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無口なミュウマ

 ぼくは、いつもの保健室で目を覚ました。
 小さい頃から体が弱くて、よく保健室にお世話になっている。
 今日も朝礼で気分が悪くなり、ここに来てそのまま眠っていた。

 天井が仄明るい。
 グラウンドに反射している初夏の日射しを、窓から受け入れてるんだろう。
 ぼくのいるベッドは、つい立てに囲われている。外は見えない。
 隣のつい立ての向こうにはベッドがもう一つあるけど、いつも誰もいない。
 足元のほうにいるはずの、保健の先生も気配がない。

「静かだな……」
 ただ、わずかに体育の授業をやってる音が聞こえる。
 野球かな。高い金属バットの音と同時に、女子の歓声が響く。
 窓際から授業そっちのけで応援してるんだろう。

 ふいに、すぐ近くから鳥の羽ばたきが聞こえた。
 またカラスが来てるのかな……。カラス、多くなったなぁ。

 そんなまだ半分眠っている思考の中にぼんやりと、ある女の子の顔が浮かぶ。
「そう言えば佐藤さん、そんなのに全然興味なさそうだったな……」

 ぼくには最近、気になる女の子がいた。
 名前は佐藤 美馬(さとう みうま)。
 彼女はいつも一人で、教室の窓から外を見たりしてる。
 実は特に何を見ているわけでもなく、ぼんやりとしているだけみたいだけど。
 成績も運動も普通。話しかけられれば返事はするが、ほとんど単語だけ。
 会話が続いているのを見たことがない。
 誰にも興味が無さそうで、必要以上にしゃべらない。無口だ。何を考えてるんだか全然分かんない。
 でも、そこがぼくの興味を惹いた。
 知りたい。彼女が何を考えているのか。
 そう思った。

 見た目は全体的に小さい。出るところも全然出てない。
 高校生なのに、第二次性徴のまだない少年とも少女ともつかない、そんな中性的な雰囲気だ。
 髪は普通に黒く、短めで肩より上。
 顔はけっこう整っている。でも、きれいというよりは幼い、かわいいといったほうが似合う気がする。
 瞳は印象的だ。明るい茶色、とび色っていうのかな、そんな感じ。

「でもなぁ……」
 ぼくは腕を上げて、それをもうかたほうの手で確かめた。なんて白くて細い腕。
 ぱたりと腕をベッドに落として、溜息をついた。
「こんなんじゃ、佐藤さんどころかどんな女子でも相手にしないよな……」

 ふいに人の気配がした。
「大丈夫? 佐藤さん」
 あの声は、うちのクラスの保健委員だ。どうやら佐藤さんを連れてきたらしい。
 佐藤さんが保健室に来るなんて珍しい。
 確かに物静かで無口な子だけど、いつも普通に元気そうだった。

 保健委員は佐藤さんを奥のベッドのほうへ連れて行く。
「先生いないけど、とりあえずそこのベッドで横になってればいいよ! それで大体、大丈夫だから」
 保健委員は大雑把な性格だった。

 保健委員が教室に戻ってしばらくすると。
 どこからか優しい花の香りが漂ってきた。佐藤さんの香りなんだろうか。
 ちょっと頭を回して、隣のつい立てのほうを見た。
 窓から入る明かりで、つい立てには佐藤さんのシルエットが映っている。
 彼女は横向きに転がっていた。シーツを被っているようだ。
 つい立てひとつ隔てた向こうに、佐藤さんがいる。その状況にちょっとドキドキした。

 彼女のほうを何となくそのまま見ていた。
 肩が動く。
 シーツの衣擦れと一緒に、かすかな金属音がした。
 なにかアクセサリーのチェーンみたいだ。

 彼女が微妙に震えだした。
 吐息と声が聞こえてくる。
「……ふっ……うう」
 これは……泣いてる?
 どうしたんだろう。
 なにがあったんだろう。
 彼女は何か、つぶやいた。
 しかし、それは聞いたこともない言葉だった。
 でも。
 悲しげなのは、わかった。
 ぼくは……なにもできないんだろうか。
 好きな子が悲しんでるのに。

 いや。なにができるかじゃなくて、なにかしないといけないんだ。
 ワケがわからなくても、それでも、きっと。

 ぼくは息を大きく吸って、深呼吸した。
 そして。
「あ、あの佐藤さん?」
 声を掛けた。

 彼女の影が、びくっとなった。
「サハラ……君?」
 彼女のか細く頼りない声。
「う、うん。ぼく、体弱くてさ。よくここにいるんだ」

 返事はない。
 ぼくは心臓の鼓動をなんとかしようと右手で胸を押さえながら、話を続けた。
「佐藤さん、ちょっと聞こえちゃったんだけど、その、泣いて……ないかな」
 彼女の、すん、という鼻を鳴らす音が聞こえた。
「えと……ぼくでよかったら、話、聞くけど……」
 言った。言えた。

 しばらく沈黙。
 怒った、かな。それとも無視、なのか……。

 ふいに、彼女のシルエットが大きく動いた。
 ベッドから降りて、ぼくの足元のほうへいく。
 つい立ての向こうから、ぼくのほうをちらりと覗いた。
 ちょこっと頭から鼻先までが見える。
 髪はくしゃくしゃで、その瞳は潤んでいた。
 そのまま、そこで立ちすくんでいる。

 また、無言の時が流れた。
 ぼくがその沈黙に耐えられなくなって、何か言おうとしたとき。
 ここが静かでなかったら、聞き取れないほどの声がした。
「……いいの?」
 ぼくは体を起こして即答した。
「あ、うん! もちろんだよ」
 彼女はじっと見つめている。
「あ、えと、そ、そこで立って話すのもなんだから、よ、よかったらこっちに……」
 それってすっごい誘い文句じゃん。なに言っちゃってるんだ、ぼくは。
「あっ、いやそれってヘンてか、やらしい意味じゃなくて、ごめんね、なんかその」
 照れ笑いしながら、彼女のほうを見ると。
 彼女もちょっと笑って。
 ぼくの太もものへんにやってきて、ちょこんと腰を掛けた。
 短い制服のスカートがひらりと揺れる。

 彼女のきれいな太ももに置かれた両手は、緊張のせいなのか、きゅっと握られていた。
 彼女の横顔はうつむき加減で。
 寂しそうに見えた。
 それだけで、ぼくの心は締め付けられた。
 なんとかしてあげたい。

「それで……佐藤さん。なにか……あったの?」
 彼女はぼくの言葉を聞くと、スカートのポケットから何かを取り出した。
 握られたこぶしを、ぼくのほうへ突き出すと、ゆっくり開く。
 そこには銀色のペンダントがあった。さっきのチェーンの音はこれだったのか。
 ペンダントトップは卵形で、開くようになっているみたいだ。
 周りの飾りはものすごく細かく作り込まれている。
 よく解らないけど、相当高価な物に違いない。
「すごく、きれいだね」
 彼女は軽くうなずくと同時に、それをさらに突き出す。
「え、これぼくに?」
 彼女はちょっと笑って、首を横に振る。
「開けて」
「あ、そか、はは……」
 ぼくは勘違いに赤くなりながらそれを手に取り、ペンダントトップを開けた。

「えっ……これって……」
 そこにはどうみてもぼくの顔写真があった。
 だが、その肩まで写っている服装は見たこともないもの――なんというか貴族っぽいものだった。
「ぼくの写真……? にしては、こんな服持ってないし、撮られた記憶もないけど……」
 彼女を見ると、また軽くうなずいて。
 今度は寂しそうに笑う。
「それ、向こうであたしの好きだったひと」
 その言葉に対して瞬間的に色々な思考が巡り、ちょっとパニックになる。

 向こう? ってどこだろ。
 恋人がいたの? いや、好きだっただけなのかな?
 それがでも、ぼくにそっくりってどういうこと?
 なんでそれを見せたの?

 ぼくがそんな状態で、あわあわしながら彼女を見ると、その瞳が強く輝いていた。
「運命、信じる?」
「え……?」
「あたし、信じる」

 彼女はペンダントを持ったぼくの手を上から握った。
 ぐっと顔が近づく。
「もう戻れない。でも……」
 彼女の顔が、赤みを増しながら更に近づいて来る。
 ぼくはパニック度と血圧がぐんぐん上昇した。
「え、え、なに」
 鼻が当たるほどの距離。
 彼女が不思議な言葉を囁く。
 意味は解らないけれど、心地良くて。
 ぼくは彼女の頬の熱を感じて。
 彼女は目を閉じて。
 ぼくの唇を奪った。

「あ……そ、そんな、佐藤さん……」
 長く熱く濃いキスの後、彼女はぼくの太もものあたりで馬乗りになっていた。
 ぼくの股間が、彼女の開けた制服のズボンから飛び出している。
 ぼく自身はもうすっかり、彼女の手の中にあった。
 彼女は少し楽しそうに、ぼくのモノのぬるぬるとした先端部分を弄ぶ。
「う、く……」
 彼女はくす、と笑ってぼくを見る。
「はじめて?」
「そ、そりゃあ……。あ、もしかして佐藤さんは違うの? あの、ぼくに似た人と、その」
 首を横に振る。
「好き、だっただけ。してない」
「そ、そうなんだ」
 こっくりと、うなずいた。
 ぼくは彼女に失礼だけど、少しほっとした。
 男の身勝手、というか……好きな子の処女は自分が貰いたい、なんて思ってる。

 彼女は火照った顔でぼくの手を取ると、自分の制服のすそから中へ入れる。
「ふっ……ん……」
 ぼくの手がお腹に当たる。なめらかな肌触り。
 ムダな脂肪がないどころか、本当に子供のように痩せている。
「はぁっ……おっぱい、触って」

 ぼくは彼女の指示に従った。
 ハッキリ判る肋骨の上で、わずかに膨らんでいる胸。その先端が痛々しく尖っている。
「の、ノーブラなの?」
 恥ずかしそうに潤んだ瞳で、小さくうなずいた。
「そか……」
 ぼくは精一杯優しく笑って、彼女の乳首を親指で刺激した。
「ふぅ……んっ……はぁっ」
 小刻みに彼女の体が震えた。
 あごが上がって、背中が反る。
 その反応を見て、ぼくの股間に血が集まるのが判った。
 ソレを握っていた彼女が少し、はっとした。
「また、硬く……」
 彼女の手にぼくのモノから、鼓動が伝わる気がした。
「あ、はぁ……」
 彼女の眼がとろん、となる。
「も、もう、挿れたい」
 ひざ立ちになって、自分のパンツが覆っている大事な部分を晒した。
 その濡れてぬめぬめと光る割れ目からピンクの肉が覗く。
 そのまわりに毛はなく、つるりとしている。こっちも子供みたいだ。

 彼女はぼく自身に手を添えて、その部分にあてがった。
 ゆっくり腰を落としていく。
「ん! んん……」
 強い抵抗感がある。
 しかしそれさえも、強烈な快感の渦に巻き込まれている。
「あ、佐藤さんの中、すごく熱くて……っ! 気持いい!」
 彼女はあごを上げたまま、金魚のように口をぱくぱくさせている。
「く……はぁっ!」
 全体重がぼくの腰に乗った。
 根元まで、ぎっちり挿入された。
「あ、はぁ……ああ、うあ、はぁはぁ……っ」
 彼女はもう苦しそうではなかった。
 半分笑うように、口を開けて舌を突き出す。
 よだれがたれて、制服を汚した。
「サハラ君……きもち、いい……あたし、きもちいい」
 ぼくは彼女の腰を抱いて、中を突いた。
「うあっ! あ、ああ!」
 彼女の腕が、ぼくの首に回る。
 見上げると、その瞳は焦点が合っていない。
「はぅう……好き、好きぃ……ナオユキぃ」
 ぼくの名前を呼びながら、唇に吸い付いた。

「ん! んぷ、ちゅる、んん!」
 ぼくはあまりの淫乱ぶりにびっくりしたが、こうなったらもっと激しくしてやろうと思った。

「ん! どう! 佐藤さん! 良いんだよね、これが!」
 スカートの中に手を入れ尻を掴んで、思い切り突き込んでいく。
「うあ! あ! ふんぐ! あぁお! う!」
 彼女は軽い体を仰け反らせて、喘いだ。
「ミ、ミュウマって、呼んで! ナオぉ!」
 ぼくは腰をさらに回すように突き上げる。
「ん! ん! ミュウマ、腰が動いてるよ、スケベだなぁ!」
 彼女の腰はぼくの動きに合わせて、そのぐちょぐちょになった部分を強く擦りつける。
「ああはぁ! あたし、スケベ! スケベなのぉ!」
 彼女の腰がうねうねと、快感をむさぼるように動く。

 ぼくはそれを放置して、両手を上にずらし、彼女の制服をまくり上げた。
 淡いピンクの乳首が両方、露わになる。
 その硬く小さな先っぽを、唐突に吸った。
「ひうっ!」
 一瞬、彼女の動きが止まる。
 ぼくは構わず、さらに吸って舐めた。
「あぶぁ……! くるるぁ! いふぃんくぉ! いふぃ……」
 意味不明の言葉が飛び出した。

 彼女の動きが止まったままになったから、ぼくはまた、突き上げた。
「ん! ナオ、いふぃん! くるるぅ!」
 彼女は泣きそうな声を上げた。
 よく解らないがどうやら、絶頂が近いようだ。
「ぼくも、ん! い、イクよ! イクイク……!」
 ぎゅっと締め付けられる感覚が、ぼくの射精感をより強くした。
 彼女はぼくを抱きしめる。
 脚もぼくの腰に絡まる。
「あ、な、中にでっちゃ、出ちゃうよ! い、いいの? ミュウマ!」
 彼女はいやらしい水音と共に腰をぼくの腰に打ち付けながら、囁く。
「ん、いい、中で、中にいい! いふぃん、う、いふぃんんん!」

 不思議な、でも、かわいい鳴き声にぼくの我慢は限界に達した。
「あ、あっ! ミュウマ、出すよ出すよ出すよっ! うっうう!」
「ナオナオナオぉ! いふぃ! いふぃいふぃいふぃぃ!」
 ぎしぎしと安物のベッドが激しく軋んだ。
「うあぁぁ――ッ!」
「いぎぅ――ッ!」

 ぼくたちは、思い切り果てたあと。
 狭いベッドで、抱き合いながら微睡んでいた。
「ミュウマ……好きだ……」
 彼女の髪をくしゃ、と掻いた。
「ん……ナオ。好き……」
 初めてがこんな経験で良いんだろうかとか、それにしても誰も来ないってどういうことだろう、とか。
 そんなことをぼんやり考えていると。
 ベッドの片隅に、いつの間にか黒いオウムのような鳥がいた。
 くくっと頭をかしげると、急にしゃべった。
「ミュウマ様。ついに本懐を遂げましたか」
 ミュウマは上半身を起こすと、こっくりとうなずいた。
 黒い鳥がまた、頭をかしげた。
「ふむ。では、魔法を解きましょう」
 ミュウマは、ぼくに軽いキスをしてベッドを降りた。
 元々いた隣のベッドへ、手を振りながら戻る。
 鳥が一歩近づいて、首を上下させた。
「ナオユキ殿。ありがとうございます。これからも姫をよろしく頼みますぞ」
「は、はぁ」
 思わず、応えてみたものの、ワケがわからない。
 鳥が頭を左右に振った。
「その顔は、何が起きているのか判らないといったご様子ですな。では、説明しましょうぞ」

 鳥――執事ということらしいが、彼の言うにはこうだ。

 彼女は、一年前まで別の世界にある王国の姫だった。
 悪い魔法使いに追われて、秘められた魔法でこの世界に来た。
 その魔法は命はあるものの二度と帰ることは出来ないという過酷なものだった。

 魔法の力で、こちらに来たときには、もうミュウマは“ここに居る”ことになっていた。
 もちろん、執事も一緒だ。
 佐藤というのは、こちらの両親の名前だ。

 まだこちらでは一年しか経っていないから、こっちの言葉があまりしゃべれなくて、ほとんどが単語の返事になってしまう。

「さらに、ナオユキ殿は姫の思慕されていた隣国の王子の、こちらでのお姿なのです」
 うーん……にわかには信じられない。
 でも、もうこんな普通にしゃべる鳥とか目の前にいるし、信じるしかないかぁ。
「ですから、あなたに逢った時の姫の喜びようは……」
 てか、そんなの全然気付かなかったんだけど。
「姫はこちらでは言葉も拙い上、あのように内気なお方」
 ちらっと彼女のベッドのほうを見ると、最初と同じ姿勢で寝転んでいる。
 あれは……照れてるんだろうか。
「ですので、なかなか打ち明ける機会がございませんでした。
ところが、今日、あなたさまがこちらで寝ておられたところへ、偶然にも恋に憔悴された姫が来られて……」

 あー! それでペンダントを見て泣いてたのか。くぅ。なんてかわいいんだ。
「ありがとう、だいたいわかったよ。執事の、えと……」
「エルシャーロットデンバームヘンデル二世……もっぱら、エルと呼ばれております」
「エル、事情はわかったよ」
「ふむ。それでは今度こそ、魔法を解きましょう。ちなみに、これは時間がゆっくり流れるという魔法です」
 気付かなかったけど、そう言えばかなり経ったはずなのに外の明るさも全然変わってない。
「では、大切なことですのでもう一度、言いますよ。姫をよろしく頼みます」
 そう言うと、ばさっと羽を広げて天井のあたりをぐるぐる飛び回った。
 なにか呪文のようなものを唱えている。
 優しい花の香りがする。
「これは、最初、ミュウマがここに来たときに嗅いだ……そうか……全部、エルが仕組んでたのか……」

 ふと気付くと、ぼくは教室にいた。
 時計を見ると、まだ一時間目の途中だった。
 窓のほうから高い金属バットの音と同時に、女子の歓声が響く。
 そちらを見るとミュウマがいつものように外をボンヤリと見ていた。
「え……と……夢?」
 そう思ったとき。
 ミュウマがぼくの視線に気が付いた。
 スカートのポケットから何かを取り出して。
 こぶしから、光る卵形のペンダントトップを少し垂らした。
「あ……」
 彼女はそのとき、ものすごくキレイに、この初夏の太陽みたいに笑ったんだ。

《end》

次話
作者 coobard◆69/69YEfXI
2008年01月20日(日) 12:15:31 Modified by n18_168




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