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『彼女』の呼び声〜ブリッジ2

「ジュリエット、オデット、コッペリア、ドロシー……うーん……」

 バイトをしながらも、仁は必死に彼女に相応しい名前を考え続けていた。
 午後の授業の内容なんて欠片も頭に入っていない。
 考え始め、そろそろ六時間を越えている。
 が、それだけ頭を悩ませてもなお、彼女に相応しい名前は思いつかなかった。

「アリエノール、エルゼベート、ジャンヌ、シャラザード……」

 検品しながらもさらに考える。
 普通ならばそんな風に気を散らしていると数え間違いやら入力ミスを起こす物だが、今日は不思議とミスも無い。
 まるで頭が、彼女の事を考えている頭と、検品作業をこなしている頭の二つに分かれているかのようだ。

「アフロディテ、ファーティマ、ヴィシュヌ、此花咲耶姫……」

 駄目だ。
 どの名前も、彼女の持つ魅力や独特な雰囲気の百分の一、いや千分の一も表せていない。

 あの、幼女のように無邪気な笑顔。
 拗ねてそっぽを向いた時の横顔。
 お腹を空かせ、期待した眼差しでこちらを見上げる上目使いの表情。
 時折見せる、物憂げな表情。
 そして、頬を朱に染め、目を閉じて口づけをねだる時の甘えた顔。
 ――百万の言葉より、なお雄弁に語る表情と動作。

 何故か回りの人間に気づかれない幽霊のような存在だが、抱き締めた体の柔らかさと暖かさは決して夢幻のものではない。

「和泉式部、額田王、小野小町、小野妹子……」

 違う。妹子は男だ。
 自分で自分に突っ込みを入れ、そこでようやく我に返る。
 気づけば検品が終わっていた。
 さすがに注意力が散漫すぎたと反省し入力端末をチェックするが、不思議と値に間違いはなかった。
 さらに、時間を見てみるといつもの三分の一くらいしかかかっていない。

「これも……愛の為せる力かっ!?」

 自分で言って恥ずかしくなった。
 とりあえず、ごまかす為に咳払いを一つ。
 ついでに辺りを見回すが、特に彼に注意を払っていた人間はいないようだ。

 ――最近、気付けばいつも彼女のことを考えている。
 これもまた、つい先日までの彼からは考えられなかったことだ。

 これまでの彼の生活は、第一に学業だった。
 よい成績を取って一流大学に入り、目指すは政治家か弁護士か、あるいは外交官か。
 別にそれらの職に興味や感心がある訳ではない。
 ただ、世間的に立派な仕事、であればなんでも良かった。

 とにかく、一流の仕事について、そして――

「……兄貴だけが子供じゃないって事、思い出させてやる」

 仁には歳の離れた兄が一人いた。
 眉目秀麗成績優秀おまけにスポーツ万能。
 両親にとって、自慢の息子だった。
 母にとっては、兄だけが自慢の子供だったのだ。
 己が腹を痛めて産んだ子は、もう一人居たのに。

 兄が事故で死んだ後、母親は事あるごとにこう口にした。
 お前が死ねば良かったのに、と。
 それに比べれば、父はまだ優しかった。
 彼はこう言ったのだ。
 死んだ兄に負けないような、立派な人間になりなさい、と。

 結局、仁は兄の代用品でしかなかった。
 だから、学業に集中したいと言って家を出て――こうして、バイトをしながら寮生活を送っている。

 まったく、今までの彼の生活からは考えられないことだ。
 自分が、授業なんてどうでも良くなるほどに、他人のことを考えているなんて。
 本当に、彼女と出逢って自分の生活は変わったと思う。

 それはまるで、うさぎの穴に落ちた気分。
 見知らぬ少女を追いかけてたどり着いたのは、今までとは全く違う、不思議な世界。

「――――それだ!」

 どうして今まで思いつかなかったのだろう。
 彼女の雰囲気を、最も的確に表現した名前。
 彼の好きな作家の、代表作とも言える作品の主人公。
 彼女に相応しい名前は、それしかない。
 だが……彼女は喜んでくれるだろうか?
 彼がつけるこの名前を、気に入ってくれるだろうか。

 その日の夜はいつにも増して、彼女がやってくる時間が待ち遠しかった。

前話
作者 2-545
2008年01月20日(日) 18:44:52 Modified by n18_168




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