広橋幸
ん?
なんだか女子社員のみんなが集まってる……。
なんだろう?
近づいてみると、一人の女子社員が小さな写真用アルバムを持っている。
それをみて、女子社員のみんなは、はしゃいでいるようだ。
「あ、広橋さん!!」
のっそりと近づいた私に気づいた一人の女子社員、山下さんが私にアルバムを見せる。
「実家の猫が子供産んだんですよぉ。で、親が馬鹿みたいに写真を送ってきちゃって……。広橋さんも見ますか?」
猫の子供……!!
それはそれはかわいらしいに違いない。
でも。
その時、私の稲妻が走ったような顔を見て、山下さんは戦いた。
「あ、そうですよね。し、仕事場に、こんなもの持ってきたらマズイですよね……。ゴメンナサイ!! すぐに片付けます!!」
あ、あの、違……。
否定する前に、すべてを片付けられ、みんなその場から去っていった。
「……見たかった、な……」
はぁ……。
そんな独り言をポツリ。
すると、どこからか聞きつけたのか、彼がやってくる。
そして、彼は、ポケットから一枚の写真を取り出す。
「たぶん、こうなるだろうと思ってな。もらっといた」
その写真には。
“無垢”としか表現できないような、子猫が無邪気に写っていた。
「……か、かわいい」
私は、その写真を胸に抱きとめた。
「そういうお前のほうが、かわいいぞ」
「……………?」
よく聞こえなかった。ので、聞き返すと。
「いや、だから、お前のほうが――、ふん。もういい」
そして、彼は去っていく。
あ、写真のお礼を言うのを忘れてた。
だから、私は携帯電話を取り出し、メールを送る。
件名『ありがとう』
作者 5-808
なんだか女子社員のみんなが集まってる……。
なんだろう?
近づいてみると、一人の女子社員が小さな写真用アルバムを持っている。
それをみて、女子社員のみんなは、はしゃいでいるようだ。
「あ、広橋さん!!」
のっそりと近づいた私に気づいた一人の女子社員、山下さんが私にアルバムを見せる。
「実家の猫が子供産んだんですよぉ。で、親が馬鹿みたいに写真を送ってきちゃって……。広橋さんも見ますか?」
猫の子供……!!
それはそれはかわいらしいに違いない。
でも。
その時、私の稲妻が走ったような顔を見て、山下さんは戦いた。
「あ、そうですよね。し、仕事場に、こんなもの持ってきたらマズイですよね……。ゴメンナサイ!! すぐに片付けます!!」
あ、あの、違……。
否定する前に、すべてを片付けられ、みんなその場から去っていった。
「……見たかった、な……」
はぁ……。
そんな独り言をポツリ。
すると、どこからか聞きつけたのか、彼がやってくる。
そして、彼は、ポケットから一枚の写真を取り出す。
「たぶん、こうなるだろうと思ってな。もらっといた」
その写真には。
“無垢”としか表現できないような、子猫が無邪気に写っていた。
「……か、かわいい」
私は、その写真を胸に抱きとめた。
「そういうお前のほうが、かわいいぞ」
「……………?」
よく聞こえなかった。ので、聞き返すと。
「いや、だから、お前のほうが――、ふん。もういい」
そして、彼は去っていく。
あ、写真のお礼を言うのを忘れてた。
だから、私は携帯電話を取り出し、メールを送る。
件名『ありがとう』
作者 5-808
2008年09月27日(土) 01:38:19 Modified by n18_168