過去の日記〜コンサート

*フォレフォレット/紹介('05/2/15)
イタリア初期バロック作品のシリーズ「溺レル」の共演/共同企画者の久保田潤子さんとのユニット名がようやく決まりました。「フォレフォレット」です!
「あ〜ほれほれ」ってな感じで覚えてね(-_-;)。それはともかく由来はイタリア語の
folle=無謀な、熱狂的な(要するに、フォリアですね)とfolletto=小妖精、魔物、悪童をくっつけたものです。どうぞごひいきに。

イタリア1600年代の作品演奏を集中して行なっているユニット《フォレフォレット》(久保田潤子&森洋子)による「溺レル」シリーズの第2回公演。
今回は、文学座所属のトップ俳優、また作家である瀬戸口郁(せとぐち・かおる)氏に
台本制作をお願いし、また当日は案内役として出演いただきます。
愛の神の放つ、気まぐれな矢に射抜かれた恋人たちの悲喜こもごも
〜予感、幸福、嫉妬、絶望など〜を、
語りと音楽のコラボレーションでお楽しみください。

*フォレフォレット/瀬戸口郁氏紹介('05/5/15)
【瀬戸口郁氏プロフィール】・・・慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒。文学座所属。平成4年文学座「語意にまかす」で初舞台を踏む。以後、文学座の舞台に多数出演する。また、外部公演にも積極的に参加。
構成作家として数多くのクラシックコンサートを手がける。
「シルクロードの響き」「二胡によるトゥーランドット」(東京文化会館)では舞台構成台本と朗読をつとめ、日中古楽器第一線のアーチストたちと共演。
その他「リヒャルト・シュトラウス歌曲全曲シリーズ」(びわこホール)、メンデルスゾーン「聖パウロス」(東京芸術劇場)「エリアス」(新宿文化センター)、J.S.バッハ「マタイ受難曲」(新宿文化センター)、ハイドン「天地創造」(アミューたちかわ/立川国際クラシックコンサート)などの構成台本および朗読を担当。
2004年12月文学座アトリエの会「ザ・クライシス」では脚本構成および出演で参加。

*コンサート/モーツァルトの作品('05/2/16)
今月末のコンサートはモーツァルトの作品集ですが、ソロは2曲、k.312のソナタの断片(1楽章のみ)とk.540「Adagio, h-moll」を弾きます。
k.312は曲としてまだ若い感じですね。モーツァルトの「ト短調」らしさは大いに感じられますが、いずれ手を入れて、と思っているうちにそのままになってしまったという感じです。
アダージョはモダンピアノでも弾いたことがなく、今回初めて弾きましたが、いや、これはイイ曲です!1788年の作曲です。この年には最後の3大交響曲第39番から41番までが作られています。円熟の境地ですね。
 テーマがまずイイ。それから転調と長/短和音のコントラストが美しい!終止部の前のカデンツも「いかにも」の偽終止にはせず、そこはさらりと完全終止で流して、最後の部分で思わぬ音が(手法としては全くよくあるのだが、聴かせ方が憎いね)鳴り、何とも言えない後味を残す・・センスの良い映画を見終わった後のような印象です。これがたった57小節の曲だとは思えない内容ですね。う〜む、オトナだ〜。
 この曲を初めて聴いたのは、メルヴィン・タンの初来日の時のコンサートだったと思います。もう15年くらい前でしょうか。とても印象に残った記憶があります。その時だったか、彼のレッスンを一度受けたのですが、演奏同様に、ものすごく「イイ人」でした。彼の演奏は、曲に対してだけでなく、聴いている人に対しても100%の誠意を尽くしているというのが、必死な感じではなく、ほわ〜っと暖かく伝わってくるものでした。最近はもうフォルテピアノは弾いていないと聞きました。ライブで聴いておいて良かったな・・。

*コンサート/2005年2月函館、厚沢部('05/3/3)

ご無沙汰しました。北海道は寒かった。山梨で鍛えてるはずの私なので、函館は雪は多かったもののまあ予想の範囲だったのだが、厚沢部(あっさぶ)は函館から峠を越えて江差方面に60kmほど行った山間の町で豪雪(屋根から落ちた雪が家の半分くらいに達していたりする)と横なぐりに吹き付ける北風で、そりゃもう心ゆくまで冬を満喫しましたよ。
 でも、冬ならではの暖かさも実感。ギャラリー杣人のオーナーのお宅に泊めていただき、演奏会後は蒔ストーブに薪をくべながらゆったりと寛ぐことが出来ました。オイルファンヒーター等と違い、部屋や家全体が暖まるのですよね。乾燥もしないし、木の香りも心地良いし。
これってとても贅沢なことなのかもしれないですね。オール電化とかで家の中で火を見ることが益々減りつつありますが、バーベキュー、キャンプファイアー、あるいはなんでもない焚き火をただ眺めてたりするのが楽しいのは、人間にとっての火が、その本性というか生き物として楽しいこと〜人類史的には、狩りで獲た動物等を火で焼いて部族みんなで食べたという記憶に由来するのだと思いますが〜だからなのでしょう。
 今回のツアーは2カ所公演だったので遊ぶ時間はなかったけど、ストーブと厚沢部への行き帰りの風景とおしゃべりがお土産でした。私は田舎暮らしになってまだわずかですが、田舎というか自然の中で暮らすスタンスは場所が違っても同じだなあというか、前よりもよくわかるなあ、と思いました。
 さて、演奏の方は、久々にモーツァルトという新しいところだったので、フレーズの作り方が新鮮というか、思い出すのにちょっと時間がかかりました。後期バロックから50年もたっていないのですけどね。やはり音楽がもうほんとに違うなと・・。
例えば、不協和音の扱いでも、バロックは対比を強調する音楽ですから、不協和音の響きを衝撃として扱いますが、古典派になると確かに言葉のアクセントとしてはあってもそれを突出させずにフレーズの中に溶け込ませていく所等、頭ではわかってもそういう身体感覚は、弾いていないと忘れてるものですね。

*コンサート/'05年8月長野公演情報

ramoscello d'olivo「オリーブの小枝」
〜オルガンとテノールによるバロック時代の宗教曲〜
2005年8月27日(土) 19:00開演/長野市松代ホール

テノール:長尾 譲/ポジティフオルガン:森 洋子

モンテヴェルディ:主をほめたたえよ
フレスコバルディ:マグダラのマリアの嘆き
    :ルッジェーロのアリアによるカプリッチョ
バッハ:ベネディクトゥス(「ロ短調ミサ」より)
                    ・・・他

主催:ことり社
後援:東京音楽大学校友会長野県支部、
  :マルコフォデッラ財団 (イタリア)
チケット:全自由席 (前売りのみ) 2,500円
    :美鈴楽器 (026-226-7633)

*コンサート/インヴェンション('05/9/7)

J.S.バッハ「3声のシンフォニア」より、

第1番 ハ長調
第2番 ハ短調
第8番 ヘ長調
第7番 ホ短調
第15番 ロ短調

以上5曲の予定です。
インヴェンションとシンフォニアは、Cantabile(歌うように)と作曲法の基礎を学ぶ目的で書いた、とバッハ父さん本人が言うとりますように(by 初版序文)、殊に3声の方は、かなり理屈っぽ〜い作りの曲もあり、どうも理屈に弱〜い私には、なかなか掴みづらく、今まで正直納得出来たとは思えない曲、演奏の方が多いかもしれません。

こうなりゃ回数で勝負?というわけで、今回また弾く事にしました。もちろん、何度弾いても飽きないし、いつも発見があるからこそですが、私のような不器用な上に好き嫌いだけは妙にはっきりしてる者には、全曲演奏なんてことはありえね〜ので、一曲でも「おお、そういうことだったんか〜」と自分で咀嚼出来たことが音になっていればいいなと思うのです。

今回は初めてイタリアンで弾きますし、楽器から受けるものも楽しみです。そもそもドイツのチェンバロの祖先はイタリアンですしね。
2006年07月04日(火) 00:15:15 Modified by moriyoko1




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