短編@台詞なし(3)
放課後の教室。
携帯電話で時間を確認すれば、すでに午後五時を過ぎている。
もうそろそろ来てもいい頃だけれど、言っていたよりも作業が大変なのかもしれない。
暇潰しに作り始めた折り紙の鶴は、もう20個になる。机の上のカラフルな折り鶴。どれも綺麗にできている。
次を作ろうと、鞄から折り紙の束を出す。私は昔から折り紙が好きで、いつも鞄に忍ばせている。
彼は私が何かしらを作るのを微笑ましそうに眺めて、私ができたものをプレゼントすると、いちいち家に持って帰って部屋に飾っているらしい。
彼の嬉しそうな姿が瞼の裏に映るようで、私はなんだか可笑しくなる。
優しい彼。可愛い彼。格好良い彼。
いろんな彼を思い浮かべる。
声を出さない私を理解してくれる、優しい彼。
些細なコトで大げさに喜ぶ、可愛い彼。
私が困った時は助けに駆けつけてくれる、格好良い彼。
……彼のコトばかり考えていたら、なんだか顔が熱くなってきた。
目の前に居ないのに、なんだか照れてしまう。
彼がここに来るのはまだまだ先の時間かもしれない。
けど、待つのは嫌いじゃない。彼を待つのは。
彼の顔を思い浮かべながら、鶴を折る。
優しい彼。
可愛い彼。
格好良い彼。
愛しい彼。
大好きな彼。
彼を待ちながら、鶴を折る。
折り紙って無口っ子に似合うと思うんだ
携帯電話で時間を確認すれば、すでに午後五時を過ぎている。
もうそろそろ来てもいい頃だけれど、言っていたよりも作業が大変なのかもしれない。
暇潰しに作り始めた折り紙の鶴は、もう20個になる。机の上のカラフルな折り鶴。どれも綺麗にできている。
次を作ろうと、鞄から折り紙の束を出す。私は昔から折り紙が好きで、いつも鞄に忍ばせている。
彼は私が何かしらを作るのを微笑ましそうに眺めて、私ができたものをプレゼントすると、いちいち家に持って帰って部屋に飾っているらしい。
彼の嬉しそうな姿が瞼の裏に映るようで、私はなんだか可笑しくなる。
優しい彼。可愛い彼。格好良い彼。
いろんな彼を思い浮かべる。
声を出さない私を理解してくれる、優しい彼。
些細なコトで大げさに喜ぶ、可愛い彼。
私が困った時は助けに駆けつけてくれる、格好良い彼。
……彼のコトばかり考えていたら、なんだか顔が熱くなってきた。
目の前に居ないのに、なんだか照れてしまう。
彼がここに来るのはまだまだ先の時間かもしれない。
けど、待つのは嫌いじゃない。彼を待つのは。
彼の顔を思い浮かべながら、鶴を折る。
優しい彼。
可愛い彼。
格好良い彼。
愛しい彼。
大好きな彼。
彼を待ちながら、鶴を折る。
折り紙って無口っ子に似合うと思うんだ
2011年08月24日(水) 10:09:43 Modified by ID:uSfNTvF4uw