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「ラヴ・リンク」五話



 夜、反撃の誓いを立てたふたり――秀一と朋美が‘帰路’につこうとしていた、同時刻のこと。
 その相手のひとりである生徒会長・背川正義は、ある場所で性欲を‘抜いてもらって’いた。
 古ぼけた三階建てアパート「めいりょう荘」の二階、一番端っこの部屋は、「朝花アナ」が一人暮らしをしている場所である。
 彼女は表向きは聖羅高校三年生の会計だが、その実はセーギに身体をうりこんで得た地位なのだ。

「んっ…………む……」

 巨大と形容してもいい正義の陰茎を、あどけない顔立ちの少女――アナが咥え込んでいた。
 一切のあかりを消したこの部屋でもわかる輝かんばかりの金髪を、両頬に垂らしポニーテールにして結っている。
 美しい少女だった。
 ハーフである彼女の瞳は、青玉を思わせるほど透きとおっている。
 宍色の肌を有する均整の取れた肢体は、女性としての魅力を存分に引き出したなまめかしさを感じさせるものだった。
 胸の豊かさでいえば朋美に軍配があがるものの、少しの差でしかない。
 朋美とアナ、どちらも絶世の美少女であることは間違いないが、どちらが美しいかと聞かれればまず即答はできないほどの美貌を持っている。
 人によって好みの差はあれ、一つの高校にこれだけの美姫が二つ揃ったのは奇跡的ともいってよい。

「……むう…………」

 眉間をぴくりとよせ、眼を細める正義。
 病的なまでの遅漏である彼も、アナの舌技には感服せざるをえなかった。
 異常なほど女性の理想が高い彼は、十八年の人生において一度も自慰行為に及んだことがない。
 初経が十六歳と平均から大幅に遅れたが、彼女――アナがいなければ、更に遅れるはめになっていただろう。

「……そろそろ挿入れていいか?」
「……承」

 僅か一語で返答するアナ。
 彼女の素性は、謎だった。
 一人暮らし・日米ハーフ、これだけで相当希少な存在だし、一年生の時からわざわざ正義に言い寄ってきた理由も不明。
 正義がそんな彼女を受け入れた理由はといえば、単純なものだった。
 自分を慕い、支え、性欲処理までしてくれる者を拒否する理由がどこにあろうか?
 心内でどう思っていようと、刃向かう者は切り捨てるし、協力する者は取り入れる。
 去るもの追わず来るもの拒まず。それが彼の信条だった。



「くっ……」
「あっ……は…………」

 欲望のままに腰を振り、少女の秘所を突きこむ正義。
 互いの両手を握り合い、ただただ快楽を貪ろうとしている……わりには、ふたりとも淡白といってよかった。
 微かに顔を歪めているものの、眼は開いているしあえぐこともほとんど無い。
 徐々に息遣いは激しくなっていくものの、あまりにも緩慢で、端から見たら興奮より先に彼らの体力を心配してもおかしくないほどである。

「っっ……――ぐはっ、が……!!」
「うっ……――――あぁぁあぁ…………!!!」

 ふたりが達したのは、意識疎通でもしているのかと勘ぐりたくなるほどに同時であった。
 さすがにこの時は少しばかり嬌声が洩れた。
 少年は歯噛みした精悍な面差しをアナに向け、彼女も可愛い顔をゆがませて正義を虚ろなまなざしで見据える。
 白濁の液がどっぷりと膣内からあふれ出て、寝床をぐしょ濡れによごしてしまう。
 抜け目のない彼らにしては、珍しい話である――コンドームをつけないどころか、中出しまで行うとは。
 性病の危険など鑑みれば、このような事は避けるべきなのだが……
 ふたりはお互いに荒い息を整えてから、淡々と事後処理にいそしみ、着替えた後は何事も無かったようにベッドに腰掛けた。

「アナ……お前に一つ言っておくことがある」

 こくん、と微かに首を傾けるアナ。
 整った人形のような童顔が、無表情で少年を見据えていた。

「明日、オレはある女を手込めにする。恐らく、「成功」である確率が高い。お前の負担を減らせてやれる」

 こくん、と再度うなずくアナ。

「……オレはお前のおかげでここまでこれた。もっと礼をしたい……何か欲しいものはあるか?」

 無機質にすら見える美貌が、ふいにかすかな笑みを浮かべた。
 少女の顔が正義の顔に近寄り、顔の両側に垂れる金髪が揺れる。

「………………愉悦……」

 ほんのひと言、美しい少女は呟いた。
 十八という女性ともとれる年齢の彼女にしては、随分幼い声である。
 ある意味、朋美とは何もかも対照的だった。

「そう……か」



 精悍な少年の方も、アナの言葉を聞き入れ穏やかに破顔した。
 彼女の正体は不明なれど、自分に与する者を邪険に扱うような真似はしない。
 ましてや、学校行事のことから下半身のことまで、様々な分野を彼女に委ねているのだ。

「…………ありがとう……アナ」

 ささやかな謝礼にも、少女は返答をよこさなかった。
 すぐにも、正義の腕が少女の服に伸びてくる。
 シャツをめくると、ピンクのブラとなめらかな肢体がさらされる。
 きめ細かい肌に手を這わせ、艶やかな下着を取り去る。
 発展途上だが小さくはない胸に少年の顔が近づき、淡いべに色の突起に舌が這う。
 少女は微かな途息さえも洩らさないが、間も無く、ちゅぷちゅぷと吸い上げる猥音がはっせられると、ようやく彼女は僅かに悦楽を感じたのだった……

 ―――

「ただい……!」

 玄関のドアを開けるなり、視界に醜い顔がうつし出された。
 父親が勃って――いや、立っていたのである。
 肥えた腹をジャージにランニング姿で覆っているさまは、薄くなった頭皮と相まってだらしない中年オヤジの典型に見える。

「お前……今までどこ行ってたぁ!?」

 怒りからか、声がわなわなと震えている。
 それだけではなく、つい先刻まで酒をあおっていたらしい。
 顔が異様に赤く、足取りも悪い。
 このような男が証券会社の重役なのか……と、人様が見たら懐疑的になりそうな姿である。
 一方、少女――朋美の方はというと……立ちすくんで震えたまま、何も答えられずにいた。
 視界に映る父の姿が大きくなってゆくが、玄関から一歩も動こうとしない。

「……そうか、答えないか! なら犯らせろぉ!」

 濁った声で怒鳴りつけ、無抵抗な美少女の胸ぐらを掴んで、引き倒した。
 仰向けに倒された朋美は歯を食いしばって耐えるが、この男の暴挙には意味を成さない。
 強引に光緑色のワンピースを剥き、胸に手をのばし――

 カシャッ



 突如鳴った異音に、醜男の動きが麻酔でも打たれたかのごとく止まってしまった。
 恐る恐る、聞き覚えがある音の方へと身体を向ける。
 ――黒い格好の少年がいた。
 歳は十代後半だろうか。シックとは言い難いジャケットとズボン、鳥打ち帽を身に付けている。
 異音の正体は間違いなく、彼が持っているデジカメから発された者だろう。

「き、きさま……それをどうするつもりだきさまあぁっ!」

 叫ぶなり、太った巨躯を飛び上がらせて少年のもとへ駆ける醜男。
 それを視認し、少年はすぐさま踵を返して家を出て、玄関のドアを閉め切った。

「ま、待て!! そんな、そんなものを持っていくなぁぁ!」

 娘を手にかけた写真などが出回れば、自分はただじゃ済まない。
 分かっているからこそ、彼はあの少年を捕らえ、カメラを壊さねばならなかった。
 跳ね回る豚のごとし身のこなしで玄関へ走り、ドアを開ける――

「ぶっ……」

 呻きは一瞬だった。
 少年の拳が、打ち合わせでもしたかのように、むくんで膨らんだ男の顔面を打ち据えた。
 嫌な感触を覚えたが、もとより覚悟のうえである。
 走ったいきおいで、たおれざま巨体が浮き、仰向けにぶっころぶ巨漢。
 白目をむき、醜い顔に鼻血とあわを吹かせており、完全に意識を失ったことが判別できた。

「……やべ、本気でやっちまったかもしれない」

 自分が揮ったにも関わらず、男の容態を気にしてやる少年――秀一。
 むしろここ数年喧嘩などしていないのに、いざ実戦で本気の正拳を見舞えるところは、逆に評価に値するところなのだが。

「秀一くん……」

 玄関先に倒れた父と、その父を下した少年をみとめ、服をなおした朋美がやってきた。
 心配そうに父を見つめ、

「…………だいじょぶ……かな?」
「な、何言ってる。こんな奴のことなんか気にすんなよ。……いい今まで朋美にしてきたことからすりゃ何ともないだろ」



 高揚しているらしく、震えをおびた声で朋美に返答する秀一。
 確かにやりすぎるのは良くないが、何しろ歳と体格に相当な差がある。
 この男の脂肪のつき方ならば、加減するのは危険と判断しても過ぎた考えではないかもしれなかった。

「それにしても……あっさり解決、かな? 後々めんどくせーけど……」

 一連の流れから察しはつくが、この行動は事前に朋美とながい相談を経て遂行されたものである。
 この後の朋美の振舞い方について、特に入念に話し合った。
 日常的に娘を乱暴していたという事実が明るみに出れば、彼は暫く陽の元にでることはできないだろう。
 その証拠として、朋美も恥を捨てて提供すると言ったのだ――自らの身体を。
 それだけでは心許ないので、物的証拠となる写真も撮ったが。

「あとは……あいつらだな」
「…………うん」

 お互いに緊張の面持ちで呟いた。
 この後に待ち受ける面倒くささなど、彼らの性質の悪さに比べればましなのかもしれない。
 朋美の父の場合は、こちらが証拠を握っているから良かったものの。
 彼ら――「黒い三連性」や生徒会長の場合は、逆にこちらが不利になる物を握られているのだ。
 勿論なにも考えていないわけではないが、相手が相手、状況が状況なので、極めて不利であることは確かだろう。

「……朋美」

 憂い表情を少女にむけ、呼びかけた。
 悲壮な……いや、悲愴な声色が出てしまうところに、事態の深刻さが浮き出ている。

「…………」
「ごめん、な……朋美にも、やってもらわなきゃならない……」

 暗澹たる雰囲気を漂わせてしまうふたり。
 仕方がないことだった。
 お互いに身を削らないと、事の成就は恐ろしく困難なことなのだ。
 並じゃない覚悟と努力、忍耐が必要になってくる。

「………………大丈夫、だよ……」

 ふと、朋美が重々しく口を開いた。
 優しげな声で言われ、やや安息を覚える秀一。
 彼の性格上(少女の格好にも原因はあるが)、こんな時でもなかなか眼を合わせられないのだが、それでも彼女は続けて言葉をつづった。



「私は……秀一くんのためなら、何だってしてあげたい。…………だって、これは……もとは私の問題なんだもの……
 秀一くんになにを頼まれても、文句なんていわない……だから…………」

 朋美の言葉を聞き入れるうちに、心拍数が上がっていくのを感じる少年。
 彼女は別に色めいた意味で言ったわけではないのだが、男としてはそういったことを告げられると、どうしても意識せざるを得ないのだ。
 だが、朋美もそれを推し量ったのか、すぐにも美しいおもてに微笑をたたえ、秀一に歩み寄った。

「……と、朋美、俺さ…………え?」

 思わず顔を正面に向けると少女と眼が合ってしまい、心臓が大きく跳ね上がった。
 かわいすぎる顔に流れる黒髪を飾り、赤らんだ微笑を浮かべた彼女は、大げさじゃなく「女神さま」のような雰囲気があった。
 そんな朋美が秀一の手を取り、何をするのかと思えば――

「……っ!!」

 両者とも、言葉を失っている。
 突如おこった、普通なら至福の瞬間であるはずの出来事を、少年は直視できなかった。
 朋美によって促された秀一の右手は、豊かに膨らんだ少女の胸におかれていた。
 それも手のひら全体で、包み込むように、少し気を抜くとゆがませてしまうだろう位置におかれている。
 だが彼は、そのにぎりしめたいという衝動に、必死にあらがった。
 なぜかは分からない。
 この場面に於いては揉んでも良いのかもしれないが、やってしまうことによって何か負けた気がするのが嫌だった。
 秀一がどうするかしあぐねている所へ、急に朋美が口を開き始めた。

「秀一くん……どうしてもっていうなら……………………しても、いいよ。……けど、私は――」
「なな何いってんだっ。そんなわけないだろ! おお、俺を他の男と一緒にするなよっ」

 あわてて言うなり朋美の腕を振りほどき、背を向ける。
 私は――その先を言わせたくなかった。
 そして、このまま誘惑に負けてしまいそうな自分がいる。

「それに……朋美は、したくないんだろ? やりたくない相手としようなんて思わないよ、俺は」
「………………ありがとう……」

 小さな声でつむがれたお礼が、秀一にとってはまたなんともいえないものだった。
 本能的には物凄くしたい。けど、朋美の事を考えたら……
 朋美自身も、秀一がそういったことを望んでいるのは分かっている。
 だからといって彼女がそれを望んでいるわけではなく、むしろ出来ることならしたくないとさえ感じているのだ。
 しかし……秀一は肉体を欲している。
 そんな相対する想いも、ふたりを悩ませる種の一つだった……



 ―――

 翌日の昼休み――ついにその時がやってきた。
 定められた時間になると、ふたりは早速いっしょに教室を出た。
 周囲の視線など、もはやどこ吹く風である。
 これから成さなければならぬことに比べれば、なんと些細な事柄か。
 お互いに押し黙ったままいつもの女子トイレへと向かう。
 並んで歩むかれらは容貌こそ対照的なれど、醸し出す雰囲気が似ているのに気付く者はいるだろうか。
 触れると跳ね返されてしまいそうな、鋭い棘のような空気なのだ。

「……朋美」

 女子トイレを視界の奥に認めると、秀一が辛うじて聞き取れる声をかけた。

「無理、すんなよ。危なくなったら俺が出て行ってやるからさ」
「…………うん、大丈夫」

 彼女にしてははっきりとした返答だった。
 心なしかその瞳も、常時の頼りなくはかなげな光より、剛毅な意志さえともっているように見える。
 秀一もそんな彼女を見て安堵していた。
 根拠はないが、負ける気がしないと思わせられて、まさに女神だなどと独り含み笑いを洩らしたほどだった。
 女子トイレの手前で、秀一は入り口から死角となっている階段の方へ進み、ふたりはウインクしあって別れた。
 朋美が入ると、見張りが入り口に立つようになる。
 以前の様に油断してくれればいいが、下手に踏み込んで見つかってしまっては元も子もない。
 女子トイレと階段は薄い壁で仕切られているのである程度聞こえる。
 何かあればすぐにでも駆け込む覚悟だ。
 そして……先ず、意を決して足を運んだのは朋美だった。
 中に入ると、醜く黒い女の三人組が腕を組んで待っていた。
 しかし、なにか様子がおかしいと勘ぐった。
 朋美も平時とは異なる気配を放っているが、今日の彼女らからも、殺気というか、欲火を煮えたぎらせているあの気持ち悪さがない。

「豚、話がある。……ありがたく耳に入れとけ」

 「黒い三連性」のひとり、ウルフカットが低い声で言った。
 相変わらずの酷い扱いだが、やはり何かが違う。

「五時間目――授業の最中だが、生徒会長が直々にお前に用があると仰せだ。屋上に来い――以上だ」
「……………………………………え……?」



 呆然と立ち尽くす朋美だったが、気付いた時には「黒い三連性」は少女を横切り、女子トイレを退出している。
 あまりにも唐突に告げられた内容に、立ちすくんだままこれはどういうことなのかと思考にふけってみた。
 ……といっても、思い当たるふしなど一つしかない。
 あの色を好む生徒会長だ。自分の身体を欲している以外に呼び出す理由はあるのだろうか。

「…………み……朋美……いるかー?」

 「黒い三連性」が去りゆくのを見届けた秀一は、何か異様な予感をおぼえ、女子トイレの中にいるはずの朋美を呼び掛けた。
 これを聞き入れてハッとし、そそくさと女子トイレを退出する朋美。
 すでに入り口で待っていた秀一に落ち合うと、お互い当惑した表情で見つめ合ってから、朋美は彼女らから告げられたことを話した。

「授業中に屋上…………」

 誰にともなくつぶやく秀一。
 彼の頭の中も、この二つの単語で連想するものはあれしかないようだ。

「………………どうしよ――」
「相手が黒豚から変態にかわっただけさ。いこう、朋美。後には引けない」
「……うん。そうね……そうよね…………」

 朋美の表情が陰っている。
 言い知れない、なにか別の不安にさいなまれているようだが、秀一にそれを知る由もない。
 五時間目まで、あと十分。
 運命の刻は、すぐ眼の前にまで迫っていた……

 五話 おわり



前話
作者 7-12(6-548氏)
2009年01月06日(火) 09:02:20 Modified by ID:QoBh7SNwMg




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