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黒い犬はもういない


「ここか……」
プリントされた地図と携帯電話に表示された現在地を見比べ、俺は足を止めた。
興信所に迷い犬飼い主探しの名目で依頼して、たどり着いた住所。
周りは閑静な住宅街。高層の集合住宅は少なく、小奇麗な平立ての一軒家が並ぶ。
目の前には、偽レンガで覆われた新築の洋風2階建て。
敷地面積は100坪程だろうか、庭もそれなりに広い。
請った造りの門の脇に、"鈴木"の表札。
ふと、横を見やると付いて来ている筈の姿が見えない。
「……なにをやってるんだ」
黒いワンピースの上に白いカーディガン姿。
同行者である小柄な少女が、電柱の後ろでしゃがみこんでいた。
ちらりと顔を出しては、すぐに引っ込める。さっきからそれを繰り返している。
「逃げるな」
このままでは通行人の視線が気になる。
少々強引に、少女を物陰から引き出す。
俺に手を拘束された彼女は俯いたまま、鈴木宅の方を直視しようとしない。
「ここで間違いないか?」
少女は目を閉じ、躊躇いつつも顔を上げ、鼻をひくつかせる。
十数秒はそうしていただろうか、彼女はゆっくりと目を開けると、寂しそうな顔で呟いた。
「懐かしいひとの、におい」
握った彼女の小さな手が、俺の指を強く握り返してくる。
微かに震えるその手。
「……行くぞ」
俺はその手を引いて、アール・ヌーヴォー風のアーチ門に向かった。
門の横に呼び鈴を見付け、指を伸ばす。
その時、敷地の中を覗き込んでいた少女が息を呑んだ。
丁度邸宅の扉が開き、小学校中学年くらいの女の子が姿を見せる。
女の子の手にはリード線が握られており、その先には一匹の小型犬が繋がれていた。
女の子は散歩をぐずるヨークシャテリアをあやしながら抱え上げる。
犬の我侭に翻弄されつつも満更ではない、そんな様子。
幸せそうな笑顔。
俺がその様子を眺めていると、傍らの少女は突然踵を返し、元来た道と違う方へ駆け出した。
すぐにその姿が青白い炎に包まれ、黒い犬が飛び出る。
そのまま弾丸の様なスピードで、その場から走り去った。
「おい!」
止める間もなく、あっと言う間に姿が遠ざかる。
それでも追おうと走り出す俺の前を、突然バスが横切った。
クラクションを鳴らしながら一旦停止した市バスが再発進し、排ガスが晴れた向こう側には誰の姿も認められなかった。
「あの」
呼び止められ振り返ると、件の犬を抱えた女の子が怪訝な顔で俺を見上げている。
「ウチになにかご用ですか?」
俺は今すぐにでも少女を追うべきか迷ったが、思い直して少女にお辞儀して見せた。
「鈴木さんの御宅ですね。少々お話が――――――」

     * * *

一夜が明けた。
この間まで鮮やかな色を見せていた紅葉もあらかた地に伏し、くすんだ落ち葉と枯れ枝ばかりが辺りを覆う、晩秋の山。
人里離れた、と言うわけでもなく、1キロメートルもしない所に高層住宅も見られる。
それでも、人の行き来は無い。時折車道を車が物凄いスピードで通り過ぎるだけ。
傍らのバス停標識に『長らくのご利用有難うございました』云々と書かれた、まだ真新しい張り紙。
その脇のベンチに腰かけて、俺は彼女を待っていた。
もう、朝から6時間は経過しているだろうか。
真昼を過ぎた空は快晴だった。
冷め切っている缶コーヒーを飲み干し、ゴミ箱に放り投げる。
狙いを逸れ、離れた場所に転がっていく空き缶を拾いに立ち上がった拍子に、こちらに向かってくる人影を認めた。
よたよたと頼りない足取り。少し薄汚れた服。空虚で何も考えていないような表情。
彼女だった。
「早かったな」
少女は俺の姿に気付くと、目を丸くする。
「どう、して」
「鈴木さんのお宅で聞いた。昔の住所とかな」
俺は上着を脱いで、呆然と立ち尽くす彼女の肩にかける。
上着越しに抱きしめた躯は、冷え切っていた。
「腹へってないか」
ふるふる、と首を横に振る。
その拍子に、少女の腹が変な音を立てた。
「……今は菓子パンぐらいしかないが」
鞄の中から定価110円のアンパンを取り出し、彼女に無理矢理持たせる。
「……いただきます」
顔を赤くしながら、彼女は包みを開けて少しずつパンを齧り始めた。
ゆっくりとアンパンを食べる少女をベンチに座らせ、俺もその横に腰かける。
暫く無言で、彼女が落ち着くのを待つ。
「あっちから来たのなら、もう見てきたんだな」
パンが半分ほどになった所で、俺は話を切り出した。
少女の口が動きを止める。
俺は工事中のテープが張られたあの家の、正面に張られていた文言を思い出す。
"区画整備の為取り壊し"。
「帰ったらきっと元通りになってると、知ってる人が待ってくれていると、そう思ったんだろう。
ありえないと判ってるのに、昔には戻れないと知っているのに」
彼女の手が震える。
彼女の唇が戦慄く。
彼女の瞳が揺れる。
「判らなくもないよ。俺もそうだった。
いつかあの人が帰って来てくれるんじゃないかと、心のどこかで期待していたんだ」
俺は惰性であの家に留まっていたから、ずっと夢を見ていられた。
夢を見る場所すら奪われた少女。
その瞳から、涙が零れる。
「うぇ……グっ」
漏れる嗚咽。
次から次へと、滴が頬を伝い、アンパンに滴り湿らせる。
少女は湿った部分を齧るが、涙は止まらない。
彼女は泣きながらパンを食べ続ける。
「泣けばいい。思い切り。
泣き終わるまで、ずっと傍に居るから。
だからもう、黙ったままどっかに行くな」
俺はそれ以上何も言わず、そっとその肩を抱き寄せた。

11月の日没は早い。
あれからバスと電車を乗り継いでようやく街に戻ると、すっかり暗くなった家路を急ぐ。
疲れた足に鞭打ってゆっくりと歩を進めている。
不意に背中の荷物がもぞりとうごめいた。
「ん……」
「起きたか」
泣き疲れ眠っていた少女がようやく目を覚ます。
身じろぎした拍子に彼女の体がずれたので、持ち上げて背負い直した。
「疲れただろう。このままにしていろ」
背後でこくんと頷く気配。
疲れを見せないよう足に力を入れる。
そのまま、無言で歩き続けた。
「鈴木さんの家だが」
背中の彼女がびくりと震える。
「見付かったのなら、お前をもう一度引き取りたいと、そう言っていたよ。
お前は、別に捨てられたわけじゃなかった」
口先だけだったのかもしれない。飼い犬を捨てたなんて外聞が悪いことだろうから。
ただ、あそこの娘さんは本気だった様に思える。
俺の他にも、心配してくれる人がいる。
俺の家以外で、生きていくことも出来る。
それだけは伝えたかった。
「まあ、とりあえず今後のことは明日考えよう。
今日はうちでゆっくり休め」
「ダメですか」
か細い声で、少女が問う。
「え?」
「ずっと、ツヨシさんと一緒じゃ、ダメですか」
彼女の言葉を反芻する。
"ずっと"、の意味は軽くない。
お互いに身を委ね合う。
それで相手に裏切られても、自分の責任であることを受け入れる。
それを、どちらかが居なくなるまで続けると言うこと。
一度裏切られた彼女には、それが判っている。判っていて尚、その言葉を口にする。
俺はもう、この少女まで裏切りたくなかった。
「……駄目なんて言うか」
俺は前方に顔を向けた。
今の顔を彼女に見られたくなかった。
「俺からも、頼む。
ずっと、一緒に居て欲しい」
少女は、目を丸くして俺を見た。
「嫌か」
慌てて首を振ると、彼女は俺の背に顔を埋めて、小さく囁いた。
「……います」
「え?」
振り向いた俺の顔に、温かいものがぶつかる。
唇に、やわらかいものが押し付けられる。
「――――」
思考が停止する。
彼女の唇が離れ、ようやく我に返った俺は、唇を押さえて立ち尽くした。
「お前……」
「ありがとう、ございます」
それだけ告げると、彼女は再び俺の背中に顔を埋めてしまう。
彼女の耳は真っ赤だった。俺のもきっとそうなのだろう。
「ええと……」
「……」
両者二の句が告げられず、路上で途方にくれる。
「とりあえず帰るからな」
なるべく動揺を表に出さぬように勤めながら、俺は何事もなかったかのように家に向かった。
心なしか、早足で。

「良く考えてみたら、こっちの姿で家まで運べばよかったのか……」
疲労困憊しながらも、どうにか家にたどり着いたは良いが、全身すすまみれの彼女をそのまま家に上げるのは憚られた。
そこで、取り合えず犬になってもらって風呂場へ直行。
現在スポンジで全身をくまなく洗っている最中だ。
黒い犬は大人しく目を瞑ってじっとしている。おかげで随分やりやすい。
泡立てたスポンジで強すぎない程度に毛並みを擦ると、彼女は気持ち良さそうに鼻息を漏らす。
耳の穴やら尻やらまで洗い、ドライヤーをかける頃にはクタクタになっており、ブラッシングまでかけてやる気にはなれなかった。
「すまん、続きは明日だ。
俺も風呂入って寝る」
一方的にそう告げると、ふらふらと風呂場に向かい、汚れて濡れた服を脱ぎ捨てて風呂場に戻る。
(疲れた……)
心中で呟きながら体を軽く流して、ボディーシャンプーでタオルを泡立てる。
体を拭いていると、背後の洗面所に誰かが入ってくる音。
摺りガラスに映る人影。
俺はそれ程驚きはしなかった。
そう来る可能性も、何となくは感じていたから。
「一緒に入るか」
少女がいつまで経っても無言で佇んでいるので、俺から誘いをかける。
「おいで。洗ってあげる」
暫しの間を置いて、衣擦れの音が聴こえて来る。
やがて、そろりと少女がヒトの姿で顔を出した。
顔を真っ赤にして、タオルで前を隠しているのがなんだか可笑しかった。
「犬のときは素裸なのに」
苦笑しながら立ち上り、中々風呂場に踏み入ろうとしない彼女の手を引いてひっくり返した桶の上に座らせる。
「湯、かけるぞ」
まずは普通に、体を流して、シャンプーとリンスで髪を洗う。
掌で泡立てて、頭の皮膚まで縫うように、そっと黒い髪を漉く。
出合った時より少し伸びた髪を、傷めないように解きほぐして行く。
彼女は犬の時の様に、目を瞑って大人しくしている。
「体も洗うぞ」
シャンプーをつけたタオルで背中から肩、腕にかけて満遍なく拭いた。
ちょっとくすぐったそうにしているが、抵抗は無い。
問題はその後だ。
「……前も洗うからな」
そう言うと、肩から鎖骨、更にその下へとゆっくりタオルを滑らせる。
薄い乳房を撫でても、彼女は微かに震えただけで、やはり抵抗しなかった。
泡でまだ堅さが残る膨らみを覆い、タオル越しに揉み次第ていく。
只でさえ紅潮していた彼女の頬は、今や茹蛸の様になっている。
羞恥のためだけではないだろう。
十分に馴らしてから、さらに布地で先端を擦る。
最初は軽く、次第に強く。
「…………はぅ」
彼女の口から熱い吐息が漏れる。

「直接触るぞ」
もどかしくてタオルを除け、両の手で直接熱い乳房に触れる。
力を込めると程よく帰ってくるリバウンド。
やわらかすぎず、堅すぎず。大きすぎず小さすぎず。
張りを調整したゴム鞠みたいで、それでいて感触はきめ細かな絹地のよう。
「……すごく、いいなこれ」
思わず漏れた本音。
彼女は恥ずかしそうにうな垂れた。
揉むだけではない、いまやはっきりと屹立している乳頭を、指の腹でしごき、挟んで軽く捻る。
その度に未知の快楽で彼女の躯が小さく跳ねる。
何かを求めるように首を捻り、見上げてきた彼女の顔、その唇を唇で塞ぐ。
乳房を虐めながら、舌を絡め、歯茎を突き、互いの唾液を嚥下する。
ぐちゃぐちゃを水音を立てて彼女の咥内を蹂躙し、侵入してきた彼女の舌に征服された。
そんなことを繰り返しているうちに呼吸困難に陥った彼女を、名残惜しくはあるが開放する。
荒い息を整えている彼女の耳元にそっと口を寄せる。
「エッチなこと、したい」
もうしてるじゃないですか、と声にならない視線による抗議を黙殺し、シャンプーと唾液まみれの体を流してタオルを洗う。
シャンプーを十分落としてタオルを彼女の股間にあてがうと、布地越しに秘部を撫でた。
じわり、と湯以外の何かが染みていく。
「よかった、結構濡れてるな」
耳元で囁く。
「気持ちいい?」
恥ずかしそうに小さく頷く彼女。
「もっと気持ちよくしてあげる」
タオルをそこにあてがったまま、裂け目を探して指をうごめかせる。
探り当てた秘裂に布地を押し込み、壁面をそっと擦った。
ぬめりを持った膣壁は簡単に布をくわえ込み、スムーズに摩擦する。
少女は突然襲ってきた快感に、声もなく仰け反った。
「こうすると、繊維が壁と擦れて気持ち良いだろう」
ぐちゃりぐちゃりとかき回しながら、いちいち言葉に出して彼女の反応を楽しむ。
「つよし……さん、性格、かわって、ま……うぅ!!」
確かに、こういう時だけ妙に積極的になっている自分を自覚する。
苦笑しながら、程よくほぐれた膣口にそろそろと指を近づける。
周りからじらすように指を這わせ、最後にタオルで軽く拭った後、露になった陰唇に直接中指を入れた。
身悶えする彼女の躯を後ろから抱きしめ、落ち着いたところで入れた指をかき回す。
彼女の中は既に熱くたぎっており、指を回すごとに透明な滴が溢れ出た。
液が滴るたび、タオルで拭いつつ周りを弄る。
限界が近いのだろう、熱に浮かされたような顔で、少女がキスをねだる。
首を曲げて唇に吸い付きつつも陰部を弄る指は休めない。
キスの合間に喘ぎつつ、俺の両腕を抱え込んで彼女は絶頂に供えた。
中に捻じ込んだ指を曲げ、膨れた部分に触れる。
膨らみを何度かほぐし、包皮を剥いて核を弾く。
瞬間腕の中の躯が大きく震え、二回三回と痙攣した後、ぐったりと俺の方へもたれかかった。
「イッたか」
肩で息をしながら、潤んだ瞳で少女は何度か頷く。
指を引き抜いた裂け目から、熱い液がだらりと漏れ出て広がる。
力の入らない体を簡単に洗うと、俺は彼女を抱えて立ち上がった。
「あがろう。続きはベッドの上で」

ベッドの上に素裸の彼女を横たえると、俺もそれに覆いかぶさるようにベッドに上がる。
少女の頬に手をあてて、一応の確認を取る。
「あー。今から俺は自分の男性器をお前の女性器に挿入して――」
「知ってますそれくらい」
あまり馬鹿にしないで欲しい、と膨れる彼女。
俺はその顔を抱え上げると屈み込んで唇を合わせる。
浅く、長いキス。
唇を離すと、その体を抱きしめる。
この関係は傷の舐め合いかもしれない。
最初は単なる同情だったのかもしれない。
それでも、今、言っておくべき言葉があった。
「好きだ」
少女も嬉しそうに、
「好きです」
と囁く。
少女が微笑む。
吊られて俺も笑った。
緊張がほぐれたところで、彼女の股をそっと押し広げ、裂け目の周囲に軽く触れる。
そこはまだ湿り気を残しており、何より熱い。
「挿れるぞ」
彼女が頷くのを確認して、赤黒く膨れ上がったペニスを彼女のそこにあてがう。
入り口の所で何度か擦り合わせ、互いの愛液で先端を塗りたくると、両手で固定してぐっと腰を押し進めた。
亀頭が狭い膣壁を押し広げ、メリメリと分け入って行く。
未熟ながらも新鮮な女の感覚に、久しく役目を果たせないでいた男根がいきり立つ。
さらに強くなる肉壁の圧迫。
少女は唇を噛み、シーツを掴んでじっと異物感に耐えている。
途中で何かに阻まれるも、勢いを殺さず一気に貫いた。
突然の苦痛に少女は悲鳴を上げて悶えるが、両腕を押さえ腰に重心をかけてしっかり組み敷く。
「ごめん。すぐ終わらせるから」
双眸に浮かぶ涙に罪悪感を駆られながらも、オルガズムの欲求と繋がりたい願望が勝り、腰を止めるには至らない。
ぬめる破瓜の血と分泌液。
なんとか全てを彼女の中に収め、ようやく一息ついた。

「大丈夫か」
気丈にも頷きつつ、少女は顔を上げて瞼を閉じ、キスをねだった。
繋がった状態のまま、屈み込んでキス。
何度か啄ばみ合う内に、下半身が更なる熱を帯び始める。
「……!? まだ大きくな――――ッンああああ!!」
彼女は唇を離し悲鳴を上げた。
「すまん。もう、我慢できない」
彼女の膣壁が妖しい蠢きで俺の先端を攻め立てる。
理性はもう、決壊寸前だった。
早く彼女の中にぶちまけたい、本能はそればかり要求してくる。
俺は彼女の肉壁に擦り付けるようにペニスを往復させ、何度も腰を打ち付けた。
「ぐゥっ……くッ!」
「んッ――――! んッ――――! んッ――――! あぁッ!!」
俺が法悦に酔い痴れる一方、少女はまだ快楽より苦痛が上回るのか、痛ましい悲鳴を上げてる。
だが甘く痺れ、理性が麻痺した頭では、もう腰の動きを止めることはできない。
「……行くぞ」
限界を悟った俺は最後に最奥まで押し進めると、ぎゅっと少女の躯を抱きしめた。
弾ける思考。
瞬間、男根が大きく痙攣し、一度二度と精液を彼女の中に吐き出す。
射精は中々収まらず、ようやく収まる頃には溢れ出た血交じりの液で腰周りがぐっしょりになっていた。
全部出し終えてから性器を引き抜くと、更に液が溢れ出してシーツを汚す。
「ごめんな。痛かっただろう」
小さな頬を撫でていると、少女はそっとその手を取り、掌に口付ける。
皺の上を舌が這ってくすぐったい。
俺は力なく倒れ伏す少女を抱え起こして軽くキスをした。
まだ痛むのだろう。時折彼女が目をしかめる。
少女はそれでも俺に笑みを返してくれた。
俺の胸にあたたかいものが広がる。
「それと、ありがとう」
華奢な体を抱きしめながら、そのまま二人してベッドに倒れこむ。
体は疲れきり、事後の処理は後回しとなった。
ぬくもりに包まれながら眠りに落ちる。
彼女と子供は成せるのだろうか。成せるとして、どんな子になるのか。そんな取り止めのない事を考えながら。

     * * *

首筋を這う、温かな感触で目が覚める。
窓の外はまだ暗いが、長い間まどろんでいたようだ。
ふと視線を落とすと、美沙の頭がすぐ近くにあった。
「んむ……はむ……はふ……」
俺の胸に顔を押し付けて、何故か肩やら首やらに甘噛みを繰り返している。
「……くすぐったい」
そっと頭を押しのけると、美沙はとろんと焦点の定まらない瞳で俺を見返した。
寝惚けていただけらしい。
「お早う――――ちょっと早すぎるか」
おはようのキスを交わして、再びベッドに転がる。
そのまま仰向けで、緩やかな美沙の髪の先を指で漉きながら、ぼーっと天井を眺めた。
「……どうかしました」
目が覚めてしまったのか、意識を取り戻している美沙が小声で尋ねる。
「ちょっと、な。
昔のことを夢に見た」
そう、彼女と出会ってから、もう3年になる。
あれから、色々な事が変わった。
美沙は名前を得、戸籍を取り、今では学生をやっている。
そして1年前のある日に、突然美沙はこう告げた。
『犬になれないんです』
少なからぬ衝撃。
その事実も偉大なる日常の流れに押し流され、結局あの日以来彼女は人間の姿のまま、つつがなく日々を過ごしている。
今となっては、かつて彼女がヒトでなかったなどど、誰が信じよう。
机の引き出しに仕舞ってある古びた首輪だけが、唯一彼女の生来の思い出となった。
あの黒い犬は、もういない。
果たして、これで良かったのか。
お話で人間になったピノキオは幸せだったのか。
取り留めの無い思考は、美沙が再びキスをねだって来たために中断される。
口の周りは直ぐに涎まみれになってしまう。
もぞりとシーツが蠢く。
美沙はしきりに下半身のほうを気にしていた。
「……すごい」
俺の下腹に手を当てて呟く。
「昨日あんなに出したのに」
「いや、これは生理現象で――――まあいいか」
屹立しているものが白魚のような指に扱かれているのを止める気にはならない。
既に眠気は吹き飛んでいた。
俺も彼女の股に手を伸ばし、体勢を入れ替えて、昨夜散々突き込んだ秘裂に舌を這わせる。
休日の朝の特権として、ゆっくりと爛れた起床時間を愉しんだ。
お互いに一発。疲れつき倒れた二人は再びまどろみの世界へ。
「今度起きたら何をする?」
「そおですねえ……」
ゆるんだ笑顔を抱きしめながら、俺は眠りに落ちていく。
意識が途切れる直前「しあわせですよ」と呟く声が聴こえた。
2011年08月23日(火) 09:47:20 Modified by ID:uSfNTvF4uw




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