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踏まれた記念日……?


 他人の髪を触るのは、とても信頼された関係の象徴ではないかと思う。それが好きな
異性であるなら尚更のことで、背を向けている少女の黒髪を触れて、少年はふうと息を
ついた。
 部屋の天井にある電灯でわずかに光る流れへ指を入れ、下方向に滑らせる。肩まであ
ったものは月日が経って背まで伸び、もう三カ月もすれば腰にまで届きそうだ。
 最初に着ていた一式は洗濯機を経由して天日に干され、少女は代わりの衣服を身につ
けている。しかし、カットソーが無い以外はほとんど同じ格好で、ワイシャツに真逆の
色がとても目立ち、少し分ければ下着がうっすらと透けてしまう。
 トクンと胸が鳴るが、少年はその気持ちを押さえつける。撫で梳くのは終わりにして、
髪を左右に少しだけ持っていく。
 長い白色のリボンで括り、気持ち強めに結ぶ。もう片方も同様に作って、細いツイン
テールができあがった。
「よし、これでいいかな」
 小泉宏樹はちょっとした達成感と共に、三澄成佳の頭をぽん、と軽く叩いた。それか
ら、部屋の隅に立てかけてあった鏡を引っ張り出し、座った状態の体を写す。
「髪が長いのって羨ましい」
 言葉は向こう側でリボンの具合を確かめている成佳へ。この帯は宏樹が使っていたも
ので、こちらも伸びすぎた時にまとめる程度の使用はしている。深い意味はないが、扱
いに慣れているのはそのせいだ。
 横側の髪を持ち上げては下ろし、手の中からするりと抜けていく。この感触を維持す
るのに、普段は黒髪の手入れにどれだけの時間を割いているのか、少しだけ気になった。
「そうだ、眼鏡なんかかけてみる?」
 言うが、返事を聞かない。宏樹はすぐ机の引き出しを開けにかかり、フレームだけの
眼鏡を渡す。
 成佳はレンズが無いのを不思議そうに眺めていたが、やがて装着した。
「わ、図書館の人みたい」
 歓喜の声と共に両手を鳴らし、宏樹は眼鏡を掛けた少女に図書館のイメージを与える。
もともと読書好きの図書委員であるところの成佳が、どこかレベルアップしたような、
知的な姿をしていた。図書室を出て、もっと大きな場所で貸し出し受付けをしていそう
だ。
「すてき。よく似合ってるよ」
 自分の所有物を身につけ、それが似合うというのも中々無い話だ。宏樹は純粋に嬉し
く、鏡で姿を確認している少女を緩く抱いた。
 ただでさえ照れて頬が赤くなっていた成佳は、より一層色濃くなって俯いてしまった。
「ナル、ちょっと相談なんだけど……」
 宏樹は真っ赤になった彼女の耳に近付いて、小声でごにょごにょと話を始めた。

 それは意外な提案だったかもしれない。
 普段は『いじめっ子』なのが、突然『いじめられっ子』になるのは、なんだか不思議
でならなかった。
 宏樹によって作られた髪形と眼鏡をそのままに、成佳は読書をしていたが、直前の話
が脳裏をよぎって活字への集中が途切れてしまう。
「ナルから責めるのはどうかなって」なんて言った少年は、今は本を手にして同様にペ
ージをめくっている。その様子を探って、機会を窺う。
 何しろ、受け攻めが変わることは今まで無かった。女子は受け身であるという考えは、
実際に異性と体を重ねるようになっても変わらずにいる。だから、自分が上になった場
合に何をすればいいのか、どうも分からない。普段と同じように――彼からされること
を――すればいいだろうか。
 宏樹は『妹ハイキック!』なる本を読んでいる模様で、それが発言に影響しているよ
うだった。内容としては双子の兄が妹にいじめられるもので、行為は基本的に女性上位
で行われている。一度や二度、目を通したことがあるから、詳細もわからない訳ではな
い。
 ぱらぱらとページを捲る以外は、二十五度に設定された冷房の動作音くらいしか無く、
部屋がただ広いだけの空間に思えてしまう。手にしている新書もえっちなシーンに差し
掛かっているが、物語とは違う意味で心拍数が上がっていった。
 頬が熱くなるのを感じながら、男女が交わる部分を目で追っていく。何となく選んだ
一冊だが、やはり男子がリードしている。
 表情の変化、というか顔が赤いのを分かって宏樹はああ言ったのかと、成佳はここに
至って納得がいった。だが、いくら文章でも慣れるものではない。

 戸惑ったまま読み進めても、本を閉じるのは少年より早かった。開いてから一時間ほ
ど過ぎたところで、新人募集と書かれたページを過ぎたそれを、机と同じくらいの高さ
になる本棚に戻す。
 先程は座り込んだ状態で背後をとってきたが、肩越しに振り返っても宏樹は動きを見
せない。
 彼のいる、ガラスを張ったテーブルまでがどうも長く思えて、じわりと不安の色が滲
んできた。
 さっきまで構ってくれたのに、活字を読んでいる最中は一度も視線を感じず、いきな
り突き放されたようで、成佳は縦書きのタイトルを選ぶ所ではなくなってしまう。
「…………ナル?」
 足を崩した状態から立ち上がるでもなく、四つん這いになって移動し、まだ読書中の
宏樹のもとへ寄る。部屋着らしいズボンを少し触れて、そこに彼の体温を認めた。
 少年はすぐに本を閉じて、頭を撫でてくれた。それだけで安心して、自然と笑みがこ
ぼれていく。見上げれば、あちらも顔が綻んでいた。
「もう、甘えたさんなんだから」
 まるで迷子のような顔だった。
 相談事の後だったので、なるべく成佳の方から動いてもらおうと、彼女に目をやるの
を止めていた。言葉の後でわざとらしく溜息をついてみせるが、何か意外なものを見た
気がして、くすくす笑いになってしまう。
 態度の割には全然、仕方なさそうとかは感じられない。宏樹の手で起こされ膝立ちに
なると、床を鳴らして距離を詰め、彼の首に手をまわした。
 一瞬でも寂しいと思ったからなのか、これが恥ずかしいとかは一切なく、むしろほっ
とした気分で、成佳は宏樹と抱き合った。体が暖かくなって、ふうと息が漏れる。
「じゃあ、さっき言ったように、してほしいな」
 そっと撫でられて、発生していた眠気が一気に失せる。宏樹の相談を忘れかけていた
成佳は、言葉と同時に思いだし、ハッと目を見開いた。
 密着から解放されるが、けっきょく結論が出ずにハテナを量産してしまう。
「んー……触る、とか。ナルの好きなようにしていいよ」
 首を傾げて、少女の視線は助けを求めているようだった。ひとつ提案すると、まだ悩
んだ表情のまま、肩に乗っていた手が動く。
 好きなようにと言われたものの、成佳はされてばっかりの立場だったため、いまいち
勝手がわからない。その場に座り込み、ワイシャツに包まれた宏樹の腕をぺたぺた触る
にとどまった。衣服も冷房の影響を受けて、熱のある手を冷やす。
 やがて部屋着の袖をまくり、肌を露出させる。少年は手指を揉んだ時に身じろぎをし
たくらいで、完全にされるがまま。
「力加減がいい感じだね」
 これでいいのかと言いたげな目に、宏樹はそう答えた。ちょうど昼食を作る際に使っ
た部分を揉み解され、気持ちがいい。
 成佳は安堵の表情を浮かべた後、一生懸命にしてくれるが、マッサージを頼んだわけ
ではないので、このままずっと、という風にはいかない。
 少し悪い気はするが、彼女の行動を促すため、言葉にする。
「ナル、えっちな事するときって、何から始めてた?」
 とつぜん言われて、成佳はまた首を傾げてしまった。二の腕を揉んでいる指をそのま
ま、少年と見つめ合う。
 空いている彼の手が髪に乗って、ゆっくりと動く。思い出して、とのメッセージを間
接的に送られて、成佳は数刻前の出来事を頭に浮かべた。
 再び膝立ちになり、二の腕から手を外す。答えが導かれると、それに従うのは意外と
簡単だった。
 背中に腕をまわして、宏樹の体に密着する。思いっきり力を入れるのとは対照的に、
彼は優しくしてくれる。体温が上昇して、額に汗が滲んできた。
 いくら言い聞かせても、それに反して鼓動が速くなる。抱きついて動かずにいても、
道がわかると落ち着かなくなって。
「んっ」
 至近距離から宏樹の唇を奪う。最初は一瞬だけ、柔らかい感触を覚えてから、続けざ
まにもう一度、口を繋ぎ合わせた。
 二度目のキスはさらに強くして、成佳は舌先でノックし、口腔に侵入した。

「く、ん……っ」
 無造作に動いている舌に対応しようと、宏樹も必死になった。しかし、頬の裏側や歯
の表面をザラザラしたものが擦って、上手く触れあえない。それでいて強い拘束で、息
をするには鼻で何とかするしかなかった。
 成佳は一心不乱に少年の口を蹂躙した。今は抱きついたまま体を触られることもない
ので、舌の動きに集中して、唾液をさらっていく。
「ん、うんっ」
 宏樹の呻く声を聞きながら、動きが少し落ち着いてきた。なめらかに軟体を擦りあっ
て、唾液による音が耳に入る。どちらの口腔で鳴っているのか分からないが、それが聴
覚を刺激して、どこかに設置されているスイッチを押していく。
 粘ついた音がいつまでも反響し、成佳は自身の頬が熱っぽくなるのを感じた。
 口付けの後、密着を解いて彼の頭を撫でた。上にはねている癖毛はふんわりしていて、
同じ髪なのに不思議な触り心地。さらに首筋をくすぐって、体温の上昇を確認する。
 それから、ベッドに移動して腰かけ、傍らを数回たたいて示した。
「寝ればいいんだね」
 細い腕が物を押しのけるような動作をし、宏樹は思い至った。少女が頷いたのを見て、
取り替えたばかりのシーツへ仰向けになる。
 成佳は彼を跨ぎ、ベッドを軋ませながら両手膝をつく。あまりない上下が逆の格好で、
宏樹の顔がシーツに乗っている。
「う、くっ」
 それにしたって間が持たない。普段なら話しかけてくる側が受け身になっているので、
成佳は言葉が出ずに口付けに至った。
 軽いキスから舌の触れ合いに移動し、軟体を操って宏樹の口腔に入り込む。甘くも苦
くもない彼の味を堪能して、運んできた分を嚥下した。
「どう? えっちな気分になってきた?」
 鼻だけでは足りない分を口で補い、宏樹は積極的なキスを仕掛けた少女に訊く。
 荒い息をついている少年の顔はすっかり赤く染まっていた。成佳は思考を読まれてい
る気がして恥ずかしくなったが、頷くと笑みが返ってきた。
 実際、最初の口付けで思考が切り替わっていた。責められている時は意識していなか
ったが、今も頭の中では資料の整理が行われている。次にどうするべきか、えっちな知
識が引き出された。
「わっ」
 チェストを触れたのと同時に、宏樹が驚いたような声を上げた。体が動いて、成佳も
手を引っ込めてしまう。
 あらためて手を伸ばし、片手だけを使い、ワイシャツに隠れているボタンを探る。衣
擦れの中に、彼が息を漏らす音が聞こえた。
 しかし、いくらまさぐった所で乳首の存在を認められない。白い布の上を指が滑るも
のの――そもそも比較対象にするのもおかしな話だが――胸は平らで盛り上がりに欠け
る。
 体を起こし、腰を下ろせば、成佳の臀部は宏樹の下腹部と接触する。その状態で、近
い方から彼の部屋着を分けていった。
「な、なんか恥ずかしい」
 計五つのボタンを外して、胸元を開く。休みに入る前よりかは幾分か日に焼けた肌が
露出し、顔から腹までは素肌が続いた。下着に当たるものがないので、少し触れたバス
トも、中心に位置する色の濃い部分も、全てがさらけ出される。
「ひゃ、う……っ!」
 唇だけの口付けを数秒、それから首筋へと舌を這わせ、僅かな塩味とともに産毛を舐
めていく。
「うわっ……ナルっ」
 鎖骨を経由した生温かい軟体が乳首を踏みつけ、宏樹は思わず眼鏡の少女を呼んだ。
突然の事にびくりとするが、しかしザラザラした感触の物体は唾液を塗り付けて動きま
わっている。
 成佳は彼にちらと視線をやったが、それから先を聞かない。ちろちろと舌先で突起を
つついては、口に溜まる液を塗って鈍く光らせた。
 小ぶりだが宏樹のニップルは確かに硬く、舐める動きにあわせて彼の身体が小刻みに
揺れるが、成佳はそれを逃がさない。
 唾液で濡らした場所に吸い付くと、「んーっ!」と口を塞いで呻く声が上がった。

「うぅ、ナルが意地悪する」
 少年の頬は林檎に喩えられそうなほど赤く、小声で抗議する様子に、普段の小泉宏樹
が重ならない。癖毛と伸ばしっぱなしの髪がシーツに広がり、分かれたシャツから覗く
肌や、細い体が女子のよう。
 顔を離した成佳だったが、今度は手を伸ばして、主張している突起へ触れた。
「んぅっ!」
 閉じたままの口から、声が漏れていく。そっと当てられた指先から電流が走り、肩が
跳ねた。間を空けて何度も押されるが、送られる刺激に体が慣れる様子はなかった。
 指の持ち主は新しいおもちゃを見つけて、興味を持った子供のように接している。そ
の顔は紅潮して、フレームの奥で目が笑っていた。かなり興奮しているのは間違いない。
「ヒロ、敏感なんだ」
 意外だと思いながら、成佳はぽつりと呟いた。
「ぅ、あ、そんなことっ」
 宏樹は首を左右に振って否定する。しかし、女子の細い指で触られた乳首は硬くなっ
ており、言葉とは一致しない。
「ちょっと……くすぐったい、だけ、っ……!」
 それは陰茎から与えられる刺激に比べて甘ったるく、片方だけだというのに体の痺れ
は増す一方で。何度も押され、その度に肩が揺れたが、眼鏡の少女は変わらず、赤い顔
で視線を向けている。
「んぁっ!」
 押しボタンのように扱っていた少年の突起を、成佳は指の腹で捏ねまわした。
 くすぐったい、などと言う割に、宏樹の反応は性的なものだった。当初は大仰に笑う
か、最悪無反応かと考えていた側としては予想外で、キスをきっかけにえっちな気分に
なった成佳を過熱させた。
『男の人でも、こんな声出すんだ』
 ニップルをつまんで微動させていた成佳の頭に、ふと一文が浮かんだ。先ほど宏樹が
読んでいた『妹ハイキック!』の登場人物、“咲森未来”が、兄の“咲森修一”を責める場
面で口にした言葉だ。触れている箇所は彼のそれと重なる。
 この後、さらに『……気持ちいいの?』と問いかけるのだが、成佳はさすがに出来な
かった。
 いちど手を止め、悶えている少年と唇を合わせた。あらためて癖毛を撫でて、耳や首
筋をくすぐりながら舌を差し出す。
 キスの最中、宏樹の体は小刻みに動き、振動が背中にまわった腕を伝ってくる。成佳
は負担をかけないように注意しながら、両膝と片手で体を支えた。
 湧き出す粘液が狭い空間でかき混ぜられ、粘っこい音が発せられた。軟体は表面のザ
ラザラでその一部をさらって、自然と交換するように発展する。あまりに高い温度が口
腔から四肢を火照らせ、冷房が効いているとはいえ汗が垂れてきた。
 口が離れれば、足りなくなった酸素を補給するために息が荒くなる。普段は覆い被さ
る側の宏樹は、なんだか息苦しそうだった。
 同じく肩で呼吸をしながら、成佳は上体を起こして彼の腹に腰を下ろした。体を跨い
だ膝で体重を分散させつつ、赤い顔をした少年に視線を送る。
 じ……と見つめあってしばらく、珍しく宏樹の方から視線が逸らされた。やはり『す
る側』と『される側』には意識の違いがあるようで、逆に成佳は彼の顔を見たいという
思考が、恥ずかしさよりも前に出ていた。
 そっぽを向かれてしまったが、無防備になったチェストへと手を伸ばし、触れる。
「は……」
 冷風にさらされた胸を覆われ、宏樹の体はぴくりと震えた。丁寧な動きが意識を集中
させ、ゆっくり揉むようにして送られる刺激に、どうしても反応してしまう。
「んっ! ……っ!」
 吐き出される息の間隔は短く、どこか甘い響き。たびたび感じていた女子のような印
象をそのまま、シーツをひっかく音が耳につく。
 上から見下ろすような格好になったのにも訳がある。成佳は弾力のある胸を押してい
た手を止め、中央で突き返してくる突起へと狙いを変えた。同時にふたつ、指の腹で何
度も擦る。
「ひゃ、ふっ」
 次第に動きが速まり、意図せず上ずった声が漏れていく。チェストの全体を触れるよ
りも強烈な電流が渡され、上半身が何度も跳ねる。
 片手で口をふさいで、宏樹は声を堪えているようだ。それでも熱のこもった息や小さ
な喘ぎは聞こえて、成佳は彼の反応見たさに様々な動作を行った。

 指先で軽くつつき、真上から押し、摘まんだ状態から軽く引く。いずれにしても、首
を左右に振り、手足がじたばた動いて、可愛らしく抵抗した。動作を続けているせいで、
少年の髪は普段以上に広がっている。
「……んっ」
 成佳はふと、呼吸とは違う調子の息が出た。
 ニップルを刺激する行為は、成佳自身にも影響を与えていた。ふれているのは宏樹の
体だが、彼の突起を指で弄る度、こちらも弱めの力加減で触られている気分になる。実
際には何もされていないのに、下着とワイシャツの内側で痺れるような感覚を認めた。
 最初こそ不安だったこの行動も宏樹の反応を見る限り正解らしく、彼がすることをヒ
ントに乳首を責める。
 参考に選んだ一冊の本と、今の状況は似ていた。“修一”は中性的な顔つきをしていて、
体が細い。癖毛ではないが他の男子よりも声が高く、眼下で喘いでいる少年と重なる要
素が多かった。そのせいだからか、『もっと彼を鳴かせたい』――“未来”の思考と合致
し、硬く尖っている宏樹の突起を弄ぶ。
「は、ぁ……ふ、くぁっ」
 口を手で覆っても、後からあとから声が出ていく。眼鏡の少女が体を跨いでいるので
逃れることができず、乳首を捏ねまわされて体が跳ね、言うことを聞かない。
 むき出しの胴体に汗を噴き出し、宏樹は抑えきれない音を発しながら身じろぎした。
「……ヒロ」
 二本の指を動かしながら、成佳は呟く。こちらも適当なところで熱を含んだ息を吐き、
相手の感覚とシンクロするように、ふたつの突起が刺激される。
 悶えている様子があんまり可愛く、くすりと笑みを漏らした。本当に別の誰かに思う
前に、名前を口に出すことで認識する事ができた。
 手を止めて、少し進んでから上体を倒す。顔を突き合わせ、熱のこもった息を間近で
受ける。
「かわいい……」
 少し悔しいが、そう口にせざるを得なかった。普通なら男子を相手にかわいいなどと
は、言えたものではないと理解している。しかし、乳首を触られて喘ぐ様子や、何より
女子と見間違えそうな顔は、それを褒め言葉へと変えていた。
「んむ……っ!」
 責めの手が緩くなり、何か言いたそうにしていた宏樹の口をふさぐ。口付けの間にも
彼の髪を撫でて、どこかで接触した状態を保つ。
 口唇をぺろりと舐め、成佳は体を起こした。バランスを取ろうと膝で動き、少しずつ
腹から股の方へ下がる。
「ひゃっ」
 そこで、真下から唐突に刺激を受けた。不意打ちに上ずった声が出て、後退していた
途中で仰け反ってしまう。
 目を向ければ、宏樹も複雑そうな顔。初めはちっとも意識していなかったが、彼の部
屋着と自分のパンツ越しにも、その盛り上がりは感じられて。
「……えっち」
 危なく、一人で倒錯的だと感じる所だった。そそり立った勃起はまさしく男子の証拠
になって、何やら安心する。
 いつまでも上に乗ったままという訳にもいかないので、成佳は宏樹の脇に移った。そ
れこそ、女の子のようにぴったりと閉じられた脚を、余裕のあるズボンから抜く。
 これまた見る機会の少ない青基調の下着から、小山を作っていた器官を露わにした。
「わっ……」
 驚いたような声が宏樹から出たのと同時に、成佳もこく、と息を呑んだ。
 先端に肉の実をつけた棒と、その付近は肌の色が濃い目で、血管が浮かんで見える。
なんというか凶暴そうな印象で、およそ柔らかく笑う少年には相応しくない。きょうの
今日までハッキリと目の当たりにしたことは無かったが、あらためると相手を間違えた
のではとさえ思う。
 電灯の灯りを受けて光り、頭から何かを滲ませているのが分かった。
「は、うっ」
 根元の当たりを掴み、手の中に収める。どくん、どくん、と鼓動するのが伝わり、不
規則に全体が脈打つ。
 赤く染まった宏樹に視線を送るが、数秒もしないうちに逃げられてしまった。

 ふと、成佳はこの高熱を自分の体と比較する。上半身を触られ、特に刺激されなくて
も下腹部は熱くなる。表面に液体を滲ませるのも似て、彼も先程までの行動でこのよう
な状態になったのだろう。共通点めいたものを見つけて、ふしぎと口角が持ち上がった。
 不安要素は上半身の愛撫だけで、ここを責める手段は――本で見た程度には――心得
ている成佳。一度も経験していないが、既に思考は何をしようかと盛り上がっている。
 手で扱く、口に咥えるにしても、宏樹から提案されたことは無かった。そのくせ、新
書や文庫で活字から取りこんでいて、方法はなんとなく分かる。
 受けにまわった彼を相手になら、確かにどうにでも出来そうだ。しかし、参考図書に
『妹ハイキック!』を選んだ成佳は、今まで数多く見てきた二つとは違う、別の手段を
採った。
「な、ナル?」
 宏樹は妙な声を出した。
 いきりから手を離した黒髪の少女は、こちらの脚を開いたと思うと、そこに生まれた
空間に座り込んだ。視線の先に小さな山が二つ現れ、短いパンツと同じ黒のニーハイに
挟まれた、わずかに見える素肌が眩しい。
 体育座りの様な格好で、彼女は眼鏡を整えた。
『じゃあ、足でしてあげる』
 成佳の頭に、“未来”の言葉が浮かんだ。
 普段は“修一”に従順な妹だが、えっちの時には決まって主導権を握るようになる。成
佳がしたように兄を責め立て、勃起に気付いた後の台詞だ。今は口にしなかったが、こ
の体勢で宏樹も察しただろう。
 彼女に倣って、片足だけ浮かせる。
 そのまま、反り返っている肉の棒に迫った。
「くぁっ!」
 ボディをつついた途端、遠くで高い音が上がった。同時にその体が跳ね、成佳はびっ
くりしてシーツを踏みつけた。
 あらためて持ち上げた脚を近づけ、爪先で接触する。指に大きな一文字を感じて、動
かずにいると脈動が伝わってくる。
「あ、うっ……うぅっ」
 押し当てられたままの足が上下に動いて、宏樹は呻いた。ニーソックスが陰茎の裏側
を持ち上げ、擦り、引きずる。さすがに二十三センチ以上の起伏には収まりきらず、先
端だけが布ごしに触れている。
 活字で繰り広げられる責めの様子を思い出しながら、成佳はぎこちなく彼の勃起を踏
みにじった。男性の急所なのだから、これ以上力を加えてはいけないような、心配の念
も現れる。
 だが、短い距離でも上下することで、宏樹に快楽を与えているような気がした。その
証拠に、指に湿り気を感じている。
「つ……はっ!」
 敏感な赤い先端を擦られ、強烈な刺激が体を駆ける。宏樹は鈍い声を上げるが、それ
に構わず少女の足はゆっくりと下方向に動いて、棒の部分をなぞり、引き返す。
 屹立から液体をもらうのと同時に蒸れて、履いている膝上のソックスは自然と濡れて
いく。すると滑りも良くなり、成佳の動きを加速させた。
 そうして宏樹をいじめていると、胸が高鳴り出す。トクトクと小刻みに全身を伝って、
息が熱い。
 現場のすぐ直線状に位置する、パンツとショーツに覆われた部分は、彼から触られた
わけでもないのに、じわりと滲むものがあった。
「うぁ、あ……!」
 細やかな繊維が肌を擦る様は、まるで濡らしたスポンジで洗われているような光景に
似ていた。天を仰いでいた先端は少女に踏まれ、赤く熟れた肉の実は鈍く光って、そこ
から湧きだした液体は成佳の靴下に吸い込まれていく。
『お兄ちゃん、これが気持ちいいの?』
 レンズの入っていない眼鏡を元の位置に戻して、成佳は刺激に喘ぐ少年を見やった。
顔は別の場所を向いているが、頬の赤みは隠れていない。勃起はびくびく動き、滲んだ
液はソックスに染みて、前後の運動で少しずつ伸ばされる。
 ゴシゴシという音が聞こえそうなほど、足裏で扱く。履いている繊維が体温と摩擦で
破けてしまいそうだ。
「あぅっ! ……っ」
 あんまり強烈な刺激に、宏樹は少女の名前を呼べなかった。口はその形に動くのに、
なぜだか声が出ていかない。

 爪先で屹立を踏みつける黒髪の娘は、掛けた眼鏡を何度も指で整え、すっかり上気し
た顔でいる。その真剣な眼差しが耐えられなくて、彼女と目を合わせられずに左右の壁
を行ったり来たりしている。
 本当は暴れないでほしいのだが、踏まれてもなお宏樹の分身は反発する。成佳はその
後頭部を突いて、張り詰めた皮ごと引きまわした。
『そっか。妹に踏まれてこんな風になるんだもんね』
 何しろ、この硬い棒を責めるのは初めてのことだ。いつもは意地悪な少年の反応が、
痛いのか気持ちが良いのか判別がつかずにいた。いま一度、“修一”と照らし合わせて、
“未来”の言葉で成佳は納得する。
『お兄ちゃんって、』
「……へんたい」
『……なんじゃない?』
 頭に浮かべるだけでなく、ついに口から声になった。実際、足蹴にしている部分は熱
を増して、何度も脈を打っている。言葉の対象としても間違いはなく、成佳は一言で罵
った。
 ぽつんと呟いた言葉は、摩擦やシーツを引っ掻く等、様々な音が飛び交っていても耳
に届いた。瞬間、ビシィ! と衝撃が駆け抜け、宏樹は手の先から固まってしまう。
 少女は新しい煽り文句を小声で連呼して、混乱した頭に何度も響く。いつものひらが
な四文字より、よほど酷い言われ様だ。
 意外もいがいな足での責めは驚きばかりが先行してしまって、屈辱的とかそういうこ
とは考えずにいた。だが、「へんたい、へんたい」などと言われて、いじめられる側の
羞恥がどんどん大きくなっていく。
 既に宏樹の中では、裏筋を摩擦されてやってくる容赦のない電撃が、痛みから愉悦に
変わろうとしていた。しかし、恥ずかしさがそれを認めさせず、変に呻くような声を上
げて抵抗する。
「ナル……っ」
 どこか辛そうな印象の音。それでも、えっちな知識で溢れている成佳の意思は、宏樹
を愉しませたいという考えが突っ走っている。真っ赤な顔を一瞥して、山を作って傍観
していたもう片方の足を持ち上げ、腰を浮かせて逃げようとする肉棒の動きを封じるた
めに加勢させた。
「うわっ、あっ」
 前進して距離を詰め、勃起を手で起き上がらせてから、二本の足で挟む。まるで土踏
まずの窪みから生えているように見えて、ニーソックスの黒に相手の肌と赤色が際立つ。
手に馴染みのない液体は微妙な臭いで、空気に触れてベタベタになった。
 先程より明らかに振動が伝わり、爪先ではなく足裏の中央に来るのでくすぐったい。
だが、いつまでも同じ状態でいる訳にいかず、両脇に構えたふたつをゆっくりと下降し
た。
「く……ぁ」
 予想していた、痛みを伴った刺激と違い、宏樹は意に反して高い声になった。分身の
頭を踏まれないだけで、ほとんど軽減されて愉悦ばかりがやってくる。成佳の足がスロ
ーペースで動くのもあり、純粋に気持ちが良い。
 眼鏡の少女は脚を開いているので、生の太腿がしっかりと映る。すぐ内側には彼女の
秘所があるわけで、どんな状態かと想像をめぐらせ、血液が集中していく。
『……あ、びくびく動いてる』
 “未来”が、さも楽しそうに口にする様子が描かれる。
 やはり両サイドから挟み込むのは正解だったようだ。少年は顔をしかめたりもせず、
むしろ勃起がバネ仕掛けの玩具みたいに跳ね起きようとする。近くの電灯を反射する先
端部分もよく見え、止めどなく溢れる液体が乾いている方のソックスにも染み渡った。
 しゅ、しゅ、と、足を上下することで分泌液を塗り、肌色の蛇口をスムーズに擦りあ
げていく。その間にも持ち主は顔を左右させて、両手が敷かれた布を掴んでいる。
「な、ナルっ、だめ……!」
 いよいよ痛覚への刺激が無くなったところで、細い脚を操っている少女に懇願した。
 しかし、視線に映るのは首をちょこんと傾げ、またも眼鏡を整える様子だけ。白いリ
ボンとツインテールが揺れて、唇に添えた手で笑いかけてくる。言葉こそないが、よう
やく口から出た願いも叶わない。
『お兄ちゃん、もう限界? 白いの、出ちゃう?』
 “未来”の言葉は、未だにえっちな本に慣れない成佳にはインパクトが強い。自分で頭
から引き出しておいて、ボッと顔が熱くなった。

 しかし、宏樹が苦しそうに発した言葉を聞き入れず、全体にニスを塗ったような輝き
を見せる肉棒を、さらに扱きあげる。左右からの圧力も強くして、もはや急所がどうと
かは思考から抜けていた。
「あっ、くぅ……」
 ダメだと言ってしまうと、なぜだか『刺激に耐えなければ』という考えが現れる。だ
が、腰は浮いて、いきりを左右から揉みこむ足に敵うはずがない。
 歯を食いしばっても背筋を走る寒気は消えず、
「うあぁっ! く、は……っ!」
 押し寄せるだけの悦楽に、わずかに残って抵抗していた羞恥が白旗を上げた。
 赤の中から白が現れたかと思うと、いきなり飛び出し、成佳は驚いた。それはもう噴
水の様で、宙に浮いた後は重力に従って落ちる。ソックスに乗ったほとんどは消えて、
砕いたゼリー状のものが足裏に残った。
 どくん、どくんと荒々しく脈を打つ肉棒を足で挟み、それでもなお上下に引きずる。
最初ほどの勢いはないが、白濁はまだこぼれて靴下を汚した。
「あ……う……」
 胸を上下させる少年は、放心したように静かな息でいる。
 黒い器から生えていた肉茎は、役目を終えてぐったり曲がった状態になった。
 成佳は靴下に白く残る物体を指で掬う。鼻に近付けると首を傾げたくなるにおいで、
躊躇のすえ口に含むと、表現しにくい味と感触に、飲み込むまでに少々の時間を要した。
二倍以上の唾液と一緒にしても喉にこびりついた様な気がして、けほけほっと咳込んだ。
 ほとんど滲みこんだ後だが、精液で汚れたソックスで床を踏んでしまう。成佳はティ
ッシュの箱を手に、まだ起き上がらない宏樹に寄った。
「んっ!」
 ふにゃりと柔らかくなった宏樹の分身は、自ら噴き出した液体を纏ってべとべとにな
っていた。勢いよくぶちまけた子種は各地に散らばったが、それも紙に吸わせる。最中、
彼は何度か体を微動させた。
 丹念に拭き取った後は不思議と満足した気分になり、成佳はむふーっと鼻で息をした。

 ベッドをギシギシ鳴らして宏樹の顔に近づくと、その息遣いが耳に入る。
 なかなか体勢を変えられないのは何とも不便だった。勃起を足で扱いている間、一度
も出来なかったキスが、なんだか久しく感じて。
「んぅっ……」
 舌先を口に差し出すと、彼はそれに応じて食んだ。柔らかい唇に挟まれ、さらに吸引
されて、成佳の軟体は引き込まれていく。
「じゃあ、今度は僕がしても……いい?」
 しばらく見つめ合った後、少年はそう口にした。
 どうやって終わりを切り出そうか模索していた成佳は、彼の言葉に手掛かりを見つけ
て、小さく頷いた。
 重たそうにゆっくりと上体を起こし、部屋着に急所が隠れる。
 正座を崩した様な格好の宏樹と、目線は同じくらいに。
「……んっ」
 そっと触れた手が体を傾かせて、宏樹から口づけされる。一瞬で離れるが、すぐにま
た戻ってきた。
 接続した口腔で舌がぶつかり、表面を擦り合う。白濁を飲み下すのに使ったはずの唾
液は途切れることを知らず、ぴちゃぴちゃと音を立てて響かせた。
「……すごく言いにくいんだけどね」
 ふと、耳に小さな声が入った。
 続けて宏樹の口から出た言葉に、成佳は思わず口角を上げた。話し終わった彼もくす
くす笑んでいて、
「もう、可愛いなっ」
 とつぜん抱き寄せられた。抵抗する暇もなく、少し強めにホールドされる。
 解放された時、成佳は宏樹から目を外した。相手が可愛らしかっただなんて、まさか
同じ事を考えていたと知ったら、何と言われることか。
 照れ隠しに、眼鏡をくいっと元の位置に戻した。
「眼鏡、取ろうか?」
 レンズの無いフレームだが、その存在感は抜群だった。宏樹は自分で言っておいて何
だが、真面目そうな印象の少女に足で一物を踏まれ、罵られた時の威力が増加した気が
する。少女が眼鏡をかけているのを目にしたことがないので、変わった姿を見られて良
かったと思う部分もあるが。

 成佳はひとつ頷いて、耳と鼻に掛かっていたものを外した。
「うん、いつものナルだ」
 一瞬ぼやけた視界に少年の笑顔が映って、成佳は恥ずかしくなった。視線は逸らすも
のの、顎を取られてキスが始まる。ただただ熱いだけの場所で舌が触れ、小さく呻く。
 軟体が引っ込み、唇だけ接触したまま、腰に添えられた手と僅かな力で体が仰向けに
なった。ギッ……と金属のばねが軋み、宏樹の顔が上にある。
 頭を撫でられたからか、いつもの図式だからか、ベッドに沈んでちょっぴり落ち着い
た。
「あ……!」
 その手がワイシャツのバストへ移り、全体を覆って押し込む。ここに至るまで全く触
られていなかった部分だが、ひとりでに電気を作っていた。初めて刺激された時に体が
跳ねて、過剰な反応をしたのではと心配になる。
 薄い布を二枚重ねただけでは、探る様に動く両手から胸の突起を守れない。上を通過
するたびに甘い声が漏れてしまう。
 指先で服をなぞった後、宏樹は特に脱がすこともせず、上半身から離れていく。
 上下の運動で疲労してしまった脚の方まで下がり、包みに手をかけた。
「綺麗な脚……」
 少女の下肢は黒色の視覚効果でそう感じる訳ではない。僅かに焦げた肌はシーツに映
え、その細さに見とれてしまう。
 何度かに分けて宏樹の精液を浴びたソックスが下降しながら左右に伸び、足首に集ま
って爪先から抜けた。床に置かれたのか視界から消えて、ちょっとした開放感を味わう。
 しかし、脹脛から膝までを撫でて目を細めている様子の宏樹は、どこか変態的だった。
「ひゃっ」
 顔を近づけたかと思うと、おもむろに舐められ、成佳は驚く。そのまま撫でる動作と
同じように、進んでは戻りを繰り返して膝上に迫る。
 なぜか、舌が這うとくすぐったさが弱まり、代わりに痺れが体を伝う。宏樹は唾液を
塗った場所に口付けもして、だんだんと音が近づいてきた。
「や、あっ!」
 口を付けるために持ち上げられていた膝の裏側に、熱を持った軟体がやってきた。表
面とは感じ方が全く違い、足指が丸くなる。横から這いずって、先の行為でかいた汗を
舐め取られている気分だ。成佳は羞恥に体温が上昇するのを認めた。
 やがて元通りにベッドを踏むが、片足は山を作ったまま、それ以上は崩させてくれな
い。
「あぅ……」
 さらに腿へ。ここまで来ると舐める動作に反応して、何もされていない下腹部が疼き
だす。宏樹も、わざとなのか音を大きく聞かせてくる。時に吸引を混ぜた舌使いに、成
佳は脚の震えを感じた。
「下の方、脱がすからね」
 そう宣言するために戻ってきたようだ。だが、言葉より先にされたキスを、成佳も仕
掛ける。
 宏樹はバストに手を伸ばし、少しでも刺激するのを途切れさせない。体を揺らして思
わず閉じた目を開いたころには、彼はもう先程の位置まで動いていた。
 短めのパンツに巻かれていたベルトと留め具を外し、舌が這った下肢を越えてシーツ
に落ちる。下着を残したまま両脚を少し開かれ、冷風が通り過ぎた。
「んあ、あっ」
 ショーツに指が触れ、上下する。その度に押し付けられる布は肌より冷たく、奥のス
リットをなぞられて成佳は喘いだ。
 見れば、宏樹は意地悪っぽく笑んでいた。ふふっ、と声を漏らして、手が止まる。
「……やっぱり、僕の事いじめて楽しんでた」
 横にいるのは変わらず、少年は語りかけてくる。やがて身を乗り出し、顔が真上にか
さなった。
「何もしてないのに、こんなにしてる」
 というのは間違いな気もした。だが、否定するための要素としては少し足りない。
 話の最中に指を下着に押し付けられ、成佳は短く息を漏らす。しわが目立つシーツを
掴んでいた手を、ぐっと引いた。
 顔はかげっているが、こう近距離だと彼の拗ねたような表情もはっきり映る。
 宏樹は秘所の濡れ具合を分からせるため、指の往復を続けた。自分が触れる前、成佳
が責めにまわっている時、ショーツを湿らせるまでに至ったのだ。知らないだけで、意
外といじめっ子の素質があるのかもしれない。

「ん……うっ」
 送られてくる刺激に開いていた口が、宏樹によって塞がる。恥丘にあった手が戻って
きて、ワイシャツをまさぐりだした。
「うんっ……!」
 胸は、まるで触られるのを待ちわびていたように電流を送ってくる。無作為な動きは
却って意識を集中させて、少し擦っただけでも乳首がちりちりと熱い。
 衣ずれの音で身体を震わせながら、成佳は少年の手を追っていく。脇腹を通り抜け、
下着まで到達した。
 同じようにスリットを往復しているはずなのに、愉悦は一味違った。脚は曲げるべき
か、伸ばしておくかで落ち着かず、次第に痺れが強くなって力が抜けていく。
「……ふぁっ!」
 長めの口付けが終わり、生の声が飛んでいった。甲高い音を間近で聞かれ、成佳は明
後日の方を向く。
 が、宏樹は追いかけて、ちゅ、と唇で触れた。
「今度は、僕がナルを気持ちよくさせる番だから、ね」
 さらに、そんなことを言ってのけた。成佳はふらりと手に勢いをつけて、彼の赤いほ
っぺたを軽く鳴らした。
 その後、宏樹の姿は遠くなる。横についたまま忙しなく動き、しかし手際はよかった。
両足からショーツも脱げ、シャツもキャミソールも残っている上半身に比べて下半身が
寂しい。
「力、抜いてて」
 指示されるが、既に成佳は下肢から力が抜けてしまっている。両足をぐっと持ち上げ
られたときも、すんなりと進んで直角に、それ以上に体が反れる。
 わけがわからずに瞬きが始まったのは、斜めにそびえる脚がふたつに開いた時だった。
「あ、あっ……」
 頭より高い位置に爪先が上がり、下着を失った恥丘が天井を向いている。開脚された
中央に宏樹の顔が見え、彼はからだを使って姿勢を維持しようとし、自由になった両手
が内腿をくすぐる。
「ほら、ナルのえっちなところが丸見えだよ」
 置いた指が左右に動き、上蓋を割られる様子が映る。冷房の風がつめたすぎると感じ
る内側の部分、そこに少年の視線が刺さっている。恥ずかしいことこの上ない格好に、
顔が熱を帯びてきた。
 宏樹は胴を支えにして、成佳の体勢を保つ。スリットを作っていた肉を指で開くと、
鮮やかな色の肉が現れた。表面にまで汁が染み出すほどだ、中身は当然のように濡れて、
眩しく光っている。
「ん、うぁ……あっ!」
 突き立てられた指が埋まっていく。同時に体には異物感があらわれ、宏樹の指を喰っ
たと分かった。底なし沼に踏み込んでしまったかのように関節がひとつずつ消え、付け
根のぎりぎりで止まる。
 それが引き上げられ、また埋まり、深く入り込む度に音を立てる。にち、にち、と粘
っこく、次第に大きなものになっていく。
「あ、はっ、あんっ!」
 音の大きさは指の出入りが激しい事を意味していた。どれも長さをいっぱいに使って、
決して浅く往復したりしない。
 侵入者を捕まえようとして膣肉が縮こまり、その存在が鮮明に感じられた。それでも
取り押さえるまでには至らず、くちゅくちゅと水音を響かせるだけ。
 激しいピストンを終えた宏樹の手指は鈍く輝き、抜き取る時には尾を引いていった。
「……は……っ」
 荒い息をつく口の先で、少年は液まみれになった指を舌で拭った。直後にくすりと笑
ったのは、二人で同じことに注目していたからだろう。
 胸や腋に汗をかいて、せめてワイシャツだけでも脱ぎたくなるが、そんな暇は与えて
くれなかった。
「ナル、僕がすること、見てて……」
 いちいち宣言するところが羞恥を煽る。手で顔を隠そうとした成佳だったが、シーツ
を掴んだまま言う事を聞いてくれない。
 両手が蜜壺の蓋を開け、その内側に宏樹の顔が迫る。

「やあっ、ぁ……」
 吹きかけられた息でさえ、体を強張らせるには十分だ。その口から、百貨店のエスカ
レーターばりにゆっくりと舌が繰り出され、身構えてしまう。まだ接触していないのに、
経験の上で刺激を覚えた秘部が震えを寄越した。
「は、あん……あ、あっ!」
 ややあって触れた途端、予想通りに電撃が走る。
 さらに、広げた蓋の内側を先端でちろちろと舐め上げられ、成佳は不規則な呼吸に胸
を上下させた。
「あ……んぁっ……」
 宏樹は何度も口付けして、唾液と愛液が混ざった汁を飲みこんでいく。吸引されると
き、一緒に体が持ち上がりそうな感覚に陥った。
 与えられる愉悦と一緒に、反射で瞼が落ちる。目を開けると少し離れた彼の視線とぶ
つかり、羞恥が込み上がる一方で、しかし釘付けになってしまう。
「ん、あぁっ!」
 恥丘に埋まった顔から、さらに奥まで侵入しようと軟体が肉を分けた。ザラザラした
ものが襞と擦り合って、成佳はぞくりと寒気を覚えた。
 短く前後移動を繰り返し、指には真似できないうねりで蜜壺を舐る。表面にぶつかる
息も熱く、掬ってきた液をすする音が耳に入って、性感の刺激からは逃れることができ
ない。
「あん……っ、はっ、く、ふぁ……」
 体の中をかき回され、その光景が目の当たりになって、成佳の鼓動は速まるばかり。
 ようやく手が顔までやってきて、それで視界を覆うはずが、指の隙間から淫らな行為
を覗き見てしまう。膣でうごめく宏樹の舌は前触れなく引っ込み、じゅ、ずず……と強
く吸い付いて啜る。
「ひぁっ、あ……ひ、ろ、ヒロ……っ!」
 容赦ない宏樹の攻撃は、昂る性感を吸い取ってはくれない。ただ上昇するだけのそれ
が臨界点に達しようという寸前、成佳は顔に乗せていた手を彼の方へ伸ばし、がしぃっ、
と思い切り掴んだ。
「――っ! あ、あぁ……」
 いっしゅん視界が白くなり、身体が硬くなった。伸ばした手がぴんと張り、オーガズ
ムの振動を少年にも伝える。
「ん、おいし……」
 可愛らしい少女が蜜壺から溢れさせた汁を口に含んで、宏樹はぽつんと呟いた。
 痙攣を終え、すっかり脱力した下肢をベッドに乗せる。
「は、ふ……」
 激しく責め立てた宏樹の口が優しく触れて、ぼんやりしていた成佳の意識を引き戻す。
舌を迎えて二回目、ちょっぴりえっちなキスがこの時間を締めくくった。

「もう少ししたら家まで送るよ」
 絶頂の後、横に座っている少年がそう言った。
 その手に頭を撫でられながら、成佳はのんびりと目を動かす。
 くすっとはにかんだ顔が、やはり女子みたいだった。
「……ん、どうしたの?」
 触れている箇所を掴んで、宏樹の注意を引く。顔が近寄り、声の射程圏内。
 簡単な音ばかり出していた口を色々な形にして、耳に届ける。彼が驚いた表情から回
復して、「わかった」と口にするまで、話し終えてから少しかかった。
「待ってて。お風呂の用意するから」
 言い残して、宏樹はベッドから降りる。部屋を出る直前に一度振り返り、ドアが閉ま
った。
 成佳は重たい体を起こすと、脱げたショーツをあてがった。舐められ、かき回され、
液の滲む恥丘にとっては気休めにしかならないが、布ひとつない下半身には無いよりマ
シだ。
 取り替えたはずのシーツは、先に宏樹が飛ばした白濁と、今しがた自分が噴き出した
膣汁の跡があって、とても使い物にはならなかった。ひとつ溜息をつく。
『気持ち良かった。……すごく恥ずかしかったけど』
 得も言われぬ達成感。成佳はひとりだけの部屋で、言いにくそうにしていた宏樹の言
葉を噛みしめた。
2011年12月15日(木) 10:40:18 Modified by ID:yaigDm7HYA




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