タグ検索で非エロ71件見つかりました。

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語らい

荒野を旅する人間。 目の前に山のようにうずくまったままの龍に、旅人が声を掛ける。 他愛もない話は、いつしか旅人が信ずる神の問いかけに変わる。 「では聞くが、お前はどんな神を崇めているのだ?」 眠ったように目も開けず、龍がそう聞いた。 「私にはこれといって崇める神はいない。」 「ほう、全ての道は己が切り開いてきたとでも?」 龍がそう聞くと、人間は肩をすくめた。 「いや、そうはいっていない。 私にとっての真実とは、万物に神は宿るということだ。 そう、例えば、この石ころひとつにだって、神は潜んでいる。」 人…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b8%ec%a4%e9%a4%a... - 2008年08月12日更新

ジェオライル

夢から目覚めるように、何気なく目が覚めた。 しかし、視界に飛び込んできたのは自分の見慣れた部屋ではなく、 どこかの森の木陰だった。 首を曲げ、隣を見るとライルがこちらを見ていた。 私は、その瞬間に気づいた。また、やってしまったのだ。 「ああ、ごめん。俺、またやっちゃったの?」 ライルは、私が目覚めて意識がはっきりしていることを見定めると、冷たく視線をそむけた。 「ふむ。まただ…。 全く、人間という存在は弱くて敵わない。」 ラィルはそういって腕を組んだ。 「今回の殺られ方は派手だったぞ。 私の背中に乗ったお…

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Lunatic(another failure)

月の光がもたらす狂気。 視界に伸ばしたその腕は、漆黒の鱗をまとう。 山々が赤と黄色に染まりきる紅葉の季節半ば。 道路にもその色使いの落ち葉が敷き詰められた山道。 1台の紅いステーションワゴンが軽快なエンジン音を唸らせ、 夜が更けて真っ暗な山道を登っている。 何のことは無い。 私がこんな所にいる理由はただひとつ、走ることだ。 このあたりの地方では雪が降らないし雨も少ない。 腕を上げるためには、低いグリップの元での限界走行が最も肝心だという。 しかし、この当たりには安全に走れるダート路面すらない。 その…

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ラーゲル クヴィストの雫

ラーゲルクヴィストの雫 ---------- 龍が、舞い上がる。 風という踊る舞台を与えられ、地面から舞い上がる木の葉が、 狂ったように私の前をちらつく。 時折、私の眼にめがけてワルツを踊り、 近づいてくる木の葉を訝しそうに手で払う。 龍の翼を広げたその体は、ただ禍々しく私の視界を埋め尽くす。 翼がひとつ羽ばたくたびに、私の体から覇気が削がれていく。 削がれていく覇気を逃すまいと、私はその手に握った木の枝を握りなおした。 私は、がむしゃらに突進する。 もちろん、届かないことは承知の上、 逃げるその…

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娘とドラゴン(太陽編)

ばっさばっさ  どすん。 『娘、久しぶりだな』 「一昨日会ったばっかりじゃん。トゲが小さくて抜けないとか泣き付いてきて。  最近村の人達に怪しまれてるんだからあんまり呼び出さないでくれる?」 『黙らぬか。 今日はその、なんだ、貴様にこれを呉れてやろうと思ってな』 がらがらがらがら 「なにこれ」 『ふっ、やはり貴様達人間は物の価値を知らぬ。 これは媚薬の原料だ。  まず種を取り出し、それをよく炒るのだ。 次にその種をすり潰す。  滑らかにすり潰すのだぞ? まあ人間には無理かもしれんがな。 …

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無題n

突然地面が消えたかのような落下感、そして俺は飛び起きた。 久しぶりに落ちる夢を見た。 部屋は真っ暗でまだ深夜のようだった。 寝なおそうと思って寝返りを打ったとたん背中に激痛が走った。 あわてて飛び起き、明かりをつける。 電灯の紐をつかんでいる腕は明らかに人間のものではなかった。 カギ爪が生えた太短い指。 ゴムのように滑らかな黄色と白のツートンの肌。 そして背中には一対の翼。 激痛の正体は寝返りを打ったときに翼の肩(?)の部分をひねったらしい。 カギ爪、ツートンカラー、翼。 こんな時どうするか。 素数だ…

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師弟

 猟銃の音が森に響き渡った。いきなりの轟音に驚いた鳥たちが、木々の間からバサバサと飛び去ってゆく。 俺の視線の先には倒れてぐったりと動かなくなった兎の姿があった。どうやら命中したらしい。 「…………」  茂みの中から這い出すと、俺は兎の元まで駆け寄った。 正確に頭を打ち抜くことができていた。今回も、うまくやれたらしい。 兎はぎょろりと白目をむいたまま絶命している。俺はその目をそっと閉じてやった。 「そんな目で俺を見ないでくれよ」  もう生きてはいないと言え、底のない瞳で見られるのはどうも好かない。 無言で…

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雨が呼ぶ絆

 山の麓に小さな村があった。 麓まで伸びてきている山の木々に寄り添うようにして、ぽつんと佇んでいる。 所々に畑や、家畜を飼っているらしい小屋などが見える。ここの住民は自給自足の生活をしていることが窺えた。  そんな小さな村のある家から飛び出してきた一人の少年がいた。 まだ十歳にも満たないと思われる幼い瞳には、涙の後がほんのりと残っている。 服の袖で目を拭うと、そのまま早足で家の前から立ち去っていった。  少年は道を歩いていた。道と言ってもこの村では舗装などされていない。褐色の地面が荒々しく表面に露出して…

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私の隣には

 私が目を覚ますと、そこには晴れ渡る青空が広がっていた。 サワサワという涼しげな音が、辺りを駆け抜けている。 数秒ぼんやりとしていたが、やがて理解に至る。 この草原に休憩がてら訪れてぼんやりと空を眺めているうちに、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。  ふいに、風が傍らをすり抜けた。まるで私が一人であることを強調するかのように。 隣には誰もいない。そのことに微妙な違和感を感じてしまう。 一部だけ切り取られた風景を見ているような違和感が。 突然不安が押し寄せ、私は慌てて辺りを見回す。 するとすぐに、何メー…

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味のある男

 左右を森に挟まれた道を俺は歩いていた。舗装なんてされてない砂利道だ。 道の両脇は俺の腰の高さくらいの草が生い茂っている。そこのむこうがわには森が広がっていた。 高い木々が左右にあるというのは、何とも言えない圧迫感があり落ち着かない。 「近道だからって、こっちに来るべきじゃなかったか……」  一言小さく呟いて、俺は背中のリュックを背負い直す。街に買い出しに行った帰りだった。 俺の家は結構街から離れているので、買い物に行くのも一苦労。往復に時間が掛かるので、いつもこうやって買い溜めをしているのだ。  風が…

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410氏にささげるSS

残暑も去り程よい気温の季節がやってきた9月― ここにあるカップルが結婚式をあげに某ブライダルホテルに やってきた。 今日はこのカップルにとって最良の日になるであろう。 花婿(>>410)「やっと結婚だね・・・」 花嫁「そうね、今日は忘れられない結婚式にしましょう」 そういうと410は花嫁と抱き合った。 ・・・というよりも花嫁のやわらかい腹に擦り寄った。 そうこの花嫁は人間ではなくドラゴンで、体格差も410の2〜3倍の大きさだったせいで、 花嫁が首を下げないとキスもできないような状況だった。 …

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