ビスフォスフォネート系薬剤と歯科の保険治療
保険制度について
- たとえば、「本剤を含むビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例のほとんどが抜歯等の歯科処置や局所感染に関連して発現しており、また、静脈内投与された癌患者がほとんどであったが、経口投与された骨粗鬆症患者等においても報告されている。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与にあたっては、必要に応じて適切な歯科検査を行い、本剤投与中は侵襲的な歯科処置はできる限り避けること。また、患者に十分な説明を行い、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科に受診するよう注意すること。」click pdfとある。
- ビスホスホネート系薬剤を投与予定なので、歯科検診をお願いします。
- ビスホスホネート系薬剤を投与予定なので、口腔の不衛生に対して、口腔ケアをお願いします。
- ビスホスホネート系薬剤を投与中なので、一般的には抜歯が必要な歯に対して冠を被せて、補綴維持管理をお願いします(ちょっと表現が困難ですが)。
- ビスホスホネート系薬剤を投与中なので、抜歯を避けるため、根面キャップで、オーバーデンチャーを作成してください。
- 困りました、いずれも、保険治療は不可能ですね。
クロルヘキシジンについて
- 海外の論文で、ルーチンに使用されているクロルヘキシジン(コンクール・ラカルト・BUTLER CHX洗口液による洗口は、本邦では、保険治療でないばかりが、濃度も薄いのしか使えません。
- ラカルト:エスエス製薬に問い合わせて、すぐにFAXがきて0.047%グルコン酸クロルヘキシジンとのことです。
- コンクールF:グルコン酸クロルヘキシジン0.05%配合と書いてあります。ネットでは、コンクールF(0.36%)と書かれているのもあるがclick、どうもコンクールから、コンクールFに変わったとき、0.05%に変更になったようであるclick。ウエルテック株式会社から、詳しく教えてもらい、「コンクールFの1滴当たりの量は、約0.028mlです。濃度につきましては、25〜50ml水に対して、コンクールF5〜10滴は約0.28〜約1.12%で、クロルヘキシジン濃度は、約0.0001〜0.0006%になります。」とのことで、きわめて薄いようです。
- バトラー BUTLER CHX洗口液(サンスター/GUMブランド0.2%も以前にあったが今はないclick):メーカーより丁寧に教えてもらいました。濃度は0.05%未満で、使用時には、0.0020%とのことです。基本的に、0.0013〜0.0020%で使用することのようです。HPは、歯科医院専用ページ内だそうですclick。
- リーチ 薬用デンタルリンス:HPには、書いてありませんし、お問い合わせに電話したら基本的に開示しませんとの回答でしたので、濃度は不明です。click。 市販で薄めないタイプなので、もちろん濃度は低いはずです。
- GUM デンタルジェル センシティブ:ネットでは、0.05%との記載があった。click
- よって、そのままでも0.12%に程遠く、さらに薄めたら、意味あるのか??? 「薄めて使用するタイプなので、小さいボトルでたくさん使用できます」と、意味不明なことを書いてある歯科医院もあります。
- 医薬発第 283 号の、品目 用途 濃度(グルコン酸塩換算)傷の消毒保護 0.05%というのがあって、口腔粘膜に用いる場合には、傷の消毒保護0.05%が準用されていますと、知識の泉みたいな先生に教わりました(^^)。→医薬発第 283 号pdf
2007年11月08日(木) 17:11:53 Modified by mxe05064