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図書室de小ネタ(仮題)

図書室の隅に座り、本を読んでいる眼鏡をかけた少女。
背筋を伸ばし、姿勢良く本をめくる姿はすらりとした花を思わせる。
短い髪や無表情はやや冷たい、無機質な印象がある。
――さしずめ、冬に咲く花といったところか。

静寂に包まれた図書室の中には、頁をめくる、パラリという音が時折り響く。
そして少女の、小さな、儚い息遣いも、幽かながらに空気を震わせていた。
無機質な雰囲気のある少女が、生命と熱を持つ存在だと確認できる一瞬だ。

静かに。ただ静かに本を読み進める少女。

彼女は不意に、パタン、と強い音を立ててハードカバーの本を閉じた。
突然立てられた音は、波紋のように空気を揺らす様子が見えるかのように存在感がある。
その音と、僅かに響いた残響音が、図書室の壁に吸いこまれていき、静寂が帰ってくる。
心なしかより一層深くなったような静寂。
その中で、少女は形の良いおとがいを上げ、眼鏡の縁に指先を当てながら振り向いた。

「>>1 お疲れ様です」

単調で、無機質な言葉。
しかし、言葉の後に僅かに浮かべた微笑みには、心から>>1を労う感情が感じられた。
一日に数えるほどしか喋らない、図書室の片隅に座る無口な少女。
その彼女の口から紡がれた言葉は、紛れも無く>>1だけに向けて贈られたものだった。



作者 7-2
2009年01月06日(火) 05:12:36 Modified by ID:IQvMW5p2LQ




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