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うちの妹が無口な理由

 うららかな日差しは、まだ微睡んでいるのか弱々しい。それでも、ここ数日降
り続いていた雪が降っていないだけ、随分マシだ。
 土曜の朝十時前。
 休日出勤するスーツ姿や、勉強熱心な制服姿、飼い犬と散歩する爺さんや婆さ
んをなかなかみかけない、中途半端な時間の自然公園。
 市、最大を誇る広大な敷地といっても、近隣に三年も暮らせば、勝手知ったる
庭といっても大袈裟ではない程度の広さだ。
 ――だからといって、
「……なあ。いー加減、諦めないか?」
「…………」――無言で否定。
「手袋なら兄ちゃんが買ってやるからさ、だから」
 そういう問題ではないらしく。小梅は小さな頭を、ふるふると横に振った。
 僕はわずかに落胆、しかし可愛い妹のためだと、気合いを入れ直す。――だが
その前に。
「ちょっと休憩しよう」
 ジュースの自動販売機を指さして言うと、僕のジャンバーの袖を掴む小梅は、
小さく頷いた。


 僕には妹がいる。
 六歳も離れた妹、今年でようやく十一歳。同い年の子たちの中でも、一段背が
低く、体が細いのは着ている服の上からでも分かってしまう。
 幼い頃より病気がちなのだ。
 とりたて持病があるわけではないが、そもそもの体力と免疫力が弱いらしく。
低学年の頃は、一ヶ月に二度は病院へ通い、少なくても一度は寝込む。
 病気がちのため、外で遊ぶことも少なく、いつもパソコンで何か遊んでいるの
は知っているが。何をしているのか、見ようとしたら、怒られた。
 僕の可愛いお姫さまの機嫌を取り戻すために、僕は洋服を二着、ハーゲンダッ
ツを一つ献上し、赦してもらえた。
 病気がちなか弱い少女。
 僕にはそんなイメージが強いためか、小梅と出かける時は、いつも不安になる。
 ――悪い風邪にかからないだろうか?
 ――こんなに速く歩いても大丈夫だろうか?
 ――転んで怪我をしないだろうか?
 ――目を離した隙に誘拐されはしないだろうか?
 でも、だからといって、家に閉じこめておくわけにはいかない。
 僕も、いつも一緒にいられない。
 だから不安になる。
 缶のコーンポタージュをちびちび飲む小梅を見下ろす。
 ニット帽をかぶる小さな頭に触れる。
 妹は驚いた顔で僕を見た。
 まつげが長く、どこか蠱惑的な見ていると吸い込まれると錯覚してしまう瞳。
 小ぶりな唇がわずかに開かれたが、なにとは訊かない。



 ニット帽から手を下ろしていき、艶やかな髪に触れた。
 冷えた髪は驚くほど冷たく、腰まである髪を撫でて、手を離す。
「寒くない?」
「……だいじょうぶ」
「疲れてない?」
 小梅はだいじょうぶだというように頷いた。
「買ってあげるからさ、やっぱり探すのは諦めようよ」
「…………いや」
「そう……」
 小梅がこれほど頑固だとは思わなかった。
 喧嘩してる時でも、一緒にお風呂にはいってくれるし、一週間もせず仲直りし
てくれる。
 だから、想う。
 落としてしまった手袋が、一時間探しても見つからないのに、諦めないのはど
うしてだろう――と。
 手袋なら、いくらでも買ってあげるのに。
 ……でも、
「よし、じゃあもうひとがんばりしようか」
 小梅はこくりと頷いた。
 でも、小梅が探したいというのなら、僕はそれに付き合うまでだ。


   ※※※


 更に一時間ほど公園内を歩き回り、お腹が空き始めた頃――
「あ」
 赤い手袋が落ちていた。
 ふわふわとした毛糸で編まれた、去年僕があげた手袋だ、見間違うはずもない。
 僕は思わず駈けだしていた。
 そして――転んだ。
「痛た」
 みると、ジーンズの凍った地面にぶつけた部分は、擦り切れ。中の傷口が覗き
見えた。
 血が出ていた。
 小さな足音が近づいてくる。
 僕は慌てて立ち上がり、振り返る。
「小梅、手袋あったよ」
 ジーンズが傷口に擦れて、痛みが走る。どくっどくっと血が脈打つのが分かる。
「…………」
 手袋を妹に手渡す――だが、予想したリアクションとは違い。
 小梅はほうけたように手袋を受け取り、何かをジッと見ていた。
 ――なんだろう?
「良かった良かった。さ、家に帰ろう」
「……それ」
「お腹も空いたし――え?」
 小梅のお人形さんみたいな指が、僕の膝/僅かに露出した傷口と血の跡をさし
ていた。
「いや、なんでもないよ、大丈夫だから」
「でも……手当、しないと」
 慌てて笑う姿が、強がってるように見えたのだろうか。小梅は袖を掴み、軽く
引っ張られる。
「……手当しないと」
 今日、僕は学んだことがある。
 ――小梅は、結構頑固だということ。

   ※※※


 傷口を露出させるのに、うっそりと雪が積もる屋外よりも、まだ公衆トイレの
中がいいと、妹にトイレに連れこまれる。
 大丈夫だと繰り返す僕の言葉は、小梅には届かない。
 心配されるのが、気恥ずかしくて、申し訳なくて、ほんの少しだけうれしい。
 公衆トイレの中は、想像していたよりも綺麗だったが、壁一枚隔てれば外であ
り、寒い。
 裾をめくりあげようとしたが、小梅が首を横に振った。
 一瞬、意味が分からなかったが――理解した。
 ……こんな所で脱げ、と?
 いや、それ以前に――
「小梅は外で待ってて」
「僕一人でもできるから」
「大丈夫、ちゃんとやるからさ」
「狭いから、ね?」
 いくら言っても小梅は、狭い個室からでてくれず。
 ハンカチを手に持ったまま、立っている。
「……脱いで」
 小梅が短く、しかし強く急かす。
 傷口は痛む。
 ……これも情操教育かと、僕は渋々といった様子で、小梅に手当を任せた――
内心、バカみたいに嬉しかったのだが。
 気恥ずかしくて、心の奥底にしまっておくことにした。
 ジーンズを脱ぎ。洋式トイレの蓋を下ろして、そこに畳んで置き座布団にした。
 傷口からは今も血が流れている。
 僕ですら顔をしかめるというのに、小梅は動じない。
 血を見て怯えるのは、僕が情けないからだろうか?
「じゃあ頼むね」
「…………」
 手当といっても、ハンカチを巻き付けるだけだと想ったが、違った。
 小梅は傷口に顔を近づけ、――舐めた。
「――――ッ!?」
 小さな熱い舌先が、凍えた膝に触れ、傷口をなぞるように舐める。
「こ、小梅」
 なにをされているのか、理解できなかった。
 傷口を舐める?
 なんで?
 流れ落ちる血を、柔らかそうなピンク色が舐めとる。
「汚いから、ダメだから。小梅、だめ。ね?」
 僕がどれだけ言っても小梅は聞いてくれない。
「なんで、なんでこんなこと……」
 膝に迸る、抉るような痛みに、僕の声は自然絶え絶えになる。
 ぞくっとするような電流が、背を這う。
 小梅の大きな瞳が、僕を見ていた。
「……消毒」
「え?」
「消毒、してるの」
 消毒?
 その言葉で、疑問が立ち消えた。
 そうか、傷口を舐めて消毒を――ってそんなバカな。
 舐めるくらいなら、水道水をかけたほうがいい。
 いやでも、がんばっている小梅に、そんなことはいえず。されるがままに、僕
は苦痛に耐える。


 耐えて耐えて、耐えて。いつのまにか目を瞑っていた。
 痛みと、妹が僕の膝を舐めているという現実から、目を逸らすため。
 こんなことをしてもらったと、高校の友人に言えば、ただでさえシスコンだと
言われているのに拍車がかかるなと、自嘲する。
 耐えて耐えて、耐えて。――不思議な感覚に襲われる。
 痛みが薄れていた、その代わり、快楽が僕の脳を支配しはじめていた。
 痛いのが、気持ちよかった。
 痛くされるのが、気持ちよかった。
 妹に痛くされるのが、とても気持ちよかっ――。
 ――駄目だっ!
 今、僕は何を考えていた?
 そんなバカな、そんなことがあってたまるか。
 それじゃまるで、それじゃ…、それじゃ………変態みたいじゃないか。
「……あ、」
 妹のつぶやきが聞こえた。
 目を開ける。
 妹は大きな瞳を更に見開き。
 ソレを見ていた。
「……あ、いや」
 薄手のトランクスの下にあるソレ。
 薄い布地が張りつめていた。
 驚き、体を揺らしたせいで、こぼれでる――ソレ。
 欲望が具体化した形。
 欲情が顕現した姿。
 興奮の証明。
 赤黒い勃起、トランクスの窓から突き出てしまった。
 僕は隠そうとした――と考えただけで、動けなかった。
 一緒にお風呂にはいっているのだ、なにを今更――それは言い訳。
「…………」
 妹の純真な/汚れのない/無垢なる瞳が、僕の陰茎を強くみつめる。
 ――そのことに興奮する自らに、気づかないフリはできない。
 猛り哮る肉望。
 妹に勃起を見せているという、喜び――よろこび? ……馬鹿な。
 妹に、見せて、喜ぶだなんて、僕は、僕は――
「小梅、手当は」
「…………うん」
 妹が再び傷口を舐め始める、しかしその視線は、猛りそのものに向けられたま
ま。
 僕は、自らの、陰茎を、掴んだ――理性が吼える。
 ゆっくりと、上下。直ぐにペースが速まる――理性が吠える。
 僕の小梅は、陰茎を見つめ、捉えて離さない。
 見たいのだ――理性が断末魔をあげた――小梅は、僕の肉望が見たいのだ。
 狂喜が、産声をあげる。
 妹に見られながらの自慰、妹の瞳に急かされるような自慰、妹の目に扇情され
ながらの自慰。
 妹を頭の中で犯す。
 その唇を辱め、その手を冒し、その躰を犯し、その精神すら侵す。
 僕の小梅が淫らに乱れる、淫猥な声をあげる、切ない吐息。
 総ては夢想――――本当に?


 それは本当に、夢想という虚実なのだろうか?
 着替えを手伝う時、妹の脱いだ下着を僕はどうしていた?
 一緒に風呂にはいる際。妹が肢体を洗う時、それを見て僕はなにをしていた?
躰を洗いあう時、前は自分で洗った?
 妹が僕のベッドにもぐり込み、共に寝る、本当に、それだけ?
 いや、そもそも。
 ベッドに入り込んむのは、本当に小梅の方からだったか? 僕が、小梅のベッ
ドに潜り込んだんじゃなかったか?
 思い出せ思い出せ思い出せっ。

 妄想と現実が曖昧になる、されてもいないことを現実だと想うようになる。
 思い出せ想い出せ想い射せ、おもいだせっ。
 僕は――。


「……んっ」
 小梅の短い吐息で、現実に帰還する――現実?
 小梅の善い兄。
 小梅と爛れた関係を持つ一人の男。
 そのどちらが、現実?
 小梅の善い兄だとしたら、何故僕は、膝を舐められ時に、抵抗しなかったのか?
 やめさせなかったのか?
「……お兄ちゃん?」
 小梅が不思議そうに見上げていた。
 僕の膝にはキティちゃんのハンカチが巻かれていた。
 陰茎は――でていない。
「……そうか」
 僕は安心した。
 妹の前で自慰をした、なんていうのは、僕の空想だったのだ。
 僕は立ち上がり、ジーンズを履き。
「さあ、帰ろう」
 妹の手を掴み、トイレを出た。


 ニット帽の下、綺麗な髪に、白濁した液体が散っていた。


――fin
2007年12月09日(日) 02:07:08 Modified by n18_168




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