟を眺めると、陽光を反射してキラキラと輝く物がいくつも積み重なっているのが見えるという。 だが山の周囲には常に強風が吹き荒れている上に気象も安定していないためヘリなどで近づくこともできず、この洞窟は魅力的な謎を孕みな…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bf%bf%b9%c8%a4%c... - 2008年08月12日更新

恋の回り道

「うう・・・ん・・・」 心地良い眠りを妨げる眩い朝日の感触に、妾は気怠い唸り声を上げながら細い腕で自身の目を擦っていた。 そして輝くように明るい窓から逃げるようにゴロリと反対側へ寝返りを打つと、ベッドの外へはみ出した足にひんやりとした冷気が纏わり付いてくる。 全く、人間の寝所というものはどうしてこうも心地が良いのだろうか・・・? やがて相変わらず目を閉じたまま両腕で抱き抱えていた大きな枕を耳の下へ宛がうと、妾は夜の間に布団の中へたっぷりと溜め込んだ温もりを貪るようにしばらく身を捩っていたのだった。 ここ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ce%f8%a4%ce%b2%f... - 2014年08月26日更新

天国からの招待状

"大都市の上空に奇妙な影" "伝説のドラゴンの群れが襲来か?" 気まぐれに家の中を片付けていた際に、ふとガラクタの山の中で見つけた週刊情報誌。 赤と白の派手な表紙に踊っていたそんな奇抜な煽り文句に、俺はしばし掃除の手を止めてその随分と傷んだ冊子を拾い上げていた。 何度も何度も読み返した跡のあるそれは、今から5ヶ月程前に偶然駅の本屋で見つけたものだ。 普段こうした週刊誌はおろか新聞さえほとんど読まない俺がこんな信憑性に乏しい雑誌をわざわざ購入したのは、他でもないその記事の内容が俺の興味を大いに引いたからだっ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%a... - 2012年07月24日更新

赤月の気紛れ2

Human-side [[Dragon-side>赤月の気紛れ]] ピピピ・・・ピピピ・・・ピピピ・・・ガシャッ!ゴンッ、ゴトッ・・・ 「う・・・う〜ん・・・」 心地良いまどろみの中で不意に耳の奥へと突き刺さったその目覚ましの音に、俺はベッドの上で目を瞑ったまま勘に任せて伸ばした腕を振り下ろしていた。 今日は確か、待ちに待った日曜日・・・ ニュースによれば今夜は赤くて大きな満月が見られるらしく、毎日望遠鏡で空を眺めるのが趣味の俺としては年に何度かある特別な日なのだ。 心配していた天気も窓から差し込…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%d6%b7%ee%a4%c... - 2016年11月19日更新

天国への誘い

「それではお先に失礼します!」 微かな橙色に染まった日差しが差し込む蒸し暑い部屋の中に響いたその声に、俺はデスクの上の書類に向けていた顔をほんの少しだけ持ち上げていた。 4月5月と研修やら何やらで忙しくあちこちを飛び回っていた後輩達もようやく社内で仕事を学び始め、俺も簡単な作業や雑務を彼らにお願いするようになってからは少しばかり自分の仕事にも余裕が出来始めている。 だがお陰で俺も今日は早めに仕事を終われそうだという感謝の念が篭った俺の視線に気が付いたのか、"天国仲間"の後輩がそのまま出口へ向かった同期に何…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%d... - 2016年09月23日更新

紺碧の孤独

「や、奴だ!奴が出たぞー!」 「おいてめえら、全力で漕ぎやがれ!奴に追い付かれたら一巻の終わりなんだぞ!」 「だ、駄目だ・・・とても逃げ切れねぇよ・・・誰か・・・誰か助けてくれぇ・・・!」 昼下がりの明るい太陽が照り付ける広大な大海原・・・ その一面青色に覆われた静かな海の上で、数隻の漁船が激しい恐怖と恐慌に呑み込まれていた。 漁の為に沖合へ出た船を襲っては容赦無く人々を食らい尽くす、大きな1匹の恐ろしい雌海竜。 透き通った翠色の艶やかな皮膜に覆われたその影は揺れる水面に溶け込むように紛れてしまい、姿の見…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%ba%b0%ca%cb%a4%c... - 2011年05月17日更新

天国の泉

2月・・・厳しい寒波の影響で、今年の冬は東京にも多くの雪が降った。 北国に住む人々が聞けば鼻で笑われるかも知れないが、過密な交通インフラで辛うじて成り立っていると言ってもいいこの大都会ではほんの少しの雪が降っただけでその影響は甚大なものになる。 俺の住むこの眠らない街新宿でも、空から舞い落ちる冷たい雪に頭を抱える人々は非常に多かった。 「さて、と・・・これで今日の授業は終わりか・・・帰りの電車、ちゃんと動くかな・・・?」 大きな窓から雪のチラつく外を見てそう呟くと、俺は既に人の疎らになった講義室で帰りの準…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2014年03月02日更新

珠玉の命

「ああ・・・今年もまたこの時期がやってきてしまった・・・」 深刻そうに悩みながら、全身を濃い紫色の毛皮に覆われたドラゴンがトボトボと森の中を歩いていた。 この時期・・・毎年春から夏にかけて、ドラゴン達はお互い気に入った相手と交尾をすることで卵を産み、子供を育てる。 数少ない雄のドラゴンを奪い合い、相手に認められたものだけが無事に卵を産むことができるのだ。 だが私は、この数十年間1度も卵を産む機会に恵まれたことはなかった。 自信がなかったのだ。交尾という未知の領域に踏み込むには、今の私にはまだ勇気が足りな…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bc%ee%b6%cc%a4%c... - 2008年08月12日更新

命の契約

薄っすらと漂う古書の匂い。 端から端までぎっしりと本の詰まった巨大な本棚の間を歩きながら、僕は特にこれといった目的も持たないままブラブラと周囲に視線を泳がせていた。 僕は今、ある無人の図書館にきていた。無人とは言っても入口と出口は完全に別々になっていて、本が無断で持ち出されたりといった不正や犯罪が起きないように一応の管理はされている。 だが本の借り出しや返却に人の手を借りる必要がないため、ひっそりとあまり他人に知られたくないような本を借りていくには最適な環境が整っているのだ。 と同時に、他の図書館ではまず…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%cc%bf%a4%ce%b7%c... - 2008年08月12日更新

赤竜の食事

「ここかぁ・・・」 楽してお金が稼げるなんていう話を聞けば、普通は誰もがそんなものあるわけがないと一笑に付すことだろう。 もちろん、僕だって最初はそんな都合のいい話などあるわけがないと思っていた。 だがその働き先が町の郊外に建てられた中規模の遊園地だと知って、高校を卒業後仕事が見つからずに困っていた僕は少しばかり興味を持ってしまったというわけだ。 日が沈んで閉園の音楽が流れ始める頃、僕は帰路につく客の流れに逆らって遊園地の中へと入っていった。 この遊園地はアトラクションの数こそ都会のそれに比べれば遠く及…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c0%d6%ce%b5%a4%c... - 2008年08月12日更新

会議

「う、うーん・・・」 暗い闇の中で、俺は眠りから目覚めた。いや、眠った記憶はない。 ・・・そうだ、街で夜遊びしてから帰る途中、俺は突然誰かに襲われたんだった。 最後に見たのは人間のものとは思えない不思議な形をした影だったような気がする。 辺りを見回しても、平らな床にここが屋内だということがわかった以外は何も見えなかった。 ここはどこだろう・・・?いや、ここがどこかなんてことはどうでもいい。 問題は俺がなんでこんなところにいるのかってことだ。 きっと俺を襲った何者かがここまで運んできたんだろう・・・でも、何…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b2%f1%b5%c4... - 2008年08月12日更新

白鱗を携えし者達

ある晴れた日曜日の朝・・・ 僕は、外から聞こえる微かな喧噪の気配にふと目を覚ましていた。 そしてゴシゴシと眠気眼を擦りながらベッドから体を起こすと、そっと窓の外を覗いてみる。 そこでは数十人の若者達が、山菜採りの為に山へ入ろうとしている数人のお爺さん達と激しい言い争いをしていた。 またあの人達か・・・ 折角の休日でゆっくり寝られると思ったのに、朝早くから大声で騒ぎ立てる迷惑な連中の姿に僕はうんざりしながらも再びベッドに体を横たえていた。 ここはこの国で最も高い、霊峰と呼ばれる山の麓に広がる小さな村。 人…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c7%f2%ce%da%a4%f... - 2014年11月19日更新

天国に巣食う闇

例年に無い猛暑が続いた夏から一転して、朝晩なかなかベッドから抜け出す気になれない快適な気温となった9月。 俺はもう間も無くやって来る大型連休を前に、徐々に量が増えてきた業務を少しでも多くこなそうと朝から休憩もそこそこに会社のPCと長時間格闘していた。 一体誰が名付けたのか5月の連休と比較してシルバーウィークなどという大仰な名前が付けられてはいるものの、つい1ヶ月程前にお盆を迎えた人々は今回、田舎の実家へ帰省するよりも観光地へ繰り出す割合が大きいのだろう。 今年俺と一緒に入社した同僚もまだ少ない給料で随分と…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2015年11月06日更新

知識の守り手

バサァッ・・・バサァッ・・・ 冷たい強風の吹き荒れる不毛な岩山の連なったとある辺境の地に、私はようやっとの思いで辿り着いていた。 「おお・・・ここか・・・確かに、神聖な気の流れに満ちておるな・・・」 ここは人間達の間で"智慧の谷"と呼ばれている、自然界の聖地。 近隣には小さな人間の村が1つあるだけで、それ以外は太古の自然の景色を色濃く残している秘境の1つだ。 そんな原始の生活環境を偲んでか、この辺りには数多くの同族達が棲んでいるのだという。 尤も、この私に比べればまだ子供のような者達ばかりなのだが・・・ …

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c3%ce%bc%b1%a4%c... - 2013年03月10日更新

ドラゴンの恩返し

「いいか、今日こそは絶対に仕留めるぞ」 「ああ、今まで散々俺達の村を荒らしてくれた礼をしてやる」 武器を手に殺気立った数十人の男達が、深い闇に沈む森を睨みつけていた。 ここ数年、森から突然大きな赤いドラゴンが現れ、村の家畜をさらったり若い男を連れ去ったりするという事件が頻発していた。 これまではドラゴンの恐ろしさに手を拱いていた村人達も度重なる襲撃についに業を煮やし、一致団結して森に棲むドラゴンを退治することにしたのだ。 「あ〜あ、嫌だなぁ・・・ドラゴンに戦いを挑むなんて、みんなどうかしてる」 ドラゴン…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a5%c9%a5%e9%a5%b... - 2008年08月12日更新

天国の主

「よーし、終わったぞ!」 大勢の教授達が見守る中での研究発表会・・・ その大舞台を無事に切り抜けて、俺はここ数日ずっと苛まれ続けた極度の緊張と不安からようやく解放されていた。 卒業論文もほぼ完成に近付いていて、今年度の行事は数日後の卒業式を残すのみ。 心配された就職先も近頃の景気回復の流れが味方したのか特別苦労すること無く見つかり、俺はこれから始まる社会人生活に早くも胸を高鳴らせていたのだ。 「良い発表でしたね。要点が纏まってて、教授達も凄く満足してましたよ」 「そうか?お前に対しても似たような反応だった…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2015年04月02日更新

天国の休息

「お疲れ様でした。お先に失礼します」 「おう、お疲れさん。2人とも、週末はゆっくり休むんだぞ。来週は忙しいからな」 都内の片隅にあるIT企業に入社してから、もうすぐ3ヶ月・・・ ようやく会社の雰囲気にも馴染み始めると、俺は同じく新入社員として入社したもう1人の同僚とともにまだたくさんの業務を抱えているらしい先輩達よりも一足早く仕事を上がっていた。 今はまだ雑用に近い事務仕事くらいしかしていないから比較的定時に近い時間で退勤出来るものの、もう少し仕事を覚えれば俺もきっと毎日のように残業するようになるのだろう…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2015年08月23日更新

天国への帰還

無類のドラゴン好きという変わった趣味を持つ俺が日本の都会のど真ん中で本物の雌竜達による"天国"を見つけたあの日から2ヶ月余り・・・ 俺はコンビニでのバイトを終えて、家に帰るべく夕方の帰宅ラッシュで混雑した電車に揺られていた。 もう以前の厳しい暑さはすっかりと鳴りを潜め、この頃は半袖では少々肌寒さを感じることがある。 俺はあれからも何度か例の店へ足を運んだものの、流石に毎晩数千円も使っていたお陰でバイトで稼いだ貯金があっと言う間に磨り減ってしまった為、最近は少し自制しながら悶々とした日々を過ごしていた。 ま…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%d... - 2013年09月26日更新

思いがけぬ報酬

カシャッ・・・カシャン・・・ 「この辺りか?」 「うむ・・・恐らくはな・・・」 長い年月によって風化の進んだ奇妙な岩地を進む、2人の逞しい男達。 鈍い銀色に輝く重厚な鎧を纏った彼らは、王宮に仕えて30年を超える大層腕の立つ兵士達だった。 どちらも中年を迎えたとはいえ、少なくとも剣と槍の腕ではこれまで若い者達に遅れを取ったことはない。 そんな誉れ高い彼らが何故このような人の近付かぬ岩地へ足を踏み入れているのかというと、それは最近即位したある若い王女の命によるものだった。 「それにしても、近頃の王女の御転婆振…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%bb%d7%a4%a4%a4%a... - 2009年09月28日更新

過去への忘れ物

ある晴れた日の昼下がり、私はぼんやりと考え事をしながら住み処から程近い森の中を歩いていた。 最近は狩りの仕方もようやく覚え始め、時折見掛ける小動物に反射的に飛び掛かっていっては運良く仕留められた獲物に顔を綻ばせる毎日を送っている。 だが、今日ばかりはそんな平和な日常と少しばかり様子が違っていた。 幾つかの大きな木の向こうにチラチラと見える、隠し切れていない大きな体・・・ 濃紺や黒といった暗い体色から察するに、恐らくは雄の竜に違いない。 そして一体何事かと思って無防備にも更に歩を進めた次の瞬間、不意にその全…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b2%e1%b5%ee%a4%d... - 2010年03月21日更新

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