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リレー小説〜his & her side〜(再会編)




〜his side〜
 記憶の仕組みは未だ難解不可思議だ。
 五分前の大切な要件を忘れてしまうかと思えば、10年前の何気ない記憶をふと思い出させる。
 なぜ俺がこんなことを思ったかというと、理由は二つ。
 一つは今日、図書館に来たのが記憶のメカニズムについてのレポートを書くための資料を借りに来たため。
 もう一つは、その図書館のカウンターに座って本を読んでいた司書の横顔に見覚えがあったため。
 思い出されるのは中学の頃、ほんの数か月の間、自分の横にいた少女と、本に目を落とす目の前の女性の面影が重なった。
 淡い切なさと共に、彼女の名前が胸にせり上がり、名前の方だけが口を出た。

「××…」

 弾かれたように彼女は顔をあげた。どうやら、俺がここに突っ立っていたことにすら気づいていなかったらしい。
 本に熱中すると、周りが見えなくなるところも昔のままだ。
 懐かしさを覚えながら、同時に少し焦りに似た感情を得る。
 自分にとって彼女は想いをよせていた相手だが、彼女にとっての自分は一度席が隣り合っただけの同窓生に過ぎない。
 いきなり呼び捨てにしたのはまずったか?
 彼女の記憶の端にでも自分の名前が残っていることに期待しながら、俺は自分の名前を名乗ろうとした。
 けれども、

「……333……くん?」

 目を丸くした彼女の口から、記憶していたのより少し大人びた声に載せられた、俺の名前が聞こえてきた。



「あ、まだ覚えてくれてたんだ」
なんだか少し照れ臭くなり、漫画のキャラがやるように頭を掻く。
「……忘れる訳……ない」
「え?」
「……なんでも……」
顔を真っ赤にしてうつ向きながらぼそぼそとしゃべる彼女。
なんというか、あの頃と全く変わらない様子を見て、何故か顔が自然に笑ってしまった
同級生だったころもそうだ、
俺が話しかけると、彼女は顔を真っ赤にしてうつ向き、ぼそぼそと話した。
「………」
気づいてみれば、彼女はこちらを見つめていた。
「ん?俺の顔になんかついてるか?」
尋ねるが、彼女は再び顔を真っ赤にしてうつ向き、ぼそぼそとしゃべるだけだ。

なんとなく、彼女の声に耳を傾ける。
「……ついて……ない」
本当に時々ちょっとしたことで聞くことが出来たあの頃と、全く変わっていない声。
ホントに可愛らしくて、優しげなその声がもう一度聞けるなんて、思ってなかったから。
できれば、もう少し彼女と話しがしたくなった。
こほんっと、背中の方から咳の音が聞こえて、俺は慌てて本を差し出す。
「あのさ、後で時間あるかな? これ、俺の携帯番号。良かったら電話して?」
素早くメモ用紙に番号を書き付けて、彼女に手渡す。
言いながら、俺自身、顔が赤くなってるのを自覚した。
「え…………? でも」
「その、迷惑じゃなかったらで、いいんだ。あ、あとこの本の貸し出しお願い」
「ん……」
また咳の音。
もう少しくらい、余裕見てくれても良いんじゃないかと言いたい。
かなり本気で言いたいけど、彼女に迷惑になったら困るし。
そんな事を思いながら、俺は彼女を見詰めて笑って見せた。
「はい……、貸し出し期間は…………二週間……です」
「ん、わかってる。じゃあ、電話待ってるから」
「…………はい」
ほんの一瞬だけ、嬉しそうに笑ってくれた彼女に胸の奥がさやぐ。
終わったはずの初恋。それを叶えるチャンスをこんどこそ、手放したくない。


 だからこそ、今回は打って出ようと思う。
 おはようと一言かけるだけで、その日の精神力のほとんどを費やすような中坊ではもうないのだ。
 自動ドアの前で、少し振り返ると彼女のうつむき加減の後ろ姿が見えた。読書を再開したのだろう。ひょっとして、俺は読書の邪魔をして、彼女に悪い印象を持たれたのではないか?
 一瞬、そんな悪い想像が頭を横切り、次にそんな自分の弱気を否定する。
 さっき、強気にいくと決めたばかりではないか?
 自分のへたれぶりに先が思いやられながらも、俺は彼女をデートに誘う算段を考え始めていた。




〜her side〜
 自動ドアのモーター音が止まったのを聴いて、私は彼が図書館から出たのを知った。
 私は小さくため息を付く。成分は安堵感とさみしさ。胸にあてた手は、とくとくと言う心音を伝えてくる。
 声をかけられた時、わずかに拍動を速めた心臓は、カウンター越しにたった男の人が彼だと思い当たった瞬間
 一気にその回転数を上げ、壊れて止まってしまうのではと思えたほどだった。
 一度だけ、少しの間だけ、誰よりも近くにいることが出来た彼。好きだった…彼。けれど、想いを伝えることができなかった。
「変に……思われなかったかな?」
 脈拍が落ち、心の天秤が高揚に傾いた状態から平常に針を戻すと、そのまま消沈へと傾いて行く。
 今の自分の姿は、贔屓目に見てもぱっとしない。生地が厚手の茶系統スカートに上は少しくたびれたブラウス。その上に紺色カーディガン。おばあさんみたいだ。
 その上、顔は化粧っ気がまるでなく、もうスッピンに近い。フレームの太い眼鏡に、少しコンプレックスの太目の眉毛。
「おまけに…ちゃんとお話もできなかった…」
 ボソボソとしたはっきりとしない喋り方。おどおどとした態度。これは眉毛より遙かにコンプレックスに思っているけれど、なかなか治ってくれない。
「変な奴って……気持ち悪い奴って思われたかな…‥」
 気持が一層沈みかけて、けれど首を振る。このままでは駄目だ、と。


「・・・こんな私を好きになってくれる訳ないよね・・・」
十年以上一方通行の想い。そしてこれからも永遠叶うはずがないって分かっている想い。
また会えて電話番号を教えてくれただけでも本当に嬉しかった。もう十分に満たされていた。

なのに



彼女の幸せは



まだ



止まらない


〜再会編・完〜

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作者 無口スレ住人
2008年01月20日(日) 20:16:22 Modified by n18_168




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