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交流戦


 家に帰ると彼女が出迎えてくれることもなく、TVに釘付けだった。ただいま、と声を掛けながらソファの隣に
座ると間髪入れずにもたれかかってくる。
 TVの中身は無論トラーズの試合だった。交流戦期間に入り試合間隔が微妙に開いていることもあって、集中度
はいつも以上のようだった。なにせ7日間で4試合しか行われないのだ。試合単位で見れば先発のエースが登板す
る間隔が短くなるから、毎試合が本気の勝負になって楽しい、とは彼女の弁である。
 今日の試合はトラーズ主催のパンジャーズ戦、5回裏の攻撃中でトラーズの2点リードだった。
「今日の先発は誰だっけ? 豊岡?」
 違う、と彼女は首を振ると背番号を口にする。
「あれ? 順番的には豊岡だった気がするんだけど」
「……ずらされた」
「怪我?」
 また首を横に振る。詳しい理由は分からないらしい。今年の開幕投手を任されたくらいに実力がある選手だか
ら、それがずらされるとなると軽い疲労でもあるのかもしれない。
 とりあえずローテーブルに一通り揃えられた観戦グッズの中から選手名鑑を取り上げて、先ほど告げられた番
号を調べる。大きい数字だったから下から上げられてすぐ使われたような若手なのだろう。……名前を聞いたこ
とがない。

 不意にくいくいと袖を引かれる。何かあったのか、とTVを見ると問題の先発、城田が打席に出てきていた。5
回裏の攻撃に参加するということは、それなりに評価のできる投球内容でここまでを切り抜けてきたのだろう。
そうでなければここで代打を出して球界上位の救援陣にバトンを託し、勝利投手の権利を持たせたまま降板させ
るのが普通、いや常識だ。
 プロの選手はたった一つの勝利で大化けすることがある。そうでなくても実績のない若手がこの時期に勝利投
手の権利を得るというのは、シーズン終盤の総力戦を戦い抜くときに計算の出来る駒が生まれるということで、
やはり今年もトラーズは優勝戦線に絡んでくる強敵になるだろう。
 そこまで考えが進んだ辺りでまた隣に引っ張られる。
「何?」
「おなか、すいた」
「まだ何も食ってないの?」
 ん、と肯定する。6時くらいに帰ってきて、そのままTVの電源を入れたら試合が始まっていたのだろう。今ま
でも何度かそういうことがあった。
「何がいい?」
 彼女は少し迷って、それからお腹に溜まるモノがいい、と言った。とりあえずスパゲッティの乾麺とレトルト
ソースがあったからそれで適当に仕上げよう。彼女に了解を取ると俺はソファを立った。

 戻ってくるとトラーズが逆転されていた。
「……食べる?」
 テーブルに出来上がったミートソーススパゲッティを置くと、ムスっとした顔のままの彼女がこちらも見ずに
がっつきはじめた。
 ありがとうという言葉を言え、とまで言うつもりはない。しかし、ああ、なり、どうも、なり一言くらい添え
てもよかったのではないか。
「どうしたの?」
「……四球連発、続投」
 わずか11文字の言葉に全てが詰まっていた。未だ続く6回表の攻撃を見ていると、早くも相手の攻撃は打順は
一巡しているらしい。投げている投手も苦しそうだ。
「そんなに急いで食べると……」
 つっかえるのか、と言いたげな目でこちらを見る。口からは数本スパゲッティがぶら下がっていた。
「……トマトソースで服が汚れますよ」
 行儀の悪さを指摘する気力さえ失せ、自分も食べることにした。ズルズルと啜っているとようやくパンジャー
ズの攻撃が終わった。この回のリプレイが流れ始める。

『6回の表、これまで好投を続けていた城田ですが、3巡目となる片平にストレートの四球。さらに続く栗林の打
 席で盗塁が悪送球を誘ってノーアウト3塁となります。これに動揺したのか連続フォアボールを与えてノーア
 ウト満塁。4番の内村を迎えます。
 対するトラーズ、一旦はコーチがマウンドへ向かいますが田中監督は続投の判断です』

 ああ、ダメだこれは。

『初球でした。左中間を真っ二つ、走者一掃の逆転タイムリーツーベース。先発城田、ここでノックアウトとな
 ります』
『この内村の場面でねぇ、ピッチャー代えといたほうがよかったんちゃうかなぁ思いましたねえ、僕なんかは』

 解説者が相槌を打つのを聞きながら隣を見ると、彼女はスパゲッティと格闘していた。TVのほうへ裂く集中力
は全く無いらしい。

『その後を継いだ深草もワンナウト後、6番浅町に一発を許し、更に2アウト満塁まで攻められますが、最後は三
 振で切り抜けました――ここまでの展開、いかがですか』
『監督の、城田君に対する「一皮剥けてほしい」いう親心がアダになりましたねぇ。ベンチもポコーンイかれる
 いう予感あったん違いますか?』
『そういった予感があったにも関わらず続投させたと?』
『まあホンマに予感があったかは分からんけど(笑)
 定石やったら交代のところを引っ張ったんは、成長に期待してるいうことやしね。まあただ、5回まではええ
 投球でしたから今後に期待出来る思います』
『6回表、パンジャーズが逆転に成功、トラーズの3点ビハインドとなりました。この後の攻撃は2番平岡から始
 まります!』

 さっきからやたらトラーズ寄りの実況なのは制作が関西の放送局の中継をCSで観ているからだ。こういう、地
方や放送局ごとの傾向が如実に現れるところなんかは、東京から出たことのない俺からすれば面白いと思う。
 さっきから丹念に皿の底にくっついたスパゲッティをフォークですくい上げている彼女の肩を叩く。
「ちょっとだけ替えてもいい?」
「ダメ」
 即座に返事が来た。この後はCMなのに。
「いや、本当に……」
 ぶんぶんと頭を振る。それから見上げるようにして睨まれた。どうも俺の狙いを的確に見抜いているらしい。
「……ら、ラビッツ戦の途中経過を……何でもない」
 更に眼光が鋭くなった彼女に、俺はさっさと諦めてしまった。ビール取ってくる、と言うと、私も、とだけ
返ってきた。

 缶ビールをトスすると彼女は器用に片手で受け取った。グラスもちらつかせたが、彼女はそれに気がつかない
かのようにプルタブを押し開けて一口啜る。
 気取っても仕方ないかとグラスを手近な本棚の上に置き、自分もビールを喉の奥に放り込む。アルコールより
もまず炭酸で舌が焼けるように感じる。
 期待の上位打線は初球からの積極攻撃が裏目に出たらしく、いきなり1アウトを献上していた。パンジャーズ3
本柱の一角、名取は開幕こそ怪我で出遅れてきたものの、交流戦直前にようやく復帰してきた。確かまだ先発復
帰して2試合目か3試合目だったはずだが、今日のピッチングは流石エースと呼べる貫禄を漂わせていた。

 お互い暫く無言でTV画面を眺める。トラーズ打線は名取の緩急の利いたピッチングに翻弄されており、全くタ
イミングが合っていないように見えた。
 これは今日は彼女の機嫌が悪いままだな、とぼんやり考えていると、不意にTV画面の中が沸いた。終盤にきて
疲れが出たのか、名取が制球を乱した。下位に死球を与えたことで、チャンスでそのまま上位打線に回ってきた
のだった。
 勝負所だ、と上半身が自然と前傾姿勢になる。隣も同じ体勢になっていた。応援するチームは違ってもこうい
うところは2人揃うのだから、自分達はなんだかんだでそれなりに相性がいいのだと思う。

 * * * * * *

 ビールはワインになり、焼酎に変わった。彼女の希望だった。
「惜しかったね」
 結局終盤のチャンスを生かすことが出来ず、晩酌は残念会の会場となった。冷蔵庫から出してきた酒のツマミ
になりそうなものを一通り食い散らかした。酒量も当然多くなっている。
 彼女は相当酔っぱらっていた。言葉では乱れた様子を見せなかったが、顔がこんなに真っ赤では酔っていない
というアピールも意味がなかった。
「大丈夫? 水、飲む?」
 大丈夫に決まってるじゃない、と彼女は更に手に持った焼酎のロックを口にする。これまでの経験上、そろそ
ろ彼女は危険水域だと思うのだが。
 顔にハテナマークを貼りつけながら焼酎の入った瓶をこちらへ向けてくる。俺のほうが酒に弱いのを承知でこ
んなことをするのだから、彼女はもう完全に酔っぱらっていて自制を失っているか、もしくは俺にも酔ってほし
いかのどちらかだろう。
「……どっち?」
「……ん?」
 とぼけた顔をしながら問答無用でこちらのグラスを満たしてくる。照れ隠しの表情だ。
「分かったよ、付き合うよ」
 そう言うと彼女は相好を崩し、更にドボドボと酒を注ぐ。無論溢れた分はこぼれる。
「あーあー何やってんだよ、もう」
 拭くものを持ってこようと立ち上がると、座る様に目で制される。いったいどうしろと言うのだ。
「きれいにして」
 ……まさか、机にこぼれた酒を舐めろと言うのだろうか。きちんと掃除をしているから不衛生ということはな
いが。
「もっと?」
 彼女が物理的にこれ以上入らないグラスへ更に焼酎を入れ込もうとするのを見て、諦めた。満タンに入ってい
るグラスを机の上に置いたまま縁から啜り上げ、多少の余裕を作ってから持ち上げる。
 やっぱり蒸留酒はキツい。ワインまでなら普通に飲めるが、アルコール度数が20度を越えた辺りから身体が受
け付けなくなる。
 縁から垂れたしずくを舐めあげてまだ酒で汚れていない辺りに避難させ、机に薄く広がりつつあった焼酎へ口
を付けた。吸い込みつつ机の表面を舐める。
 アルコールが頭に回っていなければ、自分は何故こんなことをしているのだろうという素朴な疑問が頭をもた
げているのだろう。しかしあいにく、現在の俺は半分くらい理性がすっ飛んでいるただの酔っぱらいでしかな
かった。

 一心に机を掃除していると、とぷん、と焼酎の中身が鳴る。またどこかに酒をこぼしたのだろうか。ソファな
んかだと掃除が大変だ。選択が出来ないから、暫くの間酒臭いソファで野球観戦するハメになる。そう思って頭
を上げると、彼女は自分の胸元にたらりと酒を流していた。
 同じソファで隣あって座っている位置関係からいって、塗れた場所は一番アルコールを感じさせる場所だっ
た。彼女の体温がアルコールを揮発させ、真下から立ち昇ってくる。
「濡らし、ちゃった」
 わざとに決まっている。やってしまったと言っている割りに濡れているのは胸の周囲だけだ。ちなみに彼女は
使い古して裾の辺りが少しだらしなくなったワンピースを部屋着代わりに着込んでいた。多少汚しても問題ない
からというばかりに、焼酎の染み込んだ辺りを手のひらで包み込むようにして温めていた。
「お酒の匂い……」
 すぅ、と鼻で深呼吸する。うっとりとした様子で、何度も何度も深呼吸を繰り返す。
「寒く、ないか?」
 もう夏の直前ではあるが日が落ちればまだ少し肌寒い。日中との温度差で余計に冷えるように感じる。
 胸元を濡らした彼女はアルコールに酔って寒さを感じていないように見える。しかし放っておけば風邪を引く
のは間違いない。
 彼女は静かに首を横に振った。
「……寒くない、じゃねえよ」
 体調を崩したら誰が面倒を見ると思っているんだ。風邪を引きやすい虚弱体質のくせに。
 ほら脱げよ、と手にしっかりと握った焼酎瓶を取り上げて、ワンピースを脱がせる。万歳の格好から上着を抜
き取ると、彼女は上下の下着だけの姿になった。
「……これも濡れてる?」
 上の下着を指差すと彼女は黙って頷いた。なら脱がせるよ、と声をかけるとジロリとこちらを見遣る。
「変態」
 その発言には異議を申し立てたい。これはあくまであなたの健康を気遣った結果であって、別に変態的な行為
の前振りのつもりはなかったのだ。きれいに胸の辺りだけを濡らした奴が悪い。

 肌の表面にも焼酎がついている。べたべたと乾き始めていた。
「きれいにする?」
 ん、と彼女は胸を張った。俺は一言断ってソファの隣の彼女に覆い被さる。自己申告でCカップ。着痩せする
タイプだと思う。
 鎖骨に舌を降ろしてぬらりと頂点に向かって進む。突起に辿り着いて唇で包み込み、唾液をまぶしてから吸い
込む。
「んっ……」
「どうしたの?」
 白々しく訊くと、予想通り馬鹿だのなんだのと罵られた。馬鹿はどっっちだ、誘われたからそれに乗っただけ
だ。
「……う、まいから、きらい」
 彼女は顔を真っ赤にしてそう呟く。アルコールが効いているのか、それともただ恥ずかしがっているだけなの
か分かりゃしない。
「ひどいなあ、一生懸命に頑張っているのに、嫌いだなんて」
「そ、じゃなっ……!」
 突起を舌で弾く。声が途切れたのを確認しないままに更に波状攻撃を仕掛ける。胸の中身を絞り出すように手
で掴み、先端だけ暫く吸い続けてやると、そこもずいぶん硬くなってきた。
「感じてるんだ?」
「……ばか」
 もじもじし始めていた太腿に手をかける。
「こっちも、濡れてるけど」
「……よっぱらい。エロ魔神」
「誰が酔わせたんだよ」
「…………」
 ここで真っ赤な顔で押し黙るのはズルいと思う。

「うー……」
 ベッドに放り込んでやると早速掛け布団を身体に巻き付けて丸くなった。やっぱり寒かったんじゃないか。
「パンツ1枚だから、寒い」
「俺が脱がしたせいって?」
 もぞもぞと布団の塊が肯定の意志を伝えてくる。失礼な、極めて紳士的に同意の元、コトに及んだではない
か。
 俺もベッドの上に進み、布団の塊ごと抱きしめる。
「寒い?」
 もぞもぞと肯定。
「一緒に寝る?」
 もぞもぞと否定。
 俺達は同棲こそしているが、お互いが持ち込んだベッドがもったいないからと寝室は別にしていた。ちなみに
ここは彼女の部屋。男女のアレコレをするときは(何故か)俺の部屋と決まっていたから予想していた答えでは
ある。
「……じゃあ、片付けしてくるから」
 俺がこれ以上この部屋にいても仕方がない。あとは布団を被って寝るだけだ……というのに、彼女は俺のこと
を行かせてくれなかった。布団に取り込まれるようにして抱きつかれる。
「なに? 身体、鎮まらない?」
「……ばか」
 鎮まらないほど可愛がったのはお前だ、とばかりに彼女が反攻に出た。脇の下へ腕を通して後ろから俺の本体
へ手を伸ばしてくる。スラックスの前を開けて指を突っ込んでガチガチのそれを引っ張り出す。
「……変態」
「だってさっきまでおっぱい吸ってたし。……まあミルクじゃなくて酒臭かったけど」
 ぎゅ、と握られる。心臓が縮みあがった。嫌がらせにしたって、していいことと悪いことがあるぞ。
「……おもちゃ」
「最近流行のおもちゃは、乱暴にしたら壊れます」
 最近の変身ベルトなんかは、もう完全に精密電子機器だ。俺の子供の頃はボタンを押してなにかしらの音が鳴
ればそれでいいほうだったのに、差し込んだカードやフィギュアによって音声が切り替わるなんておもちゃの域
を越えている。そのうち、おもちゃを支配して世界征服、というのも夢物語ではなくなるのかもしれない。
「じゃあ、これ電動?」
 自分で言っておいてなんだが、電動のそれを想像して気分が悪くなった。
「違うなら、乱暴する」
 彼女がゆっくりと擦り始めた。ひんやりとした指が気持ちいい。自然と腰が浮く。
「ここで、っく、するのか? いつもは俺のベッドなのに」
「いい、ここで」
 アルコールで投げ遣りになっているのか、刺激を与える手は止まらない。
「……それとも」
「なに?」
「このまま、リビング通りたいの?」
 ボカン、とこちらの頭が沸騰する。
「おちんちんサれながらなんて……ホント、変態」
「ま、待て! それは言いがかりだ!」
 言いがかり、と理性は言っているが、下半身は素直だった。もう爆発寸前でカウントダウンに入っている。そ
れを察知したのか、彼女が無言で裏筋に爪を立てて射精感を押し止める。
「?」
「……ダメ。まだ」
 彼女は今度は腹側に回り込み、いつの間にか唯一身につけていたパンツを脱ぎ捨てて解放されていた入り口
に、俺のそれの先端を擦りつけていた。

「私も……よくなりたい」
 二度目の沸騰。付き合ってから約3年半、彼女がこんなに積極的になったことがあっただろうか。
「……アレな日だけど」
「お、おい!?」
 ならゴムを着けないと、と慌てるが、彼女はそんなことはお構いなしといった様子で身体を密着させてくる。
「……無い」
「なら俺の部屋」
「ヤだ」
 ずるり、と先端が肉に包まれる。入ってしまった。
「も……いいでしょ?」
 同棲を始めて1年以上になる。お互いあと数年で三十路だ。
「こんなときに言わなくても……」
「お酒の力?」
「俺に訊くな」
 先端だけで止まっていたのを押し進める。根元まですっかり入ってしまった。
「態度、はっきりしなかった俺が悪い、ってことで」
 彼女は満足そうに酒臭い息を吐き出した。

 上になった彼女は自分から腰を振り出した。それなりの頻度でシているが、いきなり動かれるのはまだ痛いら
しい。こうして自分で慣らさないと不快なのだとか。
「自分で動くと気持ちいいんだ?」
「んっ……うん」
 顔を真っ赤にしているのは息を詰めて動いているからだろうか。それともアルコールが抜けきっていないから
だろうか。繋がっている部分の少し上、肉のしこりへ指を置く。
「んぅっ!?」
 軽く押し込むようにして皮の合わせ目をこすって緩めていく。中身がすぐに出てきたらしく彼女の反応もすぐ
に大きくなる。
「い、あ……やぁ……」
 俺がクリトリスをいじっている手を彼女は両手で抑えつけ、顎を少し引いてうらめしいといった目で睨みつけ
てくる。普段はそんなことをしないじゃないか、と抗議を受ける。
 たまにはそういうのもいいじゃないか、と一度突き上げる。不満顔がすぐに苦しそうなものに変わる。まだ辛
かったか。
「ばか……」
 さっきよりも強く身体を寄せてくる。
「……感じ、ちゃうでしょ」
「感じてたんだ?」
「バカ」
 さっきより幾分硬い声でそう罵倒される。ちょっとカンに障ったようだ。
「ゴメン。けど感じててくれるんならよかった」
 もう一度突き上げる。彼女は下唇を噛みしめて衝撃を耐える。
「もう、出したい」
「早い、ね」
「そりゃ、自分の嫁が相手だから、ね。ちょっと興奮してる」
「……嫁」
 それも断言するのは早すぎる、と彼女はまた文句を言う。
「責任取るよ。だから間違いなく嫁になる」
 言ってから気づいた。こうじゃなかった。
「……俺の嫁になってくれない?」
「……軽い」
 彼女が苦笑する。酒の力を借りてこんなシチュエーションに持ち込むお前に言われたくない。
「お互い様だろ」
「だね」
 再度突き上げると、彼女は控えめに喘いでみせた。

 * * * * * *

「焦る、とか、あったんだなぁ……」
 初めて目の当たりにした30前女の本気を思い出して思わず呟く。何のことか、と彼女がこちらを見つめてく
る。
「いや、俺が待たせすぎたのかな、なんてね」
 ふるふると彼女がかぶりを振ると、ベッドサイドの引き出しから1枚のチラシを引きずり出した。

『トラーズ応援セール! 〜あなたも家族でトラーズを応援しませんか?
 今、強虎倶楽部にご入会いただくともれなく特製トラーズグッズをプレゼント!』

 ……こんな理由で結婚をせっつかれたのかと思うと目眩がする。
「……冗談だよ?」
「嘘吐け! ……さっきのプロポーズやっぱ無しって無し?」
「無し」
 俺は、こんな調子の妻を娶ることになりそうです。
2011年08月24日(水) 09:25:46 Modified by ID:uSfNTvF4uw




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